働きながらでも宅建合格は可能?社会人のための学習時間・効率的な学習方法を解説|生涯学習のユーキャン
働きながら宅建合格を目指す人の中には、「学習時間をなかなか確保できない」「忙しくて資格試験の予備校に通えない」などの悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。宅建合格者の約8割は社会人であり、限られた時間の中でも効率的に学習すれば働きながらでも宅建合格は十分に可能です。
本記事では、合格までに必要な学習時間や働きながら学習時間を確保するコツ、学習計画の立て方などを解説します。宅建合格のためにお役立てください。
宅建士の合格者のうち80%は社会人!?
宅建の合格率は15~18%程度で、そのうち多くを社会人が占めています。令和5年度の試験申込者のうち、申込者全体で最も多い業種は不動産業(31.8%)で、次いで建設業(14.0%)、金融業(9.1%)、その他(24.2%)となり、社会人が79.1%を占めました。
一方、学生は10.5%、主婦は3.2%と少数派にとどまります。そのため、大部分の受験者は、社会人になって働きながら宅建合格を目指していることになります。
また、申込者全体の平均年齢は37.2歳(前年度37.0歳)で、男性は37.8歳(同37.5歳)、女性は36.2歳(同35.8歳)でした。業種別に見ると、建設業40.3歳、金融業39.9歳、不動産業35.2歳です。
これらの数値をみても、働きながら勉強時間を確保し宅建合格を目指す人は多いといえるでしょう。
※参考:令和5年度宅地建物取引士資格試験の結果について|RETIO(https://www.retio.or.jp/wp-content/uploads/2024/11/132-051.pdf)
働きながら宅建合格に必要な学習時間と確保のコツ
宅建合格に必要な学習時間は、人によって幅がありますが、おおよそ300~600時間です。ここでは、学習時間を確保するための以下のコツを詳しく解説します。
・半年で480時間を目安に学習計画を立てる
・隙間時間を活用して学習を習慣化する
宅建合格に必要な学習時間
「民法」や「宅建業法」などを初めて学ぶ人の場合では、必要な学習時間は300~600時間です。ただし独学では学習が非効率になりやすいため、600時間以上かかる人も少なくありません。
「こんなに時間が必要なのか」と感じる人もいるでしょう。その背景には、近年の宅建試験の難化傾向(応用問題やひっかけ問題の増加)があります。これに対応するには、かつてより学習量を多めに確保しておく必要があります。
かつてはもう少し少ない勉強時間でも合格できるといわれていましたが、現在は実務で不動産取引に関わり、試験分野になじみがある人でなければ短期間での合格は難しいでしょう。初学者は、余裕を持った学習計画を立てておくと安心です。
例えば、学習時間を480時間に設定すると、1ヵ月80時間を半年間続けると到達します。平日は1日2時間、休日や祝日は1日4時間取り組む計算です。月20日の平日と10日の休日を想定すれば、半年後には十分な学習量を確保できます。
働きながら宅建の学習時間を確保するコツ
忙しい社会人が働きながら宅建の学習時間を確保するには、スキマ時間の活用がポイントです。まとまった時間を確保しようとすると負担が大きくなるため、日常の短い時間を学習に充てられないか工夫してみるといいでしょう。
例えば、朝食後にコーヒーを飲みながらテキストを読む、電車の待ち時間に一問一答演習を解く、待ち合わせの数分間に暗記カードを確認するなどがあります。小さな積み重ねでも、継続すれば成果につながります。
また、スマートフォン学習に対応した宅建教材を使えば、数分から数十分単位で講義を視聴したり、問題を解いたりできます。毎日短時間でも教材に触れ、週末にまとめて復習と演習を行うと、知識が定着しやすくなるでしょう。
社会人におすすめ!働きながら効率的に合格する学習法
働きながら効率的に宅建試験に向けて学習するには、限られた時間で学べる工夫が必要です。ここでは、以下の視点から効率的な学習方法を解説します。
・隙間時間に学べるオンライン講座を活用する
・時間帯に応じてインプットとアウトプットを使い分ける
・まずは1冊のテキストを通読して全体像を掴む
オンライン講座を活用する
限られた時間で効率的に学習するには、オンライン学習に対応した宅建士講座の活用が効果的です。資格予備校に通う時間がない人でも、オンライン学習に対応した宅建士講座なら、通勤の電車内や会社のお昼休みなど、自分の好きな時間や隙間時間に学習できます。
特に、倍速再生やWebテストといった機能を備えた教材やアプリなら、テキスト学習を補う方法として効率的です。また、短時間学習に特化したオンライン講座なら、理解度に応じて何度も繰り返し学びやすく知識の定着につながります。
時間によってやり方を変える
時間帯や場所に応じて学習内容と学習ツールを使い分けることで、効率的に知識の定着が図れます。例えば、朝の出勤前や昼休憩など比較的落ち着いた時間には、新しい知識のインプットが向いています。テキストや動画講義で理解を深めることで、その日の学習の土台ができるでしょう。
一方、帰りの電車や寝る前のように集中力が落ちやすい時間では、アウトプット中心の学習に切り替えるのがおすすめです。過去問や一問一答演習を解いて、インプットした内容を復習することで理解が深まります。このように、生活リズムに合わせて学習法を切り替えるのが、効率的な宅建士学習のコツです。
テキストを先に最後まで読む
宅建の学習を始めたばかりの段階では、まずテキストを最初から最後まで通読し、全体像を掴むことが大切です。そうすることで、出題範囲や学ぶべき内容の枠組みを把握しやすくなり、学習の方向性も明確になります。
その際は、複数のテキストに手を出すのではなく、全分野を網羅した1冊に絞り込む方が効率的です。特に「民法」や「宅建業法」は初学者にとって難しい内容が多いため、あまり細部にこだわらず、先へ進むことを意識しましょう。
働きながら宅建合格を叶える学習スケジュールの立て方
学習スケジュールは、長期(半年間)、中期(週間)、短期(1日)の3つに分けると、計画と実行をバランスよく行えます。以下をふまえて、それぞれのスケジュール作成方法を解説します。
・半年間を見通して段階的な学習計画を立てる
・平日は短時間、土日はまとまった時間で復習と応用を行う
・時間帯に応じて、インプットとアウトプットを使い分ける
半年間の学習スケジュール
働きながら宅建合格のために必要な学習時間は人によって違いますが、6ヵ月間を目安に計画を立てるのが一般的です。半年間あれば、インプットとアウトプットの時間を無理なくとれ、問題演習も繰り返し何度も解けます。また、自分の苦手分野を早期に把握し、克服するための時間もとれるからです。以下に学習スケジュールの一例を示します。
1ヵ月目:民法の基礎(制限行為能力、代理、物権など)を学び、用語や法的思考の土台を築く
2ヵ月目:民法の応用(抵当権・債権など)、借地借家法などを学び、条文と判例に慣れる
3ヵ月目:高配点の宅建業法を学び、得点源を固める
4ヵ月目:法令上の制限や税法を整理し、暗記項目や数字・制度を理解する
5ヵ月目:過去問演習を中心に、苦手分野の復習を重点的に行う
6ヵ月目:模試や総復習を行い、試験形式に慣れながら実戦力を仕上げる
週間の学習スケジュール
週単位の学習では、平日と土日に分けて考えるのがポイントです。忙しい平日は机に向かう時間が限られるため、継続しやすい学習方法を中心にしましょう。一方、まとまった時間をとれる土日は、じっくりと質の高い学習に取り組むことが大切です。
具体例を以下に示します。
【月~金】(学習時間の目安:1日60~90分)
・通勤中に音声講義を聴く
・スマートフォン学習に対応した教材で一問一答演習を解く
【土曜日】(学習時間の目安:2~3時間)
・テキスト教材で学習
・テキスト教材で学んだ内容の過去問を解く
【日曜日】(学習時間の目安:1.5~2時間)
・過去問で間違えた問題の復習
・確認テストで苦手分野を克服できているかチェックする
1日の学習スケジュール
1日の学習スケジュールの作成では、平日のルーティンを整えることが大切です。以下に一例を示します。
朝:家を出る前に動画講義を1本視聴、またはテキストを30分読む
昼休憩:スマートフォンで動画講義を確認、または過去問を短時間演習
通勤時間(行き):音声講義を聴いてインプット
通勤時間(帰り):クイズ形式や一問一答アプリでアウトプット
就寝前:動画講義を1本視聴し、その日の学習を整理
こうした学習を行うには、短時間学習に適した教材選びが重要です。YouTubeやWebメディアの活用もいいですが、できれば通信講座や予備校が提供するコンテンツを利用すると安心です。
これらのコンテンツは短時間で区切って学習しやすいよう工夫されています。さらに、学習記録の管理機能やスケジュール作成機能を備えたアプリもあり、効率的な学習をサポートしてくれます。
忙しい社会人が注意すべき宅建学習の落とし穴と対策
社会人が働きながら宅建資格をとる場合、時間の確保以外にも以下のような落とし穴があります。合格に向けてそれぞれの対策を解説します。
・長期間の学習でモチベーションが低下する
・専門分野の理解が追いつかない
モチベーションが続かない
宅建試験は合格までに半年程度の学習が必要となるため、最初のやる気を維持するのは難しく、途中でモチベーションが下がることも少なくありません。
代表的な理由としては、以下のようなものがあります。
・仕事やプライベートが忙しく、学習が精神的・肉体的につらい
・宅建を取得しても仕事にすぐに直結しないと感じてしまう
・独学で学んでいるため達成感を得にくい
・テキスト暗記や問題演習の繰り返しで学習が単調になっている
特に、職場から資格取得を求められ「やらされている」と感じる場合は、自主的に取り組みにくく、モチベーションの維持がいっそう難しくなるでしょう。
理解が続かず挫折してしまう
宅建試験は法律や不動産に関する専門的な内容を幅広く学ぶ必要があるため、理解が追いつかず挫折してしまうことがあります。
特に、実務経験がない人にとっては、民法や宅建業法などの概念を一度で理解するのは容易ではありません。まして、仕事終わりの疲れている状態で学習すれば、内容が頭に入らないこともあるでしょう。
さらに、独学では間違った解釈のまま進めてしまい、模試や過去問演習で得点が伸び悩む人も少なくありません。誰にも質問できない環境では理解が深まらず、挫折してしまう原因になってしまいます。
在宅で学習する場合でも、講師に質問できる通信講座を利用するなど、学習をサポートしてくれる環境を整えることで挫折しにくくなるでしょう。
働きながら宅建合格を掴むために通信講座・予備校を活用するメリット
計画的な学習が鍵となるため、宅建士合格のためには通信講座や予備校を活用することがおすすめです。具体的にどのようなメリットがあるのか、以下の3点について解説します。
・学習スケジュールが立てやすく計画的に効率よく学べる
・仲間や講師とのつながりがあり、モチベーションを保ちやすい
・オンライン学習に対応した講座なら忙しくても自分のペースで学習を続けられる
スケジュール通りに学習を進められる
宅建合格には適切な学習スケジュールが欠かせません。予備校や通信講座では、カリキュラムとともに学習スケジュールも提供してもらえるのがメリットです。
予備校であれば、授業に通うことでスケジュールに沿って学習を進められます。講師がポイントを絞った講義を行うため、独学よりも短時間で合格できる可能性を高められるでしょう。
通信講座においても、学習スケジュールが提供されます。さらに、学習計画の作成や進捗管理をサポートする機能を備えた講座もあるため、計画的な学習を後押ししてくれます。
仲間の存在が刺激になる
モチベーション低下の問題も、予備校や通信講座を活用すると、ある程度解決できます。
予備校では、講師の話を聞いたり、同じ目標を目指す人と一緒に頑張ったりすることでモチベーションを保てます。中だるみしがちな時期もやる気を維持しやすくなりますし、試験直前の焦りや緊張が和らぐこともあるでしょう。わからないところを聞ける仲間や、切磋琢磨し合える仲間ができるかもしれません。
通信講座では対面交流はありませんが、講師に質問できるサポートや、受講者同士が情報交換できる交流サイトなどが用意されています。
自分のタイミングで学習できる
仕事が忙しく予備校に通うのが難しい人には、オンライン学習に対応した通信講座が向いています。インターネット環境とパソコンやスマートフォンがあれば、時間や場所を選ばず学習できるため、働きながらでも継続しやすいでしょう。平日に突発的な残業があっても、週末に学習量を増やすなど柔軟に調整できる点も魅力です。
昨今、通信講座の多くはオンライン学習に対応しており、基礎テキストと動画講義を組み合わせた教材が増えています。1本5分程度のショート動画や、クイズ形式の問題演習が用意された講座もあり、スキマ時間を活用して効率よく知識を定着させやすくなっています。
自分のペースで学習を進めたい人は、オンライン学習が充実している予備校や通信講座を選ぶ
まとめ
働きながらでも宅建合格を目指すことは十分に可能です。学習計画を立て、自分に合った方法で着実に力をつけていきましょう。
ユーキャンの宅地建物取引士講座は、仕事が忙しく予備校に通えない人や、自分のペースで学習したい人におすすめです。動画講義が充実しており、隙間時間にスマートフォンでオンライン学習できます。さらに、わからない箇所を質問できるサポートや、学習スケジュール作成の支援もあり、安心して学習を継続できます。

- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 宅建士と行政書士では、どちらが難しいですか?
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一般的には、宅建士試験に比べて行政書士試験の方が難しいとされています。近年の合格率では、行政書士が10~15%、宅建士が合格率は15~17%と、宅建士のほうが合格しやすい試験といえます。
- 宅建試験は独学でも目指せますか?
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独学で宅建試験の合格を目指すことは可能ですが、出題範囲が広いため、学習方法に工夫が必要です。
効率的な対策には、優先順位をつけ、配点・出題数が多い科目を優先的に学習します。特に出題範囲も広く配点も多い「宅建業法」を優先して取り組み、十分に対策することがポイントです。
勉強の進め方は、参考書を読み全体を把握し、試験に出題される4科目の特徴を理解します。過去問対策や模試の活用も重要です。 - 宅建試験の5点免除とは?
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宅建試験の5点免除とは、50問ある試験問題のうち46~50問目が免除になる制度です。
この制度の利用には、国土交通大臣が指定する講習を受講し「登録講習修了者証明書」の交付を受ける必要があります。登録講習の受講には「宅地建物取引業に就いている」「従業者証明書を持っている」の2つの条件があります。
合格率は一般受験が約15%前後、5点免除が約20%前後と、5点免除の方が合格率が高く、本試験に合格できる可能性が高まります。宅建の本試験は合格基準点に1~2点の不足で不合格になるケースがよくあるので、5点免除には大きなメリットがあるといえます。 - 試験で間違えやすい、35条書面・37条書面の有効な対策方法とは?
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宅建試験では宅建業法が大きな得点源で、50問中20問も出題されますが、中でも、特に35条書面・37条書面の違いは間違えやすい要素の1つで、よく出題される傾向があります。
35条書面・37条書面の違いを理解し、確実に得点できることがポイントです。対策は、条文を単に暗記するのではなく、共通点や違いなどを分類・比較したり、実際の仕事の場面をイメージして学習することが有効です。
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