• 更新日:2026/09/25

簿記2級の合格に必要な勉強時間は、簿記3級程度の知識がある方で250~350時間、初めて簿記を学ぶ方で350~500時間が目安です。出題範囲が広く、商業簿記に加えて工業簿記も学ぶため、計画的に学習を進める必要があります。

特に社会人は、仕事や家事と両立しながら勉強時間を確保しなければなりません。無理のないスケジュールを立て、スキマ時間や問題演習を効果的に活用することが合格への近道です。

本記事では、簿記2級の合格に必要な勉強時間を経験別に紹介します。社会人向けの学習スケジュールや効率的な勉強方法、工業簿記を得点源にするための学習戦略も解説するため、資格取得を目指す方は参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は、経験者で250~350時間、初学者で350~500時間ほどが一般的で、学習経験により大きく差がある。
  • 難易度が高い試験だからこそ、学習スケジュールをしっかり立て、スキマ時間を活用しながら効率よく勉強を進めることが合格への近道。
  • 独学で取り組む場合は、自分のレベルに合ったテキスト選びや、試験本番を意識した過去問演習が重要。
  • 社会人の方は、通信講座を活用すると、限られた時間でも計画的に学習を進めやすくなる。
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簿記2級合格に必要な勉強時間

日商簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は、簿記経験者は250~350時間、初めて学習する方は350~500時間ほどです。

まず、勉強時間の目安を、簿記学習経験者と初学者に分けて説明します。

簿記の学習経験がある場合



簿記3級程度の知識がある人が、簿記2級の合格を目指すために確保したい勉強時間の目安は、以下の通りです。

独学の場合は250時間~350時間程度、学習期間は4~6カ月程度が目安です。一方、通学・通信講座を活用する場合は、150時間~250時間程度が目安となります。講座を活用することで効率よく学習できるため、独学に比べて1日あたりの学習時間や合格までの期間を抑えやすくなります。

簿記に関する基本的な知識をすでに身につけているため、独学でも半年程度の学習期間を確保できれば、合格を目指せるでしょう。

ただし、簿記2級では、簿記3級にはなかった工業簿記が加わるため、学習範囲が広がります。通信講座などを活用すれば、重要なポイントを押さえながら効率よく学べるため、勉強時間の短縮につながります。

簿記を初めて勉強する場合

簿記を初めて学ぶ方が2級の合格を目指す場合は、学習経験がある方に比べて、合格までに必要な時間が長くなります。勉強時間は350~500時間程度、学習期間は6~8カ月程度が目安です。

簿記2級では、「商業簿記」に加えて「工業簿記」も試験科目となります。3級と比べて出題範囲が広がるため、難易度も高くなります。

また、簿記2級は3級の知識があることを前提として出題されるため、初めて簿記を学ぶ方は、まず3級の内容から段階的に学習を進めるのがおすすめです。

独学の場合、不明点が出てきても自分で調べて解決する必要があります。そのため、初心者でも理解しやすいテキストや問題集を選ぶことが重要です。

勉強の進め方を誤ると、合格までに余計な時間がかかることもあります。事前に出題範囲や傾向を把握し、無理のない学習計画を立てておきましょう。

社会人が簿記2級に合格するには

社会人が簿記2級の取得を目指す場合、仕事や家事と学習をどのように両立するかが大きな課題となります。以下では、社会人が簿記2級に合格するために押さえておくべきポイントを解説します。

効率的な勉強が必須

簿記2級は簿記3級に比べて難易度があがるため、効率よく勉強することが重要です。学習スケジュールを立て、通勤時間や休憩時間なども上手に活用しながら、学習時間を確保しましょう。

簿記2級では、簿記3級にはない「工業簿記」が試験科目に加わります。工業簿記とは、製造業における取引を記録・計算するための簿記です。ものづくりに関する取引や専門用語の知識がない場合は、テキストを読んでも内容をイメージしにくく、合格のハードルが高いと感じることもあるでしょう。

そのため、勉強方法にも工夫が必要です。「3級は独学で合格できたものの、2級には合格できなかった」「内容を十分に理解しないまま学習を進めてしまった」といったケースも少なくありません。特に、限られた時間で勉強する必要がある社会人は、学習量だけでなく質を意識することが大切です。通信講座などを活用すれば、試験に必要な知識を要点に沿って学べるため、勉強時間の短縮にもつながります。

また、効率よく勉強するためには、学習スケジュールを立てることも大切です。たとえば、「通勤時間や休憩時間は資格試験の勉強に充てる」と決めるなど、日常生活のなかに決まった学習時間を組み込みましょう。

無理のない学習スケジュールを立てる

社会人が簿記2級に合格するには、仕事や家事との両立を前提とした、無理のない学習スケジュールを立てることが重要です。平日は1~2時間、休日は3~5時間など、自分の生活スタイルに合わせて現実的な学習時間を設定するとよいでしょう。

試験日から逆算して3~6ヵ月程度のスケジュールを組み、1週間・1ヵ月単位で進捗を確認しながら、必要に応じて計画を調整していくことが大切です。

予定通りに進まない場合も想定し、あらかじめ予備日や調整期間を設けておくと、焦らずに学習を続けられます。

また、試験直前の1週間は新しい内容に手を広げず、総復習や模擬演習の時間として確保しておくと、本番に向けて自信を持って臨みやすくなるでしょう。

スキマ時間を活用して学習を継続する

通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用し、テキストを読んだり問題を解いたりする習慣をつけることが大切です。まとまった時間を確保しにくい社会人にとって、短い時間を積み重ねることが合格への近道になります。

スマートフォンに対応した教材やアプリを活用すれば、場所を選ばずに学習を継続しやすくなります。移動中や待ち時間などのちょっとした時間も有効に使えるため、学習ペースを保ちながら進められるでしょう。

なお、ユーキャンの簿記2級講座では、デジタル学習サイトを利用してスマートフォンやタブレットからいつでも学習を進めることができます。忙しい方でもスキマ時間を上手に組み合わせることで、無理なく学習を継続できる環境が整っています。

簿記2級の効率的な学習ポイント

簿記2級は出題範囲が広く、やみくもに勉強するだけでは効率的に合格を目指すことが難しい試験です。特に社会人の方は限られた勉強時間を有効活用するために、学習方法を工夫することが重要といえます。

以下では、効率的に学習を進めるための具体的なポイントを紹介します。

自分に合ったテキスト・教材を選ぶ

勉強を始めるにあたって、まず重要なのがテキスト選びです。現在の自分のレベルに合っているか、解説が丁寧で理解しやすいかを確認して選びましょう。

自分のレベルに合わない難解なテキストを選ぶと、内容を理解できず、簿記に対して苦手意識を持ってしまう可能性があります。学習効率の低下にもつながるため、特に簿記初心者は、図や具体例が多く、基礎から理解しやすいテキストを選ぶことが大切です。

また、テキストを何冊も買い込むのは避けましょう。複数のテキストに手をつけると、どれも中途半端になってしまいがちです。自分に合ったものを厳選し、繰り返し学習することをおすすめします。

電卓の操作に慣れておく

簿記2級の試験では計算問題が出題されるため、早めに電卓を用意し、操作に慣れておきましょう。

電卓は小さいものよりキーが押しやすい大きめのものを選ぶと、入力ミスを防ぎやすくなります。また、学習や実務で長く使用することも考慮し、耐久性の高いものを選ぶのも大切です。

なお、試験では使用できる電卓の機能に制限があります。印刷機能や音が出る機能、プログラム機能、辞書機能などが搭載された電卓は使用できないため、購入する際は、試験で使用できるかを事前に確認しておきましょう。

簿記2級の試験は、制限時間内に多くの問題を解かなければなりません。普段の問題演習から同じ電卓を使用し、操作に慣れておくことで、計算問題をより素早く正確に解けるようになります。

インプットとアウトプットを並行して進める

テキストを読むだけのインプット学習に偏らず、問題演習によるアウトプットを並行して進めることも重要です。知識をインプットしたら早い段階で問題を解き、理解度を確認しながら学習を進めると、記憶への定着が促されます。

また、インプットとアウトプットを往復することで、学習効率が大きく向上します。一般的にはインプット3割・アウトプット7割が良いとされています。ただし、あくまでも目安なため、自分に合ったバランスを見つけながら取り組みましょう。

苦手分野・ミスの傾向を把握する

簿記2級の学習効率を高めるためには、苦手分野やミスの傾向を把握することが重要です。

演習問題を解くなかで自分が間違えやすい分野やミスのパターンを意識的に記録しておきましょう。同じ分野を繰り返し間違える場合は、問題演習を続けるだけでなく、テキストに戻って基礎知識から復習することが大切です。苦手分野を中心に学習を組み立てることで、限られた時間でも効率的に得点力を伸ばせます。

問題演習や過去問を解いた後は、正誤の確認にとどまらず、間違えた原因を分析する習慣をつけることが重要です。計算ミス・仕訳ミス・論点理解不足など、ミスの種類を分類して記録しておくと、どこに時間を投資すべきかが明確になります。

苦手分野やミスの傾向を継続的に見直すことで、本試験での失点を減らしやすくなるでしょう。

簿記2級合格に向けた学習戦略

簿記2級の合格を目指すうえでは、ただ学習するのではなく、効果的な戦略を立てることが重要です。ここからは、合格に向けた具体的な学習戦略を紹介します。

工業簿記を得点源にする

簿記2級の試験は、商業簿記3問、工業簿記2問の計5問で構成されており、配点は各問20点です。合格を目指すうえでは、工業簿記で40点満点に近い得点を確保したいところです。

工業簿記では、個別原価計算や総合原価計算、標準原価計算などのほか、CVP分析に関する問題が出題されます。商業簿記と比べて出題パターンをつかみやすく、計算手順を理解して繰り返し練習すれば、安定して得点しやすい分野です。

そのため、工業簿記を苦手なままにせず、確実な得点源にすることが合格へのカギとなります。基本的な計算方法や解答手順を身につけ、満点を目指して学習を進めましょう。

主な出題範囲を優先的に学習する

簿記2級は出題範囲が広いため、過去の出題傾向を踏まえて主要な分野から優先的に取り組む戦略が有効です。

苦手分野の克服も大切ですが、まずは試験の軸となる主な出題範囲をしっかり固めることで、合格に必要な得点を確保しやすくなります。重要論点を重点的に学習することで、限られた勉強時間でも得点力を高めやすく、モチベーションを維持しながら着実に実力を伸ばせるメリットもあります。

具体的な主な出題範囲は、以下の通りです。

  • 商業簿記:基本仕訳・決算整理・引当金・有価証券・株式会社会計・財務諸表作成
  • 工業簿記:個別原価計算・総合原価計算・標準原価計算・CVP分析・直接原価計算

これらの分野を重点的に押さえることが、合格への近道といえるでしょう。

なお、初学者が合格するまでの学習期間は一般的に6~8カ月程度が目安とされていますが、2027年4月には出題範囲の改定が見込まれています。これから学習を始める場合は、改定前に受験を済ませるスケジュールを組むか、最新の試験範囲に対応した情報を確認するよう留意してください。

過去問・予想問題を通じて実践力を養う

過去問や予想問題を繰り返し解くことで、出題パターンや時間配分の感覚を身につけましょう。知識を定着させるには、テキストを読むだけのインプット学習だけでなく、実際に問題を解くアウトプット学習が欠かせません。

また、問題集の内容を覚えるだけでなく、初見の問題にも柔軟に対応できる基礎力を養うことも大切です。間違えた問題はそのままにせず必ず解き直しを行い、なぜ間違えたのかを丁寧に分析する習慣をつけましょう。

こうした問題演習の積み重ねが本試験への自信につながり、合格の可能性を高めることができます。

まとめ

簿記2級の勉強は、やみくもにただ量をこなせば良いわけではありません。事前に戦略を立て、効率的に勉強することが大切です。独学でも簿記2級試験の合格を目指せますが、より確実さを重視するなら通信講座などを積極的に活用するとよいでしょう。

なお、ユーキャンの簿記2級講座では、出題傾向を徹底的に分析したテキストを使用し、試験に必要な知識を効率よく学習できます。質問対応などのサポートも充実している他、動画などで学べるデジタル学習サイトも利用可能です。

工業簿記も基礎からわかりやすく学べるため、苦手意識がある方でも理解を深めながら学習を進められます。簿記2級の取得を目指している方は、受講を検討してみてください。

大間 武
この記事の監修者は大間 武

ファイナンシャル・プランナー
会計コンサルタント
株式会社くらしと家計のサポートセンター代表取締役

<略歴>
飲食業をはじめ多業種の財務経理、IPO予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。

<保有資格>
日商簿記1級、税理士試験3科目合格(簿記、財務諸表、消費税)、CFP(R)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、プロフェッショナルCFO

よくある質問

簿記2級が転職に有利な理由とは?

簿記2級を取得すると、経理に必要な知識を一通り身につけ、企業の財務状況や経営成績を読み取る力があることを示せます。そのため、経理・財務職をはじめ、簿記の知識を活かせるさまざまな職種への転職で評価されやすい資格です。

実務経験がない場合でも、簿記2級を取得していれば、経理に関する基礎知識や学習意欲をアピールできます。即戦力として評価されるとは限りませんが、未経験から経理職を目指す際には、選考で有利に働く可能性があるでしょう。

簿記2級の資格が活かせる職種は?

簿記2級の資格が活かせる職種には、企業の経理・財務部門、会計事務所・税理士事務所、証券会社や銀行の金融部門、コンサルタント部門、営業部門などが挙げられます。

簿記2級は「経理の知識を一通り身につけ、企業の経営状況を正確に算出できる人材」として企業から評価されます。

独学と通信講座、どちらが効率よく合格できますか?

費用を抑えたい方には独学、最短距離で効率よく合格を目指したい方には通信講座がおすすめです。簿記3級の知識がある方や、自分で学習計画を立てて継続できる方であれば、独学でも合格を十分に目指せます。

一方、通信講座は試験範囲に沿ったカリキュラムや質問サポートが用意されているため、簿記初学者や学習時間が限られている社会人の方に特に向いています。どちらが自分に合っているか迷っている方は、以下の記事も参考にしてみてください。

簿記3級を取得していなくても2級は受験できる?

日商簿記検定には受験資格が設けられていないため、簿記3級を取得していなくても2級を受験することが可能です。

ただし、簿記2級では3級で学ぶ仕訳や決算整理などの基礎知識を前提として問題が出題されます。そのため、簿記未経験者や基礎に不安がある方は、まず3級レベルの内容を学習してから2級対策を始めるのがおすすめです。

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経理の仕事には、会計処理や帳簿作成、決算処理があり、経理のできる人材の証明となるのが簿記2級の技能です。企業規模や業種を問わず、経理は必要不可欠。そのため、簿記2級の資格保有者は企業から求められ、重宝されます。
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