心理学は、人の心を解明する学問であり、ビジネスやプライベートにも役立つものです。心理学を学びたい人や学び直そうと考えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、心理学の基本や学ぶメリット、心理学の種類について解説し、ビジネスやプライベートで活かせるスキルや資格を紹介します。心理学の知識を深められますので、ぜひ参考にしてください。

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心理学とは?

心理学とは、人間の心の動きを科学的に解明しようとする学問です。心の表れとして、人の行動も心理学の対象となります。

心理学を活かして社会活動をすれば、人間関係が円滑になったり、改善することも期待できます。説得力・影響力がある発言ができたり、コミュニケーション能力が向上するなどの効果を得られるでしょう。心理学にはたくさんの種類があります。自分に適した心理学を選び学ぶことによって、ビジネスやプライベートなどさまざまな場面で活用できます。

心理学の種類

心理学は、大きく分けて基礎心理学と応用心理学の2つの種類があります。それぞれについて解説します。

基礎心理学

基礎心理学とは、人間が持っている心のメカニズムを一般法則として理論的に解明する心理学です。後で紹介する応用心理学の基礎となるため、心理学を学ぶ際は、基礎心理学から取り組むのもおすすめです。代表的な基礎心理学を次に5つ挙げます。

・生理心理学
・発達心理学
・学習心理学
・人格心理学
・社会心理学

ここでは、それぞれを順に紹介します。

生理心理学

生理心理学は生物心理学とも呼ばれ、心理状態と体の反応についての関係性を研究する分野です。脳波や心電図などから、行動の心理的機能と生理的機能の関係を科学的に分析します。心の動きに合わせて、脳のどの部分が動き、体がどう反応するか、といった研究をします。

発達心理学

発達心理学は、人の一生における発達過程の中で、年齢を重ねるごとに心に起きる変化について研究する分野です。加齢に伴う人の発達段階を研究しており、乳幼児心理学や児童心理学、青年心理学、老年心理学などに分けられています。

学習心理学

学習心理学の学習とは勉強することではなく、人が生きていくうえで経験する全てを学習として捉えます。学習心理学は、その経験が人の行動や心にどのような影響を及ぼすのか、その関係などを研究する分野です。

人格心理学

人格心理学の人格とは、人を特徴づける一貫した持続的行動パターンのことであり、パーソナリティともいわれています。人が行動するときに、どのような思考や感情を持っているのか、「その人らしさとは何か?」を理解するために研究する分野です。

社会心理学

社会心理学は、社会的な要素が人に与える影響やグループ内での人間関係などを研究する分野です。家族や友人、恋人といった小さい集団だけでなく、会社や学校などの大きい集団も研究の対象となります。

応用心理学

応用心理学とは、基礎心理学をもとに、教育や医療、スポーツなどの分野で活用するための具体的な研究をする心理学の分野です。応用心理学は幅広い分野で活用されていて、政治や経済、産業、福祉、犯罪から捜査の他、身近な生活、恋愛などの分野でも活用されています。代表的な応用心理学を次に5つ挙げます。

・教育心理学
・臨床心理学
・災害心理学
・スポーツ心理学
・犯罪心理学

ここでは、上記5つの応用心理学の分野について紹介します。

教育心理学

教育心理学は、教育の現場で起こる問題を心理学の面から検討し、主に子供のよりよい成長や人格形成を援助する分野です。生徒のやる気や能力の伸ばし方、教師と生徒のコミュニケーションなど教育の場で幅広く活用されています。

臨床心理学

臨床心理学は、心理学を用いて、精神疾患や不適応行動などに対する援助や予防を行う実践的な分野です。精神疾患で苦しむ人に心理的援助を行う研究分野であるため、ストレス社会の中で、大切な役割を果たしています。

災害心理学

災害心理学は、災害が発生したときの人の心理状況や行動を研究する分野です。災害対策に応用するための研究であり、人的な要因による二次災害の防止も目的の一つとなっています。自然災害以外にも労働災害や交通災害なども研究の対象です。

スポーツ心理学

スポーツにおける心理的な課題を、基礎心理学を応用し、明らかにしていく研究分野です。心理学の科学的な知識を活かし、スポーツの実践や指導に取り組むことで、高いパフォーマンスを発揮できるようになります。スポーツ選手のメンタル指導などにも役立ちます。

犯罪心理学

犯罪心理学は、犯罪者の心理や犯罪行為を、基礎心理学を応用して研究する分野です。犯罪が起きる状況や犯行の動機なども研究の対象となります。犯罪捜査や法廷での尋問などに活かされていて、罪を犯した人の更生にも役立っています。

心理学を学ぶメリット

心理学は、大学などで学ぶだけではなく、個人でも勉強できる学問です。ここでは、心理学を学ぶメリットを紹介します。

自分の心を理解できる

心理学を学ぶことで、自分の心を理解しやすくなります。漠然としていた自分の思考や行動パターンも科学的な視点から理解できるようになるでしょう。

自分の思考や行動パターンがわかれば、自分をコントロールしやすくなるため、ネガティブな感情やクセも修正できるようになっていきます。

対人関係を改善できる

心理学を学ぶことで、対人関係の改善が期待できます。相手の感情や気持ちを推し量ることが上手になるため、コミュニケーションがとりやすくなるでしょう。

相手の心理がわかれば、適切な距離がとりやすくなります。相手にとっても自分にとっても安心感のある、心地よい人間関係を築くことができるでしょう。

ストレスに対処できる

心理学の知識をもとに自分を知ることにより、ストレスの原因がわかることもあります。原因がわかれば、ストレスの対処方法も具体的に考えやすくなります。

現代社会において、ストレスをゼロにすることは難しいかもしれませんが、原因がわかれば、ストレスとも上手に付き合えるようになり、ストレス軽減も期待できるでしょう。ストレスの軽減により、自分のモチベーションを高められ、周囲との人間関係も良好になるでしょう。

ビジネスに活かせる

心理学はビジネスにも活かせる学問です。心理学を活用すれば、ビジネスで大切なモチベーションを高めることができます。リーダーとして、チーム全体のモチベーションを高めることも可能です。

日常のビジネスシーンでも、心理学の知識を活かして説得力のある企画や提案ができるようになったり、相手の心をつかむプレゼンテーションができるようになる効果も期待できます。

家族との関係がうまくいく

心理学は、最も身近な存在である家族との関係の改善にも役立ちます。夫婦であれば、互いの価値観や違いを認めるためのヒントにもなり、感情の行き違いなどについても、これまでとは違った視点からうまく対処ができるようになるでしょう。

子育てにおいても、心理学の知識を得ることで、子供の気持ちに寄り添いやすくなります。子供の悩みを上手に引き出し、解決への糸口を気づかせてあげられるヒントや気づきを得ることができ、家庭の調和を保つことにつながります。

ビジネスに活かせる心理学のスキル

心理学は学問として学ぶだけでなく、日々の仕事や生活に活かすことができます。ここでは、ビジネスに活用できる心理学を活用したコミュニケーションスキルを紹介します。

ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイスは、交渉に役立つ心理学スキルです。承諾を得ることが難しい要求を提示した後に、受け入れられやすい要求を提案することによって交渉をスムーズに成立させます。相手に拒否反応を意図的に発生させることがポイントです。

フット・イン・ザ・ドア

フット・イン・ザ・ドアは、最終的に大きな要求を受け入れてもらうための心理的交渉スキルです。段階的要請法とも呼ばれていて、小さな要求を受け入れてもらうことで、次の大きな要求を断りにくくします。

ミラーリング

ミラーリングは、相手に良い印象をもたせる心理学スキルです。人には自分と似たものを好きになるという心理があります。その心理を利用して、相手のしぐさや行動などをまねることにより、安心感や親近感を与えることが可能です。

モデリング

モデリングは、尊敬したり憧れたりしている人をまねることで、その人と同じような能力を得ることです。代表的な例は、親子関係です。乳幼児は、親の言葉や行動を見聞きして言葉を覚えたり歩き始めたりします。これを心理学的手法として体系化したスキルがモデリングです。

プラシーボ効果

プラシーボ効果は、信じ込ませたり思い込ませたりすることで、能力以上のものを発揮させ、実力向上や成果につなげる心理学スキルです。部下や後輩らへのアドバイスの中に、プラシーボ効果を織り込むことで、能力以上の成果を上げさせることができるでしょう。

プライベートに活かせる心理学のスキル

心理学を学べば、プライベートに活かせる法則やテクニックも数多くあります。代表的な4つのスキルについて解説します。

類似性の法則

類似性の法則は、自分と共通点の多い人に親近感を抱くという心理を利用したスキルです。 前述したミラーリングはこの法則を利用しています。この法則は、相手との共通点がたくさんあればあるほど、強く作用することが特徴です。

自己開示

自己開示は、相手よりも先に自分のことを開示することで、相手の警戒心を解き信頼関係を築くきっかけにする心理学スキルです。自分のことを話せば、相手は自分のことを知ることができます。知ることによって、相手の方から距離を縮めてくることもあります。

返報性の法則

返報性の法則は、何かをしてもらったら、お返ししたくなるという心理を利用したスキルです。距離を縮めたい相手に対して、先に何かを与えることから始めてみましょう。相手がお返ししたいと思うようになれば、このスキルが通用したことになります。

単純接触効果

単純接触効果は、何度も同じ相手と会っているうちに警戒心を解いたり好意を抱いたりすることがある心理学の法則です。友人関係を築きたい場合や好きな人との距離を縮めたい場合に役立ちます。接触時間を長くするよりも、接触回数を増やすことがポイントです。

心理学が学べる資格・講座

心理学は、大学やスクール自己流で学ぶだけではなく、通信講座でも学べます。ここでは、心理学や心理学に関する知識が学べる資格や講座を紹介します。

メンタルトレーニング講座

メンタルトレーニング講座では、暮らしの中で心や体に不調を感じさせないためのメンタルトレーニングを学ぶことができます。心理学に基づいたトレーニングにより、ストレスを解消したり、コミュニケーションスキルを高めたりすることができる講座です。

沈みがちな気分を回復させたい人やストレスを解消したい人、悩みを解決したい人などにおすすめできます。

アンガーマネジメント講座

アンガーマネジメントは、怒りの感情をコントロールし、怒りと上手に付き合えるようになれることを目指す講座です。在宅受験でアンガーマネジメント ベーシック資格を取得できます。

この資格は、「些細なことでついイライラ…」「怒ってしまったことを後悔…」という風に日々の中で怒りに関する悩みを抱えている方におすすめです。性別年齢を問わずにおすすめできますが、特に怒りの感情を抑えられずモノや人につい当たってしまうという方は積極的に受講を検討しましょう。

心理カウンセリング講座

心理カウンセリング講座は、カウンセリングの基礎知識を身につけることができる講座です。講座を修了ことによって、「心理カウンセラー ベーシック」の資格取得も可能に。心理カウンセラーを目指す人の第一歩としてもおすすめできます。

心理カウンセリングの知識を身につければ、自分自身の悩み解決のヒントになったり、人間関係やコミュニケーションの改善にも活かせるでしょう。
※心理カウンセリング講座のカリキュラムは、プロの心理カウンセラーとして、心理カウンセリングを行ったり教えたりするレベルには設定されていません。

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