リテラシーの意味とは?従業員のITリテラシーを高めるメリットや方法を解説 !

リテラシーの意味とは?

リテラシー(literacy)とは、「読み書きの能力」を表す言葉です。現在は「特定の分野についての知識や能力」という意味で使われるのが一般的です。

また、それらを発揮する力を意味している場合もあります。リテラシーの意味は、使われている文脈も考慮して判断しましょう。

リテラシーの言葉の使い方

リテラシーの使い方の例は以下のとおりです。
・リテラシーを身につける
・リテラシーがない
・リテラシーが高い・低い
リテラシーは、特定の分野についての知識や能力という意味を持ちます。単体でも使われていますが、特定の分野と組み合わされて、日常的に使われています。

リテラシーの主な種類

リテラシーの主な種類は5つです。

・ITリテラシー
・メディアリテラシー
・ビジネスリテラシー
・金融リテラシー
・ヘルスリテラシー

以下で詳しく解説します。

ITリテラシー

ITリテラシーとは、ITを活用する能力を表す言葉です。さまざまな場面でITリテラシーが重視されているため、この記事では主にITリテラシーについて解説しています。ITリテラシーには、さまざまな分類があります。主な種類は、以下のとおりです。

・情報リテラシー
・ネットリテラシー
・コンピュータリテラシー

それぞれの具体的な意味や特徴について詳しく解説します。

情報リテラシー


情報リテラシーとは、数ある情報の中から取捨選択し、必要な情報を選んで活用する力です。
インターネット上においては、誰でも自由に情報を掲載できるため、間違った情報や正確ではない情報も数多く存在します。情報リテラシーを高めれば、膨大な情報のなかから正確な情報だけを見極めて活用できるようになります。

ネットリテラシー


ネットリテラシーとは、正しい知識やスキルのもとで、インターネットを活用する能力です。インターネットの利用に際しては、情報漏洩のリスクやSNSの炎上リスクなど、さまざまなリスクがあります。ネットリテラシーを向上させると、そのようなリスクを避けて、インターネットを利用できるようになります。

コンピュータリテラシー

コンピュータリテラシーとは、IT関連の機器を、スムーズかつ安全に利用できる能力です。たとえば、システムやタブレットなどを使いこなしたり、さまざまなツールを適切に扱ったりする能力が該当します。どのような職種でも、業務を進めるにはデバイスやツールの利用が必要不可欠です。コンピュータリテラシーが高い従業員が多ければ、企業全体の業務がスムーズかつ安全に進みます。

メディアリテラシー

メディアリテラシーとは、新聞、テレビ、雑誌といったメディアから発信される情報を、取捨選択して適切に活用できる能力です。メディアで情報を集める場合、メディアの特徴や違いを理解したうえで、多くの情報のなかから必要な情報を選ぶ必要があります。単に情報を集めるだけでなく、自分なりに解釈して正しいものを見極める能力といえます。
新聞やテレビで誤った情報が流れるケースもあるため、すべての情報を鵜呑みにせず、慎重に捉えなければなりません。

ビジネスリテラシー

ビジネスリテラシーとは、ビジネスシーンで重視される知識や能力を意味します。具体的には、コミュニケーション能力、論理的思考能力、課題解決能力などがあげられます。企業によっては、ビジネスリテラシーとして、語学力が求められる場合もあるでしょう。
ビジネスリテラシーに含まれる知識や能力はさまざまですが、いずれもビジネスパーソンにとって必要不可欠です。人材が企業で活躍するには、ビジネスリテラシーが特に重要といえます。

金融リテラシー

金融リテラシーとは、お金全般に関わる知識や能力です。たとえば、金融商品や資産形成などに関する知識や能力が該当します。お金を適切に無駄なく使うには、金融リテラシーが必要です。日常生活における家計管理も、金融リテラシーに基づいています。
また、金融リテラシーは、お金のトラブルを防ぐうえでも重要です。詐欺をはじめとする金融トラブルに巻き込まれないために、金融リテラシーを高める必要があります。

ヘルスリテラシー

ヘルスリテラシーとは、健康を維持するための情報を得て理解したうえで、活用する能力です。疾患を予防して健康的に暮らすためには、ヘルスリテラシーを高める必要があります。
近年は、従業員の健康状態への配慮を投資と捉える健康経営が、注目されるようになりました。健康経営を実現するには、従業員のヘルスリテラシーの向上が不可欠です。まずは各従業員のヘルスリテラシーのレベルを把握したうえで、それに合わせた教育を行うといいでしょう。

従業員のITリテラシー向上が重要な理由

従業員のITリテラシー向上が重要とされる理由は2つあります。
・ビジネスにおいてIT活用が活発化しているため
・情報が拡散されやすい時代になっているため
以下で詳しく解説します。

ビジネスにおいてIT活用が活発化しているため

インターネットやIT技術が広く普及しており、ビジネスにおけるIT活用が活発になっています。 ビジネスシーンにおいて、ITの活用は不可欠であるため、企業の競争力を高めるには、従業員のITリテラシーの向上が必要です。 最近はDX化や多様な働き方を推進するため、テレワークの導入が進んでいます。それらに対応するうえでも、従業員のITリテラシーの向上は重要といえるでしょう。

情報が拡散されやすい時代になっているため

インターネット、スマートフォン、SNSなどの普及により、消費者や企業を含むすべての人や団体が、簡単に情報を得られるようになりました。それに伴って、自社が発信している情報が、一気に拡散される可能性があります。誤った情報を安易に発信した場合、急激な拡散により炎上につながるリスクもあるでしょう。そのような問題を発生させないよう、正しい情報発信と情報管理をするために、各従業員がITリテラシーを身につける必要があります。

従業員のITリテラシーが高いことのメリット

従業員のITリテラシーが高いことのメリットは4つあります。
・業務の効率化や生産性向上につながる
・セキュリティ強化を図れる
・社内コミュニケーションが活発化する
・DX推進の取り組みを促進できる
以下で詳しく解説します。

業務の効率化や生産性向上につながる

従業員のITリテラシーが高いと、業務効率化や生産性向上が期待できます。たとえば、オフィス内の文書や書類資料を電子化し、ペーパレス化する仕組みに、すべての従業員が対応できれば、業務がよりスムーズに進むでしょう。社内のシステムやツールをIT化し、従業員のITリテラシーを高めて、有効活用できるようにしましょう。

セキュリティ強化を図れる

従業員のITリテラシーが高まれば、社内のセキュリティの強化にもつながります。社内では多様な情報を扱っており、なかには個人情報や社外秘の情報なども含まれているでしょう。ITリテラシーが高い従業員がそれらの情報を適切に管理できると、情報漏洩といったトラブルを避けられます。
ただし、従業員が個別に社内の情報へアクセスするため、セキリュティを強化するには、すべての従業員のITリテラシーを高める必要があります。

社内コミュニケーションが活発化する

社内コミュニケーションに活用できるツールとして、メール、チャット、ビデオ通話などさまざまなものがあります。
ITリテラシーを高めれば、それぞれのツールを有効活用することができます。特にチャットやビデオ通話などのツールを使いこなせると、テレワーク導入後も社内のコミュニケーションが取りやすくなります。

DX推進の取り組みを促進できる

自社のDX推進は、ITリテラシーが高いほど有利です。DXはビジネスモデルの変革を目指す取り組みであって、業務効率化だけが目的ではありません。

社内のDXを本当の意味で推進するには、すべての部署が協力し合いながら取り組む必要があります。ITリテラシーが高い従業員が多く在籍しているほど、スムーズにDX化を進められるでしょう。

従業員のITリテラシーが低いことのデメリット

従業員のITリテラシーが低いことのデメリットは4つあります。
・企業の競争力低下につながる
・セキュリティトラブルにつながる
・コミュニケーション不足につながる
・情報発信における炎上が発生する
以下で詳しく解説します。

企業の競争力低下につながる

従業員のITリテラシーは、企業の競争力にも大きく影響します。 従業員のITリテラシーが高く、積極的にITを活用している企業に比べると、ITリテラシーが低い企業は、ITを活用しきれずに、生産性や競争力が落ちる可能性があります。 ビジネスを進めるうえで、ITは不可欠なものとなっているため、各従業員のITリテラシーを強化し、企業価値を高めましょう。

セキュリティトラブルにつながる

ITリテラシーの低さは、セキュリティトラブルを招く原因にもなります。日々の業務において、ITを活用するシーンは増え続けています。従業員のITリテラシーが低いがゆえに、ITを安全に利用できないと、予想外の問題が発生する可能性も高くなるでしょう。セキュリティトラブルが発生すると、企業全体の信用が大きく低下する恐れがあります。低下した信用をもとに戻すのは容易ではないため、注意が必要です。

コミュニケーション不足につながる

ITリテラシーが低い従業員は、コミュニケーションツールを適切に使いこなせません。そのため、社内にコミュニケーション不足を発生させる可能性があります。また、重要な情報の共有が遅れるリスクも生じます。
前述のとおり、社内のコミュニケーションに利用できるツールは、メール、チャット、ビデオ通話など、さまざまな種類があります。社内のコミュニケーションを活発化させるには、それぞれの特徴を踏まえて、有効に活用しなければなりません。

情報発信における炎上が発生する

ITリテラシーが低い従業員が、自社について情報発信した場合、発信した内容や状況によっては大きなトラブルを招く可能性があります。 セキュリティトラブルの発生と同様、情報発信の誤りによる炎上は、企業の信用を著しく低下させます。一度ついた負のイメージを完全に払拭するのは容易ではありません。日頃から気を付けるとともに、各従業員のITリテラシーを高める必要があります。

従業員のITリテラシーを高める方法

従業員のITリテラシーを高める方法は3つあります。
・IT関連の資格取得・通信講座を受講
・研修を実施する
・社内のICT環境を整備する
以下で詳しく解説します。

IT関連の資格取得・通信講座を受講

従業員のITリテラシーを高める方法として、IT関連の資格取得があげられます。たとえば「ITパスポート」や「情報セキュリティマネジメント試験」など、ITについて学べる資格があります。 スムーズな資格取得を目指すには、通信講座での勉強がおすすめです。通信講座には資格取得に必要な内容が網羅されており、仕事が忙しい従業員も効率的に勉強できます。企業が講座費用を負担し、資格取得を支援するといいでしょう。

研修を実施する

ITリテラシーを高めるための教育として、社内で従業員向けの研修を実施する方法もあります。たとえば、SNSの扱い方や情報管理の方法など、すぐに役立つ内容を選ぶといいでしょう。 研修を実施する体制が社内で整えられない場合は、専門のサービスや外部講師の活用も検討しましょう。研修を外注すると、社内のリソースを割かなくても、質の高い研修を実施できます。

社内のICT環境を整備する

ITリテラシーを高めるには、日常的にITツールに触れられる環境を作る必要があります。従業員がいつでもITツールを利用できるよう、社内環境の整備に力を入れましょう。 具体的には、パソコンやスマートフォンをはじめとするデジタルデバイスを自由に使える環境が必要です。社内のICT環境が整っていれば、従業員がITリテラシーを高めやすくなります。

リテラシーとコンピテンシーの違い

リテラシーと似た言葉として、コンピテンシーがあります。 本来、コンピテンシーとは「能力」や「適性」という意味ですが、ビジネスシーンにおいては、より高い成果を出すための行動を示す言葉として使われています。一方、リテラシーは「特定の分野に関する知識」を示す言葉です。 コンピテンシーは、人事評価基準として使用される場合もあります。高い成果を上げる従業員の行動に着目し、行動と成果の結びつきを評価しています。スキルや知識をもとにする評価基準とは異なり、より具体的で公平な評価ができます。コンピテンシー評価の具体的な基準の例は、以下のとおりです。

・他者の話を傾聴できる
・適切に情報共有できる
・効率的に業務構築できる

このように具体的な基準を設けると、適切な評価を容易に行えるようになります。

従業員のITリテラシー向上の施策を実施する際の注意点

従業員のITリテラシーを向上させるには、継続的に施策に取り組む必要があります。ITリテラシーは短時間では身につけられず、反復して学んだり実際にITを活用したりしながら、少しずつ定着するからです。従業員のITリテラシーを向上させる施策を計画的に進めて、着実に知識や能力が定着するのを目指しましょう。従業員のITリテラシーを高めるには、定期的にリテラシーチェックを行うとより効果的です。従業員のITリテラシーを客観的に把握できて、今後の対策も立てやすくなります。

まとめ

企業にとって従業員のITリテラシーは重要です。ITリテラシーを高めることで、業務効率化やセキュリティ強化といった、さまざまなメリットが期待できるでしょう。 ITを正しく理解し、ITリテラシーを高めれば、企業価値を上げられます。

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