マーケティングとは?定義から戦略の立て方・手法・必要なスキルまで基本を解説

  • マーケティングとは?定義から戦略の立て方・手法・必要なスキルまで基本を解説

    公開日:2026.06.12

    更新日:

    マーケティングはビジネスに欠かせないものとされていますが、そもそも何を指すのかと問われると、説明が難しい概念でもあります。しかし、マーケティングを学び、必要なスキルを身につけて実践することが、企業の成長につながるのは確かです。
    本記事では、マーケティングの基本についてわかりやすく解説します。企業がマーケティングを重視すべき理由やマーケティングのフレームワーク、手法を解説したうえで、実務に必要なスキルも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・
  • マーケティングとは、市場や顧客のニーズを理解し、商品・サービスの価値を生み出して広めることで、売れる仕組みをつくる活動である。
  • マーケティングは市場調査、戦略設計、施策の実施、評価・改善の流れで進めることが重要で、顧客理解を起点に継続的に見直す必要がある。
  • 戦略立案には3C分析、4P分析、PEST分析、SWOT分析などのフレームワークが役立ち、Web・SNS・コンテンツマーケティングなど目的に応じた手法の使い分けが求められる。
  • 効率よく研修を実施するなら定額制のビジトレホーダイがおすすめ

マーケティングとは?

ビジネスにマーケティングを取り入れるには、まずその意味や役割を理解する必要があります。以下では、マーケティングの定義やセールスとの違い、企業で重視される理由について解説します。

マーケティングの定義

公益社団法人日本マーケティング協会は、マーケティングの定義を以下の通り定めています。

(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

注 1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注 2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注 3)構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。
※出典:公益社団法人日本マーケティング協会「マーケティングの定義」


上記は2024年1月25日に34年ぶりに改訂された定義です。なお、刷新前の定義は以下の通りで、1990年に制定されました。

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。

1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。
※出典:公益社団法人日本マーケティング協会「34年振りにマーケティングの定義を刷新」


新たなマーケティングの定義では、企業だけでなく顧客や社会も主体となり、ともに価値を創造して広めることでステークホルダーとの関係を築き、持続可能な社会の実現を目指すものとされています。

企業には、短期的な売上向上だけでなく、長期的に選ばれ続けることを目指す姿勢が求められています。

マーケティングとセールスの違い

マーケティングとセールスは、いずれも商品やサービスを顧客に届けるための活動ですが、役割が異なります。

セールスは、すでに関心を持っている顧客に対して直接アプローチし、購買決定を促す活動です。一方、マーケティングは、市場や顧客のニーズを理解したうえで、商品やサービスの価値を生み出して広める活動です。販売そのものではなく、売れる仕組みづくりがマーケティングといえます。

企業が売上向上を目指すには、マーケティングとセールスの両方を適切に機能させる必要があります。

企業でマーケティングが重視される理由

企業でマーケティングが重視される理由として、「顧客が求める価値の提供」「利益の最大化」「市場創造」の3つが挙げられます。

マーケティングでは、顧客のニーズを分析し、価値ある商品やサービスを提供します。顧客が本当に求める価値を提供し、選ばれる仕組みを構築できれば、ブランド価値の向上やリピート顧客の獲得につながり、結果として利益の最大化が期待できるでしょう。

また、顧客が求めているものを深く把握することは、市場の拡大や新たな市場の創造につながります。顧客ニーズを起点に新市場へ参入することで、競合との差別化と持続的な成長機会の確保につながるでしょう。

具体的なマーケティングの流れ

マーケティングは、主に以下の4つのプロセスを順に進めていきます。

①市場調査(マーケティングリサーチ)
②マーケティング戦略設計
③実施
④評価

①市場調査(マーケティングリサーチ)

まずは市場調査を行い、顧客が何を求めているのかを把握します。

市場調査によって顧客の特徴や競合他社の動きなどを分析することで、自社の商品やサービスがどのような強みを持ち、どのように差別化できるかを判断できます。

情報を得る方法としては、統計資料の確認、アンケート、インタビュー、Webサイトのアクセス分析、SNS上の反応の確認などが挙げられます。こうした調査結果は、以降の戦略設計の精度を高める土台になります。

②マーケティング戦略設計

調査によって得られた情報をもとに、どの層にどのような価値を届けるのかを具体化していきます。

この段階では、対象とする顧客像を明確にしたうえで、自社の商品やサービスの強みをどのように伝えるかを整理することが大切です。また、価格設定、販売チャネル、訴求方法なども含めて全体の方向性を固める必要があります。

戦略設計が曖昧なまま施策を進めると、発信内容や施策の優先順位に一貫性がなくなりやすくなります。限られた予算や工数を有効に使うためにも、この段階で方針を明確にしておきましょう。

なお、マーケティング戦略の設計には、後述する3C分析やSWOT分析などのフレームワークが有効です。目的に応じて使い分けることで、戦略の精度を高められます。

③実施

戦略が定まったら、実際の施策へ落とし込みます。

マーケティング施策は「商品やサービスの企画」と「プロモーション活動」の2つに大別できます。

商品やサービスの企画とは、名称や機能、価格などを設計し、開発につなげる活動です。プロモーション活動とは、マスメディアやWebメディア、SNSなどを通じて情報を発信することです。この2つの側面から取り組むことで、ターゲットに価値を提供しやすくなります。

プロモーション活動で取り入れる代表的なマーケティング手法については、後ほど詳しく解説します。

④評価

マーケティングでは、施策の実施後に結果を振り返ることが欠かせません。

例えば、問い合わせ件数、成約率、広告のクリック率、サイト回遊率、資料請求数などを確認することで、どの施策が成果に結びついたのかを把握できます。数値だけでなく、想定していたターゲットに届いていたか、訴求内容にずれがなかったかといった観点で見直すことも大切です。

マーケティング手法は多岐にわたるため、より効果的な施策を実現するために、改善を重ねていきましょう。

マーケティング戦略における代表的なフレームワーク

マーケティング戦略を考える際は、フレームワークを活用するのがおすすめです。以下では、代表的な4つのフレームワークを紹介します。


  • ・3C分析
  • ・4P分析
  • ・PEST分析
  • ・SWOT分析

3C分析

3C分析は、Company(自社)、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)の3つの観点から環境を分析するフレームワークです。

顧客が何を重視しているのか、競合がどのような価値を打ち出しているのか、自社にはどのような強みがあるのかを比較しながら考えることで、自社が狙うべき方向性を見つけやすくなります。

単に自社の特徴を洗い出すだけでなく、市場の中でどのように選ばれるかという視点で整理できる点が、3C分析の大きな特徴です。

4P分析

4P分析は、Product(商品・サービス)、Price(価格)、Place(場所・流通)、Promotion(販促・プロモーション)の4つの要素を分析するフレームワークです。

どのような商品やサービスを提供するのか、いくらで販売するのか、どの接点で届けるのか、どのように認知や購買を促すのかを整理することで、施策全体の整合性を確認しやすくなります。

いずれか1つだけを最適化しても十分とは限らないため、4つの要素を相互に関連づけながら設計することが重要です。

PEST分析

PEST分析は、Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会的要因)、Technology(技術的要因)の4つの視点から外部環境を把握するフレームワークです。

政治、経済、社会、技術といった大きな環境変化は、企業活動や消費者行動に影響を与えることがあります。例えば、法改正、景気の動向、価値観の変化、新しい技術の普及などは、市場環境を大きく動かす要因です。

こうした変化を早い段階で捉えることで、今後のリスクや機会を見極めやすくなり、戦略の方向性を検討する際の参考になります。

SWOT分析

SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの観点から分析し、マーケティング戦略の立案に活用するフレームワークです。

内部要因には強みと弱み、外部要因には機会と脅威が含まれます。これらを切り分けて考えることで、自社が活かせる点や注意すべき課題を客観的に把握しやすくなります。

現状の整理に役立つだけでなく、どの強みをどの機会に結びつけるか、どの弱みが将来的なリスクになり得るかといった視点を持つことで、より実践的な戦略検討につなげられます。

代表的なマーケティング手法

マーケティング手法は、時代の流れとともに変化しています。

以下では、代表的なマーケティング手法を紹介します。

・マスマーケティング
・ダイレクトマーケティング
・Webマーケティング
・SNSマーケティング
・コンテンツマーケティング

マスマーケティング

マスマーケティングは、テレビや新聞、ラジオなどのマスメディアを活用し、不特定多数にメッセージを届ける手法です。

商品やサービスに興味を持っていない人にも情報を届けやすく、認知度を高められるというメリットがあります。ただし、費用が高い傾向があるため、導入の可否や活用方法は慎重に検討する必要があります。また、テレビやラジオ、新聞などを利用しない層が増えているため、十分な訴求が難しいケースも増えています。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、見込み顧客や既存顧客に対して、企業が直接アプローチを行うマーケティング手法です。

郵送によるダイレクトメールや電子メール、電話などを通じて情報を届け、問い合わせや資料請求、購入といった反応を促します。不特定多数へ広く訴求するというより、対象をある程度絞って直接接点を持ちやすい点が特徴です。また、施策への反応を把握しやすいため、その後のコミュニケーションや改善施策につなげやすいという利点もあります。

ただし、一斉配信や一定の条件で対象者を抽出して実施されることも多く、最初の段階から個別最適化した対応を行うとは限りません。手法によっては潜在層にアプローチできる場合もあるため、目的やターゲットに応じて使い分けることが重要です。

Webマーケティング

Webマーケティングは、インターネット上の様々な接点を活用して、商品やサービスの認知拡大や集客、販売促進につなげるマーケティング手法です。

自社サイトやオウンドメディア、検索エンジン、Web広告、メール配信などを活用して行われ、SEOや広告運用、ランディングページの改善、アクセス解析などが代表的な施策として挙げられます。複数の施策を組み合わせながら展開しやすく、効果測定もしやすいため、結果を見ながら改善を重ねやすい点が特徴です。

また、Webマーケティングには、後述するSNSマーケティングやコンテンツマーケティングのような手法も含まれます。目的やターゲットに応じて施策を使い分けることで、より効果的なアプローチにつなげやすくなります。

SNSマーケティング

SNSマーケティングは、Webマーケティングの中でも、SNSを活用して情報を発信し、ユーザーとの接点づくりや関係構築につなげる手法です。

X(旧Twitter)やInstagram、TikTok、Facebookなどを用いて、投稿、キャンペーン、広告配信などを行いながら、認知拡大や興味喚起を図ります。SNSは拡散性が高く、話題化や幅広いリーチが期待できます。また、コメント・リアクション・ユーザー投稿を通じて、顧客の率直な声をリアルタイムで把握しやすい点も大きな特徴です。

近年では、SNS上で影響力を持つインフルエンサーを起用し、商品やサービスの認知向上や理解促進を図る取り組みも増えています。一方で、媒体ごとに利用者層や発信の相性が異なるため、目的に応じた運用設計が重要です。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、Webマーケティングの中でも、顧客にとって有益な情報を継続的に提供し、理解促進や信頼獲得を通じて、将来的な問い合わせや購入につなげていく手法です。

具体的には、自社サイトやオウンドメディアに掲載する記事、導入事例、ホワイトペーパー、動画などを活用します。単に情報を発信するだけでなく、顧客の疑問や課題に応える内容を蓄積していくことで、比較検討の後押しや見込み顧客の育成につなげやすくなります。

SNSや広告が接点づくりや認知拡大に活用されるのに対し、コンテンツマーケティングは、情報提供を通じて中長期的に関係性を深めやすい点に特徴があります。そのため、短期的な反応獲得だけでなく、継続的な集客や信頼形成を重視する場面で活用しやすい手法です。

マーケティングを実践するために必要なスキル

マーケティングを実践するためには、以下のスキルを身につける必要があります。

・顧客理解
・データの見方と仮説の立て方
・PDCAサイクルの回し方

顧客理解

顧客が本当に求めているものを提供することが、マーケティングを成功させる鍵となります。

顧客理解とは、年齢や性別などの属性情報に加え、ニーズや行動などを把握することを指します。顧客を深く理解することでターゲットが明確になり、マーケティング施策の精度向上や商品開発の成功率向上につながります。

なお、ユーキャンでは、顧客理解の切り口や手法を学べるeラーニング講座「マーケティング(顧客理解)講座」をご用意しています。ぜひ受講をご検討ください。

データの見方と仮説の立て方

マーケティングを実践するためには、データの見方や仮説の立て方を身につける必要があります。

マーケティングでは、課題に対して仮説を立て、アクセス数やコンバージョン率など様々なデータを収集・分析しながら検証する視点が必要です。客観的なデータを活用して判断することで、目標達成に向けて取り組むべきことが明確になります。

なお、ユーキャンでは、自ら仮説を立ててマーケティングプランを策定する力を養う、eラーニング講座「マーケティング(実践)講座」をご用意しています。実践的なスキルを身につけたい方は、ぜひ受講をご検討ください。

PDCAサイクルの回し方

マーケティングを成功させるためには、PDCAサイクルの回し方を理解し、実践する必要があります。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取った言葉であり、一連の流れを繰り返して業務改善を図る手法です。施策を実施するだけでなく、効果を検証して改善を重ねることで、マーケティング施策の精度を高められます。

なお、ユーキャンでは、PDCAサイクルを日々の業務で実践する力を養うeラーニング講座「PDCAサイクル実践講座」をご用意しています。マーケティングに役立てたい方は、ぜひ受講をご検討ください。

まとめ

マーケティングは、市場や顧客のニーズを理解したうえで、商品やサービスなどの価値を生み出して広める活動です。

マーケティングは企業成長に欠かせない要素であるため、企業の人材育成担当者には、社員が必要なスキルを身につけられるよう支援することが求められます。

ユーキャンでは、豊富なeラーニングコンテンツを定額で利用できる「ビジトレホーダイ」を提供しています※。マーケティングを深く学べるオリジナル研修コースの作成にも対応しており、人材育成にも活用できます。ぜひ詳細をご確認ください。
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人材育成のユーキャン
編集・監修 人材育成のユーキャン編集部


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