• 更新日:2026/08/31

「宅建士(宅地建物取引士)」は不動産取引では欠かせない資格です。ただし、国家試験の中でも難易度が高く、合格を目指すには十分な勉強時間を確保する必要があります。

本記事では、合格に必要な勉強時間の目安や科目別の時間配分、学習スケジュールの立て方を解説します。効率的な勉強方法も紹介するため、働きながら資格取得を目指す方はぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 宅建の合格までに必要な勉強時間は独学で300~500時間、通信講座利用で300~400時間が目安。
  • 宅建試験では、出題範囲が広く配点も多い「宅建業法」「権利関係(民法等)」に優先して取り組み、十分に対策することがポイント。
  • 働きながら合格を目指す場合は、スキマ時間の活用と学習計画の策定、効率的な勉強方法の選択が重要。
  • ユーキャンの宅地建物取引士講座はこちら

宅建の合格に必要な勉強時間の目安

宅建試験に合格するために必要な勉強時間は、学習経験や利用する教材によって異なります。以下では、学習方法ごとの目安時間と1日あたりの勉強ペース、科目別の時間配分を紹介します。

独学の場合は300~500時間が目安

宅建の勉強時間は、基礎知識や学習経験によって差が生じます。

法律や不動産業に関する知識がまったくない方の場合は、500時間ほどの勉強が求められます。

一方、すでに法律系の資格試験を受けた経験がある方や、不動産業界で働いている方は300~350時間が目安です。「100時間で合格した」という声が見られることもありますが、試験経験者や法律の素養がある方に限られるケースがほとんどです。

初めて受験する方は、少なくとも300時間以上の勉強時間を確保しましょう。

通信講座・予備校を利用する場合は300~400時間

通信講座や予備校を利用する場合の勉強時間は、300~400時間が目安です。あらかじめ用意されたカリキュラムに沿って学習を進めるため、教材選びやスケジュール管理に費やす時間を省けます。

ただし、講義を受けるだけでは知識は定着しません。学んだ内容を問題演習でアウトプットする時間が別途必要になるため、最低でも300時間は確保しましょう。

1日あたりの勉強時間に換算すると

合計勉強時間の目標を300時間に設定した場合、1日あたりの勉強時間の目安は以下の通りです。

学習期間 開始時期の目安 1日あたりの勉強時間
1年間 前年の10月ごろ 約1時間
半年間 4~5月ごろ 約2時間
3ヵ月間 7月ごろ 約3~4時間
宅建試験は例年10月の第3日曜日に実施されるため、試験日から逆算して計画を立てましょう。半年~1年の期間であれば、1日1~2時間のペースで無理なく進められます。

3ヵ月間の短期集中で合格を目指すことも可能ですが、仕事と両立しながら1日3~4時間を確保するのは簡単ではありません。効率良く勉強を進めたい方は、通信講座の活用も検討すると良いでしょう。

ユーキャンの宅地建物取引士講座はこちら

科目別の勉強時間の配分

宅建試験は4つの科目から出題されます。科目ごとに出題数(配点)と難易度が異なるため、勉強時間の配分を考えることが重要です。

勉強時間の合計を300時間とした場合の目安は、以下の通りです。

科目 出題数 勉強時間の目安
宅建業法 20問 約100時間(33%)
権利関係(民法等) 14問 約100時間(33%)
法令上の制限 8問 約55時間(18%)
税・その他 8問 約45時間(15%)
宅建業法と権利関係の2科目で、全体の約7割の勉強時間を占めます。この2科目の勉強時間を優先的に確保し、法令上の制限と税・その他は頻出テーマに絞って効率的に対策しましょう。

宅建試験の合格率と合格ライン

宅建は国家試験の中でも難易度が高く、合格率は例年15~18%前後で推移しています。なお、令和7年度(2025年度)の合格率は18.7%でした。

合格ラインは「○点取れば合格」と固定されているわけではなく、年度によって変動します。試験は全50問・1問1点の配点で、おおむね34~38点が平均的な合格ラインです。令和7年度は33点、令和6年度は37点でした。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」

宅建の勉強方法

宅建合格に向けて勉強に取り組む際、ただ闇雲にテキストを読み進めるだけでは効率は上がりません。では、どのような勉強方法で取り組めば良いのでしょうか。

以下では、効率的に勉強を進めるための4つのポイントを紹介します。

参考書を読み全体を把握する
試験に出題される4科目の特徴を知る
過去問を解く
模試を活用する

参考書を読み全体を把握する

まず、参考書を全て読み、試験内容の全体像を把握することが大切です。

まったくわからないまま1つずつ進めていくより、全体像を把握しておいた方が効率的に学習できます。最初は多少読み飛ばしながらでも、繰り返し読むことが重要です。

試験に出題される4科目の特徴を知る

試験に出題される4科目の特徴も、しっかりと把握しておきましょう。科目ごとに特徴が異なるため、勉強方法もそれぞれに合わせる必要があります。以下では、科目ごとの特徴と対策を詳しく解説します。

・民法(権利関係)
・宅建業法
・法令上の制限
・税・その他

民法(権利関係)

民法(権利関係)の出題数は14問で、宅建業法の次に問題数が多い科目です。問題のパターンを覚えきるのは難しく、事例を読み解く力が求められます。法律に関する知識がまったくない場合は理解に時間がかかるため、早い段階から取り組みましょう。


宅建業法

宅建業法は全50問中20問と、最も大きな比率を占める科目です。手続きや業務上の規制についての出題が主で、暗記項目も多くあります。出題傾向に大きな変更は見られないため、過去問を繰り返し解いてパターンを覚えましょう。


法令上の制限

法令上の制限は、都市計画法や建築基準法などに関する科目です。全体像をつかみ、各用語やルールの意味を理解すれば得点につなげられます。

図や表の暗記が多い科目ですが、まずはイメージ作りが大切です。直近の法改正が出題に反映されやすい科目でもあるため、最新の情報を押さえておきましょう。


税・その他

税金の種類は多いものの、試験で問われる内容は基本的な事項が中心です。土地や建物に関する統計データからも出題されるため、試験前に最新データを確認しておく必要があります。

得点しやすい問題と得点しにくい問題がはっきりと分かれており、深追いせず基本を確実に押さえることがポイントです。

過去問を解く

資格取得や試験の勉強では、過去問を解くことが重要です。実際に出題された問題を繰り返し解くことで、出題傾向や自分の弱点を把握できます。

宅建試験では、過去に出題された内容を別の視点から問い直すことも多いため、問題の論点の把握が得点につながります。過去問を解く際は、弱点の発見や傾向の把握など、目的を意識しながら勉強に取り組みましょう。

模試を活用する

資格スクールなどが定期的に実施している模試は、独学で勉強するうえでも非常に有効です。実際の試験に近い環境で時間配分の練習ができ、自分の学習到達度を客観的に確認できます。

また、模試では最新の問題にチャレンジできる点もメリットです。本番前に一度は模試を受けておきましょう。

宅建試験までの学習スケジュール例

先述した4つの学習方法は、試験までの残日数ごとに分けて組み立てるとより効果的です。以下では、学習開始時期ごとのスケジュールの組み方を紹介します。

春(4月)から勉強を開始する場合
夏(8月)から勉強を開始する場合

春(4月)から勉強を開始する場合

4~6月 7~8月 9~10月
テキストを全て読み、試験内容の全体像を把握することが大切です。
また、試験に出題される4科目の特徴も、しっかりと把握することも必要です。それぞれの科目に合った方法を検討し、効率的に理解できるようにしましょう。
この時期は、テキストを読むのと並行して、過去問集などを使った問題演習にも取り掛かります。
試験は過去に出題された内容を別の視点から問い直すことも多く、過去問で問われている主旨、論点を把握しておくことが点数につながります。
過去問を繰り返す時は、弱点発見や問題傾向の把握など、目的を決めて勉強するようにしましょう。
これまでの学習内容を繰り返し復習する時期です。また、本番前に一度は模試を受けておきましょう。
模試を受けると、自分が今どのレベルにいるのかわかるので、自分の学習状況を測るのに便利です。今後の学習計画の見直しもできます。

夏(8月)から勉強を開始する場合

8月 9月 10月
1日3時間学習で1ヵ月程度テキストを中心に試験4科目の特徴を含む全体像を理解しましょう。 1日3時間学習で1ヵ月程度、過去問演習を中心に組み立てていくと良いでしょう。
間違えてしまった問題は、解説を読むだけでなく、テキストに戻って調べることで知識を定着させましょう。
1日4時間学習で3週間程度、公開模試などの実戦演習の期間です。実際に試験の雰囲気を感じながら、時間配分の練習をしましょう。

忙しい社会人が勉強時間を確保するには

宅建の受験者には、働きながら合格を目指す社会人も多く見られます。まとまった勉強時間が取れない場合でも、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用したり、学習計画を週単位で管理したりすることで、必要な勉強時間を確保できます。

働きながら効率的に合格を目指す方法についてより詳しく知りたい方は、下記の記事を併せてご覧ください。

宅建試験の勉強は独学・通学・通信講座のどれがおすすめ?

宅建試験の勉強方法には、独学・通学講座・通信講座の3つの選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の生活スタイルや予算に合った方法を選びましょう。

独学のメリット・デメリット
通学講座のメリット・デメリット
通信講座のメリット・デメリット

独学のメリット・デメリット

独学のメリットは、自分のペースで学習を進められることです。学習にかかるコストもテキスト代のみで済むため、まとまったお金は必要ありません。

しかし、自分で学習方法を模索しなければならず、不明点の解消に時間がかかる場合があります。法改正の情報収集も自力で行う必要があり、モチベーションの維持にも工夫が求められます。

通学講座のメリット・デメリット

通学講座のメリットは、専門の講師から直接指導を受けながら学習を進められることです。また、同じ目標を持つ受験仲間から刺激を受けられる点も大きなメリットといえます。

デメリットとしては、独学と比べて費用が高額になることや、通学の時間を確保する必要があることが挙げられます。

通信講座のメリット・デメリット

通信講座は、試験対策が体系化されたテキストで学習できることがメリットです。わからない部分を講師に質問できるサービスが用意されている講座もあり、独学と通学講座のメリットを兼ね備えています。

独学より費用はかかりますが、通学講座と比べると負担を抑えやすく、法改正の情報も教材に反映されるため、情報収集の手間も省けます。また、スマートフォンで学習できるカリキュラムを活用することで、場所を選ばずに勉強を進められる点も強みです。

まとめ

宅建は難易度の高い国家資格ですが、計画的に学習を進めれば十分に合格を目指せます。

勉強時間の目安は独学で300~500時間、通信講座の利用で300~400時間です。科目別では宅建業法と権利関係に全体の約7割の時間を配分し、残りの科目は頻出テーマに絞って対策しましょう。

効率的に勉強を進めたい方は、通信講座を検討してみてはいかがでしょうか。ユーキャンの「宅建士短期合格講座」では、最短3ヵ月で合格を目指せる速習カリキュラムを提供しており、テキストと動画講義を組み合わせた効率的な学習が可能です。

また、スマートフォンでのスキマ学習にも対応しています。仕事と両立しながら合格を目指したい方はぜひご検討ください。

大野 翠(おおの みどり)
この記事の監修者は大野 翠(おおの みどり)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

合同会社 芙蓉宅建FPオフィス代表。約6年の企業内FPを経て、2016年に金融商品の販売をしない独立系FPとして開業。2021年に法人化。FPと宅建士の資格を活かして、独立系FPとしてセミナーや相談業務をしている。このほか、金融や不動産の実務経験や専門スキルを活かし、年間300本超の専門記事執筆を担当。主な連載・寄稿先はテレビ局や銀行等。
HP:https://www.fuyotakkenfpoffice.com/

よくある質問

宅建士と相性が良く、メリットが大きいダブルライセンスとは?

宅建士と相性の良い資格には、次のような例が挙げられます。

・ファイナンシャルプランナー(FP)
・管理業務主任者
・マンション管理士
・不動産鑑定士
・福祉住環境コーディネーター
・土地家屋調査士
・測量士補
・司法書士
・行政書士

これらの資格とのダブルライセンスでは、宅建士との相乗効果が得られたり、独立・開業や就職・転職で有利になったりと、多くのメリットがあります。また、試験内容が重なる資格が多い点も利点です。

宅建士は国家資格ですか?

宅建士(宅建)は「宅地建物取引士」の略称で、毎年20万人前後の受験者数を誇る最大規模の、不動産取引の専門家としての国家資格です。
宅建は「宅地建物取引士」の略称で、不動産取引の専門家であることを示す国家資格です。受験者数は毎年20万人を超え、国家資格の中でも最大規模の試験として知られています。

試験で間違えやすい、35条書面・37条書面の有効な対策方法とは?

宅建試験では宅建業法が大きな得点源で、50問中20問が出題されます。なかでも、35条書面・37条書面の違いは間違えやすく、頻繁に出題される傾向があるため、それぞれの違いを理解することが重要です。

対策としては、単に条文を暗記するのではなく、共通点や違いなどを分類・比較し、実際の仕事の場面をイメージしながら学習することがポイントです。

宅建士(宅地建物取引士)を取得するメリットは?

宅建士の取得には「宅建士にしかできない仕事がある」「収入アップにつながる」「就職・転職などキャリアアップに有利」など、多くのメリットがあります。

宅建士は一度取得すれば生涯有効な資格です。不動産業界以外でも有利に働くため、結婚や出産などでブランクのある女性の再就職にも役立つでしょう。

宅地建物取引業での独立・起業時や家を建てる際の手続きなど、様々な場面で知識が役立ちます。

スマホですぐに確認できる!無料資料請求
ユーキャンが選ばれる理由

宅地建物取引士講座

ユーキャンの宅地建物取引士講座の人気の理由は教材の分かりやすさ!教材は学習内容を絞り、テキストと動画講義の組み合わせで効率的に学習が進みます。スマホでも学べるので、忙しい方もムリなく続けられるのが嬉しいポイント。さらに、独学では手に入りにくい法改正などの情報を、適宜お知らせ!情報収集に時間を費やすことなく、学習に集中できます。

不動産関連の仕事に直結するエキスパート資格である宅建。不動産売買や賃貸の仲介に不可欠な国家資格です。宅建資格取得によって、物件の取引条件や手付け金、登記、不動産に関する条件など重要事項の説明や、重要事項説明書への記名、契約後のトラブル防止となる37条書面の記入など、不動産関連の職種での重要な手続きに携わることができます。
ユーキャンの「宅地建物取引士(宅建士)」講座なら、不動産業界で働く方はもちろん、転職や独立を考える方にぴったり! 基礎テキストは驚くほどスリムな3冊のみで、専門的な法律用語をわかりやすく解説し、忙しい方でも短期間で効率的に合格力が身につきます。