簿記2級合格のための過去問活用術!効果的な使い方を徹底解説
日商簿記2級の合格には、過去問対策が不可欠です。しかし2021年度以降、本試験問題は非公開となり、過去問そのものを入手することは困難になっています。そのため、問題の傾向をつかむには、公式の模擬試験や各種講座の模擬問題の活用がおすすめです。
本記事では、商業簿記・工業簿記それぞれの大問別配点や出題傾向、頻出テーマを詳しく解説します。合格力を高める具体的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
日商簿記2級の過去問入手はできない
日商簿記2級の本試験問題は、2021年度から非公開となっています。試験会場で知り得た内容の開示や漏洩も禁じられているため、過去問そのものを入手して対策を進めることが困難です。
詳しくは後述しますが、試験会場で行う試験(統一試験)とは異なり、パソコンで受験するネット試験(CBT)でも簿記2級は受験可能です。ネット試験では受験者ごとに出題される問題が異なる仕組みとなっている上に、統一試験と同じく試験後も問題が公開されません。
このような背景から、簿記2級の出題傾向の把握や実践的な演習を行うには工夫が必要です。日本商工会議所の公式サイトでは、過去に出題された問題の一部が「サンプル問題」として提供されており、活用することで本番レベルの問題に触れることが可能です。
また、通信講座、オンライン講座などが提供している模擬問題や実戦演習用の教材も、簿記2級の試験傾向を分析して制作されています。活用により、効率的に知識を身につけましょう。
日商簿記2級の過去問対策はなぜ重要?
他の資格試験同様、日商簿記2級でも過去問対策は重要です。重要な理由はおもに以下の3つです。
・出題傾向や頻出テーマ、難易度を理解して効率的に学習するため
・簿記3級にはなかった工業簿記の時間配分を習得するため
・基礎知識を応用する力を養い実践力を身につけるため
1.出題傾向の把握のため
過去問対策による出題傾向の把握は、簿記2級の効率的な学習と合格への近道となります。日本商工会議所が公開しているサンプル問題や、通信講座、オンライン講座などが提供する模擬試験、予想問題などを活用すると、頻出テーマや難易度がわかるためです。
日商簿記2級の合格率は回によって異なりますが、概ね10~30%程度で推移しており、決して合格は容易とはいえません。特に2016年度以降、出題範囲の大幅な改訂が行われ、従来は1級で扱われていた連結会計やリース取引、税効果会計などが2級の範囲に加わりました。試験の難易度が上昇し、以前よりも幅広い知識と深い理解が求められるようになっています。
現在、過去問そのものを入手することは難しい状況ですが、最新の出題傾向を分析して作成された教材を使い、本番レベルの問題に触れ、傾向を理解した上で着実に合格に向け学習を進めましょう。
【合格率20%台】簿記2級の合格率は?推移から紐解く難易度を解説!
2.工業簿記の時間配分対策のため
工業簿記の時間配分対策のためにも、過去問対策は欠かせません。問題の形式や解答の流れに慣れておけば、本番でも落ち着いて対応できます。
簿記2級の試験科目は「商業簿記」と「工業簿記」の2科目で構成されています。簿記3級では商業簿記のみが出題範囲でした。一方、2級からは工業簿記が新たに加わり、試験全体の約4割を占めます。試験時間は90分と限られているため、工業簿記にどれだけ時間を配分するかが、合否を分けるポイントです。
工業簿記では、製造業における原価計算の全体像を理解し、個別原価計算や総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算といった多様な論点を学習する必要があります。工業簿記の出題傾向は比較的安定しているため、過去問対策を通じて、適切な時間配分で取り組めるようにしておきましょう。
3.総合的な応用力の養成のため
異なる出題形式や複雑な問題にも対応できる応用力を身につけるためにも、過去問対策をしましょう。間違えた問題を丁寧に復習し、なぜその解答になるのかを理解することで、着実に実力を高められます。
日商簿記2級の学習内容は、3級で習得した商業簿記の基礎知識を土台としています。3級では基本的な仕訳や帳簿記入、決算整理といった簿記の入門的な内容を学びますが、2級ではそれらを応用し、より実務に即した高度な会計処理を理解しなくてはいけません。
応用力を養うには、暗記だけでは不十分です。基礎をしっかり理解した上で、さまざまなパターンの問題に取り組み、実践的な思考力を鍛えましょう。
【最新出題傾向】簿記2級の試験形式と大問別配点
簿記2級の試験形式と大問別配点について、以下のポイントに基づき解説します。
・商業簿記60点と工業簿記40点の合計100点満点で、統一試験とネット試験の2つの試験形式がある
・5つの大問があり、各大問の配点と頻出論点が異なる
簿記2級の試験形式
日商簿記2級の試験は、商業簿記60点と工業簿記40点の合計100点満点で構成されています。合格基準は70点以上で、商業簿記と工業簿記を合わせた総得点が基準に達していれば合格です。試験時間は90分と限られているため、時間配分を意識した解答が求められます。受験資格に制限はなく、学歴や年齢を問わず誰でも受験可能です。
試験形式は、年3回(6月・11月・2月)に全国の指定会場で実施される統一試験と、受験者が任意の日程・会場を選べるネット試験(CBT)の2種類があります。ネット試験はテストセンターでパソコンを使用して受験する形式で、受験日の3日前まで変更やキャンセルが可能な上、試験終了後すぐに合否がわかります。
簿記2級の大問別配点
簿記2級の配点を大問別に以下にまとめました。
| 問題 | 頻出論点 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 商業簿記の仕訳問題 | 20点 |
| 第2問 | 株主資本等変動計算書と連結精算表 | 20点 |
| 第3問 | 損益計算書、貸借対照表、本支店会計 | 20点 |
| 第4問 | 工業簿記の仕訳問題と、個別原価計算、総合原価計算、部門別原価計算、標準原価計算などからいずれか1つが出題 | 28点 |
| 第5問 | 直接原価計算によるCVP分析と、標準原価計算における差異分析 | 12点 |
商業簿記(第1問~第3問)の出題傾向と配点
商業簿記の出題について、以下に基づき解説します。
・第1問:商業簿記の仕訳
・第2問:商業簿記の個別論点
・第3問:決算関連の問題
第1問
第1問は、商業簿記の仕訳問題が5問出題され、各4点で合計20点の配点となっています。出題範囲は幅広く、有価証券や純資産、債権債務などさまざまな論点から出題される傾向にあります。ただし、出題内容は基礎的なものです。知識をしっかり身につけておけば確実に得点できるでしょう。
注意すべきは、仕訳問題には部分点がないという点です。1つの取引について、全ての勘定科目と金額が正しく記入されていて、ようやく得点となります。ケアレスミスを防ぐためにも、問題文を丁寧に読み、時系列を整理しながら解答しましょう。
第2問
第2問は20点の配点で、個別論点に焦点を当てた問題が出題されます。特定のテーマを深く掘り下げた内容が問われるため、表面的な知識ではなく深い理解力が必要です。
特に株主資本等変動計算書と連結精算表は出題頻度が高く、入念な対策が求められます。
第2問は時間がかかりやすいため、解く順番としては最後に回すのがおすすめです。試験当日は、残り時間に応じて解答戦略を柔軟に変えることが重要です。時間に余裕があれば満点を目指し、時間が限られている場合は部分点を確実に積み重ねる方針で取り組みましょう。
第3問
第3問は20点の配点で、決算に関する総合問題が出題されます。具体的には、損益計算書や貸借対照表の作成、本支店会計などが頻出論点となっており、特に損益計算書または貸借対照表の作成問題がよく出題される傾向にあります。
未処理事項と決算整理事項が相互に関連する問題も頻繁に出題されがちです。例えば、期中に記録漏れがあった取引を修正すると、その修正後の金額をもとに決算整理を行う必要が生じるといったケースです。
工業簿記(第4問・第5問)の出題傾向と配点
工業簿記は第4問と第5問で出題され、試験全体の4割を占めます。簿記3級では扱われない分野であり、製造業特有の原価計算や勘定の流れをイメージしにくいことから、苦手意識を持つ受験者も少なくありません。
しかし、商業簿記の第2問、第3問などと比較すると、工業簿記は論点ごとの難易度が高くないため、満点を狙いやすい科目ともいえます。実際に出題される内容は基礎的なものが中心で、出題パターンも比較的安定しています。基本をしっかり理解し、繰り返し過去問対策をしておけば得点源となるでしょう。
以下では、第4問と第5問の出題範囲と対策を解説します。
第4問
第4問は28点の配点で、2問構成となっています。問1では工業簿記の仕訳問題が3問出題され、問2では個別原価計算、総合原価計算、部門別原価計算、標準原価計算などからいずれか1つが出題される形式です。
出題範囲は広く感じられるかもしれませんが、実際には基礎的な内容が中心で、難易度はそれほど高くありません。特に仕訳問題は工業簿記の仕訳パターンが商業簿記と比べてバリエーションが少ないため、繰り返し過去問を解いておけばスムーズに解き進められるでしょう。1問あたり4点の配点を、確実に獲得したいところです。
第5問
第5問は12点の配点で、直接原価計算(CVP分析を含む)や標準原価計算における差異分析が出題される傾向にあります。直接原価計算では、損益分岐点や目標利益を達成するための売上高を計算する問題が頻出です。標準原価計算の差異分析は、計算式やパターンを理解しておけば確実に得点できます。
第5問も基礎的な計算パターンが中心で、繰り返し練習すれば確実に得点できる分野です。満点も十分に狙えるため、しっかり対策しておきましょう。
簿記2級の過去問対策を効果的に進める5ステップ
簿記2級の過去問対策を効果的に進めるステップは、以下の5つです。
・基礎知識のインプットを完了させてから、模擬試験や予想問題に着手する
・実際の試験と同じ制限時間内で問題を解き、時間配分の感覚を養う
・採点後に自己分析を行い、ミスの傾向や弱点を明確にする
・間違えた問題や難しかった論点を深掘り復習する
・実践と復習のサイクルを繰り返し、実力を向上させる
1.インプット完了後に着手する
学習を進めるには、まず確実なインプットを行うことが大切です。試験では出題区分表に沿った幅広い学習内容が問われるため、いきなり模擬試験や予想問題に取り組んでも、十分に対応できません。まずは参考書や通信教材などを活用し、基礎知識をしっかりと身につけましょう。
特に工業簿記は、商業簿記とは異なる原価計算の流れを理解する必要があります。製造業特有の勘定連絡図を手元に用意し、全体像を把握した上で個別論点を学習すると理解が深まりやすくなります。焦らず、土台となる知識の習得を優先しましょう。
2.制限時間内の実践
インプットが完了したら、模擬試験や予想問題に取り組みます。実際の試験と同じように時間を測りながら解くのが演習のポイントです。簿記2級の試験時間は90分と限られているため、どの問題にどれだけ時間を配分するかが、合否を分ける決め手となります。
多くの問題に触れるうちに出題パターンに慣れ、本番でも落ち着いて対応できるようになります。最初は時間内に解き終わらないかもしれません。しかし、繰り返し練習することでスピードと正確性が向上します。
3.採点と分析
問題を解き終えたら、必ず採点を行い、自己分析をしましょう。正誤を確認するだけではなく、間違えた理由や、どのような傾向のミスを犯しやすいのかを分析することが重要です。自分の弱点を明確にすれば、重点的に学習すべき部分がわかるためです。
正解した問題でも、時間がかかりすぎた場合や、解法に自信が持てなかった問題は、再度関連する分野をチェックしておきましょう。また、ケアレスミスが多い場合は、問題文の読み間違いや計算ミスなど、ミスの種類を分類することで対策を立てやすくなります。
4.難易度の高かった論点の深掘り復習
採点と分析を経て、間違えた問題や難しかった問題は必ず復習しましょう。解答がわかるというよりも、なぜその解答になるかまでの道筋を理解する方が大切です。模擬試験や予想問題の解説は必ず読み、考え方を身につけてください。
理解が不十分な部分については、参考書や通信教材に戻って基礎から学び直す必要があります。複雑な論点は一度解けただけでは定着しにくいため、何度も繰り返し解いて確実に理解を深めましょう。「深掘り復習」により同じミスをするリスクが減り、着実に実践力を積み上げられます。
5.実践から繰り返し対策する
2つ目のステップ「制限時間内の実践」から4つ目のステップ「難易度の高かった論点の深掘り復習」までを、繰り返し実践しましょう。
一度問題を解けたとしても、反復しなければ記憶が定着しません。反復することで知識が長期記憶として定着し、効率的な解き方も身につきます。また同じ問題でも、2回、3回と解くたびに新たな気づきを得られるケースもあります。試験直前まで繰り返し、合格力を養いましょう。
合格率を意識した「時間配分」の鉄則
簿記2級の試験では、全ての問題を順番通りに解く必要はありません。合格基準は70点以上であるため、時間配分を意識して解ける問題から確実に得点していく戦略が求められます。
工業簿記の第4問と第5問は、出題パターンが比較的安定しており、短時間で解答できる可能性が高い分野です。一方、商業簿記の第2問と第3問は難易度が高い傾向にあり、時間がかかりやすい問題が出題されます。試験開始後はまず第1問の仕訳問題を解き、続いて第4問と第5問の工業簿記に取り組むことで、堅実に得点を積み重ねられます。
わからない問題に遭遇したら、その場で悩み続けるのではなく、いったん飛ばして次の問題に進みましょう。時間を浪費すると、本来解けたはずの問題に手をつけられず、得点機会を逃してしまいます。
後から見直すと解法が思いつくケースもよくあるものです。特定の問題にこだわらず、解ける問題を優先しましょう。
【満点を目指す】商業簿記・工業簿記 大問別の過去問対策
簿記2級の各大問について、具体的な対策方法や点数を取りこぼさないためのポイントを解説します。それぞれの大問の特徴を把握し、効果的な過去問対策を進めましょう。
・商業簿記は、仕訳の正確さと決算整理の理解で得点の安定化を図る
・工業簿記は、原価計算のパターン定着と差異分析の習熟で得点源を確保する
商業簿記対策:仕訳と決算整理の「正確さ」を高める
商業簿記の第1問の仕訳問題は、満点を狙えます。定番の問題を繰り返し学習し、どのようなパターンが出題されても対応できる力を養いましょう。
ただし、第1問は問題文が長文になりやすく、独特のフレーズが使われることも少なくありません。簿記の専門性に加え、問題文を読み解く国語力が求められます。取引が複数の段階を経て完結するケースが多いため、時系列を整理しながら各段階の仕訳を正確に書けるように練習しましょう。
なお、第2問で頻出する連結会計は、修正仕訳の順序と全体の流れを押さえることが得点に結びつきます。個別の仕訳にとどまらず、処理のつながりを意識して学習することで理解を深めてください。
第1問
第1問で出題される仕訳は簿記の入門編といってもいい部分であり、他の大問を解く際にも活用できる重要なスキルです。さまざまなパターンの仕訳問題を繰り返し学習し、確実に得点できる力を養いましょう。
対策としては、日々アウトプットを繰り返し、仕訳の問題に早く慣れることが重要です。パターンを繰り返し練習することで、反射的に正しい仕訳が切れるようになります。
通勤時間や昼休み、就寝前などのスキマ時間を活用し、毎日コツコツと問題を解く習慣をつけましょう。仕訳問題は1問あたり数分で取り組めるため、まとまった時間が取れないときでも学習を進められます。
第2問
第2問の出題形式は多様です。連結会計、株主資本等変動計算書、有価証券、固定資産、銀行勘定調整表といった個別論点から幅広く問われます。そのため、各分野の基礎をしっかり押さえておきましょう。
ただし、全てを完璧にしようとすると時間が足りなくなるため、優先順位をつけて学習することが重要です。出題頻度の高い順に、株主資本等変動計算書、連結精算表、その他の個別論点という順序で対策を進めると効率的です。
また、第2問は難易度が高い問題が出題されるケースが多々あります。試験中に時間がかかりすぎると感じたら、いったん後回しにして他の問題に取り組むなど、柔軟な時間配分を心がけましょう。
第3問
第3問は、財務諸表の作成や精算表の作成など、決算に関する総合問題が中心となります。難易度が高い傾向があり、時間もかかりやすい分野です。学習の際は、貸借対照表と損益計算書の作成を最優先に取り組みましょう。
試験本番では、完璧な解答を目指して時間をかけすぎるより、適切な時間配分で部分点を確実に取るのがコツです。第2問と同様に、時間がかかりすぎると判断したら、いったん後回しにして解ける問題から取り組む戦略も有効です。
決算整理で金額が動いた項目は得点につながりやすいため、部分点狙いとしても優先的に解答する価値があります。
工業簿記対策:パターン学習で「得点源」にする
工業簿記では、標準原価計算における差異分析、総合原価計算、直接原価計算におけるCVP分析が頻出です。それぞれの分野を重点的に学習し、確実に得点できるようにしましょう。工業簿記は多くの受験生が苦手意識を持ちやすい分野ですが、現場の具体的なシーンを想像しながら学習すると理解が深まります。
重要なのは、原価計算の一連の流れを押さえることです。材料の投入から製品の完成・販売までを頭に入れておけば、個別論点の位置づけがつかみやすくなります。
第4問の工業簿記仕訳はパターンが限られているため、高得点を狙いやすい分野です。一方、第5問は計算が中心となるため、代表的な解法パターンを身につけておけば安定して得点できます。
第4問
第4問は工業簿記から出題され、2つの問題で構成されています。具体的には工業簿記に関する仕訳問題が3題出題され、それ以外は財務諸表の作成、部門別原価計算、個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算といった論点から1問が選ばれます。
第4問の特徴は出題パターンが比較的限られている点です。各論点の解法をしっかりマスターしておけば、安定して高得点を獲得できます。過去問を活用して頻出パターンを繰り返し練習することで、本番でも落ち着いて対応できるでしょう。
ただし、計算過程が複雑になることも多いため、ケアレスミスには十分注意が必要です。時間配分を意識しながら、見直し時間の確保を心がけましょう。
第5問
第5問も第4問と同じく工業簿記からの出題となります。おもな論点はCVP分析、標準原価計算における差異分析、直接原価計算の3つで、このうち1問が出題される形式です。
いずれの論点も原価を正確に算定する必要があるため、各計算方法を確実に理解し身につけておくことが得点のポイントとなります。
工業簿記では専門用語が数多く登場しますが、全ての用語を完璧に暗記する必要はありません。網羅的な知識よりも、計算手順を正確に実行できる力と、自分なりの効率的な解法を身につける方が重要です。過去問対策を通じて計算の流れを体に染み込ませておきましょう。
ネット試験(CBT)特有の問題形式と過去問対策
簿記2級は、2020年12月からネット試験(CBT)での受験が可能になりました。ほぼ毎日受験でき、自分の都合で試験日を選べます。試験終了後すぐに合否が判定され、その場でQRコードを読み込むことで合格証明書を取得できる点も、ネット試験のメリットです。
ネット試験では、問題が全てパソコンの画面上に表示され、解答もパソコンで入力します。勘定科目はプルダウンメニューから選択し、金額はキーボードで直接入力する形式です。
統一試験のように問題用紙に直接メモを書いたり、計算を書き込んだりすることはできません。メモや計算には、試験会場で配布される白紙の計算用紙を使用する必要があります。普段から計算用紙を使った演習に慣れておいた方がいいでしょう。
また、パソコンを使って解答できる模擬試験や予想問題に取り組み、画面上での問題の見方や操作方法に親しんでおくことも大切です。プルダウンメニューの操作や、数字の入力ミスを防ぐための確認作業など、ネット試験特有の操作に慣れておくと本番でも落ち着いて実力を発揮できます。
まとめ
簿記2級の合格は過去問による「戦略的な学習」で決まる
難易度の高い簿記2級に合格するためには、過去問対策が不可欠です。簿記2級の本試験問題は、2021年度から非公開となりました。ただし、日本商工会議所のサンプル問題や各種模擬試験を活用することで、出題傾向の把握と実践的な演習が可能です。
インプット完了後に制限時間内での実践演習を繰り返し、採点・分析・復習のサイクルを繰り返しましょう。試験当日は、第1問の仕訳問題や、工業簿記の第4問・第5問といった得点しやすい分野から優先的に進めると、限られた試験時間内で効率的に得点を積み重ねられます。
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- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 簿記2級の難易度は?
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日商簿記2級の合格率は20%前後と低く、難易度が高い試験と言えます。商業簿記に加えて、工業簿記も試験科目となり、出題範囲が広まることが難易度が高い理由の一つです。
- 独学でなかなか学習が進まない場合、どうしたらいいでしょうか?
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独学でスムーズに学習が進められない場合は、他の勉強方法を検討した方がよいでしょう。独学では、わからない点を放置しやすく、一度つまずくと勉強が進まなくなってしまいます。
そうした状況への解決策として、簿記の通信講座を検討するのもよいでしょう。 - 初学者が、いきなり簿記2級の合格を目指すことは可能?
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簿記2級は、3級と比べると難易度が高く、数ヵ月から半年程度の学習が必要です。しかし自分に合った勉強方法で効率よく学習していけば、初心者でも合格は可能です。
ただし、簿記2級は、出題区分の改定により年々難易度があがっているといわれており、地道で効率的な学習と戦略が不可欠。適切なテキストと電卓選び、学習スケジュール設定、直前対策も重要です。
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