昨今、事務系の業務が多様化し、求められる能力も多彩になっています。「キャリアアップや転職に有利なおすすめの資格が知りたい」と考えている方も多いでしょう。

この記事では、事務系の資格取得を検討中の方に向けて、おすすめの資格を紹介します。具体的な資格名に触れながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。

なお、おすすめの資格ランキングは、2021年1月~2021年10月のユーキャンHP上での案内資料請求数をもとに作成しています。

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一般事務の仕事内容

一般事務は、基本的な書類作成やファイリング、データの入力、来客の対応などその仕事内容は多岐に渡ります。パソコンなどの機器を使用することから、OA事務と呼ばれることも多いです。

企業や部署によって、特定の業務だけをやっていることもあれば幅広く対応することもあるなど、仕事内容は大きく異なります。

書類作成

書類作成は、一般事務の典型的な業務です。企業で使用するさまざまな書類の作成をします。作成する書類内容は担当部門や部署によって異なります。

例えば、営業部門では営業資料や見積書などの作成、法務であれば契約書のような重要書類を作ることがあります。経理部門であれば、決算書類など、経理に関する書類を作成します。

ファイリング

作成した書類をファイリングするのも、一般事務の重要な業務です。社内資料や書類の管理を行い、種類や日付別にファイリングします。後日書類を参照することもあるので、カテゴリー別にしっかりとファイリングする必要があります。

データ入力

一般事務は、データ入力を任されることも多いです。売上や顧客データのような、業務に関するデータを入力し、後から参照しやすいように管理します。シンプルな業務ではありますが、正確性が求められる重要な仕事です。

電話・メール対応

電話やメールの対応も一般事務の仕事です。企業の顔として電話の取り次ぎを行い、担当者につなぐ役目を果たします。また、問い合わせの内容によっては、担当部署に振り分ける場合もあります。コミュニケーション能力が求められる業務です。

来客対応

電話やメールだけでなく、来客時の受付対応を行うこともあります。例えば、クライアントの来客時は、事前に会議室の準備をします。また、必要に応じてクライアントにお茶出しなどをすることもあるでしょう。

備品管理

備品管理も一般事務の業務です。主な業務内容としては、消耗品の調達や管理、OA機器の修理依頼などです。「どれくらい消耗品が足りないか」「どの機器を修理するべきか」を知る必要があるため、普段から部署のことをよく見ていなければなりません。

その他

ここまで紹介した業務の他にも、郵便物の発送や仕分けなど、「庶務」に関する業務も多くこなすことが多いです。また、企業によっては営業部門や人事・労務部門の仕事など、より幅広い業務を任されることもあります。

一般事務職で資格を持っているとどんなメリットがある?

一般事務職は、企業や部署によって任される業務の範囲が違うため、基本的に必須とされる資格はありません。しかし、特定の資格を保有しておくことで、有利に転職やキャリアアップを進められるというメリットがあります。

また、資格を持つことで実務をより円滑に進められるスキルやビジネスマナーが身に付くなどのメリットもあります。「自分なりの武器がほしい」と考えている方は、一般事務職に役立つ資格取得を検討してみましょう。

一般事務職におすすめの資格5選

一般事務職に必須の資格はありませんが、取得しておくと便利な資格はいくつか存在します。ここでは、一般事務職におすすめの資格を解説します。

簿記

簿記は、企業の資産(純資産)や負債の増減を管理するもので、事務職におすすめの資格です。日商簿記と全商簿記の2種類がありますが、一般的には日商簿記を指すことが多いです。簿記の資格を保有しておくことで、会計の知識が身につき、幅広い事務職で有利になります。

簿記の試験は、仕訳の問題が主になります。簿記3級は、主に経理補助者としての基礎知識が必要になります。簿記2級になると工業簿記が登場し、より本格的な内容になります。

簿記3級

簿記3級は、事務系資格の定番でもあり、経済学部などの大学生にも人気があります。簿記3級を取得することで、貸借対照表や損益計算書の基本がわかり、企業のお金の流れがつかめるようになります。

資格試験としての難易度は比較的やさしく、100点満点中70点以上を取ることで合格できます。過去3回分、第156〜158の合格率は、28.9%〜67.2%です。

試験内容は、現金預金や商品売買の問題、有形固定資産など基本的な内容がほとんどです。簿記の基礎を理解し、仕訳の練習をしていれば、合格できるでしょう。

簿記2級

簿記2級は、3級よりも上級の内容を扱い、試験問題の難易度も跳ね上がります。最近では試験内容に「連結会計」が追加され、従来よりもかなり難しい試験になりました。合格基準は、商業簿記が60点以上、工業簿記が70点以上となっています。過去3回分、第156〜158回の合格率は、8.6%〜24.0%です。

商業簿記では、基本的な仕分け問題や、帳簿関係、勘定記入、決算を伴う総合問題などが出題されます。また、工業簿記では、費目別計算・部門別計算・勘定記入や、各種原価計算などのハイレベルな問題が出題されます。

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、「ExcelやWordなどのスキルを証明する資格」です。全国一斉試験と、随時行われている試験の2つの受験タイプから選択できます。

合格基準は、1000点満点中700点以上です。合格率は公表されていませんが、パソコンスクール受講生の結果などを見ると、比較的合格しやすい資格です。

試験科目は、WordやExcelをはじめ、PowerPoint、Access、Outlookがあります。一般レベルであれば、各科目の基礎的な内容を扱います。上級レベルは、さらに複雑な問題が出題されます。

MOS365

MOS365は、Microsoft365をベースとした試験です。2023年12月時点では最新バージョンとなっています。
MOS365ではMOS2019と出題範囲は大きく変わりませんが、例えば、Excelの一般レベルでは新たな関数の問題が追加されています。試験対策するうえで、出題範囲の変更点を事前に把握できるといいでしょう。

Officeのバージョンごとに試験範囲が異なるので、お使いのPCのバージョンなどご自身の環境に合わせてコースを選択することが大切です。

MOS2019

MOS2019は、Office2019バージョンの試験で、Officeの新機能に対応しているのが特徴です。例えば、Excelは新しい関数が追加されており、問題内容にも反映されています。他にもスライドズーム機能や手書き入力用インク機能など、覚えておきたい新機能が多数あります。

合格率は、他のMOS試験と同じく公開されていません。ExcelやPowerPointの出題範囲の変更点を確認し、苦手な分野を重点的に勉強するといいでしょう。

MOS2016

MOS2016は、MOS2013をさらに発展させた試験です。MOS2013が1つのファイルを完成させる「ファイル完成型」の試験だったのに対して、MOS2016は「マルチプロジェクト」という形式になっています。

マルチプロジェクトは、数個の小さなプロジェクトで構成されています。それぞれのプロジェクトには、数個のタスクが割り当てられており、受験者は各プロジェクトのタスクをこなしていきます。

MOS2016の合格基準は1000点満点中700点以上で、合格率は非公開です。Excelの一般レベルであれば、ワークシート・ブック・テーブルの作成、セル関連、数式や関数、グラフ・オブジェクトなどが出題されます。

ITパスポート

ITパスポートは、国家試験のひとつで、ITに関する基礎的な知識を証明します。ITパスポートの試験は、CBT方式と呼ばれるもので、コンピューターを利用して実施します。合格基準は1000点満点中600点以上となっており、2020年度の合格率は58.8%です。おおよそ2人に1人程度の受験者が合格する計算になるため、取得難易度は高くないといえるでしょう。

ITパスポートの出題形式は択一式(4択)です。出題分野は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3種類であり、なかでもテクノロジ系の問題が最も多いです。

秘書検定

秘書検定は、電話や来客対応のマナー・正しい敬語の使い方など、ビジネスマナーのスキルを証明する資格です。学生の受験者も多く、特に就職・転職時に大きなアピールポイントになります。

合格基準は、理論と実技でそれぞれ60点以上です。2021年6月第124回の合格率は、3級70.2%、2級54.6%、準1級39.0%です。

3級と2級は筆記試験のみですが、準1級から面接試験も行われます。筆記試験は、理論と実技の2種類です。理論で出題される範囲は、必要とされる資質・職務知識・一般知識です。実技で出題される範囲は、マナーや接遇、ファイリングなどの技能です。

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