• 更新日:2023/08/14

司法書士や行政書士は、人々の生活に役立つ重要な仕事を担っています。どちらの仕事に就くにも国家資格の取得が必要です。資格を取得できれば独立・開業、就職・転職にも役立ち、性別・年齢に関係なく活躍の場が広がります。そのため、常に高い人気があり、近年では女性の資格取得者も増えているのです。

この記事では、それぞれの業務の特徴や違い、資格試験の内容などを紹介します。資格取得を目指す際の参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 司法書士と行政書士は、どちらも法律に関わる仕事をする業務独占の国家資格、専門職であるという意味では同じ。
  • 業務内容が異なり、司法書士は司法に関係した業務、行政書士は役所に提出する書類作成などを主に行う。
  • 同じ案件に関わる場合でも担当できる業務が異なり、両方の資格を所持していれば、一層、仕事の幅が広がることは間違いない。

司法書士と行政書士の違いについて

司法書士と行政書士は、どちらも法律に関わる仕事をする業務独占の国家資格、専門職であるという意味では同じです。しかし、業務内容は異なります。司法書士は司法に関係した業務、行政書士は役所に提出する書類作成などを主に行います。

ここでは、司法書士と行政書士、それぞれの業務内容を紹介します。

司法書士とは?

司法書士とは、司法書士法に基づく国家資格で、有資格者だけが業務をすることが許されている専門職です。司法書士は相続や不動産の登記申請など、一般の人にも身近な問題を扱うため、くらしの法律家、と呼ばれることもあります。


司法書士の仕事とは?

司法書士の仕事は、専門的な法律の知識に基づき、個人や企業からの依頼で法律に関連する書類の作成や手続きを代行することです。メインの業務は不動産登記や商業登記などの登記業務となります。

行政書士とは?

行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格であり、有資格者だけが業務をすることが許されている専門職です。依頼を受けた書類を代書して権利や財産を守る業務から高度なコンサルタント業務まで仕事の幅は広く、今後も高い需要がある資格といえます。


行政書士の仕事とは?

行政書士の主な仕事は、役所に提出する複雑な内容の書類を作成することです。このうち許可・認可に関する書類がほとんどを占めています。飲食店の営業許可や、建設会社の建築許可など各種手続きや申請の書類があり、その種類は1万を超えるともいわれています。そのため、高い専門知識を持つ行政書士が代理で作成することが欠かせません。

ほかに、官公署に提出する書類や権利義務・事実証明に関する書類(内容証明)を作成するのも行政書士の仕事です。提出手続きの代理または代行、作成に伴う相談に応じることもあります。

また、永住許可や在留資格認定証明書、在留期間更新など外国人に関する手続きも行政書士の担当です。このうち「帰化許可申請」の業務は、行政書士以外に司法書士でも対応可能という点で、めずらしい業務といえます。


管轄と独占業務(一部の者に認められる「特定業務」を除く)の内容

行政書士を管轄しているのは総務省です。独占業務の内容は以下のとおりです。ここでは、一部の者に認められる「特定業務」は除いています。

1)官公署に提出する書類の作成と提出代理、代理作成および書類作成の相談に応じること
2)権利義務に関する書類の作成と提出代理、代理作成および書類作成の相談に応じること
3)事実証明に関する書類の作成と提出代理、代理作成および書類作成の相談に応じること

一部、司法書士でも行政書士でもできる共同独占業務がある

司法書士の業務のなかには、行政書士も担当できるものがあります。たとえば、すでに紹介した法務大臣あての帰化許可申請書の作成がその一つです。また、検察審査会への提出書類の作成もどちらでも行える業務となっています。そのほか、検察あての告訴・告発状の作成も共同独占業務です。

司法書士、行政書士の資格において可能な業務の範囲について

司法書士と行政書士では、同じ案件に関わる場合でも担当できる業務が異なります。ここでは、具体例をあげながら、それぞれの業務の範囲や違いをみていきましょう。

相続の場合

相続案件では、遺言書の作成や相続人の調査は司法書士と行政書士のどちらでも業務を行うことができます。しかし、たとえば不動産の相続に関わる不動産登記は司法書士、遺産分割協議書の作成は行政書士、と分けられており、相続案件全てを担当することはできません。

会社設立の手続きなどをする場合

会社設立の手続きをする場合に司法書士、行政書士がともにできる業務は、公証人役場での認証手続き、定款の作成などです。

しかし、たとえば登記手続きや商号変更、会社設立後の役員変更などに必要な書類は法務局への提出となるので、司法書士が担当します。一方で、発起人の意思決定書は行政書士が担当するなど、業務の範囲が区別されています。

その他

外国人に関連する手続きは、司法に関係しない案件なので行政書士の仕事です。同様に、役所に対する各種手続き、自動車に関連する手続きも行政書士しか担当できません。すでに解説したとおり、帰化許可申請は司法書士も担当できますが、これはある意味例外といえます。

司法書士が扱うことができない案件は、行政書士事務所を開業している人の多くが業務として取り扱っているのが現状です。

ダブルライセンスの取得でさらに活躍することが可能

ダブルライセンスのメリットとは?

司法書士と行政書士は業務範囲が異なるため、両方の資格取得=ダブルライセンスを目指す人も増えています。ダブルライセンスの取得によって業務の範囲や仕事の幅を広げることができ、収入アップをもたらすメリットがあるからです。依頼者(顧客)にとっても、ひとつの事務所に依頼できる効率メリットがあります。

どちらから取得するのがおすすめ?

ダブルライセンスの取得を目指すにあたって、資格取得の順序に決まりはなく、どちらか一方を先に学習したから有利ということもありません。司法書士試験と行政書士試験は出題科目が重複している(憲法、民法、商法・会社法)ので、一方の試験のための学習がもう一方の試験の学習に必ず役立ちます。ただ、司法書士試験の難易度を考えると、早く士業として法律の世界で働きたい方は、まずはじめに行政書士試験に挑戦することをオススメします。

司法書士、行政書士の資格試験の出題範囲と難易度の比較

司法書士と行政書士はどちらも法律に関わる仕事をするため、試験内容も法律科目がメインです。しかし、出題範囲や難易度は司法書士と行政書士で違います。

司法書士試験の出題範囲と難易度

司法書士試験の出題範囲(試験科目)は、憲法・民法・刑法・商法(会社法)・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法などです。司法書士試験では筆記試験と口述試験があります。合格率は例年3~4%台で推移しているので、難易度は高めといえるでしょう。

行政書士試験の出題範囲と難易度

行政書士試験の出題範囲(試験科目)は、憲法・民法・行政法・地方自治法・会社法・一般知識などです。行政書士試験は筆記試験のみで口述試験がありません。行政書士試験の合格率は6~16%ほど、と年度によってやや幅がありますが、平均して10%前後と考えると難易度は司法書士より低めといえます。

【注意】司法書士と行政書士に優劣はない

資格取得の対象として比較検討されることの多い司法書士と行政書士ですが、業務の優劣やどちらが格上・格下ということはありません。また、司法書士の試験における民法と会社法の推論問題は、求められる知識でいえば司法試験の択一問題と大差がないなどともいわれます。

そもそも、能力やステータスなどと結びつけて行政書士と司法書士を比較するのは妥当ではないでしょう。要するに、行政書士と司法書士はそれぞれが専門職で、担当する分野が違うだけです。司法書士にしかできない仕事もありますが、、行政書士にしかできない仕事もあります。

司法書士経験者へインタビュー

実際に司法書士として活躍している方にインタビューを実施。学習方法や司法書士の将来性などを伺ってきました。

インタビュー対象者:S・Mさん(30代・女性)


法律関係の仕事に憧れ、通関士として働きながら行政書士の資格を取得。さらに法律業界への転職を目指し、通信講座を利用して司法書士資格取得へチャレンジ。合格後、司法書士事務所で勤務し、不動産登記の仕事に従事。


Q.1 資格取得までの学習方法は?

通関士と行政書士の資格をユーキャンの通信講座で学習して取得したので、司法書士の勉強をするのもユーキャンの通信講座が一番良いかなと思って受講しました。

平日は朝1時間勉強して、通勤中に電車のなかでテキストを読んで、帰宅後に1時間半勉強していました。土日は5時間ぐらいの勉強時間でした。ただ、ずっと勉強をしているとストレスがすごく溜まってしまうので、週に1回必ず休憩を入れましたね。
勉強方法は、とにかくテキストをしつこく読み続けただけです。六法も読んだりしましたけど、それ以外はあまり工夫しませんでした。強いて言えば、何回も読んで大事なところや自分が間違えたところをルーズリーフに書いて記憶したくらいです。
学費は、17万円くらいでしたが、スクールに通って50万円以上払っている人もいますから、そう考えるとユーキャンを受講して17万円で資格が取れたんですから安かったと思います。


司法書士の資格を活かして、今はどんなことをなさっていますか?

司法書士事務所に勤めて、不動産登記の仕事をしています。このご時世ですからどこも大変なんでしょうけど、今の事務所には応募してすぐに採用されましたから、資格があるとないとでは本当に違うと思います。
将来的にも司法書士の仕事を続けていきたいですが、独立は考えていません。独立して仕事をするには営業力が必要だと思いますが、私はそんなに営業力があるほうではないので、今のまま事務所に勤務という形のほうが良いかなと思っています。


司法書士の将来性についてどう思いますか?

司法書士は、やはり難関資格である分取得すれば就職に役立つと思います。資格取得後の特別研修に行ったときに、定年退職後に資格を取った方とお話しをしました。その後、登録証の交付式のときにもその方にお会いしたのですが、すでに就職が決まっていたんです。60歳を過ぎても就職できるというのは、資格を持っていることが大きいのだと思います。

  • このインタビューは、合格体験談をいただいたユーキャン受講生の中から、特にお願いし取材にご協力いただいた方へのインタビューをまとめたものです。また、受講生のプロフィールおよび教材・サービスは取材時のものです。学習効果には個人差があります。

まとめ

司法書士と行政書士は、どちらも法律を用いた仕事をする業務独占の国家資格であり専門職です。しかし、それぞれの業務には違いもあります。

司法書士資格取得を目指すなら、15ヵ月のカリキュラムで無駄なく合格力を養えるユーキャンの司法書士講座がおすすめです。紙とデジタルのテキストを組み合わせて効率的に勉強ができます。また、出題傾向を徹底分析した問題集、全11回の添削・メールによる質問対応・有益情報配信の3つのサポートなど充実の内容が大好評です。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

司法書士になるには?

司法書士になるためには、司法書士試験に合格し、司法書士名簿に登録し、司法書士会に入会する必要があります。年齢制限はなく、高校生などの未成年者でも受験できます。

行政書士になるには?

行政書士になる最も一般的なのは行政書士試験に合格する方法です。他にも、弁護士資格、弁理士資格、公認会計士資格、税理士資格の取得者は、行政書士資格を有することができたり、公務員の「特認制度」を利用する方法があります。

司法書士試験の難易度は?

司法書士試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格のひとつ。合格率は3~4%台で他の国家資格試験と比較しても合格率は低いです。合格者数は例年500人~600人台となっており、狭き門と言えるでしょう。

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司法書士は、身近な街の法律家として活躍できる、今後ますます注目される存在。難関な国家資格として知られていますが、努力次第で好収入・高ニーズが望め、社会的ステータスも非常に高い点が魅力です。
資格取得後は、不動産の登記・商業登記などの業務のほか、簡易裁判所における代理・裁判事務、遺言・相続に関する助言、成年後見業務などの業務に携わることができます。最近ではインターネットでの営業も可能なので、自宅を事務所に比較的低資金で開業できるのも魅力です。
社会からの評価も高く、独立・開業はもちろん、企業の法務部に即戦力として採用されるなど、就職・転職でも大きな武器に! 高い専門性を活かして性別や年齢に関係なく活躍できる仕事なので、近年は女性の有資格者も増加中です。
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