• 公開日:2020/06/09

司法書士は法的な手続きや法律に関する相談などの業務を行う専門家です。司法書士の業務を行うには、国家試験に合格する必要があります。

この記事では、司法書士を目指している人に向け、司法書士の仕事内容やなるための方法を解説します。また、司法書士試験の科目や問題数、合格の基準点、近年の合格率のほか、試験のスケジュールや試験勉強のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

司法書士とは?

司法書士は国家資格を持つ法律の専門職です。個人や企業から依頼を受けて法務局、裁判所、検察庁に提出する書類を作成したり、登記手続きを行ったりします。

主な業務は不動産登記や商業登記などの登記業務です。そのほか、成年後見業務や供託手続き、遺言書の作成・相続のアドバイス、法律相談などがあります。また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における代理業務・裁判事務も行います。

司法書士になるためのルートとは?

司法書士として働くには、司法書士試験に合格するか、または法務大臣の認可が必要です。司法書士試験に合格した場合、司法書士会に入会して司法書士名簿に登録し、研修(1~3ヶ月程度)を受けることで、司法書士として仕事を開始できます。

一方、法務大臣の認可を受けるには、裁判所事務官や検察事務官などの職務で10年以上のキャリアを積むことが条件です。ただし、非常に時間がかかるので、司法書士試験に合格して司法書士になるのが最短ルートといえます。

司法書士試験【筆記試験】の試験科目・問題数は?

司法書士試験に合格するには、筆記試験と口述試験を突破しなければなりません。ここでは、筆記試験の試験科目と問題数について解説します。

午前の部(択一式)

午前の部(択一式)の試験科目と問題数は次のとおりです。

  • 憲法(3問)
  • 民法(20問)
  • 刑法(3問)
  • 商法(会社法)(9問)
司法書士の仕事に関係が深い民法は、科目中最多の20問が配分されています。合格するための大きなポイントといえるでしょう。商法も問題数が多い科目です。ほとんどの問題は会社法を扱っているので商法(会社法)と表記されています。憲法と刑法の問題は例年、難易度が低めです。


午後の部(択一式)

午後の部(択一式)の試験科目と問題数は次のとおりです。

  • 民事訴訟法(5問)
  • 民事執行法(1問)
  • 民事保全法(1問)
  • 司法書士法(1問)
  • 供託法(3問)
  • 不動産登記法(16問)
  • 商業登記法(8問)
午後の部(択一式)で問題数の多い科目は不動産登記法と商業登記法です。この2科目は午後の部において、記述式でも問われます。司法書士は登記に関する業務を扱うことが多く、実務において重要な内容が試験でも多く出題されているといえるでしょう。

また、司法書士法や供託法、商業登記法は司法書士試験でのみ扱われている科目です。


午後の部(記述式)

午後の部(記述式)の試験科目と問題数は次のとおりです。

  • 不動産登記法(1問)
  • 商業登記法(1問)
午後の部(記述式)では問題文と添付された契約書や登記事項証明書などを読み解き、ほぼ白紙の解答用紙に登記申請書を作成します。何を記述すれば何点といった明確な基準がわからない難しさがあるのも記述式の特徴です。


司法書士試験は「3つの基準点」を超えなければ合格できない

司法書士試験は1問3点、午前の部(択一式)の満点105点、午後の部(択一式)の満点105点、午後の部(記述式)の満点70点です。試験後に各部の合格基準点と総合点の合格基準点が公示され、合格するにはこれらの条件を全て満たしている必要があります。2017~2019年度の合格基準点は以下のとおりです。

<2019年度>
・午前の部(択一式): 75点以上
・午後の部(択一式): 66点以上
・午後の部(記述式): 32.5点以上
・筆記試験合格点:197.0点以上

<2018年度>
・午前の部(択一式): 78点以上
・午後の部(択一式): 72点以上
・午後の部(記述式): 37.0点以上
・筆記試験合格点: 212.5点以上

<2017年度>
・午前の部(択一式): 75点以上
・午後の部(択一式): 72点以上
・午後の部(記述式): 34.0点以上
・筆記試験合格点: 207.0点以上

条件を満たしていても、必ずしも合格するとは限りません。司法書士試験はあらかじめ合格者数を決めておく「相対評価」なので、合格点を越えた人のなかで成績上位者だけが合格となります。

「主要科目」「マイナー科目」は何を指している?

資格取得を目指す人たちの間では、司法書士試験において問題数が多い科目を「主要科目(メジャー科目)」と呼び、それ以外の科目を「マイナー科目」と呼んでいます。

主要科目は民法、不動産登記法、商法(会社法)、商業登記法の4つです。一方、それ以外の憲法、刑法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、供託法の7科目はマイナー科目となります。

主要科目と呼ばれる理由は、択一式70問のうち53問と、実に7割超の割合を占めているからです。司法書士試験合格のカギを握る科目といえるでしょう。

司法書士試験【口述試験】の内容とは?

司法書士試験の口述試験は、筆記試験合格者のみを対象に実施される試験です。試験の日時と場所は「口述試験受験票」に記載されているので確認しておきましょう。試験内容は公式には筆記試験と同じ内容であるとされていますが、実際には不動産登記法、商業登記法、司法書士法の3つの科目からしか出題されません。

口述試験は面接官から口頭で問題を出され、それに対して解答する面接方式です。解答が合っているかだけでなく、論理的に説明できているかどうかも審査されます。面接は1人15分程度で筆記試験を突破できる方であれば難易度は高くありません。そのため、例年ほとんどの人が合格しています。

司法書士試験の概要・スケジュール

ここでは、司法書士試験の概要・スケジュールを紹介します。

受験資格

司法書士試験に必要な受験資格は特にありません。国籍・年齢・性別・学歴などに関係なく誰でも受験が可能です。

受験料

受験料は8,000円です。収入印紙を受験申請書の所定の欄に貼り付けて納付します。

受験手続き~合格までのスケジュール

受験手続きから合格までのスケジュールは次のとおりとなっています。


願書配布期間

例年、4月中旬頃から全国の法務局や地方法務局で受験申請書の配布が始まります。


願書受付期間

出願期間は例年5月上旬~中旬頃です。


筆記試験日程

筆記試験は例年7月で、第1または第2日曜日に全国の試験会場で実施されます。


基準点発表日

基準点発表日(筆記試験正解発表日)は例年8月中旬頃です。


筆記試験合格発表

例年9月下旬~10月上旬に筆記試験合格者が発表されます。


口述試験日程

例年10月中旬頃、筆記試験の合格者を対象に、口述試験が実施されます。


最終合格発表

最終合格発表は例年10月下旬~11月上旬頃に行われます。

司法書士試験の近年の合格者数・合格率は?

2017年度の受験者数は1万5,440人、うち合格者は629人で合格率は4.1%です。2018年度の受験者数は1万4,387人、うち合格者は621人で合格率は4.3%となっています。2019年度の受験者数は1万3,683人、うち合格者は601人で合格率は4.4%です。

2006~2016年の合格率がいずれも3%台だったのに比べるとわずかに上昇していますが、やはり超難関の国家資格といえます。

司法書士試験に合格するために必要な勉強時間はどれくらい?

一般的に、司法書士試験合格までにかかる勉強時間は3,000時間前後といわれています。ただし、過去の経験や勉強の効率の違いによって個人差が出るので、2,000時間ほどで合格する人もいます。2,000時間の勉強によって1年半で合格を目指す場合は、1日4時間、週6日がノルマです。司法書士に合格するには最低これぐらい勉強しなければならない、と考えておきましょう。

司法書士試験に合格するための勉強法とポイントは?

司法書士試験は超難関なだけに勉強は効率的に進めたいものです。ここでは、どのような勉強法がいいのか、合格するための勉強のポイントを紹介します。

独学でも合格は目指せるか?

独学で司法書士試験の合格を目指すことは不可能ではありません。セミナーや資格スクールに通うより費用を抑えられるメリットもあります。

ただ、独学は効率が悪いため、時間がかかってしまいます。初学者の場合、司法書士が学ぶ法律とは何か、など基礎的なところでつまずいてしまいやすいでしょう。試験問題の攻略法なども知っておいたほうがいいので、独学で勉強するのは非効率といえます。

時間配分を考え主要科目をしっかり押さえる

司法書士試験は科目数が多いため、どのように時間配分して勉強するかが重要です。特に問題数が多い主要科目を重点的に勉強し、得意科目にしておくのが合格のポイントです。択一式問題の7割以上を占め、記述式試験の出題範囲でもある主要4科目を重点的に勉強するのが、合格への近道といえます。

繰り返し勉強することで記憶を定着させていく

司法書士試験では分析、整理する能力や論理的思考力も必要ですが、基礎となるのは正確な知識です。試験範囲が広いので、一度で全てを理解し、覚えることは難しいといえます。繰り返し勉強して記憶を定着させましょう。スキマ時間を使って、繰り返し勉強するのが効果的です。

まとめ

司法書士は国家資格を持つ専門職で、不動産登記や商業登記など登記業務などをはじめとした法律に関係した案件を扱います。高度な専門知識を必要とするだけに司法書士試験は難関です。1年半ほどのしっかりした勉強が必要といえるでしょう。

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