• 公開日:2020/06/19

宅建士(宅地建物取引士、通称宅建)は不動産業界で働いていれば、一度は取得を考える資格です。不動産業界への就職・転職や、会社によっては年収アップに有利になることもあり、多くの人が取得を目指します。

宅建の試験や出題内容はどのようなものなのでしょうか。この記事では、これから試験を受ける人のために、宅建の概要や試験内容を解説します。また、宅建が役立つ業界、勉強時間の目安なども紹介しますので、宅建の資格を取ろうと考えている人はぜひ参考にしてください。

宅建試験とは?

宅建の正式名称は、「宅地建物取引士」です。不動産に関わる資格であり、宅地・建物の売買や、賃貸を仲介する業務(宅地建物取引業)を行う際に必要となる専門知識を持った士業の一つです。例年20万人前後が受験する国家資格で、国内最大規模といわれています。

宅地建物取引業を行う企業では、従業員5人のうち宅建士を、その事務所に必ず1人配置する義務があります。

宅地建物取引士になるためには?

宅地建物取引士として働くためには、まず資格試験に合格しなければなりません。合格したら、実務経験や講習修了などの要件を満たしたうえで、試験を行った都道府県知事へ登録申請します。登録後、宅地建物取引士証の交付申請を行い宅地建物取引士証が交付されれば、宅建士としての仕事を行うことが可能になります。

なお、宅地建物取引証の交付を受けようとする者は法定講習を受講しなければならないのが原則です。しかし、試験に合格後1年以内に交付を申請する場合は受講は不要です。

宅建を持つメリットとは?

宅建の資格を取るメリットは、不動産業界などへの転職が有利になることです。未経験では応募ができない企業でも、宅建の資格保持者は応募可となる企業は多いです。そのため、子育てなどでブランクがある主婦や、大学生の就職にも有利です。

宅建士として働く人は、独立開業をしたり、キャリアアップを狙って取得を目指すケースもあります。勤務先によっては数万単位の資格手当がつくため、資格を取ることで年収アップを目指せるのです。

宅建が役立つ業界とは?

宅建の資格は、不動産業界だけではなく、金融業や駐車場業にも役立ちます。融資や不動産購入などの際には不動産価値を見極める知識が必要ですが、宅建士は不動産に関するプロフェッショナルなので周囲からも頼りにされます。宅建の資格があれば、幅広い分野で活躍できるでしょう。

そんな宅建の資格試験には、一部免除制度もあります。免除を受けるための条件は所定の登録講習を修了することですが、登録講習を受けるには条件が2つあります。

  • 宅地建物取引業に従事していること
  • 「従業者証明書」を持っていること

これらを満たしている人のみが、登録講習を受けることができ、修了すれば問題の一部(例年は5問)を免除されます。なお、免除を受けるかわりに試験時間が10分短くなるので注意が必要です。また、登録講習を受けるには別途費用がかかります。

2017年度(平成29年度)宅地建物取引士資格試験の年代別受験状況

平成29年度の宅建資格試験の受験状況は、以下の通りです。

年代 受験者数 合格者数 合格率
20代未満 4,821人 623人 12.9%
20代 71,590人 12,010人 16.8%
30代 55,647人 8,994人 16.2%
40代 44,693人 6,637人 14.9%
50代 23,886人 3,327人 13.9%
60代 8,717人 1,053人 12.1%

宅建の資格試験は、毎年難易度にばらつきがあるものの、ほぼ15%前後の合格率です。学歴や経験問わず、だれでも受けることができるため受験者の年代も幅広くなっています。

受験概要

宅建の資格試験について、受験の概要を解説します。受験を検討している人は参考にしてください。

受験資格

受験資格は特にありません。学歴や年齢に関係なく、だれでも受験することが可能です。実務経験や国籍も関係ありません。これまでの宅建試験の最年少合格者は12歳です。

難易度

宅建試験は難易度が低めといわれていますが、合格率は約15~17%前後です。毎年多くの人が受験し、平成29年度の受験者数は20万人を超えました。受験者数が多くなると、その分合格率も下がります。また、宅建試験の合否判定は、相対評価方式となっています。そのため、はっきりとした合格基準を設けていません。

例年の結果では、50問中35点以上で合格となっています。平均して7割以上の正当率が望ましく、37点以上であれば安全圏といえるでしょう。

受験のスケジュール

宅建の受験申し込み申請は、毎年7月初旬頃に受付を始めます。 必ず公式ホームページをチェックし、受験する年の申込受付期間を確認してください。 受験までの流れは以下のとおりです。

  • 受験申込:郵送・インターネット可
  • 受験票の送付:9月下旬頃
  • 資格試験の実施:毎年10月の第3日曜日・13時~15時まで
  • 合格発表:12月
  • 合格証書の送付:合格発表後

詳細に関しては、必ず事前に公式ホームページを確認してください。

  • 参考:不動産適正取引推進機構│宅建試験(http://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html)

受験会場と受験日程

宅建の資格試験は、全国の各会場で一斉に行われますので、最寄りの会場を選ぶことができます。申し込み受付は7月中旬頃まで、受験日は毎年1回、10月の第3日曜日です。

受験申し込みの際には、受験手数料7000円が必要となります。支払方法は、インターネットの場合はクレジットカード、またはコンビニエンスストアでの支払いが可能です。郵送の場合、指定払い込み用紙で銀行・ATMから振り込みます。

申し込み方法

受験の申し込みは、インターネットと郵送のどちらかを選べますが、申し込み方法によって受付期限が変わります。インターネットでの申し込みの場合は受付期限が短くなりますので、どちらで応募するのかを決め、必ず受付期限を確認してください。

試験内容

宅建の試験形式は、4肢択一式のマークシート式です。計50問で1問1点となり、記述式の問題はありません。出題科目は大きく4科目に分かれ、「宅建業法」「権利関係(民法など)」「法令上の制限」「税・その他」となっています。権利関係などは過去の判例などからも出題されるため、しっかりとした対策が必要です。

宅建業法

宅建業法とは、「宅地建物取引業法」のことで、不動産取引の際に弱者となる買主・借主を保護する目的で定められた特別法です。重要事項の説明、免許の効力、クーリングオフについてなど、基礎的な問題がメインとなります。

宅建業法は50問中20問と多くの割合を占めており、得点もとりやすい科目です。テキストや過去問から傾向を把握し、暗記できるようじっくりと取り組みましょう。

基礎的な問題が多いため、きちんと取り組めばすんなりと理解できる科目です。出題数が最も多く得点を稼ぎやすいため、この科目に関しては優先的に学習を進めましょう。

権利関係(民法)

不動産に関わる取引では民法が適用されるため、宅建士には必須の科目です。民法の基礎だけではなく、借地借家法、不動産登記法、区分所有法なども範囲となります。

権利関係のなかでは、民法が一番学習しづらい分野です。民法は1000条を超える条文があり、全てを暗記するわけにはいきません。また、最新の判例知識までを出題範囲としているため幅が広いのが特徴です。

権利関係は、全50問中14問を占めており、宅建業法に次いで問題数が多い科目です。しっかりと時間を取り、学習しましょう。学習のコツは、当事者になったつもりで問題を読む、過去問をしっかり繰り返す、基本事項を理解しておくことです。

法令上の制限

土地を購入したとしても、どこでも自由に建物を建てられるわけではありません。高さや場所など、土地ごとに法令で決められた制限は数多くあります。こうした制限は土地の価格に大きく関わり、宅建士の専門知識として重要な科目です。

宅建試験では、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、土地区画整理法、農地法、宅地造成等規制法などから出題されます。専門用語も多く理解しづらいため、最初はなかなか学習がスムーズに進みません。しかし、出題されるポイントは大体同じですので、そのポイントを確実に覚えれば高得点を獲得することも可能です。

法令上の制限は全50問中8問と、全体の割合も少ない科目です。用語や文章を暗記するだけではなく、過去問を繰り返し解きながら重要なポイントの理解を深めましょう。

税・その他

税金に関する問題では、固定資産税や登録免許税など、不動産関係の税が出題範囲となります。税金は複雑であり、苦手意識をもつ人も多い科目です。しかし、宅建試験で出題されるのは、不動産に関する税金のみなので、覚えるのに時間はかかりません。基本的な知識を覚えてしまえば大丈夫です。

税以外の出題では、鑑定評価基準、土地・建物などから出題されます。この科目の出題数も8問と少ないため、あまり深堀せず、必要な暗記箇所に真摯に取り組みましょう。

宅建取得にかかる時間は?

宅建は不動産や民法に関する知識を必要とするため、勉強にかかる時間も個人差が大きいです。事前に民法などの予備知識があったり、不動産業務の経験があったりする場合には、最短100時間の勉強で合格する人もいます。慣れない初心者は500時間ほど必要なため、合格を目指すためには、最低でも300時間は確保しておくとよいでしょう。

1日2時間の勉強であれば150日ほどかかる計算ですので、宅建の問題などに慣れていない場合、少なくとも半年以上は欲しいところです。試験の日程から逆算し、余裕のある学習計画を立てましょう。

まとめ

宅建の資格試験は、毎年20万人前後が参加する人気の資格ですが、難易度はそこまで高くないといわれています。独学でもしっかり対策を立てて学習すれば合格を狙えるので、ぜひ取得を検討してみましょう。効率のよい学習法として、通信講座を受講するのもおすすめです。

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