• 公開日:2020/10/06

労働条件や年金などの問題が大きくクローズアップされている昨今、社労士への関心が高まりつつあります。ここでは、社会的な流れを汲み、スキルアップを目指して社会保険労務士(社労士)の資格試験を受けようと考えている方向けに、社労士試験の難易度や試験の概要、勉強方法などについて詳しく紹介しています。

この記事で社労士試験の難易度を理解し、より効率的な勉強方法を身につけることで、スキルアップに役立ててください。

社労士試験の難易度

社労士の資格試験は、難易度の高さでも有名ですが、他の資格試験と比較するとどの程度なのでしょう。

資格を得れば独占的な業務に対応でき、開業できるという国家資格がいくつかあります。その中でも、職務上必要と認められれば戸籍や住民票などについての請求権が認められている資格が「八士業」と呼ばれるもので、その分、難易度が高いと言われています。

「八士業」と呼ばれるのは、弁護士・弁理士・司法書士・行政書士・税理士・土地家屋調査士・海事代理士・社会保険労務士(社労士)です。以下で社労士とそれぞれの資格の難易度を比較します。

税理士との難易度を比較

税理士試験の難易度は社労士試験よりやや高いです。

税理士試験は、社労士試験と同様、試験科目が多いですが、11科目中5科目に合格すれば資格を取得できます。しかし、税理士試験の場合は、理論ベースの問題と計算ベースの問題が出題され、かなり難易度の高い数学系の問いが出るなど、1科目ごとの難易度は社労士試験より高いです。

ただ、一度合格した科目は翌年の試験で免除されるなど、社労士試験にはない優位性もあります。

行政書士との難易度を比較

行政書士の試験の難易度は、社労士試験よりやや低いです。

行政書士試験では、法律の基礎を中心に、政治経済に関する一般常識なども広く問われます。40文字程度の記述式試験がありますが、基礎的な法律の知識があれば解きやすく、法学について学び始めたばかりの人でもとっつきやすい試験といえるでしょう。

行政書士試験は、社労士試験と同様に、事務系の職に就いている人が取得を志す試験のひとつです。行政書士試験と社労士試験をセットで受験しようと考える人が多いのもそのためでしょう。

中小企業診断士との難易度を比較

中小企業診断士試験は、社労士試験より若干難易度が高くなっています。これは、プレゼンテーション能力を必要とする口述試験が設けられているからです。試験に要する勉強量で比較すると、社労士試験とほぼ同程度といわれます。

中小企業診断士は国家資格で、合格すると経営コンサルタントとして活躍できます。企画や会計、財務などさまざまな仕事と両立しながら受験する人が多いため、受験生のレベルが高く、難関試験のひとつです。

ファイナンシャルプランナーとの難易度を比較

ファイナンシャルプランナー技能士試験最難関である1級の合格率から難易度をはかると、合格率が一桁台の社労士試験の方が難易度がやや上です。

ファイナンシャルプランナー技能士試験は、「ライフプランニングと資金計画」など、その出題内容の一部が社労士試験と重複しています。このため、社労士試験と同時に取得しようとする人が多数いますが、社労士試験のほうがより深い部分まで学習する必要があります。

司法書士との難易度を比較

試験の難易度としては、合格率からも試験内容からも、社労士試験よりかなり高いものといってよいでしょう。法律系の試験の中で、司法試験についで難しいのが司法書士試験といわれています。
司法書士試験を受験しようとするとき、必要となる勉強時間は、3,000時間を超えるといわれていますが、それだけの勉強量にもかかわらず、合格率はわずか3%ほどしかありません。

試験科目が多いといわれる社労士試験と比較しても、さらに科目が多く、択一試験の問題の難易度は司法試験と同レベルだといわれています。

社労士試験の合格率

では、社労士試験の合格率を見ていきましょう。下の表は、平成26年から30年の社労士試験の受験者数、合格者数、合格率をまとめたものです。

受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
平成26年 44,546 4,156 9.3
平成27年 40,712 1,051 2.6
平成28年 39,972 1,770 4.4
平成29年 38,685 2,613 6.8
平成30年 38,427 2,413 6.3

平成26年は9.3%、平成27年は2.6%と年によって合格率に開きはあるものの、過去数年の合格率は平均6~7%の難関資格といえます。

  • 参考:社会保険労務士試験の結果について|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roumushi/shiken.html)

社労士試験の合格率が低い理由

社労士試験の合格率が低い理由のひとつとして考えられるのが、試験科目ごとにも合格基準点が細かく設定されている点です。

社労士試験には、5点満点の選択式と10点満点の択一式あり、選択式では2~3点、択一式では4点の合格基準点が設定されています。

合格基準点に満たないものが1科目でもあれば、合格できません。これは、得意な科目で点数を稼いでも、不得意な科目で基準点に満たなければアウトということです。

合格率が低いふたつめの理由は、受験科目が多い点です。後述しますが、10分野8科目が試験範囲になっています。

社労士試験の内容と合格ライン

次に、社労士試験の内容の詳細と合格ラインについて確かめていきましょう。

社労士試験の内容

社労士試験の内容は、10分野の中から出題されます。10分野は以下の通りです。

  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法
  • 雇用保険法
  • 労働保険徴収法
  • 労務管理その他の労働に関する一般常識
  • 社会保険に関する一般常識
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法
  • 国民年金法

社労士試験は選択式と択一式2種類の形式で出題されますが、択一試験では上記の10分野から7科目に編成され出題されます。1科目10問ずつ、1問につき1点の配点となっていて、70点満点です。

選択式は8科目から1問ずつ出題、1問につき5点が配点され40点満点です。合わせて110点満点となります。


社労士試験の合格ライン

社労士試験に関しては、選択式と択一式それぞれの総得点に加えて、科目ごとにも合格基準点が細かく定められており、全体で6~7割の得点が必要となります。

救済措置と呼ばれる合格基準点の調整が行われることもありますが、最初からアテにせず、いずれの科目も平均して点数をとれるようになりましょう。

社労士試験合格に必要な勉強時間

社労士試験合格のために要する勉強時間は、1,000時間以上だとされています。もちろん、実際にどれほどの時間を必要とするかは人それぞれです。

1年間で1,000時間勉強するためには、毎日休まずに2.5時間を勉強に費やしたとして、400日が必要だという計算になります。土日に6~7時間勉強すれば、平日の勉強時間を1時間に短縮できます。

これはあくまでも目安であり、個々人の勉強法などによって異なるものです。

社労士試験は独学で合格できる?

では、社労士試験に独学で合格することは可能なのでしょうか。

独学でも合格できるが難しい

独学で社労士試験に合格することは、もちろん不可能ではありません。しかし、実際には独学で合格することはかなり難しいです。

独学で学ぶためには、教材の選択や試験に応じた効率的な勉強法などをしっかり把握することが大切です。専門学校・通信講座では、教材や勉強方法等が提示されるだけでなく、法改正情報など受験に必要な情報が提供されます。そのため、より効率的に勉強を進めることができます。その意味で、これらをすべて1人で行う独学はなかなか難しいといえるのです。

独学のメリット・デメリット

ここで、独学のメリットとデメリットをいくつかのポイントとしてまとめました。


●独学のメリット

独学のメリットは、次の3点です。

  • すぐに学び始められるので時間が節約できる
  • 自分に都合のいい時間帯に学べる
  • 仕事と学びとを両立しやすい

●独学のデメリット

独学のデメリットは、以下の4点です。

  • 法改正情報など最新の情報を入手するのが難しい
  • テキスト選びを間違うリスクがある
  • 途中で挫折する可能性が高い
  • 学ぶという強い意志が必要になる

独学に向いている人

独学に向いている人物像とはどういったものでしょうか。一例として独学向きの人をあげていますので、自分があてはまるかどうかを確認してみましょう。

  • 自分自身に厳しく、メリハリのついた生活習慣を守れる人
  • 目標達成への意識が強く、モチベーションを維持できる人
  • 過去に独学で資格試験を勉強した経験があり、勉強の段取りや弱点克服方法などを熟知している人

社労士試験の対策方法

実際の社労士試験の対策方法について、いくつかの方法を見ていきましょう。

専門学校の対策講座を利用する方法

独学以外にも、専門学校の対策講座を利用するという方法があります。

専門学校に通学するメリットは、専門の講師から直接指導を受けながら学びを進められる点です。社労士を目指す仲間からの刺激を受けつつ学べるというのも大きなメリットです。また、決まった時間に通うことで、独学でおこりがちな中途の挫折といったリスクが少なくなります。

デメリットとしては、参考書を買うだけの独学に比べると学費が高額になる、学校や自宅、会社から遠い場合は、通学に時間を割く必要があるという点でしょう。

通信講座を利用する方法

通信講座を利用するという方法もあります。通信講座を利用するメリットは、以下の通りです。

  • 勉強時間の制約がない
  • 勉強法を自由に選択できる
  • 比較的費用を抑えることができる
  • 合格実績のあるカリキュラムで学べる
  • 質問に答えてくれる環境がある
  • 模擬試験などを利用できる

まとめ

社労士試験の難易度に関して他の資格試験と比較し、試験の特徴や勉強方法などを詳しく解説しました。試験範囲が広く、合格率が一桁など難易度が高い社労士試験は、独学では合格が難しい資格試験のひとつです。

独学と通学講座のメリットをあわせもつ通信講座で合格を目指すのであれば、すでに30年以上の開講実績があり、受験生の約82%が初学者であるにもかかわらず、合格者の9.8人に1人が利用したユーキャンで学ぶことをおすすめします。
社労士試験の合格に向けて、効率のよい勉強法を検討してみてはどうでしょうか。

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社会保険労務士(社労士)は、労働問題や年金問題、社会保険のエキスパート。社労士試験には、受験資格があります。次の代表的な受験資格(学歴・実務経験・試験合格・過去受験)のいずれかを満たす必要があります。まずは「学歴」です。1)大学、短大、高専(高等専門学校)等を卒業した方、2)4年制大学で、62単位以上を修得した方又は一般教養科目36単位以上かつ専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上を修得した方、3)修業年限が2年以上、かつ、課程修了に必要とされる総授業時間数が1,700時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した方などと定められています。次に「実務経験」における主な要件は、「法人の役員または従業員(いずれも常勤)として、通算3年以上事務に従事した方」などです。また、「試験合格」「過去受験」における主な要件として、行政書士試験や厚生労働大臣が認める国家試験の合格者及び直近の過去3回のいずれかの社労士試験の受験票又は成績(結果)通知書を所持している方などにも受験資格が与えられます。

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