• 更新日:2026/08/31

「社労士試験は難しい」とよく耳にするものの、実際に他の資格と比べてどの程度の難易度なのか、独学でも合格を目指せるのか気になる方は多いのではないでしょうか。

本記事では、社労士試験の難易度を他の資格と比較しながら、合格率・試験内容・必要な勉強時間・独学の可否まで詳しく解説します。これから受験を考えている方や、効率の良い勉強法を探している方は、ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 社労士試験の合格率は約5~7%と低く、難易度は高め。
  • 難易度を他資格と比較すると、FP1級・宅建士・行政書士より高く、税理士・司法書士より易しいとされる。
  • 合格率が低い理由は「試験範囲が非常に広い」「科目合格制度がない」「法改正に都度対応が必要」などが挙げられる。
  • 独学でも合格は目指せるが、ノウハウが詰まった教材・カリキュラムで効率良く対策できる専門学校や通信講座を活用するのが一般的。
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社労士試験の合格率

まずは、社労士試験の合格率を見ていきましょう。以下の表は、令和7年度までの5年間における社労士試験の受験者数、合格者数、合格率をまとめたものです。

年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
令和7年度 43,421 2,376 5.5
令和6年度 43,174 2,974 6.9
令和5年度 42,741 2,720 6.4
令和4年度 40,633 2,134 5.3
令和3年度 37,306 2,937 7.9
出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「合格発表」

令和7年は5.5%、令和3年は7.9%と年によって合格率に若干のばらつきはあるものの、過去数年の合格率は平均5〜7%と低めの水準にあり、難関資格であることがわかります。

社労士試験の難易度を他の資格と比較

社労士試験への理解を深めるため、他の代表的な法律系資格と比較してみましょう。社労士と比較されやすい5つの資格との難易度差は、一般的には、以下のように評価されることが多いです。

資格 社労士との難易度比較
税理士 やや高い
行政書士 やや低い
中小企業診断士 やや高い
ファイナンシャルプランナー1級 やや低い
司法書士 かなり高い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社労士と税理士の難易度を比較

税理士試験の難易度は、社労士試験よりやや高いとされています。

税理士試験は試験科目が多いものの、11科目のうち5科目に合格すれば資格を取得できます。一方、理論ベースと計算ベースの両方の問題が出題され、難易度の高い計算問題も含まれるため、1科目ごとの難易度は社労士試験を上回る可能性があります。

ただし、税理士試験には一度合格した科目が翌年以降の試験で免除される制度があり、これは社労士試験にはない優位性といえるでしょう。

社労士と行政書士の難易度を比較

行政書士試験の難易度は、社労士試験よりやや低いとされています。

行政書士試験では、法律の基礎を中心に、政治・経済に関する一般常識などが幅広く問われます。40字程度の記述式問題もありますが、基礎的な法律の知識があれば解きやすく、法学を学び始めたばかりの方でも取り組みやすい試験といえるでしょう。

行政書士試験は、社労士試験と同様に事務系の職種に就く方が取得を目指すケースが多い資格です。行政書士試験と社労士試験をセットで受験しようと考える方が多いのも、こうした共通点があるためだと考えられます。

社労士と中小企業診断士の難易度を比較

中小企業診断士試験は、社労士試験よりも難易度がやや高めです。

理由として考えられるのは、一次試験で7科目にわたる幅広い知識が求められることに加え、二次試験では事例企業の課題を分析し、記述式で解決策を提案する応用力が問われるためです。ただし、合格までに要する勉強量で比較すると、社労士試験とほぼ同程度とされています。

中小企業診断士を取得すると、経営コンサルタントとして活躍できます。企画や会計、財務などの実務と両立しながら受験する方が多く、受験生の水準も高いため、難関試験の1つに数えられます。

社労士とファイナンシャルプランナー(FP)の難易度を比較

ファイナンシャルプランナー技能士試験で最も難しい1級でも、難易度は社労士試験よりやや低いとされています。

FP1級の学科試験には、社労士試験のような科目別のボーダーはありません。基礎編100点・応用編100点の合計200点満点で、6割の120点以上を取れば合格になります。

また、ファイナンシャルプランナー技能士試験は、「ライフプランニングと資金計画」など出題内容の一部が社労士試験と重複します。そのため、両資格の同時取得を目指す方もいますが、社労士試験のほうがより深い部分まで学習する必要があります。

社労士と司法書士の難易度を比較

司法書士試験の難易度は、合格率と試験内容の両方の観点から見ても、社労士試験を大きく上回ります。

司法書士試験は法律系の試験の中で特に難しいとされており、合格までに必要な勉強時間は3,000時間を超えるといわれています。しかし、それほどの勉強量を重ねても、合格率はわずか3%ほどしかありません。

試験科目の多い社労士試験と比較してもさらに科目数、出題範囲が広く、かつ、記述式試験も課されるため、法律系国家資格の中でも特に難易度が高い試験とされています。

社労士試験の概要

社労士試験は年に1回、毎年8月下旬に実施される国家試験です。受験資格や申込み期間、受験料などの基本情報は、原則として以下の通りです。

項目 内容
試験日 毎年8月の第4日曜日
合格発表 10月初旬
受験資格 学歴・実務経験・他の国家資格合格などのいずれかを満たすこと
申込み方法 インターネット申込みまたは郵送申込み
申込み受付期間 4月中旬~5月下旬
試験会場 全国の指定都道府県から選択(年度により異なる)
受験料 15,000円(非課税)

社労士試験は年に1回しか実施されないため、申込み期間を逃さないように注意しましょう。最新の試験日程や詳しい受験資格は、社会保険労務士試験のオフィシャルサイトで確認できます。

受験資格は学歴・実務経験・他の国家資格合格の3パターンにわかれており、いずれか1つを満たせば受験が可能です。

なお、受験要件について詳しく知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。

社労士試験の具体的な内容と合格ライン

次に、社労士試験の具体的な内容と合格ラインを詳しく見ていきましょう。

試験内容の詳細

社労士試験は、以下の10分野から出題されます。

・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労働保険徴収法
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法

出題形式は選択式と択一式の2種類で、択一試験は上記10分野を7科目に編成した問題が出題されます。1科目10問・1問1点の70点満点です。

選択式は8科目から1問ずつ出題されます。1問5点の40点満点で、両形式を合わせると110点満点となります。

合格ラインの詳細

社労士試験に合格するには、満点の6~7割の得点が必要です。ただし、選択式・択一式それぞれの「総得点の基準」と「科目ごとの基準」が設定されており、1科目でも基準点に届かなければ、総得点が基準を超えている場合でも合格はできません。

なお、年度ごとの出題難易度や得点分布によって、合格基準点は補正(引き下げ)されることがあり、これは通称「救済措置」と呼ばれています。

昨年度の合格基準点は、以下の通りです。

区分 総得点 各科目
選択式 22点以上 3点以上(労働者災害補償保険法・労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識は2点以上)
択一式 42点以上 4点以上(雇用保険法は3点以上)
出典:厚生労働省「第57回(令和7年度)社会保険労務士試験の合格基準について」

社労士試験の合格率が低い理由

社労士試験の合格率が低い理由の1つに、試験科目ごとに合格基準点が細かく設定されている点が挙げられます。

選択式は5点満点で原則3点以上、択一式は10点満点で原則4点以上と科目別に合格基準点が設定されており、1科目でも基準点を下回れば合格できません。得意科目で高得点を取ったとしても、苦手科目が基準点に届かなければ不合格となります。

合格率が低い2つ目の理由は、受験科目が多い点です。前述の通り、10分野8科目という広い範囲が出題対象のため、全ての科目で一定水準まで仕上げる必要があります。これらの要因が社労士試験の合格率を押し下げていると考えられます。

社労士試験の合格に必要な勉強時間

社労士試験の合格には、1,000時間程度の勉強が必要とされています。1,000時間を毎日2.5時間ずつ確保する場合、休まず続けても400日かかるため、1年余りの学習期間を見込みましょう。

なお、休日に6~7時間まとめて取り組めば、平日の勉強時間を1時間程度に抑えることもできます。ただし、これらの数値はあくまで目安であり、必要な勉強時間は個々人の前提知識や勉強方法によって異なります。

社労士試験は独学で合格できる?

独学での試験合格は不可能ではありませんが、実際はかなり難しいといえます。独学で進めるには、適切な教材選びや効率的な勉強方法を自分で見極める必要があります。

通信講座や専門学校であれば、教材と勉強方法が体系的に提示されるうえ、法改正情報など受験に欠かせない情報も得られるため、効率的に学習を進められます。

これらを全て1人で行う独学には、相応のハードルがあるといえるでしょう。

社労士試験の対策方法

独学で社労士試験合格を目指すのは難しい場合が多いため、一般的には通信講座や専門学校を活用しながら対策を進めます。

いずれの方法も独学で起こりやすい途中の挫折を防ぎやすく、過去のノウハウが詰まった教材で効率的に試験対策ができます。

まとめ

社労士試験は合格率5~7%、必要な勉強時間は1,000時間程度と、法律系資格の中でも難関に位置づけられます。試験範囲が10分野と広いうえ、科目ごとに合格基準点が設けられているため、全ての科目をまんべんなく仕上げなければなりません。

難易度が高いだけに、独学での合格は簡単ではありません。法改正への対応や効率的な学習計画まで1人でこなすのは負担が大きく、教材やサポートが整った通信講座を活用することが合格への近道といえます。

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※合格者数は、当社が当講座受講生に対して行ったアンケートへの回答で、2015年~2024年の試験を実際に受験し合格された方の数です(2025年8月現在)。

大柴 良史(おおしば よしふみ)
この記事の監修者は大柴 良史(おおしば よしふみ)

社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。
HP:https://aberiaconsul.com/

よくある質問

社労士の将来性は?

社労士は、今後も将来性のある資格といえます。クラウドやAIの進化により、士業全体の業務は縮小傾向にありますが、働き方改革や雇用の見直しなどで就労環境が変化しており、社会保険や労働関係の専門家である社労士への需要は高まり続けています。

試験に合格したら社労士を名乗れる?

正式に社労士になるには、社会保険労務士名簿への登録が必要です。登録条件は「2年以上の実務経験があること」「全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を修了すること」のいずれかを満たすことです。

社労士の平均年収は?

社労士の平均年収は500万円程度といわれています。ただし、働き方による変動が大きく、勤務型社労士の平均年収が400~500万円であるのに対し、独立開業型は年収1,000万円以上を目指すことも可能です。

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社会保険労務士(社労士)は、労働問題や年金問題、社会保険のエキスパート。社労士試験には、受験資格があります。次の代表的な受験資格(学歴・実務経験・試験合格・過去受験)のいずれかを満たす必要があります。まずは「学歴」です。1)大学、短大、高専(高等専門学校)等を卒業した方、2)4年制大学で、62単位以上を修得した方又は一般教養科目36単位以上かつ専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上を修得した方、3)修業年限が2年以上、かつ、課程修了に必要とされる総授業時間数が1,700時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した方などと定められています。次に「実務経験」における主な要件は、「法人の役員または従業員(いずれも常勤)として、通算3年以上事務に従事した方」などです。また、「試験合格」「過去受験」における主な要件として、行政書士試験や厚生労働大臣が認める国家試験の合格者及び直近の過去3回のいずれかの社労士試験の受験票又は成績(結果)通知書を所持している方などにも受験資格が与えられます。