• 更新日:2026/09/25

簿記3級のネット試験は、テストセンターなどの会場に設置されたパソコンを使って受験するCBT方式の試験です。自宅で受験する形式ではありませんが、受験日を選びやすく、試験終了後すぐに合否を確認できる特徴があります。

統一試験とは、試験日や申込み方法、解答方法などが異なります。一方、試験時間や出題範囲、合格基準、取得できる資格の価値に違いはありません。

本記事では、簿記3級のネット試験と統一試験の違い、受験するメリット・デメリット、申込みから試験当日までの流れを解説します。パソコン操作を含む合格対策や受験時の注意点も紹介するため、受験方法を検討している方は参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 2020年12月より日商簿記2級・3級でネット試験(CBT方式)がスタート。東京商工会議所では2024年4月からネット試験のみに。
  • 統一試験が年3回なのに対し、ネット試験は随時受験が可能。中にはネット試験のみ受験可能な地域も。
  • 出題範囲や試験時間は統一試験とネット試験で差はない。
  • 最新の合格率は、ネット試験の方がやや高い傾向。
  • ネット試験の対策として、パソコン操作での解答に慣れておくことも重要なポイント。
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簿記3級のネット試験(CBT方式)とは?

簿記3級のネット試験とは、テストセンターなどの会場に設置されたパソコンを使って受験する試験方式のことです。2020年12月より、日商簿記2級・3級でネット試験が開始されました。

なお、自宅で受験するわけではなく、各ネット試験会場に出向いて受験する形式です。

ネット試験と統一試験では、申込み方法や試験日、合否判定のタイミングなどが異なりますが、出題範囲や合格基準、資格としての扱いは統一試験と同じです。

そのため、どちらの方式で合格しても同等の資格として認められます。

簿記の概要

簿記とは、企業の取引によって発生する資産・負債・収益・費用などを記録・計算・整理する技能のことです。日商簿記3級では、基本的な商業簿記を学びます。

簿記3級に合格すると、経理関連書類の読み取りや基本的な会計処理に役立つ知識を身につけられる点が魅力です。経理職を目指す方だけでなく、社会人や学生がビジネスの基礎知識として学ぶ資格としても広く活用されています。

東京商工会議所では2024年度からネット試験のみに

東京商工会議所では、2024年4月より「日商簿記検定試験」の簿記2級と簿記3級について、ネット試験でのみしか実施されていません。その他でも統一試験の実施を行わないと発表している地域もあり、申込み前に確認が必要です。

なお、簿記1級については、東京商工会議所でもこれまでどおり年2回の統一試験(紙試験)が実施されます。

簿記3級のネット試験と統一試験(ペーパー形式)の違い

ネット試験(CBT)と統一試験(ペーパー形式)の主な違いは、以下の通りです。

ネット試験(CBT) 統一試験(ペーパー形式)
試験会場 日本全国のテストセンター 指定の大学などの会場
試験日 指定日を除くほぼ毎日 2月、6月、11月
試験時間 2級:90分・3級:60分 2級:90分・3級:60分
出題範囲 出題区分表に従う 出題区分表に従う
解答方法 パソコンに直接入力 紙面に記入
合否判定 即日 2~3週間後
受験料 2級:5,500円・3級:3,300円 2級:5,500円・3級:3,300円
申込み方法 ネット申込み、会場問い合わせ方式 ネット申込み、コンビニ端末、団体の場合は商工会議所

試験を受ける際は、事前に両試験の違いを確認したうえで、余裕を持って受けるようにしましょう。各項目を以下で解説します。

試験会場・試験日

ネット試験は、全国のテストセンターなどのネット試験会場で実施されます。試験日は各ネット試験会場が設定するため、年3回(6月・11月・翌2月)に実施される統一試験と比べて、受験日を選びやすい点が特徴です。

ただし、ネット試験にも統一試験の前後に施行休止期間が設けられています。そのため、希望する日程で必ず受験できるとは限りません。受験を検討する際は、事前に試験会場や空席状況、施行休止期間を確認しておきましょう。

試験時間・出題範囲・解答方法

簿記3級の試験時間は、ネット試験・統一試験ともに60分です。出題範囲についても、どちらも簿記検定試験出題区分表に則して出題されるため、学習内容に違いはありません。

また、ネット試験(3級)の出題形式は、選択式と入力式を組み合わせた3題以内の構成です。仕訳問題はプルダウン方式で出題されるため、勘定科目を正確に選択することが求められます。金額を入力する問題では、数字のみを入力し、円マークや文字を入力しないよう注意が必要です。

紙の問題用紙への書き込みはできませんが、試験会場で計算・メモ用紙が配布されるため、それを活用しながら解答を進めることができます。

合否判定

ネット試験の場合は、試験が終わってすぐに自動採点され、パソコンで結果を確認することができます。また、判定結果が書いてあるスコアレポートが配布され、合格者にのみデジタル合格証を取得するためのコードが載っています。

統一試験(ペーパー形式)の場合は、合否判定が出るまでに2~3週間かかります。

受験料

簿記検定の受験料はネット試験、統一試験ともに変わりません。ただし、ネット試験の場合は、別途事務手数料がかかります。

  • インターネット申込方式:550円(税込)
  • 会場問い合わせ方式:0円~(受験するネット試験施行機関により異なります)


なお、ネット試験に合格した場合も、統一試験と同等の資格が得られます。履歴書への記載も可能で、資格としての価値に優劣はありません。

申込み方法

ネット試験の申込み方法には、「インターネット申込み方式」と「会場問い合わせ方式」の2種類があります。

インターネット申込み方式では、申込み専用ページからマイページを作成して申込む流れです。会場問い合わせ方式では、窓口・電話・インターネットなど、会場ごとに指定された方法で申込みます。

どちらの申込み方法を選んでも、試験の内容は同じです。ただし、試験日時や支払方法は会場によって異なるため、受験を希望する会場の案内を事前に確認しましょう。

簿記3級をネット試験で受けるメリット・デメリット

以下では、簿記検定をネット試験で受ける際のメリット、デメリットを解説します。

メリット

ネット試験の大きなメリットのひとつが、受験日の自由度の高さです。

統一試験と異なり、自分の学習の進み具合に合わせて受験日を選べるため、無理なく試験に臨めます。万が一不合格だった場合も、苦手分野を復習してから次の受験計画を立てやすい点も魅力といえるでしょう。

また、試験終了後すぐに合否が確認できるのも、ネット試験ならではの特徴です。結果を待つ期間が短いため、次のアクションにもスムーズに移れます。合格した場合は、スコアレポート内の二次元コードからデジタル合格証を取得することも可能です。

なお、ネット試験での合格も、統一試験と同資格として扱われます。そのため、履歴書に「日商簿記検定試験3級取得」と記載でき、就職・転職活動でも活用できます。

デメリット

ネット試験はパソコン画面で問題を確認しながら解答する形式のため、紙の問題に慣れている方は戸惑う場面があるかもしれません。仕訳問題はプルダウン方式で勘定科目を選択する仕組みになっており、選択ミスに注意が必要です。また、金額入力では数字のみを入力するなど、ネット試験特有の入力ルールを事前に把握しておくことが大切です。

なお、問題用紙に直接書き込めないため、配布される計算・メモ用紙を活用して情報を整理する練習をしておきましょう。

その他、統一試験の前後には施行休止期間が設けられており、必ずしも希望時期に受験できない可能性がある点も把握しておくべきポイントです。

簿記3級のネット試験に向けた合格対策

簿記3級のネット試験は、商業簿記のみ・3題以内・60分という形式で実施され、70%以上の得点が合格基準となっています。

ネット試験と統一試験では、出題範囲・難易度・合格基準に違いはないため、基本的な対策方法は同じと考えて問題ありません。

ただし、ネット試験を受験する場合は、パソコン環境での試験に慣れておくことが重要です。画面を見ながら計算用紙を使って解答する独特のスタイルに事前に慣れておくと、本番でも落ち着いて実力を発揮しやすくなるでしょう。

以下では、ネット試験に向けた具体的な合格対策を紹介します。

パソコン画面での問題演習を行う

ネット試験はパソコン上で解答するため、普段から画面で問題を解く練習をしておくことが大切です。マウス操作や画面の切り替えに慣れておくことで、本番でも落ち着いて解答できるでしょう。

操作ミスを防ぐ観点からも、本番と同じ環境での演習が重要といえます。また、本番では問題用紙に書き込めないため、計算用紙を使って解く練習をしておくことも欠かせません。紙の問題集だけでなく、CBT形式の模擬試験やオンライン問題集を活用するのがおすすめです。

仕訳問題を重点的に学習する

日商簿記3級の試験時間は60分で、100点中70点以上が合格ラインです。限られた時間の中で合格点を取るには、仕訳の理解が欠かせません。仕訳は多くの問題の基礎となるため、確実にマスターしておきましょう。

仕訳問題を攻略するには、まず勘定科目の意味や、借方・貸方それぞれの増減ルールをしっかり押さえることが大切です。基本的な仕組みが理解できたら、過去問や問題集を活用して様々な取引パターンに慣れていきましょう。なお、間違えた問題はそのままにせず、なぜ誤ったのかを丁寧に分析することで、同じミスを繰り返さない力が身につきます。

模擬試験で時間配分に慣れる

簿記3級のネット試験で合格するには、本番と同じ60分の制限時間を設定して模擬試験に取り組み、時間配分の感覚をつかんでおくことも大切です。

時間配分を把握しておくことで、本番でも落ち着いて解答を進められます。また、解き終えた後に見直しの時間を確保できるよう、各設問の解答ペースも事前に掴んでおきましょう。

なお、配点が20点と低い第2問を最後に解くのも、時間を効率よく使う方法の1つです。模擬試験を繰り返す中で自分の得意分野・苦手分野を把握し、時間内に安定して合格点を取れるようになるまで演習を重ねましょう。

簿記3級のネット試験の持ち物・流れ

ネット試験当日に必要な持ち物は、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)と電卓(計算機能のみのもの)の2点です。

試験会場では計算用の白紙A4用紙が2枚配布され、多くの会場ではボールペンなどの筆記具も貸与されるため、別途用意する必要はありません。

試験当日は、まず受付で本人確認を済ませたあと、指定されたパソコン席に着席します。その後、画面上で受験者情報を入力し、注意事項の確認画面へと進みます。内容を確認したら試験開始ボタンをクリックして受験スタートとなります。

試験終了後は、システムによる自動採点で即座に合否が判定されます。合否結果はスコアレポートとして配布され、その場で結果を確認できます。

簿記3級のネット試験を受験する際の注意点

以下では、ネット試験を受験する際の注意点を解説します。

受験票は発行されない

簿記3級のネット試験では、統一試験のような受験票は発行されません。予約完了時に届く確認メールに試験日時や会場、申込内容が記載されているため、内容をしっかり確認しておきましょう。当日迷わないよう、会場の場所や受付時間も事前に把握しておくと安心です。

当日の持ち物は、本人確認書類と電卓の2点です。忘れると解答に支障が出る可能性があるため、忘れ物のないよう準備しましょう。なお、筆記用具は会場で貸し出されるため、持参する必要はありません。

合格証は自分で印刷する

試験に無事に合格した場合、合格証は自分で印刷します。紙媒体での合格証の発行はないため、届くのを待つ必要はありません。合格者のスコアレポートにのみQRコードが表示されており、スマートフォン等で読み込むとデジタル合格証を取得できます。

PDF形式でダウンロードでき、スマートフォンなどに保存が可能です。なお、簿記検定のネット試験合格証も、統一試験同様に合格証として扱えます。

まとめ

簿記3級のネット試験は、テストセンターなどの会場でパソコンを使って受験する試験方式です。統一試験とは試験日・会場・申込方法・合否判定のタイミングなどが異なりますが、試験時間や出題範囲・合格基準・資格としての扱いは統一試験と変わりません。

ネット試験を受ける際は、パソコン画面での問題演習や仕訳問題のプルダウン選択、金額入力の操作に慣れておくことが大切です。本番で操作に戸惑わないよう、事前に十分な練習を重ねておきましょう。

ユーキャンの簿記3級講座では、ネット試験に対応した模試を受けることが可能です。合格までのスケジュールを逆算したカリキュラムや実践的な問題演習を活用したい方は、受講をご検討ください。

この記事の監修者は大間 武

ファイナンシャル・プランナー
会計コンサルタント
株式会社くらしと家計のサポートセンター代表取締役

<略歴>
飲食業をはじめ多業種の財務経理、IPO予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。

<保有資格>
日商簿記1級、税理士試験3科目合格(簿記、財務諸表、消費税)、CFP(R)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、プロフェッショナルCFO

よくある質問

簿記3級・2級の合格に必要な勉強時間は?

合格に必要な勉強時間の目安は、一般的に簿記3級なら50~150時間程度、簿記2級になら200~400時間程度とされています。

簿記3級のネット試験と統一試験の違いは?

統一試験(ペーパー形式)の試験日は年3回に限られていますが、ネット試験は随時受験が可能なため、自分のスケジュールに合わせて受験できます。試験時間や出題範囲はどちらも同じで、難易度に差はありません。

合否の判定スピードには大きな違いがあり、統一試験では結果が出るまでに2~3週間かかるのに対し、ネット試験は受験後すぐに画面上で確認できます。

受験料は同額ですが、申込方法(インターネット申込か、会場への直接問い合わせか)によって、別途事務手数料が発生する場合があります。

簿記3級のネット試験に向けた対策方法は?

ネット試験を受ける場合は、パソコン環境での試験に慣れておくと、当日もスムーズに受験できます。自宅や学習環境でキーボード入力や画面操作に慣れておくことが大切です。

紙の問題集だけでなく、CBT方式の模擬試験やオンライン問題集を積極的に活用しましょう。

また、仕訳問題は配点が高く、得点源になりやすいため重点的に学習するのがおすすめです。模擬試験を繰り返し解くなかで時間配分のコツをつかんでおくと、本番でも落ち着いて取り組めるでしょう。

簿記3級のネット試験の持ち物・流れは?

ネット試験当日に必要な持ち物は、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)と、計算機能のみの電卓です。スマートフォンや多機能電卓は持ち込めません。

試験当日はまず受付で本人確認を行い、指定された席に着席します。その後、試験開始ボタンをクリックして受験をスタートし、試験終了後はシステムによる自動採点で合否が即時判定されます。

合否結果はスコアレポートとして配布されるため、その場で結果を確認できるのがネット試験の大きな特徴です。

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