公務員になるには|公務員試験の要件・公務員になるまでの流れ・公務員の種類の選び方
公務員を検討している人に向け、公務員になる方法、公務員になるまでの流れ、求められる人物像などについて解説します。
安定的な収入やワークライフバランスに魅力を感じ、公務員を目指そうと考えている人も多いでしょう。とはいえ、公務員の職種や仕事内容などについては、あまりよく知らないという人もいるかもしれません。
この記事では、公務員について詳しく解説していきます。公務員試験や、公務員になるメリット、適性なども紹介していくので、就職や転職活動にぜひ役立ててください。
国や地方自治体に勤務し、社会の土台作りを仕事とする人を公務員と呼びます。職種は、各省庁の職員、裁判官や自衛官、教員、消防士、警察官などさまざまです。その数は2022年度において約335万人にのぼります。その内、国家公務員は約58万9,000人の17.6%、地方公務員は276万4,000人の82.4%となっています。
公務員になるには、行政機関が実施している試験への合格が必要です。職種によっても試験の難易度が分かれます。ここではまず公務員試験がどのようなものかについて解説します。
資格試験などと比較すると公務員試験は試験科目が多く、幅広い試験対策が必要です。
また、大きく分けると事務系と技術系の2区分になりますが、さらに細かく分類されます。それぞれの区分によって難易度や試験内容が異なり、専門科目が課される場合と教養科目のみの場合があります。国家公務員と地方公務員の併願も可能ですが、併願する場合には、さらに幅広い試験対策が必要です。
公務員には大きく分類して2つの種類があります。ここでは、それぞれの種類について見ていきます。
国民の幸福を目的とし、国の運営に関わる仕事に従事するのが国家公務員です。国家公務員は、内閣総理大臣や裁判官などの「特別職」と、それ以外の「一般職」に分かれています。
一般職には、さらに「総合職」「一般職」「専門職」という区分があります。総合職は主に中央省庁、一般職は中央省庁や地方機関(出先機関)に勤務します。財務省は税関、厚生労働省は労働局などが出先機関です。
国家公務員には一般職と特別職という職種(種類)があり、裁判所職員などの特別職においては、それぞれの機関が実施する採用試験に合格・内定する必要があります。一方で、一般職は人事院が実施する国家公務員採用試験に合格後、官庁訪問をしなければなりません。
国家公務員採用試験は主に、総合職試験や一般職試験、専門職試験、経験者採用試験の4つに分類されます。筆記試験や面接などのほか、身体検査や体力検査などが実施される職種もあります。
各自治体の職員や教員、警察官などが地方公務員にあたります。国家公務員が国全体を統括する公務員であるのに対し、地方公務員は各都道府県や市区町村の運営従事する公務員です。国家公務員では全国規模での異動がありますが、地方公務員は基本的に各都道府県内や市区町村内での異動となり、転居する必要がない場合が多いのがメリットです。
各自治体や職種によって内容は異なりますが、採用試験に合格することで地方公務員になれます。試験は難易度によって3つの区分に分かれており、難易度が高い順から、大卒程度の「上級」、短大卒程度の「中級」、高卒程度の「初級」となっています。
公務員は営利を目的とせず、国や地域全体のために働くことが使命です。民間企業は、サービスやモノの提供によって利益を得ることを目的とし、会社や顧客、株主などの利益のために経営活動を行います。
公務員の仕事内容は多岐に渡り、地方公務員であれば治安、消防、水道、交通、教育、文化事業など、広く地域の生活全般にかかわる仕事を行います。国家公務員であれば国の公式行事や国民全体にかかわる政策の企画立案などを行います。いずれにしても、国民や地域のために、暮らしやすい社会作りに貢献するという使命があります。
公務員の仕事の種類は、大きく「事務系」または「技術系」に分類されます。
難易度は、試験そのものの難易度に加えて、倍率によっても変動します。受験する際には採用予定数などにも注目するといいでしょう。
国家公務員は「特別職」と「一般職」に分かれます。「特別職」は、先ほどの裁判所職員や国会職員等の他、内閣総理大臣や裁判官などです。「一般職」はさらに、仕事の内容により、総合職、一般職、専門職に分かれます。
総合職は政策の企画立案が主な仕事です。中央省庁に勤務することが多く、将来の幹部候補となります。一般職は、総合職が企画立案した政策を問題なく実行するための事務処理などが主な業務です。地域別に採用されるため、特定エリアでの勤務が可能です。
いずれも中央省庁やその関係機関での勤務になり、国としての機能を維持するための業務を基本としています。
地方公務員の場合、仕事内容は「行政職」と「技術職」に分類されます。技術職は、土木や建築などのより専門的な知識が必要です。役所で働く職員のほか、教職員や警察官なども地方公務員となります。
仕事内容も多岐に渡り、各自治体の職員を例に挙げると、役所の窓口業務から公共施設の整備・管理、災害対策などが含まれます。2~3年程度で部署を異動することが多いため、さまざまな業務に網羅的に携わることが可能です。
公務員になるとさまざまなメリットが得られます。ここからは公務員のメリットを紹介していきます。
公務員の働き方は国や地域の見本となるため、民間企業より、有給休暇など福利厚生が充実しています。配属先にもよりますが定時退勤が可能な部署が多く、ワークライフバランスを重視できます。
公務員の仕事は、国民の生活に直結します。その職責を果たすため、収入が民間企業より好待遇かつ安定しています。
女性の採用・登用の拡大とともに、女性にも働きやすい環境が整ってきています。
特に、育児に対する制度が充実しており、2020年の育児休業取得率は99.6%、復帰率は99.4%でした。
公務員はその仕事の性質上、向き・不向きがあります。ここからは公務員に向いている人について解説していきます。
最も向いているといえるのが、社会貢献をしたい人です。 国や地域の発展に興味があり、どのような発展を遂げられるかを総合的に検討・判断し、そのための業務に貢献することが求められます。 個人や組織の利益ではなく、公共の利益のために働ける人が国家公務員に向いているといえます。
国家公務員の場合、国の未来を背負う仕事に従事することも少なくありません。加えて、より高度な専門性も求められるため、 責任感や使命感、リーダーシップが求められます。国や国民のため、重い責任を負うプレッシャーに打ち勝てる人こそ向いているといえます。
地道な任務や長期的な仕事に対して粘り強く取り組む必要があります。国の財政状況などによっては給料が下がることがあったり、定員削減の必要性に直面したりすることもありえますが、いかなる状況下においても、粘り強く地道に仕事をこなせる人が、国家公務員に向いているといえます。
地方公務員は、国家公務員以上に配属先の地域に寄り添った仕事をしていく必要があるため、地域に対する愛着がなければ続けることは難しいでしょう。ときには理不尽とも思える住民の不満や意見に耳を傾けなければならないこともありますが、そのような声も含めてあらゆる情報を行政に活かすために、地域への愛着は必要不可欠です。
地方公務員は3年程度で異動するケースが多く、その都度新しい仕事を覚えなくてはなりません。自分の希望しない部署に配属されることもあるでしょう。そのため、環境の変化に適応し、周囲と適切にコミュニケーションを取りながらモチベーションを維持できる人が向いているといえます。
公務員には重責が伴いますが、その分大きなメリットも数多くあります。公務員になるには、各試験に合格しなければなりません。
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公務員の給与・年収は、国家公務員:約677万円、地方公務員:約630万円。民間企業と比較しても、公務員の年収は高いと言えます。また、諸手当の種類が多く手厚いことが知られています。
様々な職種があるため、一概には言い切れないが、合格のために800時間以上勉強する必要があり、公務員試験の難易度は高いと言えます。
公務員試験の受験資格における必要条件には、「欠格条項」「年齢制限」「学歴」「資格」「身体的条件」がある。年齢制限としては、高卒程度の試験の上限は20代前半、大卒程度の試験なら30歳前後が一般的。「高卒程度」「大卒程度」という区分があるが、あくまで試験問題の難易度を示す目安で、実際の学歴は不問。消防官・警察官・法務教官・皇宮護衛官・航空管制官など公安系職種では、身長や体重、視力や体力などの身体的条件が受験資格に含まれる。
公務員試験の採用の流れは一次試験(筆記)、2次試験(面接)に合格後、個別面談で最終的な意思確認が行われるという流れが一般的です。併願が可能なため、スケジュール調整しながら併願するのもいいでしょう。学習をスタートさせるタイミングは遅くとも受験の1年前がベストです。
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