• 更新日:2023/07/05

簿記の資格は就職や転職活動、ビジネスに役立つため、毎年多くの人が受験する人気の資格です。日商簿記の資格は最もやさしい初級から最も難易度の高い1級まであります。その中で、簿記3級はもともと知識がない人でも勉強すれば受かるレベルと言われています。

この記事では、これから簿記の勉強を始める人に向けて、簿記3級の資格を取得するための効率のよい勉強方法や必要な勉強時間などを紹介しています。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 簿記3級の合格は100時間程度の勉強時間が目安。
  • 事前に最適な勉強方法を把握した上で進めるとより効果的。
  • 効率的な進め方は、1.参考書を1冊読み通す、2.過去問を解く、3.不正解の問題を参考書で見直す。
  • 簿記学習の5つのステップは、1.簿記を知る、2.簿記一巡を知る、3.勘定科目を覚える、4.仕訳のルールを覚える、5.集計のルールを覚える。
  • 初心者もしっかり対策すれば、十分合格が目指せる。

簿記3級に合格するまでに必要な勉強時間

簿記3級の合格に必要な勉強時間は100時間

簿記3級に合格するためには、100時間程度の勉強時間が必要です。ただし、簿記の予備知識があれば、100時間よりも短い勉強時間で合格できる可能性があります。たとえば、商業高校出身の人や経理業務経験者は、ある程度学習経験があるためスムーズに勉強を進められるでしょう。

最短で合格したい人の学習スケジュール

最短で合格したい場合は、1日あたり4〜6時間の勉強が必要です。1日あたり4〜6時間の勉強時間であれば、半月から1カ月程度で目標となる100時間を達成できます。具体的な学習スケジュールは、まず内容を理解するためにテキストを読み、問題に慣れながら理解を深めていきます。テキストの内容が理解できたら、直近の3回分の過去問題を解き、基準の合格点を目指しましょう。

間違えた箇所はそのままにせずにしっかりと見直して、理解を深めることが大切です。また、最短で合格を目指したい人は、インプットに時間をかけすぎず、予想問題や過去問題を解く時間を増やすことが合格への近道です。

じっくり勉強したい人の学習スケジュール

じっくり勉強したい人は、約3カ月の学習期間を目安に学習スケジュールを立てましょう。たとえば、試験が6月なら3月頃から学習をスタートする必要があります。最初の2週間はテキストを読んで内容の理解を目指します。次に、予想問題を解いて簿記の問題に慣れていきましょう。最後は、過去問題に挑戦し、合格点をとれるようにします。

仕事などで平日勉強時間をとれない人は、休日に勉強時間を増やす工夫をしてスケジュールを立てることが大切です。

簿記3級の勉強方法

簿記3級を取得するには、事前に最適な勉強方法を把握しておく必要があります。以下を参考に、効率よく学習を進めていきましょう。

おすすめの勉強方法は?

参考書で勉強する

独学の場合は、参考書選びが非常に重要です。自分のレベルに合ったもので、見やすく、理解しやすい参考書を選びましょう。1冊の参考書を理解できるまで繰り返し読み、問題の傾向や全体の概要をつかんでから試験対策問題を解きます。

なお、参考書選び・過去問対策については、2019年6月に出題範囲が改定されたので注意が必要です。


アプリで勉強する

簿記の勉強用のアプリも数多くリリースされています。仕訳対策アプリなど、問題を何度も繰り返し解ける便利なアプリを活用しましょう。通勤時間や家事の合間など、隙間時間を有効に使えて便利です。


通信講座で勉強する

通学する時間がなく、独学でも勉強をやりきる自信がないという場合は、通信講座がおすすめです。通信講座ではテキストが用意されているので、自分で選ぶ必要がありません。また、いつでも、どこでも学習できます。

疑問点に対する質問がすぐにできるなど、合格のためのサポートも整っています。ユーキャンの簿記3級講座では、初心者が3カ月で合格を目指せるスケジュールが組まれているのでおすすめです。


専門学校で勉強する

時間とお金に余裕のある人には、専門学校に通うことをおすすめします。専門学校では、試験の最新情報が常に得られるのでメリットが大きいです。また、疑問点がその場で質問できるため、解決に時間がかからないのも魅力です。

しかし、授業時間が決められているため、欠かさず受講することが難しい人には向きません。さらに学費が比較的高額なことも難点といえます。

効率のいい勉強の進め方は?

参考書を1冊読み通す

まずは、簿記の基礎をしっかり理解するために参考書を1冊読み通すことが大切です。時間がないという理由で基礎ができていないまま、問題を解こうとすると難しく感じ、簿記に対して苦手意識を持ってしまう可能性があるからです。苦手意識を持ってしまうと、モチベーションが下がり、勉強の効率も下がってしまいます。

また、参考書は何冊も用意せず自分が理解しやすいと思うものを1冊選び、理解ができるまで何回も読み込みましょう。わからない用語などを理解せずにそのままにしておくと、いざ問題に挑戦するときに困ることになります。参考書を読む時間をなかなかとれない人は、通勤時間など空いた時間を有効活用することがおすすめです。


過去問題を解く

簿記の基礎を理解できたら、次は過去問題を解くことに集中しましょう。過去問題は直近の3回分に絞って解くことが大切です。3回分くらいの過去問題を解けば、ある程度の出題傾向を把握できるようになります。

とはいえ、簿記3級の試験では、類似問題や応用問題も出題されます。そのため、過去問題の答えを丸暗記するだけでは合格できません。実際の試験で対応できるようにするには、どんな問題が出題されても対応できる計算方法や、簿記の知識を身につけておく必要があります。


不正解だった問題を参考書で見直す

過去問題を解くなかで、不正解だった問題は参考書を活用するなどして見直すことが大切です。見直しをする際は、間違えた原因をしっかり把握するようにしましょう。そして、もう一度同じ問題に挑戦し、解けるかどうか確認します。問題を解いて、見直しをするという学習を何度も繰り返し、全問正解できれば正しく理解が進んだといえるでしょう。

簿記3級では、過去問題と同じような問題が出題されることもあります。そのため、試験前の総仕上げとして過去問題は完璧に解けるようにしておくことが重要です。最低でも1週間から20日程度は過去問題に集中する期間を設けましょう。

簿記学習の5つのステップとは?

1.簿記を知る

まずは、「そもそも簿記とは何なのか」という基本知識を身につけましょう。たとえば、「仕訳」「複式簿記」の意味を理解します。このステップでは、あまり多くの時間を割かず、概要の理解にフォーカスして効率よく学びましょう。


2.簿記一巡を知る

簿記の基礎知識を理解したら、次のステップは簿記全体の作業の流れを把握します。簿記全体の作業の流れのことを「簿記一巡」と呼びます。簿記一巡をしっかり理解していることは、試験対策において重要なポイントです。以下が簿記一巡になります。

【簿記一巡】

1)取引の仕訳
2)仕訳を総勘定元帳に転記
3)試算表の作成
4)決算整理の実施
5)財務諸表の作成


3.勘定科目を覚える

次に、仕訳で使用する勘定科目を覚えます。簿記の勘定科目は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」に分類されます。それぞれ勘定科目の意味は異なるため、正確に名称と意味を理解しておきましょう。

たとえば、資産では「現金預金」「貸付金」「備品」などの科目があります。負債では「支払い手形」「買掛金」、費用は「法定福利費」「支払利息」といった科目を使用します。勘定科目はこれほかにも数多くありますが、しっかり覚えておきましょう。


4.仕訳のルールを覚える

勘定科目の学習の次は、取引を実際にどのように帳簿に記帳するのかを勉強します。簿記は仕訳のルールに従って記録していく必要があります。仕訳ルールを勉強する際は、簿記一巡を意識して、今どこを勉強しているのか把握しながら覚えると、より理解しやすくなります。


5.集計のルールを覚える

最後に、試算表へ集計するためのルールを勉強しましょう。集計は期間を定めて定期的に行う必要があります。試算表とは、仕訳帳をもとにして集計した表のことです。そして、試算表をもとにして外部に報告するための財務諸表を作成します。ここまでが一連の勉強のステップになります。

簿記の勉強に向いている人

簿記の勉強は、新しい用語を覚えたり反復練習が得意な人向き。ですが、不得意な人や初心者もしっかり対策すれば、十分合格が目指せます。

新しい用語を理解して覚えることや反復練習が得意な人は、簿記の勉強に向いています。しかし、反復練習が苦手だからといって、簿記の勉強に向いていないわけではありません。簿記の資格は、学習経験や実務経験がない人でも取得できます。

独学で勉強を続ける自信のない人は、スクールに通って同じ目標を持つ仲間と協力して勉強したり、通信講座などを上手に利用したりすれば、確実に資格の取得を目指せるでしょう。

試験当日の対策

試験当日は、解く順序を決め、自信のある問題から解くのがポイント!持ち込む電卓は使い慣れた機種にしましょう。

簿記の試験対策は、試験前の学習だけではなく、試験当日もいくつか意識しておくポイントがあります。ここでは、試験当日の対策を紹介します。

解く順序を決める・自信のある問題から解く

試験の問題をどの順序で解くのか、事前にある程度決めておきましょう。たとえば、第1問は15分で解き、第2問は20分で解くなど問題ごとに解答時間を割り振っていく方法があります。その際、最後に見直しをする時間も確保しておくことが大切です。

しかし、試験当日は緊張や不安から問題を解くのに時間がかかってしまい、予定通りに問題を解くことができないケースもあるでしょう。その際は、焦らずあわてず自信を持って解けるものから解いていくなど、臨機応変に対応することも大切です。本番でわからない問題があった場合、時間をかけて考えこまず、すぐに解ける問題にシフトするくらいの気持ちで挑みましょう。

計算機は使い慣れたものを選ぶ

簿記の試験では、計算問題が出題されるため、計算機(電卓)の持ち込みが可能です。普段から使い慣れているものを選びましょう。受験生が試験でミスしやすいのは、計算問題です。計算ミスをしてしまう原因の一つに、使い慣れていない計算機を使用していることもあげられます。使い慣れてない計算機だと、打ち間違いをしやすいためです。

簿記の試験の計算問題は、機能性に優れている計算機は必要ありません。簿記の試験はスピーディーに解くことが重要なので、大きめのサイズで数字が打ち込みやすい計算機を使用しましょう

まとめ

簿記3級の資格は、簿記の学習経験がない人でも最適な勉強方法で効率よく勉強すれば、合格を目指せます。独学やスクールなど勉強方法にもいろいろありますが、効率よく勉強するならユーキャンの簿記3級講座がおすすめです。

ユーキャンの簿記3級講座は、わずか3カ月で合格に必要な学力が身に付くので、忙しい人でも効率よく勉強できます。簿記3級試験の合格を目指す人は、ぜひユーキャンの簿記3級講座をご活用ください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

初心者の簿記3級の勉強方法とは?

簿記3級初心者の勉強方法には、参考書やアプリで独学、通信講座や専門学校などがあります。試験日から逆算し、計画的なスケジュールを組むことが大切です。
独学の場合は、参考書選びが非常に重要。自分のレベルに合ったもので、見やすく理解しやすい参考書を選びます。1冊の参考書を理解できるまで繰り返し読み、問題の傾向や全体の概要をつかんでから試験対策問題を解き、実戦力をつけていきます。

簿記のテキストを選ぶ際のポイントは?

簿記3級のテキストは、改定後の最新の出題範囲に対応しており、本試験レベルの問題が載っているものを選びましょう。
独学では、不明点を自力で解決できず、勉強が進まなくなる場合も。独学では自信がない人は、厳選されたテキストで効率的に学習が進められる通信講座もおすすめです。

初学者が、いきなり簿記2級の合格を目指すことは可能?

簿記2級は、3級と比べると難易度が高く、数ヵ月から半年程度の学習が必要です。しかし自分に合った勉強方法で効率よく学習していけば、初心者でも合格は可能です。
ただし、2級には3級の知識が必要なため、まったく初めてで不安な方は3級からの着実なステップアップがおすすめです。簿記3級は経理の入門的資格で難易度は低めですし、履歴書にも記載が可能です。

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経理の基礎知識がやさしく学べる!

簿記とは、帳簿をつけるために必要な技能のこと。実務で役立つ経理、会計の基礎知識が習得できるので、会計や財務の知識を得ようというときの、はじめの一歩にぴったりの資格。将来的に、簿記2級へとステップアップも見込めるため、経理・会計のスペシャリストへの第一歩になる資格です。
簿記の有資格者はニーズが安定しているので、職・転職が有利に!資格は生涯有効なので、出産・子育て後の再就職にも役立ちます。

ユーキャンの「簿記3級講座」では、簿記の基本となる仕訳を中心に学び、書き込み形式の演習でトレーニング。初学者にもやさしいテキストや嬉しいサポートで、ムリなく合格が目指せます。