司法書士の試験科目・基準点とは?合格までの流れや難易度・勉強のポイントを解説k
- 更新日:2026/10/23
司法書士は法的な手続きや法律に関する相談などの業務を行う専門家です。司法書士の業務を行うには、国家試験に合格する必要があります。
本記事では、司法書士を目指している方に向け、司法書士試験の内容について詳しく解説します。また、合格の基準点、近年の合格率のほか、試験のスケジュールや試験勉強のポイントも解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 司法書士試験に合格するには、筆記試験と口述試験の両方を突破する必要がある。
- 筆記試験は11科目から出題され、択一式と記述式の問題が課される。
- 口述試験は筆記試験合格者のみが対象で、面接官から口頭で問題を出され、それに対し解答する面接方式。
- 口述試験はそこまで難易度が高くないため、筆記試験の突破が合格への鍵となる。
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司法書士とは?
司法書士は国家資格を持つ法律の専門職です。個人や企業から依頼を受けて法務局や裁判所、検察庁に提出する書類を作成したり、登記手続きを行ったりします。
主な業務は、不動産登記や商業登記などの登記業務です。その他、成年後見業務や供託手続き、遺言書の作成・相続のアドバイス、法律相談などがあります。また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における代理業務・裁判事務も行います。
司法書士になるためのルート
司法書士になるには、「司法書士試験に合格する方法」と「一定の実務経験を積み、法務大臣の認定を受ける方法」の2つがあります。
司法書士試験に合格した場合は、日本司法書士会連合会の司法書士名簿への登録と、所属する司法書士会への入会が必要です。また、合格後には中央新人研修や各司法書士会などが実施する新人研修が用意されており、司法書士として必要な実務知識や職業倫理を学べます。
一方、法務大臣の認可を受けるルートでは、裁判所事務官や検察事務官、法務事務官、検察事務官などとして一定期間、法律に関する実務経験を積み、司法書士業務に必要な知識や能力を有すると認められる必要があります。
そのため、これから司法書士を目指す場合は、司法書士試験に合格して資格を取得する方法が一般的なルートといえるでしょう。
司法書士試験【筆記試験】の内容
午前の部(択一式)
午前の部(択一式)の試験科目と問題数は、次の通りです。
- 憲法(3問)
- 民法(20問)
- 刑法(3問)
- 商法(会社法)(9問)
司法書士の仕事に関係が深い民法は、科目中最多の20問が配分されています。そのため、合格するための大きなポイントといえるでしょう。
また、商法も問題数が多い科目です。ほとんどの問題は会社法を扱っているので商法(会社法)と表記されています。憲法と刑法の問題は例年、難易度が低めです。
午後の部(択一式)
午後の部(択一式)の試験科目と問題数は、次の通りです。
- 民事訴訟法(5問)
- 民事執行法(1問)
- 民事保全法(1問)
- 司法書士法(1問)
- 供託法(3問)
- 不動産登記法(16問)
- 商業登記法(8問)
午後の部(択一式)で問題数の多い科目は不動産登記法と商業登記法です。この2科目は午後の部において、記述式でも問われます。司法書士は登記に関する業務を扱うことが多く、実務において重要な内容が試験でも多く出題されているといえるでしょう。
また、司法書士法や供託法、商業登記法は司法書士試験でのみ扱われている科目です。
午後の部(記述式)
午後の部(記述式)の試験科目と問題数は、次の通りです。
- 不動産登記法(1問)
- 商業登記法(1問)
午後の部(記述式)では問題文と添付された契約書や登記事項証明書などを読み解き、ほぼ白紙の解答用紙に登記申請書を作成します。何を記述すれば何点といった明確な基準がわからない難しさがあるのも記述式の特徴です。
司法書士試験は「3つの基準点」を超えなければ合格できない
司法書士試験は1問3点、午前の部(択一式)の満点105点、午後の部(択一式)の満点105点、午後の部(記述式)の満点70点です。試験後に各部の合格基準点と総合点の合格基準点が公示され、合格するにはこれらの条件を全て満たしている必要があります。
2023~2025年度の合格基準点は以下の通りです。
<令和7年度(2025年度)>
・午前の部(択一式):78点以上
・午後の部(択一式):72点以上
・午後の部(記述式):70.0点以上
・筆記試験合格点:255.0点以上(満点350点)
<令和6年度(2024年度)>
・午前の部(択一式):78点以上
・午後の部(択一式):72点以上
・午後の部(記述式):83.0点以上
・筆記試験合格点:267.0点以上(満点350点)
<令和5年度(2023年度)>
・午前の部(択一式):78点以上
・午後の部(択一式):75点以上
・午後の部(記述式):30.5点以上
・筆記試験合格点:211.0点以上(満点280点)
ただし、条件を満たしていても、必ずしも合格するとは限りません。司法書士試験はあらかじめ合格者数を決めておく「相対評価」です。そのため、合格点を越えた方のなかで成績上位者だけが合格となります。
また、令和6年度(2024年度)から筆記試験記述式問題が2問で140点満点となります。
「主要科目」「マイナー科目」とは何を指している?
資格取得を目指す方たちの間では、司法書士試験において問題数が多い科目を「主要科目(メジャー科目)」と呼び、それ以外の科目を「マイナー科目」と呼んでいます。
主要科目は民法・不動産登記法・商法(会社法)・商業登記法の4つです。一方、それ以外の憲法・刑法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法の7科目はマイナー科目となります。
主要科目と呼ばれる理由は、択一式70問のうち53問と、実に7割超の割合を占めているためです。司法書士試験合格のカギを握る科目といえるでしょう。
司法書士試験【口述試験】の内容
司法書士試験の口述試験は、筆記試験合格者のみを対象に実施される試験です。
試験の日時と場所は「口述試験受験票」に記載されています。試験内容は公式には筆記試験と同じ内容であるとされていますが、実際には不動産登記法・商業登記法・司法書士法の3つの科目からしか出題されません。
口述試験は面接官から口頭で問題を出され、解答する面接方式です。解答の正誤だけでなく、論理的に説明できているかどうかも審査されます。
面接は1人15分程度で、筆記試験を突破できる方であれば難易度は高くありません。そのため、例年ほとんどの方が合格しています。
司法書士試験の概要・スケジュール
受験資格
司法書士試験に必要な受験資格は特にありません。国籍・年齢・性別・学歴などに関係なく誰でも受験が可能です。
受験料
受験料は8,000円です。収入印紙を受験申請書の所定の欄に貼り付けて納付します。
受験手続き~合格までのスケジュール
受験手続きから合格までのスケジュールは次の通りとなっています。
願書配布期間
例年、4月上旬頃から全国の法務局や地方法務局で受験申請書の配布が始まります。
願書受付期間
出願期間は例年5月上旬~中旬頃です。
筆記試験日程
筆記試験は例年7月で、第1または第2日曜日に全国の試験会場で実施されます。
基準点発表日
基準点発表日(筆記試験正解発表日)は例年8月中旬頃です。
筆記試験合格発表
例年9月下旬~10月上旬に筆記試験合格者が発表されます。
口述試験日程
例年10月中旬頃、筆記試験の合格者を対象に、口述試験が実施されます。
最終合格発表
最終合格発表は例年10月下旬~11月上旬頃に行われます。
司法書士試験の近年の合格者数・合格率
2025年度の受験者数は14,418人、うち合格者は751人で合格率は5.2%となっています。2024年度の受験者数は13,960人、うち合格者は737人で合格率は5.2%です。2023年度の受験者数は13,372人、うち合格者は695人で合格率は5.1%です。
2006~2016年の合格率がいずれも3%台だったことに比べるとわずかに上昇していますが、超難関の国家資格といえるでしょう。
司法書士試験に合格するために必要な勉強時間はどれくらい?
一般的に、司法書士試験合格までにかかる勉強時間は、少なくとも3,000時間前後は必要といわれています。ただし、過去の経験や勉強効率の違いによって個人差が出るため、2,000時間ほどで合格する方もいます。
仮に、2,000時間の勉強によって1年半で合格を目指す場合は、1日4時間、週6日がノルマです。司法書士に合格するには最低これぐらい勉強しなければならない、と考えておきましょう。
司法書士試験の勉強は「独学」と「通信講座」どちらがおすすめ?
司法書士試験に向けた学習方法には、大きく分けて「独学」「通学」「通信講座」の3つがあります。
独学は、市販のテキストや問題集を使って学習するため、比較的費用を抑えやすい点がメリットです。一方で、教材選びや学習計画の立案、モチベーションの維持まで、全て自分で管理する必要があります。そのため、計画的に学習を続けられる自己管理能力が求められます。
通学(予備校など)は、最も費用がかかり、時間や場所の制約も生じますが、決まったスケジュールで講義を受けるため強制力が働き、講師に直接質問できるなど、学習環境が手厚いのが特徴です。
通信講座は、独学よりも費用がかかるものの、体系的なカリキュラムに沿って効率良く学習を進めやすい点がメリットです。講座によっては、動画講義や質問回答、添削指導などのサポートも受けられます。
自分で学習計画を立てて継続できる方は独学、難関資格に向けてプロの直接指導のもと学習に専念したい方は通学、初めて法律を学ぶ方や、働きながら効率良く合格を目指したい方は、サポート体制の整った通信講座を検討すると良いでしょう。
司法書士試験の勉強を効率良く進めるポイント
司法書士試験は超難関なだけに勉強は効率的に進めたいものです。ここでは、どのような勉強法がいいのか、合格するための勉強のポイントを紹介します。
主要4科目を最優先で取り組む
司法書士試験の勉強では、出題数・配点ともに高い主要4科目を優先して学習することが重要です。主要4科目はマイナー科目の基礎にもなっているため、早い段階でしっかりと理解しておくことが求められます。
効率良く得点力を高めるには、まず主要4科目を固めてから、憲法・刑法・民事訴訟法など配点の低い科目へ学習範囲を広げていくのが合格への近道といえるでしょう。
過去問でアウトプットを繰り返し、知識を定着させる
司法書士試験の学習では、テキストを読んで知識を覚えるインプットだけでなく、過去問を解くアウトプットを繰り返すことが大切です。
司法書士試験では、覚えた知識を使いながら、問題文から論点を見極めて論理的に解答する力が求められます。そのため、テキストを読むだけではなく、実際に問題を解いて知識の使い方を確認する必要があります。
過去問は一度解いて終わりにせず、同じ問題を繰り返し解きましょう。反復することで知識が定着しやすくなり、問題を見た時に問われている論点を判断しやすくなります。間違えた問題や迷った問題は、テキストに戻って根拠を確認し、再度解き直すことが重要です。
また、日頃からアウトプットを意識していると、テキストを読む際にも「どのような形で出題されるか」「どの知識と結び付くか」を考えながら学習できるようになります。
インプットとアウトプットを繰り返し、知識を使える状態にしていきましょう。
スキマ時間を活用する
多くの学習時間を確保する必要がある司法書士試験では、スキマ時間を上手に活用することがポイントです。通勤・通学中や昼休み、就寝前などにテキストや問題集、学習アプリなどを取り入れると学習効率が高まります。
通信講座の動画講義やスマートフォン対応教材を利用すれば、場所を選ばず学習できるため、おすすめです。毎日のスキマ時間の積み重ねが膨大な総学習時間となり、知識の定着につながっていきます。
まとめ
司法書士は、不動産登記や商業・法人登記をはじめ、幅広い法律業務を扱う専門家です。司法書士試験は出題範囲が広く、合格を目指すには長期的かつ計画的に学習を進めることが大切です。
独学での試験対策に不安がある方は、通信講座を活用するのも1つの方法です。ユーキャンの「司法書士講座」では、紙の教材に加えて、スマートフォンやタブレットで利用できるデジタルテキストやWebテスト、ポイント解説動画などが用意されています。
また、過去問題を分析して作成された教材のほか、全11回の添削課題や質問回答、法改正・試験情報の提供などのサポートも受けられます。初めて法律を学ぶ方や、仕事と両立しながら計画的に合格を目指したい方は、ユーキャンの司法書士講座の活用を、ぜひ検討してみてください。

- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約140講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 司法書士試験の難易度は?
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司法書士試験の難易度は非常に高く、最難関国家資格の1つです。
合格率は3~5%台で他の国家資格試験と比較しても合格率は低い傾向があります。合格者数は例年600人~700人台となっており、狭き門といえるでしょう。 - 司法書士試験の合格に必要な勉強時間は?
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一般的に、司法書士試験の合格までにかかる勉強時間は3,000時間前後が目安とされています。1日8時間勉強できる方であれば約1年間、1日4時間であれば約2年間かかる計算です。
ただし、知識がない状態で勉強し始める場合と予備知識があって勉強を始める場合では、勉強時間が変わります。 - 司法書士は独学でも合格できる?
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司法書士試験に独学で合格することは、不可能ではありません。
独学最大のメリットは費用を抑えられる点で、市販のテキストや問題集を活用すれば、予備校や通信講座と比べて学習コストを大幅に削減できます。一方で、学習の進め方や優先順位を自分で判断しなければならないため、効率の面では不利になりやすいのも事実です。
初めて学ぶ方や仕事をしながら合格を目指す方には、スキマ時間を活用できる通信講座も選択肢の1つです。
ユーキャンの司法書士講座では、忙しい方でも無理なく学習を続けられるよう、わかりやすいテキストとサポート体制が整っています。独学と講座活用のどちらが自分に合っているかを見極めながら、学習方法を選びましょう。
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