• 公開日:2021/03/11

行政書士は人気の高い国家資格です。就職や転職、現在の職場での給料アップや独立をめざして、行政書士の資格取得を検討中の人も多いでしょう。しかし、AI(人工知能)の発達によってなくなる仕事、という意見も出ています。この記事では、行政書士の仕事の現状や将来性、将来需要が高まる仕事などについて解説しています。将来性を検討したうえで、行政書士の資格取得を考える際の参考にしてください。

そもそも行政書士とはどのような仕事なのか?

「士業」と呼ばれる職業は複数ありますが、行政書士とはどのような仕事でしょうか。概要を解説します。

主な仕事

行政書士の主な業務は、官公署に提出する、権利義務や事実証明関係の申請書類の作成や手続きの代行です。依頼者は法人の場合もあれば、個人の場合もあります。遺言書やクーリングオフ関連の書類の作成など、一般市民の生活に関係した書類も扱うことから、「街の法律家」などと呼ばれています。

行政書士の業務は独占業務

独占業務とは、資格を持つ者しか扱えない業務です。官公署に提出する申請書類や、権利義務に関する書類を作成する業務は独占業務であり、国家資格を持つ人だけが従事できます。ただし、権利義務に関する書類について、すべての業務を行えるのではなく、税理士法や社会保険労務士法といった法律の領域に含まれるものは扱えません。

行政書士になるには?

行政書士になるには、行政書士試験に合格しなければなりません。法律関連の国家資格のなかでは、比較的合格しやすい試験であることから、高い人気を誇ります。試験の勉強を始める人の約8割が、初学者であるといわれています。

行政書士試験には受験資格が特になく、誰でも受験可能です。マークシート中心の試験で、60%以上の正答で合格できます。初学者でも6カ月程度の学習で合格をめざせますが、難解な法律用語でつまずきやすいため、独学ではなく通信講座を利用する人も多いです。

行政書士の現状

行政書士の数は2017年の時点で約4万6,000人、10年間で20%ほど増加しています。ただし、人口減少による影響から需要が落ち込みつつあり、報酬も減少傾向です。

事務所間の価格競争の激化も、報酬減少の要因に挙げられます。IT化による自己申請の増加や、顧客がネットの情報により行政書士(事務所)を比較検討するようになったことで、報酬を下げざるを得なくなりました。しかし、このような状況は、どの業界でも同じです。行政書士も、得意分野や新たなサービスを持つことが、高い報酬を得るためには必要です。

AI時代における行政書士の将来性

「士業」は、AI(人工知能)の発達によってなくなる、という意見もあります。AI時代における行政書士に、将来性はあるのでしょうか。

行政書士の仕事にはAIができないものがある

AIやITツールの進歩により、行政書士の業務は誰でもできるものになる、という意見があります。しかし、行政書士の業務は「独占業務」であり、簡単になくせるものではありません。紙から電子化したとしても、官公署への申請書類や、権利義務に関する書類作成などの必要がある限り、一定の需要があります。たとえば、ドローンの普及による法改正など、技術の進化に伴って増える業務もあります。

業務の範囲は広がっている

行政書士が取り扱う業務の範囲は、狭まるどころか広がっています。10年前に7,000種類だった取り扱い書類は、現在は1万種類以上になりました。行政書士の特徴は、手掛けられる業務の範囲が広いことです。得意分野を持つと、安定的な収入につなげられるでしょう。

単純な書類作成ではAIによる代行が進む

単純な書類作成業務では、AIによる代行が進むと予想されています。たとえば、膨大な計算や、フォーマットがある書類の作成などは、AIが得意とする分野です。今後は、このような定型業務にAIを導入・活用できる大規模な事務所と、AI化ができない小規模な事務所との二極化が進み、後者が淘汰されていくという意見もあります。

相談業務の重要性が増す

相談業務とは、行政書士の業務の範囲である、権利義務、事実証明関係などの書類作成や、手続きに関する相談を受けることです。人とのコミュニケーションは機械化しづらいため、相談業務の重要性が増すと予想されています。現在でも、経験を積んで対人スキルを伸ばすことで、コンサルタントにステップアップを果たす人は少なくありません。相談業務が増えればさらにチャンスが広がるでしょう。

改正行政書士法によって活躍の場が広がり、報酬額が増える可能性も?

改正行政書士法では、「行政書士の資格を持つ社員が2人以上」という法人の設立に関する項目がなくなり、1人でも行政書士法人を設立して仕事ができるようになりました。また、法定の研修を経た特定行政書士については行政不服審査の手続代理権が認められるなど、活躍の場も広がっています。

統計上の妥当な額で報酬額を提示できるようになったことも大きな変更点です。たとえば、従来は何百万円もの報酬に値する、学校法人の設立手続きも、書類の枚数で計算されていました。このようなケースでも妥当な額を請求できるようになったため、収益が大幅に増える可能性があります。

外国人労働者関連の業務が伸びる可能性がある

外国人の在留資格に関する書類の作成は、行政書士の業務の範囲です。労働者不足の日本において、外国人労働者が増加傾向にあるため、必然的に外国人労働者関連の業務は伸びるでしょう。実際に、就労ビザ取得を行政書士に依頼するケースが増えています。

オンライン活用でさらに身近な法律家になれる

行政手続きのオンライン化にともない、行政書士の業務での対応方法も進化しています。すでにWebによるオンライン相談を実施している事務所もあり、このような流れは加速するでしょう。相談業務が増えると、オンライン化を推進する事務所は、利便性や料金面で強みがあります。IT施策に積極的な事務所かどうかも、将来性を測るうえで重要です。

将来性が期待されている行政書士の業務の分野

時代とともに増える業務がある一方で、減る業務もあります。また、新たな業務も出てきます。ここでは、将来性が期待される、行政書士の業務について解説します。

ドローン関連

テレビや映画などで、ドローンが使われるようになりました。映像関係以外にも、観光業界、建設業界、農業、学術的な調査など、さまざまな企業・団体で、飛行許可申請の手続きが増えています。将来的には、需要過多になるほどの市場が形成されるとの期待が高まっています。

民泊関連

政府のインバウンド増加をめざす政策や規制緩和もあり、民泊の需要が増えています。民泊を営むには、旅館業法だけではなく、消防法令、水質汚濁防止法などに基づく届け出などさまざまな手続きが必要です。行政書士への依頼は必須であるため、今後も高い需要が続くと見込まれています。

外国人労働者のサポート

人手不足に悩む日本企業では、外国人労働者が増えています。建設業専門など、特定の業種にしぼって活躍している行政書士も存在し、安定的な収入を得られる分野です。特に夜の街関連の営業許可申請などは需要が大きいにもかかわらず、仕事を受ける行政書士が少ないため、仕事があふれている状態です。

外国人労働者のサポートは、語学スキルを強みにすると、多くのクライアントを獲得できて、高収入を得られる可能性があります。

ADR(裁判外紛争解決手続)

ADR(裁判外紛争解決手続)とは、裁判で争わなくても利害が一致し妥協できる可能性がある場合に、調停役として行政書士を立てる手続きです。たとえば、敷地返還に関わる紛争や、ペットに関するトラブルなどがあります。ADRは、新たな時代の行政書士の仕事といわれています。弁護士側からの反発が出ていますが、現状では一定の分野において、ADRの業務を行えるようになっています。

将来性や報酬がすべてではない!? 行政書士のメリット・デメリット

ここでは、一般的にいわれている行政書士のメリットやデメリットについて解説します。報酬には変えられない内容のものもあるため、あらためて確認しましょう。

行政書士になることのメリットとは?

行政書士の資格を取得することで、法律事務所での雇用が期待できるほか、企業の法務部門への就職や転職でも有利になります。業務を通じて知識や経験を積んでいくと、将来的には独立という選択肢も出てきます。独立すると定年がなくなります。現役で働き続けて、生涯収入を増やしている人もいます。

また、「社会的意義を感じる」「経験を積んでスキルが上がる」「さまざまな業種の人と関われる」といったメリットも、多くの人が挙げています。

行政書士になることのデメリットとは?

行政書士の仕事は、書類の作成や申請等の手続きだけではなく、人と接する機会もあります。そのなかで高圧的な態度を取られたり、威圧的な言葉を浴びせられたりするケースもあるようです。将来的には相談業務の増加が予想されるため、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。一人で黙々と文書作成をこなしたい人にとっては、仕事にストレスを感じる場面が増えるかもしれません。

また、行政書士からは「頻繁に行われる法改正への対応が大変」という意見も聞かれます。開業・独立した場合は、クライアント獲得のための営業活動に苦労している人も少なくありません。

まとめ

行政書士の仕事は、AIに代替される業務や、新たな業務、需要が増す業務など、時代に応じて変化します。ただし、将来性が危惧される状況にはなく、一定の需要が見込める職業です。

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