• 更新日:2023/07/21

眠れないまま朝になることが頻繫にある人は、睡眠障害の可能性があります。睡眠障害は精神的なストレスや生活環境などが原因なので、不眠を改善するための対策が必要です。この記事では、不眠になる原因や睡眠障害の種類、眠りにつきやすくなる対策を解説します。不眠の症状に悩む人は、睡眠を改善するための参考にしてください。

眠れないまま朝になってしまう原因

眠れないまま朝になってしまう原因は、以下のようなものがあります。

  • 精神的なストレス
  • 生活環境
  • 女性ホルモンの乱れ
  • アルコール・カフェインの摂取
ここでは、それぞれが睡眠に及ぼす影響について解説します。

精神的なストレス

精神的なストレスや疲労を感じていると、眠れなかったり途中で起きたりする原因になります。精神的なストレスを感じていると、眠気をもたらすホルモンである「メラトニン」や「セロトニン」の分泌が減少するためです。たとえば、職場や学校の人間関係などに悩み、不安を感じると精神的なストレスを感じやすくなります。

生活環境

寝室の温度や湿度が体に合っておらず、快適な環境でないことは不眠の原因になります。睡眠が取りにくい環境は、不規則な食事や夜ふかしなどの生活の乱れを引き起こし、眠りにくくなるため注意が必要です。また、スマートフォンやパソコンなどから強い光を受けると、脳に昼間だと錯覚させてしまいます。寝る前は、スマートフォンやパソコンなどの電子機器を触らないように対策しましょう。

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンの乱れは体温のリズムを崩すため、睡眠に入りにくくなったり、日中に眠気が襲ってきたりします。眠気の原因は、女性ホルモンの一種である「アロプロゲステロン」が分泌されることで、体温が上昇するためです。また、生理中はストレスから身を守る「エストロゲン」の分泌量が減り、不眠に陥りやすくなります。

アルコール・カフェインの摂取

アルコールは少量の摂取であれば眠りやすくなりますが、飲み過ぎると浅い眠りである「ノンレム睡眠」の状態が続き、睡眠の質を落とします。一方、カフェインに含まれる覚醒作用は、交感神経を刺激し、脳や体が興奮状態になります。寝る前に、お酒やコーヒー、お茶などを摂取しすぎると、眠りにくくなるので注意しましょう。

睡眠障害の種類

睡眠障害のタイプには、以下があります。

  • 不眠障害
  • 過眠症
  • 睡眠呼吸障害
  • 概日リズム睡眠障害
  • 睡眠関連運動障害
  • 睡眠時随伴症
ここでは、それぞれの不眠の症状について解説します。

不眠障害

不眠障害は眠りにくくなったり途中で起きたりして、夜間の眠りに問題が起きている状態です。不眠障害になると、朝早くに目が覚めることが増えて、日中の生活に支障をきたしやすくなります。

過眠症

過眠症とは十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる状態です。夜間に睡眠を取っていても、眠りの浅い状態が続く慢性疾患となります。代表的な症状は、日中に居眠りを繰り返す「ナルコレプシー」や「睡眠不足症候群」などです。10代から20代前半の若者は、過眠症になりやすい傾向にあります。

睡眠呼吸障害

睡眠呼吸障害とは睡眠時に舌の根元が喉を塞ぎ、いびきによって低呼吸になったり、呼吸が止まったりする病態の総称です。代表的な症状として、夜間睡眠中に繰り返し呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」があります。首が短い人や下顎が小さい人、肥満の人などが、睡眠呼吸障害になりやすい傾向にあります。

概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害は、日中に眠気が襲ってきたり、夜に目が冴えたりする症状です。昼夜が逆の仕事をしている人や不規則な生活習慣がある人は、概日リズム睡眠障害になりやすいため、社会生活に支障をきたす可能性があります。

睡眠関連運動障害

睡眠関連運動障害は、不快感によって足を中心に体を動かしてしまう症状です。睡眠関連運動障害の原因は、鉄分不足やドーパミンの機能低下、妊娠、透析などが関係するとされています。

睡眠関連運動障害は2つあり、1つは「むずむず脚症候群」です。睡眠中や入眠時に足がムズムズしたり、歯ぎしりをしたりするため、入眠を阻害する原因になります。2つ目は「周期性四肢運動障害」です。下肢が細かく震える症状を起こし、入眠を阻害します。

睡眠時随伴症

睡眠時随伴症とは睡眠中の心身機能異常で、悪夢や寝ぼけ、寝言、急に走り出すなどの症状が起こります。小児が睡眠時随伴症になると、泣き叫んで目を覚ます「夜驚(やきょう)」や夢中遊行のような症状が起こり、高齢者はレム睡眠行動障害になる可能性があります。

レム睡眠行動障害とは、夢の内容と同じ異常行動をしたり、大きな寝言を言ったりする睡眠障害です。睡眠時随伴症になると、睡眠を妨げるだけでなく、本人や周囲の人に危険を及ぼす可能性があるため注意しましょう。

眠れないまま朝になった場合に受診する目安

1か月以上睡眠の不調が続いた場合、医師に診断してもらう必要があります。睡眠不足が1か月以内であっても、仕事や学校などの日常生活に支障をきたす場合は、すぐに受診することをおすすめします。

不眠を改善する方法

不眠を改善する方法としては、以下のような方法があります。

  • 睡眠前に入浴する
  • 生活に運動を取り入れる
  • 就寝環境を整える
  • 朝日を浴びる
ここでは、それぞれの効果について解説します。

睡眠前に入浴する

睡眠前に入浴すると、不眠を改善する効果が期待できます。人間は体温を上げることで、入眠ニューロンが活性化して眠りやすくなるためです。寝る1〜2時間前にぬるめのお湯につかり、就寝前の体を温めましょう。入眠時の寝室の温度も上げておくと、スムーズに睡眠に入れる可能性を高められます。

生活に運動を取り入れる

運動の習慣をつくると、夜間の睡眠が安定しやすくなります。ただし、不眠を改善するには、継続的に運動する必要があります。寝る前に激しい運動をすると興奮状態となり睡眠を妨げる原因になるため、体に負担をかけないように、軽めのストレッチやウォーキング、軽いランニングなどを習慣にするといいでしょう。

運動を寝る3時間前程度までに完了させておくことで、就寝時に体温が下がって眠りに入りやすくなります。

就寝環境を整える

睡眠の質を高めるために、室内だけでなく、寝衣や寝具などの就寝環境を工夫しましょう。適度な硬さのベッドマットや敷布団を使い、吸水性や保湿性の高い布団を使うと、リラックスできる環境で眠れるのでおすすめです。室内は明るすぎない状態で、季節に応じて温度や湿度を調節し、心地いい環境を整えるといいでしょう。

朝日を浴びる

朝の強い光は体内時計を整える効果があります。人間の体は寝起きに光を浴びると、約14時間後以降に眠気が生まれるとされています。朝の太陽の光は眠気が生じる時間を早くするため、就寝する時間の調整が可能です。起きた後に窓を開けて、外の空気を取り入れて深呼吸すると、体内時計を整えられます。

仕事や学校で眠れないまま朝になった際の対策

仕事や学校で眠れない状態が続いた場合は「仮眠をとる」「カフェインを摂取する」といった対策がいいでしょう。

ここでは、それぞれのメリットや注意点を解説します。

仮眠をとる

昼の休憩時間に、15分から20分程の仮眠をとると寝不足の解消につながります。短時間の仮眠をとると脳の疲労が解消して、頭がスッキリしやすくなります。ただし、30分以上の仮眠をとると、夜の睡眠に悪い影響を及ぼすため避けてください。

また、体内時計は15時以降を夜の時間と認識するため、15時までに仮眠を取りましょう。寝不足で生活に支障が出ている場合は、夜に早く寝ることが重要です。

カフェインを摂取する

眠気が強い場合、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインが含まれる飲料を摂取すると、体が覚醒しやすくなります。ただし、カフェインの過剰な摂取は、精神的なストレスや夜間の不眠を引き起こす可能性があるため避けてください。眠気の対策は、コーヒー1杯程度を目安にカフェインを摂取するといいでしょう。

眠れないまま朝になった場合の運転は?

睡眠不足の状態で運転すると、事故につながるため控えましょう。仕事で運転が必要な場合は、カフェインの摂取や仮眠などで、眠気を抑える工夫が必要です。また、歌を歌ったり、ガムをかんだりするのも眠気防止の効果が期待できます。

眠れないまま朝を迎えて、徹夜明けの状態になった場合、飲酒運転と同じ感覚での運転となります。眠気が強い場合は、事故が起きる可能性を抑えるために運転を避けることが重要です。

まとめ

眠れないまま朝になった場合は、自身の睡眠の妨げになる原因を知り、対策を行いましょう。日々の生活で入浴する時間の調整や運動の習慣など、入眠しやすくなる方法がおすすめです。睡眠の症状によっては、改善するために知識とスキルが必要になる場合があるので、睡眠改善や快眠習慣を学んで実践することも検討しましょう。

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