• 公開日:2020/10/06

働き方改革の影響もあり、需要が増え続けると見込まれている社労士の仕事。キャリアアップにも人気の資格ですが、年収や業務内容など、あまり詳しく知られていない職業でもあります。

この記事では、社労士の資格取得を考えている人に向け、年収や業務内容などの実態を詳しく解説します。今後の資格取得の参考にしてみてください。

社労士(社会保険労務士)とは?

社労士とは、労働法や社会保険に精通する国家資格の1つです。資格試験年に1度だけ行われており、幅広い出題科目と低い合格率から難関国家資格であると言われています。社労士の業務は「1号、2号、3号業務」と呼ばれ、労働・社会保険に関する書類作成・提出代行などをおこなう1号業務と、帳簿書類の作成である2号業務は社労士の独占業務です。

社労士の多くは一般企業の総務部や社労士事務所などに勤める「勤務型」と、経験を積んでから独り立ちする「独立開業型」の2つに分かれます。勤務型では幅広い業務を扱い、安定した収入が得られます。一方の独立開業型は、仕事量や顧客を自分で選ぶことができるため、平均以上の年収を目指すことも可能です。

それぞれにメリットやデメリットがありますので、自分の将来性に合う働き方を考えましょう。

社労士の平均年収は?

社労士や弁護士といった、いわゆる「士業」と呼ばれる職業は、年収がとても高いというイメージがあるでしょう。ですが、社労士の平均年収は400~500万円程度とされています。意外と高くないのでは、と思われるかもしれませんが、これはあくまで平均であり、社労士の年収は、働き方などによって大きく変動します。

厚生労働省の調査ではおよそ500万円

厚生労働省が実施した賃金構造基本統計調査によると、社労士の平均年収はおよそ500万円ほどという結果が出ています。これはあくまで平均であり、もちろんもっと稼いでいる人や、少ない人もいます。

会社勤務の社労士の場合、昇給やボーナス、役職などにより個人の年収が変わります。しかし、社労士の年収は男女による大きな差が出ないのも特徴で、女性でも500万円以上の年収を目指せます。

頑張り次第で年収を増やせるという点では、特に独立開業型が当てはまります。勤務型では事務所や会社の経営次第である程度の年収が決まってしまいますが、独立開業型ではすべてが自分の腕次第です。

勤務型か独立開業型では大きく異なる場合も

社労士事務所や民間企業に務める勤務型社労士の場合、平均的な年収は400万円~500万円であるのに対し、独立開業型は年収1,000万円以上を目指すこともできます。独立開業型の年収は特に個人差が大きく、独立したての社労士の場合、最初の1~2年は年収100万円ほどになることもあります。

定期的に決まった給与が支払われる勤務型と違い、独立開業型は自分で顧客を探さなければなりません。多くの場合、企業や事務所などに勤務し、経験を積んでから独立を決心するでしょう。そこから顧客を探し、信頼を積み重ねていかなければならないため、顧客と売り上げが増えるまでは年収もなかなか伸びません。

しかし、顧客からの信頼を勝ち取り続けて契約を増やすことができれば、年収1,000万円も夢ではないのです。

安定した収入が魅力の勤務型と、大きな年収が目指せる独立開業型。個人差が大きいため、自分がどう働きたいかというビジョンをしっかり定めておきましょう。

女性でも高収入は可能!

「士業」と聞くと、何となく男性の方が多そう、というイメージかもしれません。しかし、社労士は他の士業に比べ、女性比率がとても高いのも特徴です。試験の合格者の内訳を見ても、社労士の女性比率は他の士業よりも10%ほど高く、女性にも人気の資格であることがわかります。さらに、厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ると、女性の年収がわずかに高い年があります。

  • 【参考】賃金構造基本統計調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou_a.html)

社労士は一般企業からも需要が高く、勤務型として働き続けられることも人気の要因の1つでしょう。女性が資格を取った場合、将来的に独立開業を目指す人は比較的多くありません。勤務型を続ける理由の中には、復帰のしやすさや安定性だけではなく、仕事の内容が女性に向いている、ということもあります。こちらについては、次の段落で詳しく解説します。

実は女性に向いている?

社労士の資格があれば、産休育休明けでブランクがあっても、社労士としての仕事を続けやすくなります。また、業務内容も書類の作成や計算、社会保険の手続きなど、緻密さと正確さを求められる業務は女性に向いています。3号業務である「相談・指導」に関しても、女性ならではの気配りや対応が求められる場面も多く、女性社労士の必要性は高いのです。

さらに、社労士が扱う労働法や社会保険に関しては、女性の方が高い関心をもっていると言われています。こうした背景から、社労士を目指す女性が増え続けていると考えられます。

社労士の主な仕事は3つ

労働法や社会保険のプロである社労士。具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。勤務先により業務内容は変わりますが、社労士としての業務は主に以下の3つに分けられます。

各種保険の手続きや給与計算

社員の入退社に応じた保険の加入・喪失手続き、就業規則の作成、労働者に関する名簿・賃金台帳の作成、各種助成金などの申請をおこないます。こうした業務に付随する給与計算なども、あわせて社労士へ依頼することがあります。これらの業務は社労士の独占業務の1つであり、社外に依頼する場合は社労士の資格がなければ依頼を受けることができません。

社内でおこなう場合であれば資格がなくてもよいのですが、こうした業務には深い専門知識が必要とされます。そのため、該当部署に精通した人材がいない場合、外部へ依頼することになります。

人事・労務問題のコンサルティング

社労士には、労働法や社会保険に関する幅広い専門知識が備わっています。そのため、企業から人事や労務問題に関する相談を受け、解決へと導くコンサルティング業務も仕事の1つです。各種ハラスメントやブラック企業問題など、会社では日々多くの悩みや問題が生まれます。雇用形態も多様化しているため、それらに合わせた就業規則の作成や、人材育成・採用もおこないます。

こうしたコンサルティングは社労士の独占業務ではありませんが、賃金制度や福利厚生に関する専門性の高い相談は、社労士にお願いしたいという需要が多くあります。

年金関係の手続き業務

「消えた年金問題」が騒がれて以来、個人・企業問わず年金に対する関心が高くなってきました。社会保険を扱う社労士は、公的年金に関わる唯一の国家資格です。年金受給の手続き、受給資格や支払状況の確認、相談などを年金相談センターでおこなっている社労士も多くいます。

なお、前述した2点の業務内容は企業向けですが、年金関係の手続き業務はほぼ個人向けとなります。

社労士の将来性は?

働き方改革や雇用の見直しなど、働き方に関する考えが変わり続けています。そうなれば企業は雇用条件などを見直さなければならず、コンサルティング業務なども含め、専門家である社労士への需要も高まり続けるでしょう。書類作成・代行などの業務に関しても需要があるため、中長期的に見れば安定していると言えます。

「稼げない」「仕事がない」は本当?

クラウドやAIが進化したことにより、士業全体の業務は減少傾向にあります。しかし、働き方改革の影響もあり、社労士の需要は年々増加が見込まれているのです。社労士がおこなう業務は、日々新しく増え続けるハラスメントや人間に対する問題であり、簡単に機械化することはできません。

転職市場においても資格取得者は優遇される傾向にあり、「仕事がない」というのは個人の問題にすぎず、社労士全体の話ではありません。また、働き方の変化により、頻繁な法改正がおこなわれています。そうした細かな対応は、AIでは難しいでしょう。

独立するなら営業力が必要

独立開業をすれば、高い年収を目指すことができます。しかし、企業へ勤務していたときのように、勝手に仕事が舞い込んでくるわけではありません。

独立して最初に問われるのは営業力であり、地道な努力を求められるでしょう。大企業は既に社内で社労士を雇っていることが多いので、独立型の顧客は中小企業がメインになります。書類作成や給与計算などの依頼を受け、少しずつコンサルティング業務や相談などに広げていきます。

その場限りの依頼で終わらせないためには、顧客満足度を上げなければなりません。依頼されたことだけをおこなうのではなく、プラスアルファの提案をするなど、少しずつ工夫して継続的な売り上げを伸ばしていきましょう。

社労士になるには?

社労士になるためには、年に1回おこなわれる資格試験に合格しなければなりません。その試験を受けるためにも、受験資格が求められます。詳しい受験条件や試験の概要について、以下で詳しく解説します。

「学歴・実務経験・国家資格」のいずれかが必要

まず社労士の資格試験を受けるためには、定められた受験資格をクリアしている必要があります。

学歴では、「大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者又は専門職大学の前期課程を修了した者」などの5項目、実務経験では「労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者」などの5項目があります。

国家資格では、「社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者」などの3項目が定められています。受験資格の詳細は、公式サイトを参考にしてください。

  • 【参考】社会保険労務士試験オフィシャルサイト│社会保険労務士試験の受験資格(http://www.sharosi-siken.or.jp/exam/shikaku.html)

合格率は一桁、難関試験の内容

社労士の資格試験は、毎年4万人ほどが受験しています。しかしその合格率は平均6~7%であり、なかなかの難関資格であることがうかがえます。試験は「選択式」と「択一式」に分かれ、労働法と社会保険からなる全10分野から出題されます。年によって異なりますが6割程度以上の正解率が目安です。

しかし、全体の点数だけではなく、試験科目(選択式8科目、択一式7科目)ごとにも合格基準の点数が設定されています。つまり、苦手な分野をなくし、まんべんなく点数を取らなければなりません。

勉強法は通信講座がオススメ

社労士の勉強には、各予備校や市販されたテキストを購入する方法もあります。しかし、予備校へ通う時間が取れない、市販のテキストでは疑問点の質問ができないなどの問題があります。独学での勉強時間は約700~1000時間と言われていますが、効率よく勉強をするには、通信講座のユーキャンがおすすめです。
あちこちの辞書や参考書を行ったり来たりすることなく、科目ごとに分かれたテキスト1冊で勉強が進められるよう作られています。添削指導が受けられる点も魅力で、独学では躓きやすい回答への根拠、理解に関しても、質問をすることで1つずつ解消していくことができます。

まとめ

働き方や頑張り次第で、高い年収が目指せる人気の社労士。需要も高まり続けており、将来性のある資格のひとつです。合格率は低く難関国家資格ではありますが、計画的に、効率よく勉強すれば合格も夢ではありません。

社労士の資格試験では、合格者の約9.8人に1人がユーキャンの社会保険労務士講座を受講しており、受講生の約82%が学習経験ゼロからのスタートです。頻繁におこなわれる法改正の情報も受け取れるため、迷いなく勉強をすすめることができます。

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社会保険労務士(社労士)は、労働問題や年金問題、社会保険のエキスパート。社労士試験には、受験資格があります。次の代表的な受験資格のいずれかを満たす必要があります。まずは学歴です。1)大学、短大、高専(高等専門学校)を卒業した方、2)4年制大学で、一般教養科目の勉強を終了した方、3)4年制大学で、62単位以上を修得した方、4)修業年限が2年以上、ならびに、課程修了に必要とされる総授業時間数が1,700時間以上の専修学校において専門課程を修了した方と定められています。実務経験における主な要件は、「法人の役員または従業員(いずれも常勤)として、通算3年以上事務に従事した方」です。厚生労働大臣が認める国家試験の合格者にも受験資格が与えられます。

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