社労士合格に必要な勉強時間は?受験資格・合格のためのポイントも解説

- 公開日:2020/10/06
社会保険労務士(社労士)試験における平成30年の合格率はわずか6.3%です。受験した人の平均受験回数が4〜5回ということからも、難易度が高いことがうかがえます。
しかし、合格後のキャリアを考えると、できるだけ短い期間で合格したいと考える方も多いでしょう。この記事では、社労士試験に合格するために必要な勉強時間や、勉強の開始時期について解説します。受験資格や合格するためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
社会保険労務士(社労士)合格に必要な勉強時間
社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、目安として1,000時間以上といわれています。しかし難関資格のため、1回目で合格する割合は少なく、何度も受験している人も大勢います。
つまり、1,000時間勉強すれば必ず合格できるとは限りませんので、目安として考えるとよいでしょう。
社会保険労務士(社労士)試験はいつから勉強を始める?
効率のいい勉強をするなら、いつから勉強を始めるのがベストでしょうか。
試験は年に1回、8月の第4日曜日に実施されます。
予備校では、前年の10月頃に講座が開講されるのが一般的です。
そのため、次の設定で計算するとよいです。
- 合格に必要な勉強時間:1,000時間
- 勉強期間:10ヶ月間
- 1日に必要な勉強時間:1,000時間÷300日=約3時間20分
仕事をしていると、毎日これだけの勉強時間を確保するのは難しいケースが多いでしょう。
その場合、たとえば1日2時間に減らして計算すると、1,000時間÷2時間=500日≒約1年4ヶ月半必要となり、受験する前年の4月中旬が開始時期となります。
逆に、現在は仕事についておらず、1日に10時間勉強できるなら、1,000時間÷10時間=100日で約3ヶ月半必要です。受験する年の5月中旬に開始しても間に合う計算になります。
社会保険労務士(社労士)の受験資格
社労士試験には、受験資格があります。次に挙げるのは代表的な受験資格です。社会保険労務士を受験するには、いずれかを満たす必要があります。
詳細は、試験機関のオフィシャルサイトでご確認ください。
学歴
- 大学、短大、高専(高等専門学校)を卒業した方
- 4年制大学で、一般教養科目の勉強を終了した方
- 4年制大学で、62単位以上を修得した方
- 修業年限が2年以上、ならびに、課程修了に必要とされる総授業時間数が1,700時間以上の専修学校において専門課程を修了した方
4年制大学在学中でも、2と3のどちらかを満たしていれば受験できます。
中卒や高卒の方は、次の「実務経験」「国家試験の合格者」のいずれかを満たす必要があります。
実務経験
実務経験における主な要件は、「法人の役員または従業員(いずれも常勤)として、通算3年以上事務に従事した方」です。
その他、国家公務員や地方公務員、特定独立行政法人など、法人以外の団体についても記述がありますので、詳しくは下記サイトを参照してください。
共通するのは、通算して3年以上の実務経験があるかどうか、という点です。
- 参考:社会保険労務士試験の受験資格|社会保険労務士試験オフィシャルサイト(http://www.sharosi-siken.or.jp/exam/shikaku.html)
厚生労働大臣が認める国家試験の合格者
- 司法試験予備試験に合格した方
- 行政書士となる資格を有している方
- その他、厚生労働大臣が認定した国家試験に合格した方
高卒の方が社労士試験を目指す場合に最も多いのは、特に受験資格がない行政書士試験に先に合格して2を満たす方法です。
3については、詳細は下記をご確認ください。
- 参考:厚生労働大臣が認めた国家試験|社会保険労務士試験オフィシャルサイト(http://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/03/03_03_kokkasiken.pdf)
社会保険労務士(社労士)に合格するためのポイント
では、社労士試験に合格するためのポイントは、どのようなものがあるのでしょうか。
各科目7割正解を目指す
社労士試験は、選択式試験と択一式試験の2つの形式で出題されます。
選択式試験は、文章の空欄にあてはまる選択肢を選びます。
択一式試験は、問題の回答にあてはまるものを、複数の選択肢から選びます。
平成30年(第50回)試験における、配点と合格基準点は次のようになっています。
配点 | 合格基準点 | |
---|---|---|
選択式試験 | 40点満点 (1科目:5点満点) |
・総得点:23点以上 ・各科目:3点以上 |
択一式試験 | 70点満点 (1科目:10点満点) |
・総得点:45点以上 ・各科目:4点以上 |
合格基準点は、選択式試験が23点/40点、択一式試験が45点/70点で、約6割程度がボーダーラインとなっています。
つまり、7割正解を目指せば合格が十分可能ということになります。
試験は、選択式では8科目、択一式では7科目が出題されます。
各科目ごとにも合格基準点が設定されており、特定の科目で高得点を取っても、別の科目で合格基準点を超えられなければ不合格となるため、まんべんなく得点を取れるように勉強する必要があります。
勉強する箇所を絞り込む
受験科目は7〜8科目もあり、それぞれ内容が膨大で細かい暗記も必要となります。
そのため、出題確率が高い箇所を絞り込んで、効率よく勉強することが大切です。
受験科目は大別すると労働保険・社会保険の2つのジャンルに分けられます。各科目は関連性が強いため、効率よく勉強するには適切な学習の順番を考える必要もあります。
科目ごとに重点の置き方を考えたり、学習の順番について工夫するなど、事前に戦略を立てるのが合格のためのポイントです。
社会保険労務士(社労士)は独学でも合格できる?
では、社労士試験には独学でも合格可能なのでしょうか?
結論からいえば、独学でも合格は可能です。しかし、少なくとも1,000時間の勉強時間が必要な難しい試験ですので、勉強範囲を絞り込んだ、効率のよい勉強がポイントとなります。
そのためには、出題傾向を分析し、どこが重要な内容なのかを押さえる必要があります。
独学の場合のメリット・デメリット
独学の場合には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
●メリット
お金をかけずに済む
最大のメリットは、市販の教材だけで済めば、予備校代などのお金がかからない点です。しかし、実際に1度受験してみて、あまりの試験の難しさに、独学だけでは短期での合格は難しいと認識し、合格のためにきちんとお金をかけて学ぼうと思うようになる人も多いようです。
自分のペースで進められる
自分のペースで学習を進められるのもメリットです。しかし、だらけないためには「いつまでにどの内容を学習する」といった学習計画とその遵守が必要になります。
●デメリット
参考書の情報量が多い
出題範囲が広範囲なため、市販の参考書では情報量が多くなりがちです。そのため重要なポイントが分かりにくい場合があります。
最新の情報を集めるのが大変
社労士試験は最新の法改正について問われる内容が出題されるため、法改正の情報チェックが必要となります。しかし、情報量が膨大なのに加えて、法改正のどこが出題されるのか予測するのは素人には困難です。
独学で勉強する場合も、法改正については専用の通学講座などを単発で受講することをおすすめします。
少ない時間で合格を目指すなら
社労士試験には1,000時間の勉強時間が必要とされていますが、働いているので1日の勉強時間を多くとれないという方も多いでしょう。その場合、通信講座や通学講座を受講することで、独学よりも時間をかけずに効率よく勉強することが可能です。
- 市販の教材は情報量が多すぎるが、通信講座などの教材はポイントを押さえて最小限の内容に絞られている
- 通信講座などの教材を使えば、各試験科目の関連性を考慮した適切で効率の良い順番で学習できる
- 独学だとだらけがちになるが、通信講座などはペースメーカーとして利用でき「いつまでに何を学習する」と計画を立てやすい
- 独学では難しい、最新の法改正情報を集められ、法改正問題で得点できる
まとめ
社会保険労務士(社労士)試験合格に必要な勉強時間の目安は1,000時間です。そのため、試験の10ヶ月前から勉強を始めるなら、毎日3時間20分の勉強が必要となります。さらには合格のためには、「各科目7割正解を目指す」「勉強する箇所を絞り込む」のがポイントですので、できるだけ少ない時間で合格を目指すなら、通信講座がおすすめです。
社労士試験合格者の約9.8人に1人がユーキャンの社会保険労務士講座を受講しています。信頼の開講実績は30年以上、受講生の約82%が初学者と、初めてでも安心です。さらに、法改正についても常に最新の情報を提供しています。
独学では難しいと感じはじめたら、ぜひ受講を検討してみてください。
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社会保険労務士(社労士)は、労働問題や年金問題、社会保険のエキスパート。社労士試験には、受験資格があります。次の代表的な受験資格のいずれかを満たす必要があります。まずは学歴です。1)大学、短大、高専(高等専門学校)を卒業した方、2)4年制大学で、一般教養科目の勉強を終了した方、3)4年制大学で、62単位以上を修得した方、4)修業年限が2年以上、ならびに、課程修了に必要とされる総授業時間数が1,700時間以上の専修学校において専門課程を修了した方と定められています。実務経験における主な要件は、「法人の役員または従業員(いずれも常勤)として、通算3年以上事務に従事した方」です。厚生労働大臣が認める国家試験の合格者にも受験資格が与えられます。