FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度と合格率は?3級との違いや勉強方法を解説!

- 公開日:2020/10/27
- 更新日:2022/05/10
最近の社会情勢においては、将来のお金に対して不安を抱える人も少なくありません。お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)の資格に対する需要は高まっています。国家資格の中でもファイナンシャル・プランニング(FP)技能士は人気があり、2級は実務においても欠かせない資格といえます。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度、合格率、3級との違い、勉強方法などについて解説します。資格の取得を検討している人はぜひ参考にしてください。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験とは?
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の基本情報について解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の概要
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は、1・5・9月の年3回行われています。学科試験と実技試験があり、それぞれに合格する必要があります。試験は、日本FP協会ときんざい(金融財政事情研究会)の2つの団体が実施しており、受検する団体によって試験科目の一部に違いがあります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の出題範囲
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の出題範囲は、以下のとおり、6分野に分かれています。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
受検資格と費用
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験を受けるための受検資格があります。受検資格は、AFP認定研修の受講修了者・3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定合格者・2年以上の実務経験者・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者の4つです。受検にかかる費用は、以下のとおりです。
学科と実技 | 学科のみ | 実技のみ |
---|---|---|
8,700円 | 4,200円 | 4,500円 |
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FP(ファイナンシャルプランナー)の合格率・難易度は?
FP3級の試験はFP(ファイナンシャルプランナー)に関する基礎知識が出題されるため、合格率は過去3年間では約70~80%の間で推移しており、短時間の勉強でも合格できる可能性があります。FP2級の試験は3級よりも難易度が高く、過去3年間では40.17~55.61%の間で推移しています。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度は高い?
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度について解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の合格基準点
基本的に6割の得点を取れば合格できるので、学科試験の場合は、60点満点のうち36点以上で合格となります。実技試験では、日本FP協会が100点満点のうち60点以上、きんざいが50点満点のうち30点以上で合格です。相対評価ではなく絶対評価の試験であるため、合格を目指しやすいです。
FP(ファイナンシャルプランナー)3級よりも難易度が高い理由
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験で出題される問題は、3級より難しいですが、それ以外にも難易度が高い理由があります。3級の学科試験は○×式および3答択一式ですが、2級は4答択一式となり、選択肢が増えます。法人に関する知識も問われやすくなるなど、出題される範囲も広がります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は、受検資格のある人だけが受けられます。基本的な知識を持つ人を対象とした試験であるため、3級よりも難易度の高い問題が出題されます。
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FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度と他資格の難易度を比較
FP(ファイナンシャルプランナー)2級と他の資格の難易度について解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級と税理士の難易度の比較
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験は税理士の資格に比べて難易度が低いです。一般的に、税理士の試験では1科目ずつ合格を目指すことが多いため、資格を取得するまでに3~4年程度かかります。税理士試験は必須科目である「簿記論」「財務諸表論」、税法9科目の中の3科目と、合わせて5科目に合格する必要があります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級と社会保険労務士の難易度の比較
社会保険労務士試験と比較すると、FP(ファイナンシャルプランナー)級試験の難易度は低いです。社会保険労務士試験の合格率は非常に低く、6%程度です。社会保険労務士試験の合格基準は独特で、選択式の問題では各科目で3点以上得点する必要があります。
ただし、FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験には記述式の問題があるため、マークシート方式の社会保険労務士試験の方が解答はしやすいです。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級と宅地建物取引士の難易度の比較
宅地建物取引士試験と比較すると、FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の方が難易度は低いです。合格率の平均は、宅地建物取引士試験が15%程度で、FP(ファイナンシャルプランナー)級試験は40%程度となっています。試験の内容が違うため、難易度だけを気にするのではなく、金融系の仕事か、不動産業界かなど目指す業種にあわせて受験することが大切です。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の合格率はどのくらい?
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の合格率について解説します。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級学科試験合格率の推移
FP(ファイナンシャルプランナー)2級(日本FP協会)の学科試験合格率は、過去5年間では39.43~55.61%の間で推移しています。学科試験合格率は、以下のとおりです。
学科試験合格率の推移
実施年度 | 1月 | 5月 | 9月 |
---|---|---|---|
2021年 | 44.02% | 55.61% | 50.56% |
2020年 | 41.86% | 中止 | 49.19% |
2019年 | 48.26% | 40.17% | 43.42% |
2018年 | 45.63% | 42.93% | 39.47% |
2017年 | 39.43% | 41.44% | 47.82% |
FP(ファイナンシャルプランナー)2級実技試験合格率の推移
ファイナンシャルプランナー(FP)2級(日本FP協会)の実技試験合格率は、過去5年間では46.79~71.01%の間で推移しています。実技試験合格率は、以下のとおりです。
実施年度 | 1月 | 5月 | 9月 |
---|---|---|---|
2021年 | 71.01% | 66.67% | 60.26% |
2020年 | 62.61% | 中止 | 57.37% |
2019年 | 50.31% | 62.65% | 62.63% |
2018年 | 57.45% | 51.68% | 50.52% |
2017年 | 63.87% | 46.79% | 58.34% |
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得するメリット
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得するメリットについて解説します。
就職や転職に有利
FP(ファイナンシャルプランナー)3級は基本的な知識を問う試験問題で、難易度が低いため、取得しても就職や転職などに有利な資格とはいえません。FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得すれば、金融知識が豊富だと判断されるため、就職や転職で非常に有利になります。履歴書にも「2級FP技能士」と記載してアピールできます。
プライベートでの金銭管理に役立つ
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の資格があれば、仕事に活かせるだけでなく、自分自身の資産の管理にも知識を活用できます。受検のためには、税金や生命保険・相続対策など、お金に関する幅広い知識を学ぶ必要があり、プライベートにおける節税などに役立てられます。
資産運用や副業に役立つ
FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験のための勉強をすることで、投資信託や株式投資などの金融商品についての理解が深まり、自分自身の資産運用にも役立てられます。最近では副業を認める企業も増えているため、ライターやセミナーの講師などの副業に取り組むことも不可能ではありません。
独立・開業も可能
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の資格を取得していれば、将来的に独立・開業することも可能で、企業に勤めるよりも自由な働き方を実現できます。うまくいけば、会社員としてファイナンシャルプランナー(FP)の仕事をするよりも高い収入を得られる可能性があります。
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FP(ファイナンシャルプランナー)2級のおすすめ勉強方法
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を取得するためのおすすめの勉強方法について解説します。
学科試験対策の勉強方法
基本的に暗記も大切ですが、問題を解きながら知識を身につけていくことをおすすめします。どのくらい覚えたか確認しながら勉強した方が、途中で挫折しにくいからです。具体的には過去問題を解き、間違えた部分のテキストを読み直すことを繰り返すと効果的です。
解答ミスがなくなるまで何度も繰り返して過去問題を解きましょう。FP(ファイナンシャルプランナー)2級に合格するためには、解答するスピードを上げることも重要です。
実技試験対策の勉強方法
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の実技試験は記述式であり、実際に計算して解答を導き出す必要があります。テキストを読むだけではなく、過去問題をたくさん解いて練習する必要があります。計算に慣れていなければ正しい解答を導き出せない可能性があります。学科試験の対策と同様、解答ミスがなくなるまで繰り返し問題に取り組みましょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級合格に必要な勉強時間
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験に合格するために必要な勉強時間は、150~300時間が目安となります。1日2時間勉強する場合は、3~5カ月程度かかる計算です。3級よりも多くの勉強時間が必要になるため、仕事や家事、育児とのバランスを考えながら、余裕を持った学習スケジュールを組むことがポイントになります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級は独学で取得できる?
FP(ファイナンシャルプランナー)2級は独学で取得できるかについて解説します。
独学が向いている人
独学が向いているのは、自分で考えながら勉強を進めるのが得意で、分からないところを調べることにも慣れている人です。自己管理能力が高く、計画的に勉強できる自信がある人にも独学は向いています。できる限り費用をかけずに勉強したいという人にも独学はおすすめです。
通信講座が向いている人
仕事や家事で忙しく、合間の時間をみつけて勉強したい人や、自分で計画を立ててスケジュールを管理するのが苦手な人には通信講座が向いています。スクールなどと異なり好きなタイミングで勉強できるため、自分のペースで学習できます。試験に合格するための効率的なカリキュラムが組まれているため、限られた時間でもしっかり勉強を進められます。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級を効率よく取得するなら通信講座がおすすめ
FP(ファイナンシャルプランナー)2級は、独学でも取得できますが、確実に資格を取得するなら、独学よりも通信講座がおすすめです。通信講座を受講すれば挫折しにくくなるからです。日本FP協会の認定教育機関が運営する通信講座を受講することで、FP(ファイナンシャルプランナー)2級の受検資格が得られるメリットもあります。
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まとめ
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の難易度は、税理士・社会保険労務士・宅地建物取引士寄りは低いです。3級を保有していつことなど、受検資格が必要となるため、より専門的な知識が求められ、合格率は50%前後となっています。きちんと勉強すれば資格取得は難しくありません。
ユーキャンのFP(ファイナンシャルプランナー)講座は日本FP協会の認定を受けているため、受講することで2級の受検資格が得られます。Webテストも受けられるので、効率のいい勉強方法で資格取得を実現させましょう。FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験の受検を考えている人は、お気軽にお問い合わせください。
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ファイナンシャルプランナー(FP)は税金、保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、ライフプランの設計を行うお金の専門家。 有資格者は、金融・保険・不動産など、さまざまな業界で求められるため、就・転職が有利に!独立・開業も可能なほか、身につけた知識は日常生活でも役立ちます。
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