• 公開日:2020/06/01

行政書士は、開業する人や事業主にとって頼れる法律の専門家です。行政へ提出する書類が増えていることもあり、人気の職業となっています。しかし、行政書士という名称は知っていても、実際にどのような職業なのかわからない人もいるでしょう。

この記事では、行政書士の仕事の内容や適性、活躍できる働き方などについて詳しく紹介します。行政書士を目指したいという人は、ぜひ参考にしてください。

行政書士とは

行政書士とは、行政へ許認可申請が必要な場合の書類作成、官公署に届ける書類に関する相談業務などを行う法律の専門家です。

行政書士とは、主に行政への許認可申請が必要となる場合に提出する書類の作成、官公署に届ける書類に関する相談業務などを行う法律の専門家です。同じように、法律の専門家とされる士業には、税理士や社労士、司法書士などがあります。そのなかでも行政書士はほかの士業と比較して、幅広い業務範囲が特徴です。

行政書士の業務には、独占的に行う業務に加えて、弁護士や司法書士が扱う業務の一部にも行政書士が行うことができる業務があります。行政書士の主な仕事内容については、次で詳しく解説します。

行政書士の主な仕事内容

行政書士の仕事内容には、主に「書類作成代行業務」「手続き代理業務」「相談業務」などがあります。

行政書士の仕事内容は、どのようなものなのでしょうか。ここからは、主な仕事内容について紹介していきます。

官公署に提出する書類などの作成業務

行政書士の主な仕事内容は、官公署に提出する書類を作成することです。作成する書類は、官公署に提出する書類のほかにも、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の3つがあります。

「官公署に提出する書類」とは、たとえば、建設業を始める場合に提出する「建設業許可申請書」などです。

「権利義務に関する書類」には、消費賃借契約書、貸貸借契約書、請負契約書などの契約書類、遺産分割協議書、内容証明や嘆願書などがあります。主に権利の発生を主張したり、権利を消滅させたりする際に作成する書類です。

「事実証明に関する書類」には、実地調査に基づく各種図面類、取締役会議事録などが該当します。

官公署への手続き代理業務

行政書士が行う手続き代理業務は、書類作成業務のほか、官公署に提出する書類の提出などです。また、権利義務や事実証明に関する書類に関しては、代理人として作成できるケースもあります。代理人として書類の作成を行う場合は、代理人であることがわかるように行政書士の名前を書類に記載する必要があります。

ただし、行政書士が代理人として行うことができる業務は、書類の作成と提出のみです。依頼者の代理人として相手方と交渉などを行うことは弁護士法に抵触し、罰則の対象となります。

相談業務

行政書士の仕事内容としてもうひとつ、相談業務があります。相談業務は、手続き代理業務と同じように、書類作成業務とセットで行われることが一般的です。たとえば、株式会社をつくりたいがどうしたらいいのか、事業を開始する際の許認可取得はどうすればいいのか、といった相談です。依頼者からの相談に乗ることも、業務のひとつなのです。

行政書士は、これから開業を目指す人や、すでに開業している事業主などの心強いパートナーとして大切な存在です。

司法書士との違いについて

行政書士と司法書士は、法律関係の資格として似ていますが、仕事内容には違いがあります。

法律関係の資格で、行政書士と似たような名称の資格に司法書士があります。しかし、行政書士と司法書士が扱う仕事内容には違いがあります。

行政書士は、主に国や地方自治体などの官公署に提出する行政書類を作成します。許認可申請に必要な書類の作成や、手続きを代理で行うことが業務です。一方、司法書士が扱う主な業務は、法務局や裁判所に提出する書類の作成、登記申請手続きの代理などです。

行政書士の平均年収

行政書士の年収は、平均で600万円程度ですが、さまざまな働き方があるため、個人差が大きい傾向も。

行政書士の年収は、行政書士統計によると平均で約600万円です。ただし、あくまでも平均的な年収であり、人によって年収に差があります。行政書士の中には、年収2,000万~3,000万円という高収入を得ている人もいます。

※参考:平均年収.jp(https://heikinnenshu.jp/shi/gyosei.html)

行政書士として個人で開業する人も多く、年収に関してはケースバイケースです。実力がものを言う世界ですので、開業当初は収入が安定しない時期もあるでしょう。働き方をはじめ、受け持っている顧客数や案件数、規模などによって収入も大きく変わるのが実情です。

行政書士に向いている人

行政書士には、責任感があり、事務処理能力や営業力、コミュニケーションチカラの高い人が向いていると言われています。

行政書士にはどんな人が向いているのでしょうか。行政書士になりたい人は、自分にあてはまるか参考にしてみましょう。

責任感がある

行政書士が業務を行う上で取り扱う情報の多くは、個人情報となります。どのような場合でも、適当に取り扱うことはできません。コンプライアンスの問題もあり、入手した情報は慎重に取り扱う必要があります。

また、行政書士が作成する官公署に提出する書類は、ミスがないように記載することが重要です。相談業務に関しても、事業の今後を大きく左右する重要な内容が多いため、責任感のある人が向いています。

事務処理能力が高い

行政書士の業務の大半は書類を扱うため、高度な事務処理能力が求められる仕事です。案件の規模によっては、数百枚の書類を処理したり、タイトなスケジュールで対応しなければならない、といったこともあるでしょう。

また、請け負う案件ごとに報酬が決まるため、件数をこなすことで収入アップにつながります。したがって、事務処理能力の高さは行政書士の業務を行う上で大きな武器となるでしょう。

営業力とコミュニケーション能力がある

行政書士は独立・開業する人も多い職種です。開業した場合、安定した収入を得るためには顧客の獲得が必要となります。そのため、営業力やコミュニケーション能力が求められるのです。ときには、顧客を訪問したりイベントに参加したりして、自ら積極的に営業活動をする必要があります。

また、同じ士業である司法書士や税理士、弁護士などから仕事を紹介してもらえるケースもあるため、人脈づくりも大きなポイントです。フットワークが軽く、コミュニケーション能力が高い人ほど向いている職業といえます。

h3:臨機応変に対応できる行動力を持っている

行政書士は、1万種類以上の業務を取り扱います。専門分野をとことん追求していくというよりは、まんべんなく数多くの業務をこなすことができる能力が求められます。

そのため、顧客のニーズに合わせて臨機応変に対応できることが必要になります。自分の置かれている立場や状況を瞬時に判断し、臨機応変に行動できる人が向いているといえるでしょう。

行政書士が活躍できる働き方

行政書士が活躍できる働き方には、主に独立・開業と、企業内でスキルや知識を活かす方法とがあります。

行政書士が活躍できる働き方として、主に独立・開業して働く場合と企業内でスキルを活かすケースがあります。それぞれのケースについて紹介していきます。

行政書士として独立

行政書士は、独立・開業したい人に向いている職業です。独立当初は、基本的に1人で仕事をするケースが多く、営業活動をはじめ、経営や法律に関する学習、通常業務などを幅広くこなしていく必要があります。

開業後は、1人で顧客からの問い合わせへの対応、依頼者の相談への対応や説明の段取り、書類の作成などに臨機応変に対応しなければなりません。したがって、前述した適性がより重要となってきます。

行政書士として独立することは決して簡単なことではありません。しかし、業務を通して顧客からの感謝や信頼を得られるため、仕事にやりがいを感じることができるでしょう。

企業内でスキルを活かす

一般企業で行政書士のスキルを活かすことができる仕事としては総務や法務などがあります。企業法務の主な仕事内容は、企業に関する法律問題、契約や交渉、登記や株主総会などの事務業務です。また、紛争予防を目的とした業務を行うケースでは、行政書士としての知識やスキルを企業内で活かすことができるでしょう。

行政書士のスキルを企業内で活かせそうな仕事は多くあります。しかし、部署によっては業務上必ずしも必要というわけではありません。企業内でスキルを活かすなら、行政書士の実務や経験が活かせる部署を希望するといいでしょう。

行政書士になるには

行政書士になるには資格の取得が必要です。合格率は上昇傾向ですが、合格者は10人に1人程度で、難易度は低くはありません。

行政書士になるには、まず、資格の取得が必要です。これから受験する人に向けて、行政書士試験の受験資格や概要などを紹介します。

行政書士試験の難易度

2018年度に実施された行政書士試験では、合格率が12.7%となっています。過去10年間で見ると、合格率は若干上昇傾向にあります。しかしながら、合格する人は約10人に1人なので、難易度自体は高い試験といえるでしょう。ただし、ほかの法律系の資格として弁護士や弁理士、司法書士などがありますが、その中では難易度は低めとなっています。

試験内容は、民法や行政法などの法律関連の問題が多く、法律の予備知識がない場合は途中で挫折してしまうことも少なくありません。合格するためには試験対策をしっかりと行い、効率的に学習を進めていくことが重要です。

受験資格

行政書士の受験資格には制限がありません。学歴、性別、国籍を問わず誰でも受験できるため、17歳や18歳の合格者も珍しくありません。ただし、資格を取得しても、行政書士として登録ができるのは20歳以上となっています。

法律関係の資格には多くの場合、受験資格に条件があります。たとえば、司法試験であればロースクール卒業修了、税理士であれば簿記1級、社労士(社会保険労務士)であれば短大卒以上などです。行政書士は受験資格に制限がないことから、法律関係のなかでも目指しやすい資格といえます。

資格を取得するための学習方法

行政書士の資格取得には、独学、通信講座、スクールなどの方法があります。短期間で合格を目指す場合、通信講座やスクールの活用がおすすめ。

行政書士の資格を取得するためには、独学や通信講座、スクールに通うなどの方法があります。ここからは、それぞれの学習のポイント、資格取得に必要な学習時間の目安などを紹介します。

独学で学習する

行政書士試験を突破するためには、難易度の高い法律の問題をクリアする必要があります。独学で学習をするのは、決して簡単なことではありません。独学の場合は、努力や継続力、効率的な学習方法にかかっているといえるでしょう。

法律の知識がない人が独学で学習する場合、800~1,000時間程度の学習時間が目安です。たとえば、1年間で合格を目指すなら、毎日2~3時間程度を学習に充てなければなりません。これはあくまでも目安なので、場合によっては、1,000時間では足りないかもしれません。毎日の学習を根気よく続け、試験までモチベーションを維持し続けられるかどうかがポイントです。

通信講座やスクールで学習する

行政書士試験では、通信講座を利用したりスクールに通うのがポピュラーな学習方法です。通信講座のメリットは、ネット環境さえあれば時間や場所に縛られることなく学習を進められることです。また、スクールに通って学習するケースに比べて、はるかに費用を抑えることができます。受講する通信講座によっては、有名な講師の講座をいつでも受講できるという点も見逃せません。

一方、スクールで学習するメリットは、講師にすぐに質問できることです。また、同じく行政書士を目指す人達の中で学習することで、競争心や仲間意識が芽生えることもあります。そのため、モチベーションを維持しやすいでしょう。

行政書士の取得を目指す場合の学習時間

法律に関する基礎知識を持たない人が、独学で行政書士試験に合格するためには、前述した通り800~1,000時間程度の学習時間が必要です。1年で取得を目指すなら、1日2~3時間程度の学習時間になります。

しかし、通信講座やスクールを利用することで、500時間程度に短縮することが可能です。通信講座やスクールでは、あらかじめカリキュラムや学習スケジュール、学習方法が決まっているので、より効率的な学習をすすめることができます。

できるだけ時間をかけずに短期間で合格を目指したいという人は、通信講座を利用したりスクールに通って学習することをおすすめします。

行政書士試験の学習のポイント

行政書士試験の学習を効率的に進めていくコツはあるのでしょうか。ここからは、具体的な学習方法のポイントを紹介します。


「繰り返し学習」で法律の理解を深める

行政書士試験の問題に出てくるような法律や判例は、一度読んだだけで内容を理解したり、覚えたりすることは難しいです。過去問やテキストで繰り返し学習することで、法律の理解を深めていくことができます。確実に実力をつけていくためにも、最低でも3回以上繰り返し学習するようにしましょう。

また、覚えたことを忘れないためにも、間を空けて繰り返し学習を行うこともポイントです。


テキストを使って学習する

試験対策として、いきなり最初から六法全書を理解しようとしたり、暗記したりすることは難易度が高いです。まずは、読みやすく書かれたテキストを読んで理解することがポイントです。

ある程度学習が進んできたときに一番おすすめのテキストは過去問題集です。過去問を何度も解いていくことで、試験問題に対応できる知識をつけることができ、出題傾向も把握できます。また、解説が充実した過去問題集を選ぶことで、どこをどう間違ったのか理解を深められます。


自らの日常生活に当てはめて学習する

行政書士試験では、社会情勢や日常生活に関わる身の回りのことが出題テーマとなることがあります。一見、試験とは関係がなさそうなニュースやドラマ、漫画など、自分の興味があることを法律と結び付けて考えると、比較的、法律の内容を覚えやすくなります。試験の際にも、思い出すヒントになるため、おすすめです。

とくに、社会情勢に応じて出題内容が大きく変わる一般常識や民法等の科目は、自分の生活にあてはめて考えてみると理解しやすいでしょう。


わからない問題はあと回しにする

行政書士の試験は出題範囲が広く、わからない問題が出題されることも想定されます。そのため、わからない問題に焦ってしまうと、実力が十分に発揮できないということも考えられます。

試験でわからない問題が出たら、まずは落ち着いて考えてみることが大切です。ただし、考えてもわからない場合は、わかる問題から解くようにしましょう。時間配分のミスを防ぐためにも最後にわからない問題に取り組むのがおすすめです。


行政法と民法に力を入れる

行政書士の試験では、法令等科目で5割、一般知識等科目で4割クリアすることを前提として、総合点で6割の得点を取ることができれば合格できます。法令等科目では、244点中188点(77%)、総合点では、300点中188点(63%)を行政法と民法が占めています。したがって、行政法と民法だけで合格点をクリアできるほど、この2つの科目は重要です。

行政書士の学習では、ただやみくもに試験範囲を網羅的に学習するのは効率的ではありません。行政法と民法に力をいれて効率的に学習を進めていきましょう。


一般知識等科目の問題は基準点以上の獲得を目指す

試験の総合点や法令等科目で、合格ラインを突破しても、全体の合格基準に達しない可能性もあります。一般知識等科目で40%の基準点をクリアすることができずに、不合格になったというケースも少なくないのです。

出題数が多い法令等科目に重点的に力を入れることはいいのですが、一般知識等科目の学習もおろそかにはできません。過去の出題傾向を研究し、普段からニュースなどをチェックすることも大切です。一般知識等科目の問題は、基準点以上の獲得を目指すことを目標に学習を進めましょう。


記述式問題への対策

行政書士試験は、選択式のマークシート問題と記述式問題で構成されています。記述式問題を得点に結びつけるためには、正確な知識が必要です。記述式問題では、論文のような長い文章を書く必要はなく、問題文に対して40字程度で解答を作成する形式です。正確な知識を引き出すことができれば解答欄を埋めることができるでしょう。

対策として、学習した知識から解答に必要なキーワードを導き、組み合わせて解答を作るなど知識の使い方のトレーニングを行うことが大切です。

まとめ

行政書士試験は、国家資格のなかでも難易度が高い試験です。独学では難しい面もありますので、通信講座で効率良く学習することが取得への近道でしょう。

ユーキャンの行政書士講座では、民法や行政法といった優先順位の高い科目から効率的に学習を進めていくため、効率のいい学習ができます。また、過去問の解説は通常の2~3倍程度あり、理解しやすいことも強みです。その他、ナビに従って毎日の課題に取り組むことができる「合格デジタルサポートパック」や、わからない箇所を質問できる体制も万全です。

ユーキャンの行政書士講座を活用して、スムーズな合格を目指しましょう。

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