行政書士試験の合格率は12.90% 年齢送別データや過去10年分の推移も紹介

これから行政書士を目指す人にとっては、試験の合格率は気になるところでしょう。
この記事では、年齢層別の合格率や過去10年間における合格率の推移などを詳しく解説します。合格点を突破するためのコツや重要ポイントも解説しているので、ぜひ役立ててください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 行政書士試験の合格率は例年10%前後。
- 合格までに必要な勉強時間は800時間程度、2~3年を要する人も多い。
- 合格点を獲得するには、試験全体の約62%(300点中188点)を占める行政法、民法の2科目が重要。
【2024年】行政書士試験合格率は12.90%
2024年(令和6年)度の行政書士試験の合格率は12.90%(受験者数は47,785人、合格者数6,165人)という結果でした。前年度の13.98%からやや低下していますが、合格率は例年10%前後で推移しており、通常通りの水準を維持しています。
年齢層別の行政書士試験合格率
行政書士試験の受験者数・合格者数について、2024年度の年齢別で紹介します。
受験者数 | 合格者数 | |
---|---|---|
10代以下 | 715人 | 76人 |
20代 | 7,731人 | 1,293人 |
30代 | 9,537人 | 1,595人 |
40代 | 11,875人 | 1,564人 |
50代 | 11,643人 | 1,175人 |
60代以上 | 6,284人 | 462人 |
合計 | 47,785人 | 6,165人 |
年齢別で見ると、合格者のボリューム層は30~40代であることが分かります。ただ、20代や50代にも多くの合格者がおり、あらゆる年代の方がチャレンジしている試験といえるでしょう。
過去10年間の行政書士試験合格率推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024年(令和6年) | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
2023年(令和5年) | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
2022年(令和4年) | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
2021年(令和3年) | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
2020年(令和2年) | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
2019年(令和元年) | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
2018年(平成30年) | 39,105 | 4,968 | 12.70% |
2017年(平成29年) | 40,449 | 6,360 | 15.72% |
2016年(平成28年) | 41,053 | 4,084 | 9.95% |
2015年(平成27年) | 44,366 | 5,820 | 13.12% |
上記のように、行政書士試験の合格率は毎年10%前後で推移しています。難易度が低いとはいえないため、行政書士試験の合格は難しそうと思う人もいるかもしれません。しかし、行政書士試験は誰でも受験できるうえ、合格基準も明確です。
そのため、しっかり学習している人には、実際の合格率ほど難しいとは感じないでしょう。合格率はあくまで参考程度として、確実に実力をつけていけば誰でも合格を目指せます。それでも、まったく法律の知識のない人にとっては、難易度は高いといえます。
行政書士試験の合格率が低い理由
合格率が低い原因は多岐にわたりますが、主に以下のような理由が挙げられます。
1.学習に多くの時間を要する
行政書士試験に合格するために必要な時間は、どの程度法律の知識があるのかによっても変わってきます。まったくはじめて法律に触れる人が独学で学習する場合、800時間ほどが目安です。1年間で約800時間を達成するためには、1日2~3時間の学習時間を確保する必要があります。
独学ではなく、通学や通信講座を利用する場合は、効率よく学習ができるため、500時間程度が目安です。通学通信講座どちらの場合も、毎日継続的に学習を続けることが合格へのカギになります。
2.勉強範囲の広さ
行政書士試験の試験科目は、大きく分けて法令等科目と基礎知識科目の2つ。法令等科目では憲法、行政法、民法、商法、基礎法学に関する問題が46問、基礎知識科目では、一般知識、情報通信個人情報保護、諸法令、文章理解に関する問題が14問と学習範囲は多岐にわたります。
3.出題形式の多様さ
行政書士は、科目によって出題形式が異なる試験。5肢選択肢、多肢選択肢、記述式など、様々な形式の問題が出題され、各形式に対応した対策が必要となるため、学習の負担が増加します。特に、行政法、民法においては配点の大きい記述式での出題があり、難易度が高くなる傾向があります。
行政書士試験に向けて、独学・通学・通信講座、おすすめはどれ?
行政書士の試験を目指すには、独学と通信講座それぞれにメリット・デメリットがあります。
行政書士の試験は、出題問題数の半分を占める民法と行政法を効率よく学習することがポイントです。独学と通学、通信講座、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
独学のメリットは、自分のペースで学習を進められることです。学習にかかるコストもテキスト代のみになるため、まとまったお金も必要ありません。しかし、自分で学習方法を模索していく必要があるため、不明点の解消に時間がかかったり、モチベーションの維持に苦労したりします。
通学講座のメリットは、専門の講師から直接指導を受けながら学びを進められることです。また、行政書士を目指す仲間からの刺激を受けつつ学べるというのも大きなメリットです。しかし、参考書を買うだけの独学に比べると学費が高額になる、学校や自宅、会社から遠い場合は、通学に時間を割く必要があるという点がデメリットとなるでしょう。
一方、通信講座の場合は、十分に試験対策がされたテキストで学習できることがメリットです。また、わからないところは、経験豊富な講師陣に気軽に質問できます。独学と通学講座のメリットをあわせもつのが通信講座です。費用も独学に比べるとかかりますが、通学と比べると低く抑えることができます。
まとめ
行政書士の資格を取得することで、就職や転職に有利になったり、独立開業を目指せたりとさまざまなメリットがあります。試験の合格率は10%前後ですが、試験内容や出題傾向をしっかりと把握し、対策を練れば誰でも目指せる資格です。
ユーキャンの行政書士講座では、民法や行政法といった試験における重要度の高い科目から学習を進めていきます。過去問題集は解説が通常の2~3倍の量になっているため、理解しやすいことが特徴です。経験豊富な行政書士試験のプロが、質問や添削を通じて最適のアドバイスを行います。行政書士試験の合格を目指す人は、ぜひユーキャンの通信講座をご活用ください。

- この記事の監修者は海野 高弘(うみの たかひろ)
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東京都出身
東京都行政書士会文京支部理事
趣味は、資格試験短期合格法の研究、野球、釣り、旅(判例現場巡り&寅さんロケ地巡り)
2000年 行政書士試験受験、翌年合格
2004年 ユーキャン行政書士講座 講師
2012年 ユーキャン行政書士講座 主任講師
モットーは、「夢なき者に成功なし」「短期合格は第一歩がすべて」「法律は暗記ではなく思考力」
よくある質問
- 行政書士は高収入ですか?
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行政書士の平均年収は約600万円といわれます。働き方や業務内容により年収が大きく異なり、高年収も目指せます。企業や行政書士事務所などに雇用されて働く場合の年収は200万~600万円ほど。ダブルラインセンスや独立・開業して働く場合、1,000万円以上の年収を目指すことも可能です。
- 行政書士の将来性は?
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行政書士資格は、法律事務所のほか、企業の法務部門への就職や転職でも有利になります。
知識や経験を積んでいくと、将来的には独立という選択肢も。独立により定年がなくなり、現役で働き続けて、生涯収入を増やしている人もいます。
行政書士の業務はAIに代替されるのでは?といった声もありますが、単純な書類作成はAIに代替が進む可能性もある一方で、相談業務などAIが代替できない業務も少なくありません。時代の変化に応じて新たな業務や需要が増す業務が生じるなど、行政書士は今後も需要があると考えられます。 - 公務員は何年で行政書士になれますか?
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特認制度により、国家公務員または地方公務員等として行政事務に20年以上(高卒等以上の場合は17年以上)従事した場合に、行政書士の資格取得が認められます。
ユーキャンで目指せる国家資格の中で人気の「行政書士」。市民と官公署とをつなぐ法務と実務のスペシャリストです。
資格取得後は、法律関連の業務全般について、書類作成業務や官公署への書類提出手続き代理業務、契約書等代理作成業務など、気軽に市民の目線で相談できる「頼れる法律家」に。扱える書類は数千種類もあり、業務範囲の広い国家資格です。独立・開業して社会に役立つことはもちろん、企業への就職・転職にも有利になります! 国家資格の中では難関試験として知られている行政書士ですが、ユーキャンでは試験突破に向けて、仕事と両立しながら続けられるようにカリキュラムを工夫。まったく知識が無い方でも着実に資格取得までのプロセスを身につけることが可能な通信講座です!