行政書士は独学と通信講座どちらで目指す?学習方法や合格率も解説

- 公開日:2020/06/01
- 更新日:2021/12/09
行政書士は、弁護士や税理士などと同じ「士業」のひとつであり、資格を取得するための試験も難関だといわれています。そのため、合格するにはしっかりとした学習が必要ですが、これから行政書士を目指す人の中には「独学がいいのか?通信講座がいいのか?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は試験の概要や難易度とともに、独学と通信講座のメリット・デメリットを解説します。独学で学習するポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
行政書士試験とは
行政書士試験は、行政書士の業務に必要な能力や知識を測るための試験。年齢や国籍、学歴などに関係なく誰でも受験が可能です。
行政書士試験は、行政書士として働くのに必要な能力や知識を測るための試験です。試験は行政書士法と総務大臣による定めに基づいて実施され、合格すると行政書士の国家資格を与えられます。誰でも受験することができ、年齢や学歴だけでなく、国籍の制限もありません。
試験は毎年1回で、例年11月の第2日曜日に実施されます。筆記試験となっており、択一式と記述式で構成されています。受験にかかる手数料は7,000円です。
行政書士試験の合格率
行政書士試験の合格率は上昇傾向ながら、合格者は10人に1人の割合。決して易しい試験ではありません。
行政書士試験の合格率は、どの程度なのでしょうか。行政書士試験の合格に必要な点数や難易度をもとに、合格率について見てみましょう。
合格に必要な点数は?
行政書士試験は、300点満点のうち180点以上得点すれば合格となります。ただし、科目ごとにも合格点が決まっているので注意しましょう。「行政書士の業務に関し必要な法令等科目」では、244点中122点以上得点しなければなりません。また、「行政書士の業務に関連する一般知識等科目」では、56点中24点以上の得点で合格となります。
なお、問題の難易度によっては、合格の基準となる点数が補正されることもあります。
行政書士試験の難易度は?
行政書士試験の過去10年間の状況を見ると、合格率は上昇傾向となっています。それでは合格者は10人に1人の割合となっているなど、決して易しい試験ではないことがうかがえます。
法律系の資格には、ほかに弁護士・弁理士・司法書士などがあります。そのなかでも行政書士は難易度が低いほうです。ただし、行政書士試験においては法律や条例に関する専門的な知識が多く問われるため、初心者は挫折することが多いのが実状です。合格するためには、十分な試験対策を行うことが大切です。
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
平成28年度 | 53,456 | 41,053 | 4,084 | 10.0% |
平成29年度 | 52,214 | 40,449 | 6,360 | 15.7% |
平成30年度 | 50,926 | 39,105 | 4,968 | 12.7% |
令和元年度 | 52,386 | 39,821 | 4,571 | 11.5% |
令和2年度 | 54,847 | 41,681 | 4,470 | 10.7% |
(単位:人)
- 参考:最近10年間における行政書士試験結果の推移|一般財団法人 行政書士試験研究センター(https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf)
行政書士の資格取得に必要な学習時間
行政書士の資格取得に必要な勉強時間の目安は800~1000時間。通信教育など効率良い学習方法なら500時間ほどに短縮できる場合も。
独学で行政書士の資格取得に必要な学習時間は、1年間で800~1,000時間が目安となります。1日あたりの学習時間数は2~3時間です。大学で法律について学んだ経験があれば、これよりも少ない学習時間で合格を目指すこともできるでしょう。
より効率的に学習を進める方法としては、通学や通信講座の受講が挙げられます。通学や通信講座の場合、合格に必要な学習時間は500時間程度まで短縮できる可能性があります。
行政書士は独学と通信講座、どちらで目指す?
行政書士試験の合格を目指すには、独学と通信講座それぞれにメリット・デメリットがあり、自分にあった方法を選びましょう。
行政書士の試験に合格するには、独学と通信講座のどちらを選んだらいいのでしょうか。ここでは、それぞれの学習方法のメリット、デメリットを紹介します。
独学のメリット
自分の好きな時間に学習できる
独学には、自分のペースで空いた時間に学習できるというメリットがあります。スキマ時間を有効活用できるので、まとまった時間がとれない人でも学習を進められます。スケジュールも自分で決められるため、自由度が高いこともメリットです。自分のライフスタイルに合わせ、早朝や深夜などに学習することも可能です。
費用が安い
独学なら、学習にかかる費用を安くおさえられます。独学でかかる費用は基本的にテキスト代のみです。自分に合うテキストを見つけられれば、あまりお金をかけなくても行政書士試験の合格を目指せます。
独学のデメリット
モチベーションの維持が難しい
独学で学習を進める場合、モチベーションの維持が難しいことがデメリットです。行政書士試験では法律や条例に関する高度な知識を問われるため、時間をかけて学習する必要があります。独学は自由度が高いゆえに、スケジュールも自分で管理しなくてはなりません。ひとりで学習する場合、明確な計画性と合格を目指す強い意志が必要となります。
不明点は自分で解決しなくてはならない
独学の場合、わからない問題があってもすぐに解決できないこともデメリットです。通学や通信講座と違い、わからないところは自分で調べなければなりません。また、誤った解釈をしていても指摘してくれる人はいません。過去問題集をくり返し解き、細部まで理解できるよう、慎重に学習を進めていくことが大切です。
通信講座のメリット
独学と同じように好きな時間に学習できる
通信講座は、独学と同じように空いた時間で学習できます。自宅に届いたテキストを使って、自分のペースで進められます。家事の合間や通勤時間など、場所を選ばずスキマ時間で学習できるメリットがあります。最近では動画やデジタルテキストを使う通信講座も増えています。
不明点は講師に質問することができる
通信講座では、不明点を講師に質問することも可能です。郵送やメールで質問ができるので、わからない部分もすぐに理解できます。行政書士試験の問題は難しいものもありますが、講師に質問できればスムーズに学習を進められます。
効率のいい学習やスケジュール管理が可能
通信講座の場合、効率的に学習を進められることもメリットです。自分の得意・不得意な分野がわかりやすいので、どこを重点的に学習すればいいのかなどがひと目でわかります。スケジュール管理もしやすいため、仕事や子育てで忙しい人でも継続しやすいでしょう。
通信講座のデメリット
独学よりは費用がかかる
通信講座の場合、独学に比べると費用がかかります。ただし、充実した内容で学習できるので、コストパフォーマンスは高いでしょう。実際にかかる金額だけで比較するのではなく、内容も吟味して検討することが合格への近道です。
課題をためてしまう可能性がある
通信講座では教材が自宅に届きますが、基本的には、自分のペースで学習を進めていきます。当然、届いた教材を開かなければ、課題をためてしまう可能性もあります。通信講座で学習する場合も、合格へ向けた学習に対するモチベーションを維持する工夫が必要です。
行政書士試験の学習を独学で行うポイント
行政書士試験の学習を独学で行うコツはスケジュール管理。重要度の高い「民法」「行政法」を押さえることもポイントです。
ここでは、独学での学習に向いている人の特徴と、学習計画の立て方や学習のコツを紹介します。
独学での学習に向いている人
行政書士試験の合格を独学で目指すには、自己管理できるかがポイントとなります。仕事や家事の合間を縫って学習するには、学習する場所や時間帯を管理する必要があります。自分のスケジュールを調整しつつ、コツコツと進められる人は独学に向いているでしょう。
また、行政書士試験の学習は毎日続けることが大切なので、継続力も必要です。
独学で学習するコツ
まずは学習計画を立てる
行政書士試験の合格を独学で目指すなら、まずは学習計画を立てるようにしましょう。計画を立てずに学習を進めても、効率的に知識を身につけることはできません。まずは自分が1日に確保できる学習時間を計算し、試験日から逆算した日数で足りるのか把握しましょう。
受験間際になって慌てないよう、申込期限や注意点について調べておくことも大切です。
おさえるべきは「民法」と「行政法」
行政書士試験の学習で特に重要なのは、「民法」と「行政法」です。「民法」と「行政法」は出題数が多いので、まずこの2科目をおさえることを意識しましょう。広い範囲で出題される行政書士試験においては、重要度の高い科目から優先的に学習することがポイントとなります。
まとめ
行政書士に合格するためには、時間をかけてしっかりと学習を進めることが大切です。独学でも合格は可能ですが、モチベーションの維持や学習計画など自己管理が必要となります。独学に自信がない、よりスムーズに学習したいという人には通信講座による学習がおすすめです。
ユーキャンの行政書士講座なら、優先順位の高い「民法」と「行政法」から学習を進められます。さらに「合格デジタルサポートパック」を活用すれば、ナビが示す毎日の課題に取り組むだけで効率的に学習できます。自分に合った学習方法を選び、行政書士試験の合格を目指しましょう。
オプションサービスのご案内
-
行政書士講座 全国統一直前模擬試験
自宅受験なので、お忙しい方も安心!全2回の模試で本番に大きな自信がつきます!
-
三省堂 デイリー六法2021セットのご案内
販売終了いたしました。
-
行政書士試験 解答速報
ユーキャンの行政書士講座では、行政書士の試験終了直後から随時解答速報をアップデートしています!
ユーキャンで目指せる国家資格の中で人気No.1の「行政書士」。市民と官公署とをつなぐ法務と実務のスペシャリストです。
資格取得後は、法律関連の業務全般について、書類作成業務や官公署への書類提出手続き代理業務、契約書等代理作成業務など、弁護士よりも気軽に市民の目線で相談できる「頼れる法律家」に。扱える書類は数千種類もあり、業務範囲の広い国家資格です。独立・開業して社会に役立つことはもちろん、企業への就職・転職にも有利になります! また近年は、行政書士法改正で「代理権」が付与され職域が拡大したこと、行政書士法人の設立が可能となる改正法の施行など、時代の流れはまさに追い風となっています。
国家資格の中では難関試験として知られている行政書士ですが、ユーキャンでは試験突破に向けて、仕事と両立しながら続けられるようにカリキュラムを工夫。まったく知識が無い方でも着実に資格取得までのプロセスを身につけることが可能な通信講座です!