• 公開日:2020/06/01

保育士不足が深刻化している一方で、待機児童問題のみならず、隠れ待機児童問題までもが発生しています。そのことを考えると、保育士は今後ますます需要が高くなる仕事の一つといえるでしょう。

そのため、これから保育士になりたい、資格だけでも取得したいと考える人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は保育士として働いている人たちの年収がどれくらいなのか、その他給与水準や求人状況など、保育士の実態について解説していきます。今後予想される給与事情まで詳細に解説していくので、ぜひ職業選択や資格取得の際に役立ててください。

保育士の年収は

深刻な保育士不足の問題や待機児童問題、ワークライフバランスの見直しなどが後ろ盾となり、給与を含む保育士の処遇改善は進み始めています。それでも、保育士の年収はそれほど高くないというイメージが根付いているのが実情です。仕事内容と年収との釣り合いがとれていない職業と考える人も多いでしょう。

実際、保育士として働いている人たちの年収はどのくらいなのでしょうか。この段落では、保育士の平均年収・給与や給与水準をみていきます。また、地域や年齢、雇用形態など条件による違いも確認していきましょう。

平均年収・給与はどれくらい?

内閣府が公表している「平成29年度保育士及び幼稚園教諭の平均賃金等の実態について」によると、保育士全体のうち、女性(平均年齢36.1歳、平均勤続年数7.8年)の平均月給は約22.8万円です。賞与なども含めた平均年収は約340万円となっています。

きまって支給する
現金給与額(月額)
年間賞与その他
特別給与額(年額)②
年間給与額
(①×12+②)
年齢 勤続年数
保育士
(うち女性)
228.2千円 658.3千円 3,397千円 36.1歳 7.8年
幼稚園教諭
(うち女性)
228.9千円 630.4千円 3,377千円 33.2歳 7.3年
全職種
(うち女性)
263.6千円 615.0千円 3,778千円 41.1歳 9.4年
  • 参考:内閣府子ども・子育て本部 平成30年度子ども・子育て支援新制度 市町村向けセミナー資料(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h300820/pdf/s1-1.pdf#search='%E5%86%85%E9%96%A3%E5%BA%9C+%E5%B9%B3%E6%88%9029%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%B9%BC%E7%A8%9A%E5%9C%92%E6%95%99%E8%AB%AD%E3%81%)

2017(平成29)年度の平均年収等は上でみた通りですが、現在、政府は保育士の処遇改善のために様々な施策を打ち出しており、2019年度においては保育士の給与を1%引き上げると表明しています。これは月収にして3,000円程度の引き上げで、2013年度から続く処遇改善と合わせると、プラス13%、月収にして4.1万円程度の改善がなされることとなります。このことから、保育士の平均年収は徐々に増える傾向にあると考えられます。

給与水準は高い?安い?

厚生労働省が公表した「平成29年賃金構造基本統計調査の概況」によると、女性一般労働者の平均賃金は約24.6万円(平成29年)となっています。

女性労働者全体の平均賃金と保育士の平均給与を比べてみると、必ずしも保育士の給与水準が高いとはいえません。女性の社会進出が推進されているとはいえ、男女合計の平均賃金と比較すると、さらにその差は開きます。ただし、業種や役職などによる様々な違いもあるので、保育士だけが低いというわけではありませんし、保育士のなかでも平均賃金を超えている人もいます。

また、保育士は保育の専門職なので、一度資格を取得してしまえば、結婚や出産などのライフイベントによっていったん職場を離れても、復帰できる可能性が高い仕事の一つです。実際、一度職場を離れた後に、パートや臨時職員として復帰する人も少なくありません。そのような観点からみると、給与水準だけで処遇が悪いと判断できないのが実情です。

  • 参考:平成 29 年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/dl/13.pdf)

様々な条件で異なる年収

保育士の年収は様々な条件によって差が生じます。そのため、給与面を考慮するなら、様々な観点から就業先を探す必要があります。条件による違いを以下にまとめました。


地域による違い

日本では人口や経済力などの違いから、同じ職業でも都道府県や市区町村ごとに給与水準が変わり、それによって最低賃金にも差があります。保育士の年収も地域で差があり、地方より都市部のほうが高くなる傾向にあります。


勤続年数による違い

同一園での勤続年数が長くなるほど基本給が上がるケースが一般的です。2017年における厚生労働省の発表によれば、大学や短大・専門学校の新卒~第二新卒者について、20~24歳時点の基本給は280万円程度ですが、30~34歳になると50万円ほど上がり、約338万円になります。


勤務形態による違い

保育士には、正職員や臨時職員の他、契約・派遣社員、パートなど、様々な勤務形態があり、それぞれ年収が異なります。契約内容や労働時間にもよりますが、年収はパートが約160万円、派遣社員と臨時職員がどちらも230万円、契約社員が320万円ほどとなっています。


役職による違い

政府の保育士処遇改善施策によって、新しく「副主任保育士」や「専門リーダー」という役職が生まれました。それらの役職に就く場合には、さらに給与アップが見込めます。


その中でも1番高待遇と考えられるのは?

保育士には大きく分けて、公立保育園勤務と私立保育園勤務の2つがあります。(※児童福祉法に基づく正式名称は「保育所」)公立保育園勤務の場合、職員は公務員にあたるため、給与や福利厚生に関しては私立保育園勤務よりも高待遇といえます。勤続年数や年齢、昇進による昇給もあり、年齢が高いほど給与も高いのが特徴です。地方自治体の運営する公立保育園で働く保育士のことを公立保育士と呼ぶことがあります。

そのため、公立保育士を目指す人も少なくありません。公立保育士として働くには、自治体の採用試験を通過する必要があります。試験日や受験資格、募集の有無などは自治体ごとに異なるので、勤務を希望する自治体のホームページなどをこまめにチェックしましょう。

ただし、公立保育士は、保育士といっても公務員なので、受験には年齢制限がある点に注意が必要です。また、目指す人が多い分倍率も高く、ときには何十倍という倍率になることもあります。加えて、正職員の募集は全国的に減少傾向にあり、臨時職員の募集が増加しているため、公立保育士になるのは簡単ではないことを理解しておきましょう。

保育士の年収は今後上がる?

保育士の年収が今後必ずしも上がるとはいい切れませんが、国や自治体は保育士のさらなる処遇改善を進めているところです。以下は保育士の年収の推移を表しています。保育士は給与面でも将来性のある仕事と考えられます。

  • 平成24年 315万
  • 平成25年 310万
  • 平成26年 317万
  • 平成27年 323万
  • 平成28年 327万
  • 参考:厚生労働省|保育分野の現状と取組について(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/hoiku/20170922/170922hoiku02.pdf#search='%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB%E7%AD%89%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E9%96%A2%E4%BF%82%E8%B3%87%E6%96%99')


具体的な改善施策例として、国は待機児童の問題に対応するために、待機児童の多い都市部を中心に保育園の分園や小規模保育所の整備を進めています。保育士の需要が高まる中で、現在(2019年11月時点)もまだ目標値には届いていない実情はありますが、保育士の給与を4万円ほど上げる施策もとられています。

他にも、例えば、東京では家賃補助という形で給料にプラスするなどの処遇改善策がとられており、国に加えて各自治体での待遇面の向上も進んでいます。

保育士は今後ますます需要が増していく仕事だと予想されます。その分、年収がアップする可能性が高いといえるでしょう。保育士資格の取得を考えているのであれば、大学や専門学校に通う他、独学やスクールに通うなど様々な方法がありますが、通信教育で勉強して取得を目指すのも一つの方法です。

通信教育であれば、他の職業に就いている場合でも時間を有効活用して、自分のペースで勉強ができます。学校に通うより費用を抑えられ、独学よりも計画的に資格取得の勉強に臨めるでしょう。

保育士の求人状況は?

保育士は慢性的な人材不足といわれており、これから保育士を目指す人にとっては就職や転職に有利な状況です。過去5年間の有効求人倍率をみると、幼稚園教諭は平成25年の1.22倍から、平成30年には3.19倍まで上昇しています。保育士は平成25年の1.49倍から、平成30年には3.3倍まで上昇しています。

有効求人倍率とは、ハローワークに登録された企業の有効求人数を有効求職者数で割ったものです。有効求人数に対して有効求職者数が少ないほど、有効求人倍率は上昇します。

もっとも理想とされるのは、有効求人倍率が1倍のときです。たとえば、100件の求人数に対して100人の求職者がいる場合、有効求人倍率は1倍となり、求職者全員に就転職のチャンスがあることを意味します。一方で、有効求人倍率が高い、つまり、求人数に対して求職者数が少ない状況は、企業の採用活動がより活発化する予兆です。

保育士の求人倍率を見ると、全職種の倍率と比較して、非常に高い数値となっています。園の求人に対して求職する保育士が少ない状態が続いているためです。それゆえに、募集条件が改善されたり、採用がすぐに決まったりして、応募者としては有利な状況であるといえます。

国や自治体だけでなく、それぞれの保育園が独自に保育士を集める施策も行っています。なかでも重要視されるのが、潜在保育士の存在です。

潜在保育士とは、保育士資格を取得しており、なおかつ現在保育園などに勤務していない人を指します。厚生労働省の調査によれば、全国に約76万人(2013年時点)いるとされています。そのうち、保育士としての勤務経験のある人は80%以上です。

潜在保育士の多くが給与面の不満を退職理由にあげています。ただし条件が合えば復帰したいと考える人は、潜在保育士全体の60%と、決して少なくありません。そのため、管理職向けの研修や、雇用管理マニュアルの作成・徹底といった、潜在保育士にとって復職したいと思える職場環境構築のための対策(次項「保育士確保のための対策」参照)が講じられ始めています。

結果的にこれまでの職場環境が改善される可能性が高く、新たに保育士資格の取得を目指す人にとってもプラスの状況といえるでしょう。

保育士確保のための対策

2015年に「保育士確保プラン」を厚生労働省が開始しました。2017年度末までに、必要な保育士の確保を目的として行われた政策です。この結果、保育士試験は年2回となり、給与は月額6,000円上昇しました。潜在保育士の再就職支援も強化されましたが、保育士の供給数は必要レベルには達しませんでした。

待機児童問題の解消を目的とし、2019年には「保育士確保集中取組キャンペーン」を厚生労働省が実施しました。2020年度末までに、約32万人の保育を目指しています。具体的な取組は、保育士の給与を最高月額4万1千円を改善、職場復帰のための研修実施、就職準備金の貸付(上限40万円)、勤務環境の改善などとなっています。

まとめ

保育士は、給与面から見ても今後さらに魅力的な仕事になると考えられます。保育士の資格取得を目指すなら、学校に通ったり独学で学んだりする他、通信教育で学ぶ方法もあります。

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