• 公開日:2021/03/11

保育士のなかでも、公務員保育士は特に人気があります。しかし実際には、公務員保育士と私立保育士の違いを正しく理解していない人も少なくありません。この記事では、公務員保育士の特徴とともに、私立保育士との違いについて解説します。保育士を目指す際の参考として役立ててください。

公務員保育士とは?

地方自治体が運営する公立の保育園や保育施設で働く保育士を「公務員保育士」または「公立保育士」と呼びます。(以後「公務員保育士」とします。)公務員であるため、基本的には保育士資格を取得した後、地方自治体の保育士採用試験を受験し、合格しなければなりません。ただし、正職員だけではなく、臨時職員の募集も多数あります。正職員と臨時職員の違いについては後述します。

公務員保育士と私立保育士にはどのような違いがある?

公務員保育士と私立保育士は、それぞれどこでどのような働き方をするのでしょうか。ここでは、両者の違いについて解説します。

勤務先

公務員保育士は、公立の保育施設に勤務します。多くの場合、児童福祉法の基準を満たしている認可保育園です。一方、私立保育士は私立の保育施設に勤務します。私立の保育施設を運営しているのは、社会福祉法人、株式会社、NPO法人などです。

保育方針

同じ地方自治体内にある公立の保育施設は、すべて同じ保育方針のもとで運営されています。そのため、公務員保育士になると、基本的には常に同じ保育方針のもとで働けます。それに対して、私立の保育施設は、運営元や園長によって保育方針が異なるため、私立保育士は常に同じ保育指針のもとで働けるとは限りません。

勤務時間

公立の保育施設では、保育標準時間が明確に決められており、延長保育や休日保育も、ほとんど行っていないため、公務員保育士の勤務時間も一定です。一方、私立保育施設の多くは、独自のサービスとして保育標準時間を長めに設定しています。そのため、勤務先によっては勤務時間が長くなる可能性があります。

異動

公務員保育士は2~4年に1回の頻度で、同じ地方自治体内での異動があります。一方、私立保育士は基本的に異動はありませんが、勤務先の運営元が複数の保育施設を運営している場合、グループ内の他の保育施設への異動が打診される可能性もあります。勤務先によって異動の有無は異なるため、確認が必要です。

福利厚生

公務員保育士は公務員であるため、地方公務員の基準が適用されます。一般的に、有給休暇や育児休暇は取りやすい傾向にあります。一方で、私立保育士に対する福利厚生の内容は勤務先によって異なるため、福利厚生を重視する場合は、就職活動の段階で確認する必要があります。

就職

公務員保育士になるには、地方自治体が実施する保育士採用試験に合格しなければなりません。合格しても、配属決定まで待機する必要があります。それに対して私立保育士の就職活動は、一般企業への就職活動と同様です。私立保育施設は、保育士の人手不足に悩んでいるところも多いため、就職できる可能性が高いといえます。

公務員保育士の給料

公務員保育士の給料は、どのくらいの水準なのでしょうか。ここでは、給料について詳しく解説します。

給料の目安

公務員保育士の給料は、地方自治体によって異なります。たとえば、練馬区の令和元年度における公務員保育士の平均給料月額は31万8,822円、年間のボーナスの平均額は185万4,261円でした。このデータによると、公務員保育士の平均給料月額や年間のボーナスの平均額は、私立保育士よりも高めです。

  • 出典:令和元年度(平成31年度)練馬区人事行政の運営等の状況の公表|練馬区人事戦略担当部職員課(https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/jinji/shokuin_jinji_kohyo.files/kouhyou31.pdf)

給料が高めな理由

公務員保育士の給料が高めであるのは、公務員の給料が定期的に昇給する決まりになっており、勤務年数に応じて給料が上がるためです。そのため、公務員保育士は離職率が低く、平均年齢が高い傾向にあります。その結果として、給料やボーナスの金額を平均すると、比較的高い水準になります。

公務員保育士として働くメリット・デメリット

ここでは、私立保育士と比較しながら、公務員保育士として働くメリットとデメリットを解説します。

メリット デメリット
公務員保育士 ・給料が安定している
・勤務時間が明確に定められている
・福利厚生が充実している
・採用の競争率が高い
・定期的に異動がある
私立保育士 ・異動の可能性が少ない
・自分の考えにあう保育方針を打ち出している保育施設を選べる
・給料が少ない場合がある
・人手不足のため業務が多く忙しい施設が多い

メリット

公務員保育士は定期的な昇給が決まっているため、給料が安定しています。勤務時間も明確に定められているため、働きやすいといえるでしょう。福利厚生も充実しており、安心して長く働けます。

一方、私立保育士は異動の可能性が少なく、働きたい保育施設に的を絞って就職活動をすることが可能です。施設によって保育方針はさまざまであるため、自分の考えにあう施設を選んで働けます。公務員保育士は厳格な規定のもとで働けるのに対し、私立保育士の働き方は自由度が高いといえます。

デメリット

公務員保育士を目指している人が多いため、採用の競争率も高めです。公務員試験に合格するには、入念な対策が必要です。また、就職後は定期的に異動があるため、同じ環境で長く働けるわけではありません。

私立保育士のデメリットは、公務員保育士に比べて給料が少ない可能性があることです。また、人手不足に陥っている施設もあり、1人の保育士が担当する業務が多く、忙しい場合もあります。公務員保育士と私立保育士には、それぞれ異なるデメリットがあるため、自分自身の希望や条件に応じて選びましょう。

公立の施設で働く保育士の雇用形態

公立の施設における保育士の働き方は、雇用形態によって異なります。ここでは、雇用形態ごとの働き方について解説します。

正職員

地方自治体の保育士採用試験に合格すると、地方公務員の保育士として働くことになります。公務員保育士とは、基本的に正職員を指します。正職員であるため、フルタイムでの勤務が基本です。担任や主任を任されたり、経験を積むと副園長や園長に抜擢されたりする可能性もあります。

臨時職員

地方公務員法22条に基づいて募集される臨時職員は、非正規雇用の職員です。基本的に勤務する時間が短く、任期も限られているという特徴がありますが、状況により正職員と同様にフルタイムで勤務する保育士もいます。主に保育補助などを担当しますが、正職員に近い業務を担当する場合もあります。

派遣保育士

派遣会社に登録し、公立の保育施設に派遣される保育士です。主に保育補助などを担当し、複数のクラスの業務に携わります。基本的にはフルタイムで勤務しますが、多くの場合、残業はありません。雇用期間が定められているため、年度の途中で期間が満了して退職する場合もあります。

公務員保育士になるまでの流れ

公務員保育士になるには、地方自治体の保育士採用試験に合格しなければなりません。ここでは、公務員保育士になるまでの流れを解説します。

受験を申し込む

地方自治体が公表している募集要項をチェックし、受験の申し込みをしましょう。ただし、年度によっては保育士採用試験を実施しない自治体もあるため、注意が必要です。また、保育士採用試験に年齢制限を設けている自治体が多いため、受験を希望する自治体の年齢制限も確認して申し込んでください。

一次試験・二次試験を受験する

保育士採用試験の一次試験では、筆記試験が実施されます。教養試験と専門試験が出題されるため、それぞれについて対策が必要です。一次試験に合格すると、二次試験へと進めます。二次試験では、面接のほか、実技試験や体力試験も実施されます。二次試験の終了後に、試験の合否が決まります。

連絡を待つ

地方自治体の保育士採用試験に合格するだけで、公務員保育士として正式に働けるわけではありません。合格後は採用候補者名簿に1年間登載されて、採用を希望する保育施設からの連絡を待つ必要があります。公立の保育施設から選ばれることで、公務員保育士としての就職が決定します。

公務員保育士を目指す場合の注意点

先述のとおり、採用候補者名簿への登載は、採用の確定ではありません。採用候補者名簿に登載される期限は1年間で、採用を希望する保育施設がなかった場合、就職先が決まらない可能性もあります。期限内に就職先が決まらなかったものの、引き続き公立保育園のへの就職を希望する場合は、あらためて保育士採用試験を受験する必要があります。

公務員保育士になるのは難しい?

公務員保育士は待遇が良いため、高い人気を誇ります。そのため、保育士採用試験は受験者数が多く、希望しても必ず公務員保育士になれるとは限りません。保育士として働きたいのであれば、公務員保育士にこだわらずに、私立保育士としての就職も検討することをおすすめします。

最近は私立保育園においても、保育士の待遇を改善する動きが出ています。しっかりと条件を見極めることで、働きやすい勤務先も見つけられるため、ぜひ検討しましょう。

まとめ

公務員保育士はさまざまなメリットがあり、多くの人が公立の保育施設への就職を目指します。その結果として競争率が高いというデメリットが生じます。また、人によっては、ほかにもデメリットと感じられる点があることも事実です。保育士として働きたい場合は、私立保育士も含めて、進路を考えることをおすすめします。

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