• 更新日:2023/07/10

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格が、就職や転職において有利に働くのかどうかは、非常に気になるポイントです。この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の就職先や年収とともに、将来性などについても解説します。ファイナンシャルプランナー(FP)が活躍できる業界を知り、今後の活躍に役立ててください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • FP資格取得で目指せる就職先は、金融・保険業界、不動産会社など多種多様。
  • 会社員のFPとして働く人の平均年収は300~400万円だが、独立・開業して年収1,000万円以上稼ぐ人もいる。
  • FPの合格率は、3級が75%前後、2級が45%前後。

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得することで目指せる就職先とは?

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得した場合にどのような就職先を目指せるのかを解説します。

金融・保険業界への就職

ファイナンシャルプランナーの資格を活用できるチャンスが多いのは、金融系の仕事です。

例えば、ファイナンシャルプランナー資格保有者は就職や転職をする際、銀行、保険、証券の業種では、歓迎される傾向にあります。顧客の家族構成や資産、仕事や将来のライフプランに合わせて必要な貯蓄や保障を準備したり、そのためによりよい運用方法を提案したりする、ファイナンシャルプランニングの業務に従事することができるのです。特に2級FP技能士以上のレベルを保有していると、より有利なようです。

具体的には、銀行では来店者や預金者に資産運用のアドバイスや住宅ローンの相談、借り入れや返済シミュレーション、金融商品の紹介を行う業務があります。

保険では、特に営業職の求人募集を多く見かけます。個人の顧客には、家族の万が一に備える生命保険や、病気、けがをしたときにかかる医療費をカバーする医療保険、子どもの教育費を貯蓄するための学資保険を提案したり、法人向けには、経営者の万が一のリスクに備える保険を提案したりするのが主な業務です。

証券では、顧客の資産運用をサポートするために、株式や債券、投資信託などの金融商品について情報を提供するコンサルティング業務のほか、金融やマーケットの調査、分析を行って金融商品を開発する業務などがあります。

不動産会社への就職

不動産会社では、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得している人が実際に多く活躍しています。ファイナンシャルプランナー(FP)資格を取得するためには、不動産・住宅ローン・相続などの知識を身につける必要があります。

不動産の説明をする際には、住宅購入のための資金計画を立てるために、教育資金・老後の資金などを含めた総合的なアドバイスを行うことができます。

税理士事務所や公認会計士事務所への就職

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得している人は、税理士事務所や公認会計士事務所への就職にも有利です。近年の税理士事務所や公認会計士事務所では、会計実務を行うだけではなく、コンサルティングを行う機会も増えています。

パソコンによる事務処理能力や簿記の資格があれば十分就職できますが、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格があることで仕事の幅が広がります。税理士や公認会計士の資格とのダブルライセンスを取得できれば、独立開業も可能となります。

共済関係への就職

先にお伝えした業界と比べると印象がつきにくいかもしれませんが、JA(農協)や生協組合などの共済関係へ就職する際にも役立ちます。共済関係は、地域に根ざした事業展開を行っているので、地域・個人との関係性が強くなります。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格があることで、より親身に寄り添ったサポートが可能になるでしょう。

人事や総務などの職種への就職

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得している人が、一般企業の人事や総務への配属を希望する場合には、有利に働く可能性が高いです。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得のための勉強では、社会保険や税金などの知識が身につくからです。

人事や総務においては、給与計算などを行う際に、社会保険・雇用保険・年金・所得税などの知識が非常に役立ちます。

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得して就職や転職に活かすには?

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得して就職や転職に活かすにはどうしたらいいか、解説します。

履歴書や面接でアピールする

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格は、就職活動でしっかりアピールできる資格です。履歴書に記載でき、2級以上の資格であれば書類選考の段階で他の求職者との差別化が可能となります。面接の際、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格について質問されたら、学んだ知識の内容をしっかりと伝えることが大切です。

ファイナンシャルプランナー(FP)の知識は、ライフプランに関わる知識が多く、面接官との会話が広がることで、好印象を与えられる可能性があります。

社内FPとして活躍の場を広げる

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格は、どのような企業においても活かせます。企業の中には、従業員向けの社内ファイナンシャルプランナー(FP)を雇用しているところも見受けられます。社内ファイナンシャルプランナー(FP)になれれば、社員のライフプランについても相談に乗ってあげられます。

また、業種によっては顧客向けのセミナーを開催することもあるなど、ファイナンシャルプランナー(FP)として活躍できる機会は少なくありません。

ファイナンシャルプランナー(FP)は2級以上が就職に有利!

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格の中では3級が最も難易度が低く、取得しやすいです。基礎的な内容が中心になっているため、3級を取得していても就職や転職においては、あまり重要視されません。

資格を取得して就職や転職に活かしたいのならば、2級以上を目指しましょう。ファイナンシャルプランナー(FP)2級以上を取得していれば、履歴書にも記載できるため、就職や転職の際には役立ちます。

ファイナンシャルプランナー(FP)の年収は?

ファイナンシャルプランナー(FP)の年収の目安について解説します。

会社員として働く場合

会社員のファイナンシャルプランナー(FP)として働く人の平均年収は、300~400万円程です。ファイナンシャルプランナー(FP)が就職できる業界は多岐にわたるため、会社の規模によって年収には大きな差が出ます。不動産業界や銀行などで働くファイナンシャルプランナー(FP)の年収は高めです。

独立・開業する場合

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を活かして独立・開業すれば、自分のスキルや人脈次第で高い年収を稼げられます。独立開業して働いているファイナンシャルプランナー(FP)のなかには、年収1,000万円以上の人もいます。ただし、働きに応じて収入が変化するため、高い年収を得るためには努力が必要です。

ダブルライセンスの場合

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得している人の中には、ダブルライセンスを保持して活躍している人も多くいます。宅建士・社労士・行政書士などの資格をあわせて持っている場合は、大幅に年収が増える可能性もあります。資格を取得するなら、ダブルライセンスも意識するといいでしょう。

副業を始める場合

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を活かすことで、副業も始められます。本業と副業の年収を合わせれば、その分、収入が増えます。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を活かせる副業としては、コンサルティング・セミナー講師・ライターなどがあげられます。自分に合うものを選び、チャレンジしてみましょう。

社内FPと独立系FPの仕事内容と給与は?

社内FPとは金融機関・不動産会社・保険会社・住宅メーカーに勤務する有資格者のことを指すのが一般的です。ファイナンシャルプランナーの知識・手法を活かして、自社商品・サービスの販売を行います。サービスの一環として、住宅ローンなどの無料相談を行うこともあります。

FP資格の取得を推奨する企業も多いため、資格取得者に対し資格手当が支給される場合もあります。また、資格が転職活動でも評価される場合が高く、より待遇のよい会社への転職も狙うことが可能です。

独立系FPは、FP会社などに所属して業務を行います。特定の商品の販売が目的ではなく、中立公平な立場のファイナンシャルプランナーとして、ファイナンシャル・プランニングや資産設計などの相談・提案業務を行います。また、講師としてセミナーを開いたり、雑誌などで執筆活動をしたりと、幅広く活躍できます。

企業に属するFPとは異なり、ノルマや商品のしばりもありません。自分の努力次第で、好収入が見込めるのも魅力です。

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得するには?

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格は、日本FP協会、もしくは金融財政事情研究会(きんざい)が行っている試験に合格すると取得できます。合格率は3級が75%前後、2級が45%前後です。2級のほうが問われる専門知識の難易度が高いため合格率が低いです。ファイナンシャルプランナー(FP)以外の資格と比較すると、難易度はあまり高くありません。

ライフプランや金融商品などに関する幅広い知識が問われるため、合格を目指すにはある程度まとまった勉強時間を確保する必要があります。資格取得に適した教材選びも重要です。

ファイナンシャルプランナーに注目する企業は今後増える可能性も?

ファイナンシャルプランナーの知識は、今後より多くの会社や企業で注目される可能性があります。というのも、ファイナンシャルプランナーはさまざまなお金の知識を扱うからです。

例えば、相続や不動産に関連した知識であれば、信託銀行や不動産会社で活用できるでしょう。ライフプランや資産運用に関連した知識は、子どもの教育費やキャリアプランなどにも関わってくるので、教育関連のメディアや、塾などの教育機関でも必要とされつつあります。

また、直接はファイナンシャルプランナーに関連がなさそうでも、経理や総務、税務に関わる仕事では、業種を問わず知識が役に立つことがあります。

経済についての知識はどの会社でも必須

どんな業界で、どんな業務を担当していても、経済の動向を理解していることや、金融についての知識があることは、社会人としての信頼感につながります。なにより、ファイナンシャルプランナー資格を取得していると、「お金について網羅的に学習している」ことの証になります。

ですから、金融や経済についてのリテラシーが高い人材として評価される可能性もあるでしょう。企業によっては、資格の取得を奨励したり、社内登用の材料として導入したりするところもあります。ご自身のお勤め先で、そのような制度があれば、資格を取得すればキャリアアップに直結させることも可能です。

また、金融や経済への理解が深まることで、ご自身の業界への理解も深まる、あるいは新しいアイディアにつながることもあるかもしれません。
今後は、より広い業界でファイナンシャルプランナーの資格が活用できるようになるでしょう。

まとめ

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得すれば、金融・保険業界を始め不動産業界などでも活躍できます。宅建士・社労士・行政書士などとのダブルライセンスを取得することで仕事の幅が広がります。資格取得で得られた専門知識は、仕事だけでなくプライベートにも活かせるため、非常に人気のある資格です。

ユーキャンのファイナンシャルプランナー(FP)講座を修了すると、2級の受検資格が得られます。試験の傾向や法改正などについて、最新の情報を提供してもらえるため効率的に勉強できます。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得して、キャリアアップを目指すなど、就職・転職に活用しましょう。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

FPは独学で合格できる?

独学での合格は可能ですが、教材選びに手間がかかる、法改正情報の収集に時間がかかる、受検資格の要件を満たすのが難しいといったデメリットがあります。手堅く合格を目指すなら通信講座がおすすめです。

FP2級と3級の違いは?

FP2級は、3級の出題範囲に加えて、法人のファイナンシャル・プランニングが追加されています。3級は個人資産に関連する相談業務に必要な技能を身につけるのに対し、2級はさらに中小企業の資産相談業務の内容が加わるため、より専門的な知識が必要です。

FPの仕事内容は?

FPとは、税金、保険、年金などの幅広い知識を活用して、顧客の夢や希望にアドバイスする「お金の専門家」。ライフプランや資産設計のアドバイスをします。

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ファイナンシャルプランナー(FP)は税金、保険、年金などの幅広い知識と視野を持ち、ライフプランの設計を行うお金の専門家。 有資格者は、金融・保険・不動産など、さまざまな業界で求められるため、就・転職が有利に!独立・開業も可能なほか、身につけた知識は日常生活でも役立ちます。
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