• 公開日:2021/03/11

公務員試験を併願することはごく一般的であり、希望の仕事に就きやすくするためにも積極的に併願を検討すべきです。この記事では進路のひとつとして公務員を検討している10代後半~20代前半の学生や大卒フリーター、20代のビジネスパーソンに向け、公務員試験の併願について解説します。メリットや注意点、よくある併願パターンなどについても解説していますので、ぜひ進路を検討する際の参考にしてください。

公務員試験は併願できるのか?

公務員試験は日程さえ重ならなければ幾つでも併願可能です。受験料は基本的に無料で、費用面でも負担がありません。ただし、年齢制限などの受験資格が設けられている場合があるため、併願のスケジュールを決める前にしっかり確認しておきましょう。

公務員試験を併願するメリット

ここでは、公務員試験を併願することで得られるメリットについて、心理面や試験対策上の観点などから解説します。

試験のプレッシャーを軽減できる

複数の公務員試験を受けることで、どうしても合格しなければならないというプレッシャーを軽減できます。本命の公務員試験または民間企業よりも難易度が低い試験を併願して、滑り止めとして受験する人も少なくありません。

本命を受験する前の練習になる

公務員試験は全体的に出題傾向が似ているため、試験に慣れることができるほか、最新の出題傾向をつかめることもメリットです。たとえば、実施時期の早い国家公務員総合職試験を受けることによって、本命の国家公務員一般職試験や地方公務員の試験にプラスの影響が出ることもあります。

公務員試験を受けないとわからないこともある

実際の職場や現職の人たち(面接官など)を見てみないとわからないこともあります。就職説明会がない場合や参加できなかったという場合には、試験を受けてみるのもひとつの方法です。試験を受けることでその職場で働きたいという気持ちが固まることもありますし、逆に、意欲が薄れることもあるかもしれません。

公務員試験はいくつぐらい併願するといいのか?

一般的には3~6つ程度が適しているとされています。たとえば、一次試験に複数合格すると二次試験が重なるときがあります。この場合は、自分で優先順位を決めて辞退できます。それによって罰を受けることはありませんし、他の試験に悪い影響は出ませんが、辞退の際はマナーとして事前に必ず連絡をしましょう。

公務員試験の併願先の決め方1:日程

ここでは、併願先を決めるにあたって参考になる公務員試験のおおまかな日程と、検討すべきポイントについて解説します。

併願先の検討ポイント

公務員試験(一次試験)は例年4月下旬から10月下旬頃まで各地で実施されます。基本的には一次試験の日程が重ならないように併願先を選べばいいのですが、一次試験を通過した後のことも考えておきましょう。二次試験の日程が重なった場合には1つを選ぶしかありません。

公務員一次試験の日程

公務員一次試験の主な日程は以下のとおりです。なお、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で特別日程になりました。2021年以降も変更の可能性があるため、最新情報を確認しましょう。

  • 4月下旬:警視庁警察官Ⅰ類、国家総合職(院卒・大卒各区分)
  • 5月上旬:東京都Ⅰ類B(一般方式・新方式)、特別区Ⅰ類(東京23区)、警視庁警察行政職員Ⅰ類、裁判所事務官(総合職/一般職(大卒))、参議院事務局総合職(大卒)
  • 5月中旬:東京消防庁消防官Ⅰ類
  • 5月下旬:大阪府行政・大阪市事務行政
  • 6月上旬:国税専門官、財務専門官、防衛省専門職
  • 6月中旬:国家一般職(大卒)
  • 6月下旬:地方上級(県・政令指定都市)、市役所A日程
  • 7月上旬:国立大学法人など
  • 7月中旬:市役所B日程
  • 8月下旬:東京消防庁消防官Ⅰ類
  • 9月中旬:警視庁警察官Ⅰ類、市役所C日程、警察官
  • 9月下旬:経験者(道府県・政令指定都市)
  • 10月上旬:国家総合職(教養区分)

公務員試験の併願先の決め方2:出題科目

公務員試験の出題科目も併願先を決める重要な要素です。検討するポイントと職種別の出題科目の特徴について解説します。

併願先の検討ポイント

大卒程度の場合、一次試験が教養科目と専門科目、二次試験が論文と面接というパターンが一般的です。併願先を選ぶ際は、一次試験の出題科目が重要です。教養科目は共通であるため、専門科目の出題範囲が重なっている公務員試験を併願するのが基本になります。

職種別の出題科目の特徴

専門科目として出題される分野は大きく分けると法律系、経済系、行政系の3つです。これらをバランスよく出題している試験も多いですが、職種によっては分野が偏っているので注意しましょう。

法律系科目が重視されるのは、裁判所事務官の総合職・一般職、参議院事務局総合職(法律系か経済系のいずれかの問題を選択可能)です。また、国税専門官は経済系科目を中心に出題され、行政系事務職では行政系の分野から多く出題されます。

公務員試験の併願先の決め方3:難易度

ここでは、国家総合職、国家一般職・地方上級、高卒程度の公務員試験における難易度の目安についてそれぞれ解説します。

国家総合職

国家総合職はいわゆるキャリア組と呼ばれる各省庁の幹部候補であり、公務員試験においても最難関です。専門的な知識が要求されるとともに、面接でも高いレベルの対応力が求められます。

国家一般職・地方上級

国家一般職・地方上級の試験は国家総合職に次いで高い難易度です。しかし、6カ月~1年程度の公務員試験対策をしっかり行えば、大卒程度の学力がある人なら誰でも合格のチャンスがあります。地方上級試験では、地方に比べて政令指定都市や大都市圏の自治体の難易度が高い傾向があります。

高卒程度の公務員試験

高卒程度の公務員試験には国家一般職(高卒程度)、地方初級などがあります。最も難易度が低い試験となっており、大卒程度に比べて短期間の学習で合格を目指せます。また、一次試験の出題科目が教養科目だけということから、併願を想定した試験対策がしやすいことも特徴です。

公務員試験の併願先の決め方4:仕事内容

公務員といってもさまざまな職種があるため、やりたい仕事を基準にして併願先を選ぶことも重要です。たとえば大卒程度の公務員試験を受験する場合、「国家一般職・地方上級」「市役所」「警察官・消防官」などに分けて考えると、併願先を探しやすくなります。

公務員試験の併願でよくあるパターン

ここでは、公務員試験を併願受験する際の代表的なパターンを5つ紹介します。

国家公務員の併願

国家公務員として仕事をしたい人は、日程が重ならない国家公務員試験を併願します。たとえば、国家総合職と裁判所事務官一般職(大卒程度)の併願などが考えられます。国家公務員の試験は、たとえ職種が違っていても出題傾向が似ていることが特徴です。

地方上級公務員の併願

地方上級公務員試験はA・B・C日程に分かれています。特定の地域や団体への就職にこだわらなければ併願の選択肢が豊富です。また、国家公務員一般職と地方上級公務員試験を併願する人もいます。この場合、国家公務員一般職を第一志望として、不合格になった場合に地方上級公務員試験の合格を目指すというのが一般的です。

市役所(教養科目のみの公務員試験)の併願

市役所試験にも、地方上級公務員と同じくA・B・C日程があります。独自日程で試験を行う団体もありますが数が少ないため、一部の人しか併願先に選べないと理解しておきましょう。市役所勤務を希望するなら、市役所A日程と市役所B日程などで併願するのが一般的です。また、市役所A日程と国立大学法人などの組み合わせも可能です。

警察官と消防官の併願

警察官と消防官は受験資格や出題内容で重なる部分が多い職種です。地域住民の生活や命を守る仕事という点で共通していることもあり、併願受験する人も多くいます。市区町村と各団体で一次試験の日程が違うため複数の併願が可能です。いずれも特有の出題傾向があるため、警察官・消防官の公務員試験に特化した教材で学習するのが合格への近道です。

地方公務員と民間企業の併願

地方公務員と民間企業を併願する人もいます。たとえば5~6月に公務員の一次試験を受けておき、その後に民間企業の面接を挟む、などです。公務員の一次試験を通過していれば7月頃に二次試験を受ける流れになります。

試験のスケジュールは企業や地方自治体・団体によって違うため、スケジュールを検討することが必要です。公務員試験の直前に企業の説明会を回ったりプレエントリーをしたりするなどで負担が大きくなることもあるため、併願先を増やしすぎないように注意しましょう。

公務員試験を併願する際の注意点

公務員試験の併願には注意点もあります。併願数や試験対策、情報収集の3つのポイントについて解説します。

併願数を増やしすぎない

併願数が10以上の人や、なかには20回近く受験する人もいるようです。しかし、日程管理が大変なうえ、移動や長時間の試験などにより体力的にも精神的にもきついと感じる人がほとんどです。本命の試験に悪影響を及ぼさないようにしましょう。

教養科目の学習が不十分だと全試験で合格できる可能性が低くなる

どの公務員試験でも出題されるのが教養科目です。教養科目の学習が十分でないと、全ての試験で合格の可能性が低くなってしまいます。

教養科目は出題範囲がとにかく広いです。独学での学習は非効率になりやすいため、得点源となる重要項目や最新の出題傾向が網羅された通信教育などの教材を使うことをおすすめします。カリキュラムに従って効率的に学習できます。

試験情報を探すのが難しい

国家公務員の場合は人事院のWEBサイトに試験情報がまとめられています。しかし、地方公務員の場合は各自治体のWEBサイトを個々に調べることが必要です。実施時期が近づかないと公表しない自治体もあり、日程調整や試験対策などでストレスを感じる人は少なくありません。通信教育またはスクールなど、確かな情報をまとめて入手できる手段を確保しておくと安心です。

まとめ

公務員試験は3~6つを目安に併願受験するのが一般的です。試験に対するプレッシャーを分散できることや出題傾向を把握できるなどのメリットがあるため、日程、出題科目、職種などを検討して併願を検討しましょう。

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