• 公開日:2020/06/09

司法書士試験は、文系の国家資格のなかでも特に難易度が高いといわれています。この記事では、司法書士試験の難易度について、税理士試験と比較しながら解説します。司法書士試験の概要についても解説しているので参考にしてください。

司法書士資格とは?

司法書士とは、法律についての高度な知識が必要となる書類の作成や手続きを依頼者の代理で行うために必要な資格です。司法書士になるためには、司法書士試験に合格、または法務大臣からの認可という2つの方法があります。

司法書士試験に特別な受験資格はなく、申し込めば誰でも受験可能です。それに対し、法務大臣から認可を受けるためには、経歴に関する条件を満たす必要があります。具体的には、法務事務官や裁判所書記官などとして10年以上、もしくは簡易裁判所判事・副検事として5年以上在職していたという経歴が必要です。

司法書士の資格を取得すれば、独立して自分の事務所を開所でき、努力次第では高い収入が得られます。

司法書士試験の難易度

司法書士試験の難易度を、具体的に解説します。

合格率は3~4%台! 最難関国家資格のひとつ

司法書士試験の合格率は、2019年度は約4%で、例年の3~4%台と大きな違いはありませんでした。文系の国家資格の中でも最難関資格のひとつといわれており、試験に合格するためには、多くの勉強時間が必要となります。司法書士試験に合格した後は、司法書士として活躍する機会を得て、活躍している人が多いです。

税理士試験との難易度比較

司法書士試験とよく比較される資格試験として、税理士試験があります。税理士は、税務処理や納税書類の作成などを専門的に行う国家資格です。一般的には、税理士試験よりも司法書士試験のほうが難易度は高いといわれています。

2019年度の税理士の合格率は約18%です。司法書士試験は、相対評価で合否が判断されることと、基準点という関門があるため、合格率が低くなっています。

  • 参考:平成31年度(2019年度)司法書士試験の最終結果について|法務省(http://www.moj.go.jp/content/001308489.pdf)
    令和元年度(第69回)税理士試験結果|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikenkekka/69/kekka.htm)


司法書士試験の合格率・受験者数・合格者数の推移

年度によっても変化しますが、司法書士試験の合格率は3~4%台となっています。過去5年間の受験者数・合格者数・合格率の推移はそれぞれ以下のとおりです。

実施年(年度) 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
平成31年度 13,683 601 4.4
平成30年度 14,387 621 4.3
平成29年度 15,440 629 4.1
平成28年度 16,725 660 3.9
平成27年度 17,920 707 3.9
  • 参考:司法書士試験|法務省(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html)

司法書士試験の合格者の男女比率

司法書士試験の合格者は、女性よりも男性のほうが多い傾向があります。過去5年間の合格者の男女比率を見てみると、男性は約76~77%、女性は約22~23%となっています。過去5年間の合格者に関して、実際の男女比は以下のとおりです。

実施年(年度) 合格者数(人) 男性の割合(%) 女性の割合(%)
平成31年度 601 77.5 22.5
平成30年度 621 77.1 22.9
平成29年度 629 76.2 23.8
平成28年度 660 76.2 23.8
平成27年度 707 76.4 23.6
  • 参考:司法書士試験|法務省(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html)

司法書士試験の合格に必要な勉強時間

司法書士試験に合格するためには、一般的に3,000時間前後の勉強時間が必要だといわれています。ただし、なかには勉強の効率を高めることにより、2,000時間前後の勉強時間で司法書士試験に合格している人もいます。

試験勉強に専念できる時間を多く取れない社会人の場合は、できるだけ効率的な勉強をすることで短い期間での合格を目指すことも少なくありません。1年半の勉強期間での合格を目指すのであれば、最低でも1日4時間、週6日の勉強をノルマと考える必要があります。

  • 参考:司法書士試験合格に必要な勉強時間の目安とは?[司法書士試験]AllAbout(https://allabout.co.jp/gm/gc/424526/)

なぜ「司法書士試験は難易度が高い」といわれるのか?

司法書士試験は難しいといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

相対評価なので難易度が高い

司法書士試験の難易度が高い理由の一つとして、相対評価で合格者が決まる点があげられます。相対評価とは、受験者のうち点数がいい上位者だけを合格にする方法のことです。そのため、たとえ去年の合格点以上を取れていても、その年の全体の平均点が高ければ不合格となる可能性があります。

3つのボーダーライン(基準点)があり難易度が高い

司法書士試験では「基準点」が定められています。午前の択一問題、午後の択一問題、記述問題と3つの問題があり、それぞれに基準点が設けられています。3つの問題のうち1つでも基準点を満たしていない場合は、残りの2つの試験が基準点を満たし、かつ合格点をこえていても不合格となる、関門が設定されています。

3つすべての基準点を満たすには、各分野をそれぞれきちんと理解しておく必要があるため、司法書士試験は難しいといわれているのです。

記念受験が多く合格率が低い

司法書士試験には特別な受験資格がないため、最初から合格を目指す気のない「記念受験」も少なくないといわれています。合格を目指して勉強してきた人に限って算出すれば、合格率はもっと高くなる可能性があります。

平成31年度の司法書士試験で午前午後の択一問題の基準点を満たし、記述式問題の採点をしてもらえた人は約2,000人で、最終的な合格者数は601人です。計画的にきちんと勉強してきた受験者の合格率は、3割を超えているとも考えられています。

  • 参考:司法書士試験の難易度は?特殊な試験制度を徹底解説!本当の合格率は3%じゃない⁉|資格スクエアMEDIA(https://www.shikaku-square.com/media/shihosyoshi/002-how-difficult-and-pass-rate/)


司法書士試験の受験科目

司法書士試験の概要として、受験科目を紹介します。

筆記試験

筆記試験では全部で11科目から出題されます。配点が高い主要4科目と、7科目のマイナー科目があります。


民法

民法からは、司法書士試験の中で最も多い20問が出題されます。20問のうち、総則が3問、物権が4問、担保物権が5問、債権が4問、親族・相続が4問です。民法は、取りこぼしがないようにしっかり勉強しましょう。


商法(会社法)

商法(会社法)は、司法書士がよく扱っている商業登記の基本となる科目です。難易度が高く、苦手としている受験生も多いです。総則からしっかりと学んでおく必要があります。


不動産登記法

不動産登記は、司法書士がもっともよく扱う業務です。不動産登記法は司法書士の実務に直結する科目です。民法の次に出題数が多いので、念入りに勉強しておきましょう。


商業登記法

商業登記法も司法書士試験においては重要な科目です。他の科目の勉強に時間をかけ、商業登記法まで手が回らない人も少なくありません。


マイナー科目

主要4科目以外の7科目は、出題数が少なく、マイナー科目と呼ばれています。司法書士法・民事訴訟法・供託法などがあげられます。マイナー科目と呼ばれていますが、勉強をおろそかにしていいというわけではありません。基準点を超え、口述試験に進むためにはこれらの科目もしっかりと勉強しておく必要があります。

口述試験

司法書士試験の口述試験は、筆記試験に合格した人にのみ実施されます。司法書士として必要な知識について、面接形式で行われる試験です。口述試験では、不動産登記法や商業登記法などの知識が問われます。

筆記試験に合格できる知識があれば、基本的に口述試験で不合格になることはほとんどありません。ただし、しっかり復習をして、スムーズに解答できるような準備はしておきましょう。

司法書士試験の出願から合格発表までの流れ

司法書士試験の出願から合格発表までの流れを紹介します。

5月:願書提出

司法書士試験では、毎年5月上旬から中旬にかけて願書を提出します。願書は、法務局や地方法務局で入手できます。窓口に直接出向くのが難しい場合は、郵送での請求もできます。

7月:筆記試験

筆記試験は、例年7月の第1日曜日または第2日曜日に実施されます。試験は、午前の部と午後の部に分けられ、1日かけて行われます。8月に試験問題の正解および基準点が発表されるので確認しましょう。

10月:口述試験

9月下旬から10月上旬頃に、筆記試験の合否が発表されます。筆記試験の合格者のみ、口述試験の受験が可能です。口述試験は10月中旬頃に実施されます。

11月:最終合格発表

司法書士試験の最終合格発表は、例年10月下旬頃から11月上旬頃に行われます。合格者の受験番号および氏名が法務局で掲示されるほか、法務省のホームページにも合格者の受験番号が掲載されます。

令和2年度の司法書士試験の概要

令和2年度の司法書士試験(筆記試験)の試験日は、7月5日(日)で、受験料は、6,600円です。令和2年度以降の司法書士試験の開催地は、東京・横浜・さいたま・千葉・静岡・大阪・京都・神戸・名古屋・広島・福岡・那覇・仙台・札幌・高松の各法務局または地方法務局が指定する場所です。

以前よりも開催地が少なくなっているため、注意が必要です。適用となる法令等は令和2年4月1日時点のものとなるため、最新の法令を忘れずにチェックしておきましょう。

  • 参考:令和2年度司法書士試験(筆記試験)の実施予定日等について|法務省(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00007.html)

まとめ

司法書士試験に合格するのは簡単ではありませんが、しっかり勉強して試験に挑めば、合格できる可能性は少なくありません。資格が取得できた後は、活躍できる場が広がります。

ユーキャンの司法書士講座では、紙のテキストとデジタルテキストの両方を提供するため、効率的に勉強をすすめられます。問題集は過去の問題を分析して作られているので、実際の試験に合った勉強が行えます。司法書士試験を受ける人は、受講を検討してください。

講座との相性を確かめよう

講座との相性を確かめよう

司法書士講座があなたに向いているのか相性診断でチェック!
80%以上の相性なら今すぐ申し込みして、人気の専門資格を手に入れよう!

今始めると、ゆとりをもって手堅く合格が狙える!

司法書士は、身近な街の法律家として活躍できる、今後ますます注目される存在。難関な国家資格として知られていますが、努力次第で高収入・高ニーズが望め、社会的ステータスも非常に高い点が魅力です。
資格取得後は、不動産の登記・商業登記などの業務のほか、簡易裁判所における代理・裁判事務、遺言・相続に関する助言、成年後見業務などの業務に携わることができます。最近ではインターネットでの営業も可能なので、自宅を事務所に比較的低資金で開業できるのも魅力です。
社会からの評価も高く、独立・開業はもちろん、企業の法務部に即戦力として採用されるなど、就職・転職でも大きな武器に! 高い専門性を活かして性別や年齢に関係なく活躍できる仕事なので、近年は女性の有資格者も増加中です。
ユーキャンの「司法書士」講座では、あなたの合格を力強くバックアップ! 過去問題の傾向を把握したうえで、法律用語やロジックをわかりやすく丁寧に解説するので、はじめての方でも無理なく合格力を養成します。

TOP