eラーニングとは? 導入するメリット・デメリットや成功させるコツを解説

  • 公開日:2022.09.26

    更新日:2023.09.29

    eラーニングは研修や社員教育にかかるコストを抑えて、効率よく学習することができる教材です。ただし、導入にかかるコストや社員のモチベーション管理などには注意が必要です。この記事ではeラーニングのメリットやデメリット、失敗する場合の特徴などを解説します。eラーニングを導入する際に、ぜひ参考にしてください。

eラーニングとは

eラーニングとは、インターネットを利用したオンライン学習のことです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを使って学習を行います。オンラインで講義を受講できるため、多数の社員の同時教育や研修などへの活用が可能です。学習の場所や時間を選ばないことで、社員に対する教育の効率を高められます。

eラーニングの歴史

eラーニングは近年、どこの企業でも取り入れられていますが、歴史を遡るとかなり以前から原型が存在していました。インターネットの普及やスマホ・タブレットなどのデバイスの多角化により、利用者が急速に増えています。eラーニングの歴史はどのようなものか、詳しく解説していきます。

eラーニングのはじまり

eラーニングのはじまりとされるコンピュータを使用した学習方法は、1950年代にアメリカでCAIという考え方が出てきたことから始まりました。CAIは「コンピュータを利用した学習支援」という考え方で、従来の集合型研修の問題点を解決し、効率化を図るものでした。従来はインストラクターと学習者が一か所に集まり、長時間話を聴いて、その内容を逐一上司や会社に報告しなければならないという非効率な方法でした。ビデオ教材という方法も後に登場しますが、根本的な課題解決にはならないことが課題とされていました。そのため学習する場所を選ぶ必要がなく、インストラクターへの依頼費用を抑え、管理者側が学習内容を管理しやすいというメリットから、CAIの考え方が注目を浴び始めます。しかし当時はインターネットはおろか、コンピュータがようやく普及を始めた段階で、現代のようなシステム構築は困難という問題点がありました。そのため、この時点ではCAIに基づいた教育支援は、スムーズに進まなかったのです。

eラーニングの発展

eラーニングが発展するきっかけになったのが、1990年代に入ってパソコンが普及したことです。パソコンが急速に発達・普及する中で、CAIがCBT(コンピュータ・ベースド・トレーニング)という考え方に変化しました。加えて、大容量のCD-ROMに動画や音声を教材として記憶させ、実際に教材として用いられるようになりました。この頃からeラーニングという言葉が登場し、一般家庭でもパソコンの普及率が高まっていきます。特に1995年頃は家庭用パソコンOSの先駆けともいえる「Window95」が発売され、それまで一部の人しか扱えなかったコンピュータが、家庭で誰でも扱えるように環境が大きく変わりました。こうした流れに乗って、CBTによる教育はさらに発展していきます。しかしこの当時でも今ほど簡単に教材を用意できる環境はできておらず、教材作成のコスト、誤りの修正が困難、管理者側での一元管理ができないという課題は残っていました。そのため、CBTが普及するまでにはもう少しの時間を要します。

インターネットによる学習システムの確立

日本におけるeラーニングの環境に大きな変化が生じたのは、2000年に政府が打ち出した「e-Japan構想」がきっかけです。この構想は日本型IT社会の実現を目指すという目標のもと、5年以内に超高速ネットワークインフラを整備することが重点政策に掲げられます。さらに、2001年には「日本イーラーニングコンソシム」が設立され、eラーニングを普及させる流れが加速しました。2000年代はインターネット環境の大幅な変化があった時代でもあり、企業内で独自のネットワークシステムを整備する企業も多く現れます。そして、eラーニングの手法も従来のCD-ROMを利用したCBTから、WBT(ウェブ・ベースド・トレーニング)に変化していきます。CBTでは、個人のパソコンにCD-ROMなどを教材として配布してきましたが、WBTではインターネットを通じて教材を配信する方向に大きくシフトしました。ネットワークを利用する企業も増えたことで、WBTでのeラーニングシステムは急速に普及し始めます。これは企業だけに留まらず、学校などの教育機関でも利用されるようになり、eラーニングは日本全体で利用されるケースが多くなりました。さらに、技術の進歩に伴ってLMS(ラーニング・マネジメント・システム)というものも登場し、オンライン上で教材の配布も可能になりました。LMSの登場は管理者にとっても大きなメリットでした。

  • ●受講者の進捗状況を把握できる
  • ●教材データを保管する必要がない
  • ●インストラクターと双方向のやりとりが可能
  • ●テストやレポートの実施・採点までオンラインで可能
こうした変化によって、管理者側の手間が大幅に減ったことで、WBTとLMSがそれまでのeラーニングの常識を大きく変えることになりました。

スマートデバイスによる普及

eラーニングの普及について語るうえで、もう1つ欠かせない大きな変化があります。それは2000年代後半から登場し、今や1人1台持つのが当たり前になったスマートフォンやタブレット端末の普及です。スマートデバイスは持ち運べるパソコンとして、いつでもどこでも何度でもすき間時間に学習することを可能にしました。通勤中の電車の中はもちろん、仕事の休憩時間でも研修が受けられるようになり、それまで以上に効率的なeラーニングを実現しました。スマートデバイスは持ち運びしやすく、一か所に集まらなければ研修を行えなかった製造業・接客業・サービス業でも、気軽に研修を受けられるメリットがあります。また近年のeラーニングでは利用者同士のコミュニティ機能を搭載しており、同じ学習をした者が集まって、意見交換や支援を行えるように進化しています。会社で利用した場合は、部署を問わずコミュニケーションを促進でき、部署間の交流や連携による生産性の向上に繋がっているケースも少なくありません

eラーニングの今後の展望

eラーニングは今や企業でも学校でも当たり前に取り入れられ、一般的な研修方法として受け入れられています。特にコロナ禍以降はテレワークやオンラインが社会全体に普及し、心理的・技術的なハードルも大幅に下がっています。その中で今後のeラーニングに必要とされるものは、対面で行っていた研修にどれだけ近づけるかという課題と、AIを活用した変化です。eラーニングは便利なシステムですが、対面での研修のように五感で感じ取ることはできず、あくまで動画や音声、文字による学習に限られます。リアルタイムでインストラクターと繋がり、人間の五感をどうやってeラーニングで生かしていくのか、この点が今後の成長の鍵となってくるでしょう。またAIの進歩も目覚ましく、2023年にはAIの知能が人間の知能の総和を超えるともいわれています。AIを活用したeラーニングも今後ますます普及していくでしょう。eラーニングは時代と共に姿を変え、より効率的な方法へと進化し続けています。時代の変化に合わせたシステムを採用し、企業にとって最適なサービスを選び続けることを意識していきましょう。

eラーニングを導入するメリット

eラーニングを導入するメリットは、教育にかかる時間や管理のコストがかかりにくい点です。以下で、解説します。

どこにいても学習できる

オンラインの学習はインターネットを活用するため、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使うことで時間や場所を選ばずに学習できます。職場の勤務時間が不規則な従業員や中途で採用した人など、集合して研修を行うのが難しい場合でも均一な教育が可能です。教材のコンテンツは追加や修正が容易なため、最新情報をすぐに共有できる点もメリットといえます。

学習のコストを抑えられる

eラーニングは、研修のために資料や教材を用意する必要がなくなります。会場の手配やスケジュールの調整の手間が少なくなるため、教育にかかるコストの軽減が可能です。交通費や宿泊費などの間接費用も削減できるため、イニシャルコストをかけることで長期的に研修や社員教育などの費用を抑えられるでしょう。

社員の学習状況や進捗管理が容易になる

社員教育は学習状況の確認や進捗管理などの負担がかかります。eラーニングを利用すればプログラムによる自動処理で一元管理できます。学習の範囲で理解している部分やつまずいているポイントを把握し、的確なフィードバックが可能です。成績が上がらない人への再研修や社員のスキルの統一化などの教育にも有効です。

教材やプログラムの変更が迅速

eラーニングでは、使用する教材やプログラムはサーバーに直接保存されます。そのため教材の内容やプログラムを適宜変更しやすく、変更後の反映も早いというメリットがあります。eラーニングでは、社員が好きなタイミングで受講できるという特性上、変更後の迅速な反映は大きなメリットといえるでしょう。

最新の教材を提供できる

eラーニングを活用することで、常に最新の教材を受講者全員に提供できるというメリットもあります。社内での研修の場合、教育担当者が必要な資料やカリキュラムの作成を行うため、知識が最新でない場合が考えられます。一方、eラーニングは最新の知識を教材としているため、受講者全員に高い質の教育を施せる点がメリットです。

学習データを蓄積できる

eラーニングを利用する際は、学習データの開示を要求でき、社内の離職率やエンゲージメント、ストレスチェックなどのデータと組み合わせて、社内政策の効果測定に活用できます。 eラーニングには、そもそも誰がどの段階まで進んでいるのか、理解度はどの程度か把握するためのデータが保存されています。 そのデータをそのまま自社で利用するだけで、複雑な工程を経る必要はありません。

eラーニングを導入するデメリット

eラーニングを導入するデメリットは、導入時のコストや実技演習が困難である点です。以下で、解説します。

教材が必要になる

オンラインで学習する際は、専用の教材が必要になります。一般的な教育のコンテンツは購入できますが、自社の教育や研修用の教材などは作成しなければなりません。教育のコンテンツはテキストや動画などで作られるため、作成にかかる手間や労力を考慮しましょう。eラーニングの制作会社に依頼すると、教育や研修などの効果を高める教材を作れます。

実技の実習は難しい

eラーニングはパソコンやスマートフォンなどを使った視聴型のコンテンツであるため、多くは体験学習や実技演習に不向きな学習方法です。ただし、プログラミングやパソコンのソフトウェアの研修など、実技に適したコンテンツもあります。オンラインの学習を導入する際は、自社の業務に応じて必要かどうかを判断し、購入前に比較検討することが重要です。

導入時のコストがかかる

eラーニングは社員全員に対するインターネット環境の設備や、コンテンツを作成するコストがかかります。会社によっては、パソコンやタブレットなどのデバイスの購入費用がかかります。オフライン用にスライドや音声などの教材が用意されているコンテンツもあるため、教育や研修の内容に応じて社内の体制を調整しましょう。

学習者のモチベーション低下を招きやすい

eラーニングは受講する社員の自主性によるところが大きく、学習者任せにするとモチベーション低下を招きやすいというデメリットがあります。特に自宅で学習する場合、業務終了後に時間を取る必要があり、受講する社員にとっては大きな負担となりかねません。企業として、学習者が負担にならずモチベーションを維持しやすいように、コミュニティを用意するなどの対策を行いましょう。

学習管理システムの導入が必要

eラーニングを導入する際は、ただ導入すれば終わりというわけではありません。導入後の学習状況把握、進捗状況、学習者の理解度などを確認するために、学習管理システムも導入しなければなりません。社外のサービスに依頼すれば、eラーニングと学習管理システムをセットで利用できるものが多く利用しやすいでしょう。

ITリテラシーが必須

eラーニングを受講するには、パソコン・スマートフォン・タブレットのいずれかが必要です。 日頃からパソコンやスマートフォンを使い慣れている世代はいいとしても、中高年のベテランにはITリテラシーの教育も必要になるでしょう。 誰もが利用しやすくなるように、利用方法の周知とITリテラシーを高めることからスタートしてください。

eラーニングの導入に必要なもの

eラーニングの導入にあたって、必要なものをみていきましょう。

学習管理システム(LMS:learning management system)

eラーニングはカテゴリーや単元、チーム毎に学習領域が分かれており、教材に応じて管理プログラムを用意するよりも、まとめて管理できるシステムの方が便利です。そこで学習管理システムを利用すれば、学習者の進捗状況把握、教材の管理・作成・保存、部署毎の学習者登録などが可能になります。また、その他にも次のようなメリットがあります。

  • ●教材毎に管理プログラムを作成する手間が不要で、工数とコストを大幅に削減できる
  • ●LMSを利用すればeラーニングの実施・教材作成などが簡単に行える
  • ●eラーニングに関わる全ての情報を企業が一元的に管理できる
上記のメリットがあることから、eラーニングにおいて学習管理システムを準備することは、管理者側にも大きなメリットです。

学習教材

eラーニングを運用するためには、学習管理システムと合わせて、学習教材も必須です。どれほど便利な学習管理システムを導入しても、学習教材の質が悪ければeラーニングの効果は期待できません。学習教材はさまざまな種類があるため、企業の業種・働き方・職場環境に合わせて適切なものを選択しましょう。

  • ●画像やテキスト(スライド型教材)
  • ●動画(ビデオ型教材)
  • ●テスト形式(演習型教材)
自分のペースで受講するならスライド型、複数人でまとめて受講するならビデオ型、振り返りや実践的な能力を身に付けるなら演習型が向いています。学習教材は自作も可能で、オーサリングツールという編集用ソフトウェアを利用して、管理者が作成することもできます。

学習支援者(メンター)

eラーニングを利用した学習の中でも、近年必要とされているのが学習支援者です。メンターや学習アドバイザー、チューターとも呼ばれ、学習者の学びをサポートし、モチベーションを高める役割があります。メンターは、指導者的な立ち位置で学習者をサポートする存在です。学習アドバイザーは学習者へのトータルケア、チューターは主に学習者の疑問・質問に答えるのが役割です。eラーニングは個人の主体性に任せる側面があることから、モチベーションの維持が最大の課題であり、効率的な運用を進めるなら注意しなければなりません。その点、学習支援者の存在は学習者の意欲低下を防ぎ、理解の促進に繋がるため、eラーニングの導入成功においては重要な鍵になります。

受講者用の端末(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)

eラーニングを導入する際は、受講者用の端末を用意することも重要です。現行のeラーニングは、ほとんどがパソコン・スマートフォン・タブレットで利用できるようになっています。そのため学習者が個人の端末を利用し、eラーニングを受けられるようにするほか、企業としても端末の貸し出しを考えましょう。特にITリテラシーの低いベテラン社員の場合、スマートフォンを利用した学習がうまくいかないことも考えられます。iPhoneやandroidというOSの違いによってもアプリの扱いは異なるため、受講者の利用端末に配慮する必要性は高いです。企業の端末を貸し出し、手順通りの操作でeラーニングが利用できるようにすれば、学習の進捗や普及率が高まる効果が期待できます。

eラーニングと他の教育方法の費用の違い

eラーニングは一般的な研修や通学の教育などと違い、費用を抑えられる点が特徴です。研修時に社員の人数に合わせた会場の予約や、講師を依頼する日数分の費用の負担がありません。eラーニングの時間や場所の制限がなく、何度でもコンテンツを視聴できるため、費用の大幅な削減につながります。

eラーニングの導入に失敗する企業の特徴

eラーニングの導入に失敗する企業は、社員とのコミュニケーションや環境の整備などが不足しています。以下で、解説します。

受講者のモチベーションを維持できない

社員各自にオンラインの学習の受講を促した場合でも、自主的に学習を継続させることは困難です。オンラインは社員のモチベーションが維持しにくいため、教育コンテンツの時間の長さや労働時間外の受講など、社員のやる気がなくなりやすいシステムを見直しましょう。社内でコミュニティを作成し、学習に関するモチベーションを維持するなどの対策が必要です。

特定のデバイスやOSに非対応になっている

eラーニングが特定のデバイスやOSに非対応な場合、受講する意欲を下げる原因になります。若い世代の社員はスマートフォンに対応するシステムを希望する場合が多く、社内の体制に合わせることを避ける傾向があります。専用ソフトの導入や社内システムのみアクセス可能など、手間や負担がかかるシステムは見直しが必要です。

受講生と講師のコミュニケーションが不足している

オンラインの学習は、質問がある場合に対応しにくくなります。受講生と講師のコミュニケーションが不足しやすいため、集合研修を組み合わせたブレンディッド・ラーニングを行い、質問に対応できる体制を構築することをおすすめします。

eラーニング導入事例

以下は、eラーニングを導入した2つの企業の事例です。新入社員と管理職向けに導入した詳細をご紹介します。

株式会社バイク王&カンパニー

株式会社バイク王&カンパニーは、「成績や営業効率を上げたい」「新しいことにチャレンジしたい」という社員の声からeラーニングを採用しました。新入社員向けの教材として活用することで、教材を学んだ社員は自身の業務や数値などに表れています。

社員が入社した後にeラーニングを活用して、早い段階で昇進につなげています。同社は営業職の社員が多いため、学習の進捗を管理できる点が自社の方針に合っていたことで成功しました。
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伊勢半グループ

伊勢半グループは新任管理職の研修用にeラーニングを導入したことで、社員の業務に対する不安を解消させました。eラーニングを採用したことで管理者を登用する際の公平な試験が実施できるようになり、試験にかかる作問や試験監督、採点などの負担の軽減にもつなげています。

管理者としての全体認識や知識部分を学習でき、職務につく不安の低減につなげています。社員が「何をすべきか」の判断が明確になり、意思をもって自主的に行動できるようになりました。
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eラーニングの導入を成功させるには

eラーニングの導入を成功させるためには、目的の明確化と教材の質が重要です。以下で解説します。

導入の目的を明確にする

eラーニングを導入するのは企業の課題を明確にし、社員に課題を達成させるためです。社員が受講する際は学びたいものや、学んだことで得られるものを意識させて、目的意識を持たせる必要があります。

eラーニングの目的は導入ではなく、社員が実務に活用するために知識や技術を身につけることです。導入の目的が具体的であるほど、質の高い研修や教育が可能になります。目的がない状態で受講してしまうと、教育の効果を下げるため注意が必要です。

教材の質を高める

社員の理解度を高める動画や小テストやドリルなど、教材の質を高めることは重要です。教育や研修などに必要な教材をそろえて、コンテンツの整合性のチェックを徹底しましょう。

教材のコンテンツは一度作って終わりでなく、適宜修正しながら質を高める必要があります。受講者の理解を深めるために、学んだ知識や技術を落とし込む内容で作成することをおすすめします。研修後のフォローも欠かさずに行いましょう。

eラーニングの実際の使い方

eラーニングの実際の使い方は、学習者と管理者それぞれの視点から考えるのがわかりやすいです。それぞれの使い方について、視点毎に解説します。

学習者

まず学習者にとっての使い方としては、学びの観点から見やすさ・使いやすさ・わかりやすさの3点が重要です。学習する度に煩雑な手間が掛かるようでは、準備段階で学習者が意欲を失ってしまいます。若い世代だけでなく、ベテランにもわかりやすいインターフェースを用意し、学習しやすい環境を提供しましょう。また教材は受講して終わりではなく、受講後の簡単なレポートやアンケートを用意し、疑問を管理職と講師に質問できる環境設定も重要です。さらに学習者のモチベーションを維持するには、学習者同士でコミュニケーションを取れるツールがあると便利です。eラーニング自体は個別に受講するものですが、社内で一緒に学んでいるという連帯感があれば、学習への意欲に繋がります。以上を踏まえたうえで、学習者の視点でeラーニングを効果的に使うなら、次のようなポイントが必要です。

  • 1.インプット学習の充実
  • 2.インプット後のアウトプット学習の環境
  • 3.学習者同士のコミュニケーション・コミュニティ
  • 4.スケジュールの設定
  • 5.学習後の質問権
まずインプット学習では、動画を視聴するだけでなく、テキストや電子教材もセットになっていると効率的です。特にスマホしか持っていない方の場合、画面が小さくて文字が見えにくいため、テキストで音声と合わせて視聴することになります。加えてリアルタイムで受講できるシステムもあれば、その場で質問もできるので効率的でしょう。インプット学習だけでは実践に結びつかないことから、アウトプット学習も用意しておくべきです。受講後の簡単なテストやレポート、アンケートを実施することで、受講した内容がどの程度身に付いているか分析します。人間は1日経過すれば、学んだことのほとんどを忘れてしまいます。学習内容を記憶に定着させるためにも、インプット学習後早期の振り返りを大切にすべきです。

管理者

管理者の視点での使いやすいeラーニングは、学習者の学習管理を行いやすく、直感的で多機能さを実現したシステムのものです。管理者は立場上、日常的に部下の業務管理を行っているため、管理に工数が必要なeラーニングシステムは好まれません。eラーニングを効率的に運用するために、最低限「学習管理システム」を搭載したサービスを選ぶべきです。その点を踏まえて、次のポイントが充実しているサービスを選びましょう。

  • 1.受講者登録機能
  • 2.履修登録機能
  • 3.教材作成機能
  • 4.コース作成機能
  • 5.受講管理機能
  • 6.メンタリング機能
部署毎に管理者を配置するのが一般的ですから、受講者登録機能で部署によるグループ分けを行い、誰に対して何を受講させるか登録する機能は必要です。教材についても、提供されている物だけでなく、アウトプット学習への利用や社内研修への活用などのために、教材作成機能があると便利です。受講管理機能では、学習者がどの単元まで進んでいるか把握でき、遅れている社員には声掛けを行う判断材料になります。そして、メンタリング機能も非常に重要です。eラーニングでは一方的に動画視聴で学習することになるため、双方向のやりとりが難しいという特性があります。メンタリング機能があれば、他の学習者に知られることなく、ひとりひとりの学習をサポートできます。こうした機能を最大限活用し、学習者の効率を最大化するのが管理者側のeラーニングの使い方です。

まとめ

eラーニングは研修や教育などの学習効率を高め、コストを削減するために有効な手段です。ただし、教材の質を高めたりモチベーションを維持したりする工夫は必要です。質の高い教育を提供するために、社内の体制の整備やeラーニングの提供会社が持つ知見やノウハウの活用を検討するといいでしょう。

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