• 更新日:2023/12/06

簿記1級の合格率は毎年10%前後です。難易度が高い試験なため、合格すれば希少価値の高い資格取得者としてアピールできます。本記事では、簿記1級の資格取得を目指している人に向け、簿記1級の平均年収、就職・転職に有利な理由、取得後の主な就職・転職先を解説します。簿記1級取得者が転職で年収アップを目指すためのポイントや、簿記3級・2級取得に向けた学習時間などもあわせて、ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 簿記1級の取得者の平均年収は、大手企業の経理で約616万円。日本全体の平均年収より約170万円高い。
  • 簿記1級の取得者の勤務先は、大手企業、会計事務所、コンサルティングファームなど、様々な需要がある。
  • 簿記1級試験の合格率は約10%と低く、希少で優秀な人材として就職・転職にも有利。
  • 簿記1級は難易度が高いため、大手企業の経理職を目指すには、2級からの着実なステップアップがおすすめ。

簿記1級の取得者の平均年収

簿記1級の取得者の勤務先は、大手企業の経理職をはじめ、さまざまな需要があります。国税庁の「令和3年分民間給料実態統計調査」によれば、大手企業の経理になった場合の平均年収は、約616万円(資本金10億円以上の株式会社)です。日本全体の平均年収443万円と比較すると、大手企業の経理は170万円以上高い年収とわかります。

給料水準は企業ごとにある程度決まっていますが、一般的に中小企業よりも大手企業の方が給料水準は高めです。

簿記1級が就職・転職に有利な理由

簿記1級の試験は合格率が低く、希少性の高い資格です。取得すること自体が難しいため、簿記1級をもっていると優秀な人材として社会的に評価されやすくなり、就職や転職で有利になります。

また簿記1級を合格するためには、専門性の高い簿記の技能に加えて、会計学や原価計算の高度な知識が必要です。高い希少性と専門性をもつ簿記1級の資格は、大手企業の経理をはじめ、財務やマーケティング、営業、経理管理への転職でも活かせます。

簿記1級取得者の主な就職・転職先

簿記1級取得者の主な就職・転職先は、会計事務所と大手企業の経理部門、コンサルティングファームです。それぞれの特徴を解説します。

会計事務所

会計事務所では主に、企業や個人の税務申告や会計処理をサポートします。会計事務所の求人では、「簿記2級以上」を応募の必須条件としているケースが一般的です。また、簿記1級だけでなく、税理士の資格をもっている人や経理・財務の業務経験がある人も、優遇されやすいでしょう。

税理士資格の取得には、2年以上の実務経験が必須です。したがって、1級資格を取得した後に、税理士資格の取得も目指す場合は、会計事務所への就職がおすすめです。会計事務所での就職期間が実務経験としてカウントされるため、スムーズなキャリアパスが実現します。

大手企業の経理部門

大手企業の経理も、先述した会計事務所のケースと同様に、簿記2級以上が求人の応募条件となっているケースが多くあります。大手企業の経理部門では、子会社や海外支店などの連結決算業務をはじめ、高度な会計処理が必要です。簿記1級取得者の高度で専門性の高い知識や向上心の高さなどは、高く評価されます。

また、大手企業への就職は、給料や休日数、福利厚生など、さまざまな高待遇を受けられる点もメリットです。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでは、買収企業のリスク評価や企業の経営状況などを財務諸表から分析し、アドバイスします。コンサルティングというと、公認会計士を想起しがちです。しかし、コンサルティング自体に資格は要らないため、簿記1級の企業会計の知見は、コンサルティング業務においても、十分に活用できます。

企業の価値からその企業の適正価格がわかることから、M&Aのサポートにも活かせるでしょう。

簿記1級を活かした転職で年収アップを狙うポイント

簿記1級を活かして転職する際には、何に注意すべきなのでしょうか。ここでは特に大切な3つのポイントを解説します。

資格に頼りすぎず実績・スキルを具体的に伝える

1つ目のポイントは、資格そのものを転職時にアピールしすぎないことです。簿記1級の資格を取得していることは、もちろん履歴書に記載できますが、資格に頼りすぎないようにしましょう。

これまでの経理に関連する業務経験や実績、スキルを具体的にまとめ、どのように企業に貢献できるか総合的にアピールすることが大切です。

年収水準や評価制度をチェックする

2つ目のポイントは、求める年収を明確化することです。転職でより高い年収を目指したい人は、年収水準の高い企業を調べることが大切になります。例えば、給料を決める基準が「年功序列」か、「実力・実績評価型」かなどです。企業によって評価制度は異なるため、事前にチェックしましょう。

また、実績に対してインセンティブがつくかどうかも、年収関連で見るべきポイントです。

企業の福利厚生・手当を確認する

3つ目のポイントは、福利厚生や手当の確認です。給料だけでなく、福利厚生や手当なども企業によって異なります。

例えば住宅手当や家賃補助、交通手当、資格手当などが、代表的な福利厚生や手当です。福利厚生や手当が充実していると、実質的な年収アップにつながるため、募集要項にどのような事柄が記載されているか、内容を事前に確認しましょう。

「実務未経験」でも簿記1級があれば転職は可能?

中途採用では多くの場合、即戦力となる人材を求めています。したがって、経理に関する実務経験があった方が、優遇されやすいでしょう。ただし、簿記1級の取得者ならば、実務未経験でも応募可能な求人はあります。

最終的に転職できるか否かは、年齢や企業の雇用方針などにも影響されますが、経理に近い業務経験が少しでもある場合は、積極的にアピールするといいでしょう。

そもそも簿記1級とは

簿記1級とは「日商簿記検定試験の1級」のことで、日本商工会議所が試験を実施します。簿記1級のレベルは極めて高く、簿記や会計学だけでなく、会計法に関する法規、経営管理や分析などの知識も必要です。

簿記1級の例年の合格率は10%前後と高難易度です。以下の級ごとの合格率(%)のとおり、1級は2級や3級と比べて合格率が低いとわかります。

1級 2級 3級
第164(2023年6月) 12.5 21.1 34.0
163(2023年2月) - 24.8 36.5
162(2022年11月) 10.4 20.9 30.2
161(2022月6月) 10.1 26.9 45.8
第160(2022年2月) - 17.5 50.9

試験実施回数も2級や3級が年3回に対し、1級は2回のみです。


年収を上げるには簿記3級・2級から目指すのがおすすめ

資格を活かして年収を上げるには、簿記3級や2級から、少しずつレベルを上げる方法がおすすめです。3級と2級の取得方法を解説します。

簿記3級を取得する方法

簿記3級は2級や1級よりも、比較的受かりやすい資格です。第164回(2023年6月11日)の簿記3級の合格率は34.0%となっており、約3人に1人が合格しているとわかります。簿記3級に合格するまでに必要な学習時間の目安は、約100時間です。1日約2〜3時間の学習時間を確保できる人なら、約3か月で合格を目指せます。

簿記3級は独学でも合格は目指せますが、通信講座を利用すれば、1日約1時間の短期間で効率的な学習を進めることが可能です。

簿記2級を取得する方法

簿記2級は、3級と比較すると工業簿記が加わる分、難易度が上がり、試験範囲も広がります。第164回(2023年6月11日)の簿記3級の合格率は21.1%です。合格率は回によってバラつきがありますが、だいたい4〜5人に1人が合格しています。

簿記2級に合格するまでに必要な学習時間の目安は、どのくらい簿記の知識をもっているかによって異なります。

例えば簿記3級の知識がある程度ある人の場合、独学で約250〜350時間の学習時間が必要です。簿記初心者の場合は、約350〜500時間が合格までにかかります。1日約3〜4時間の学習時間を確保できる人なら、初心者であっても約6か月で合格を目指せるでしょう。

まとめ

簿記1級の年収は、約616万円です。2級や3級と比較すると、1級は試験の難易度が格段と上がります。確実に知識を習得するには、まずは2級や3級からのチャレンジがおすすめです。大手企業の経理を目指す人は、まずは最低でも2級の合格を目指しましょう。

通信講座を活用したい人は、30年以上の開講実績をもつ、ユーキャンの簿記2級講座がおすすめです。合格のポイントをしっかり盛り込んだカリキュラムなため、6か月で合格を目指せます。テキストは出題傾向を徹底的に分析し、要点が押さえられており、効率的な学習が可能です。問題の解き方を紹介する動画やWebテキストも用意されていて、わかりやすく学習を進められます。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

簿記1級合格に必要な勉強時間は?

簿記1級合格に必要な勉強時間は、800時間~2,000時間程度とされています。ただし、簿記2級の保有者と、簿記の知識がほとんどない人では、必要な勉強時間は異なります。

独学でも簿記1級合格を目指せる?

不可能ではありませんが、簿記2級まで独学で合格した人でも、簿記1級を独学で合格することはハードルが高いといえます。試験範囲が広く、深い専門知識が必要であり、公式サイトにも「大学等で専門的に学ぶ者に期待するレベル」と明記されています。受験者たちのレベルが高い上に、合否は相対評価で決まります。

簿記1級の合格率は?

日商簿記1級の合格率は約10%です。10%という数値は安定しており、合格者数にして毎回1,000名程度です。

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簿記の有資格者はニーズが安定しているので、職・転職が有利に!資格は生涯有効なので、出産・子育て後の再就職にも役立ちます。

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