IT系の資格の種類は大きく3種類存在する
IT系の資格には大きく分けて「国家資格」「ベンダー資格」「ベンダーニュートラル資格」の3種類があります。それぞれの資格にどのような違いがあるのか紹介します。
国家資格
国家資格は国が認定・実施する公的な資格で、代表例として「情報処理技術者試験(基本情報・応用情報・高度区分など)」があります。信頼性と認知度が高く、業界を問わず通用する汎用的なスキルの証明として重視されます。法的な効力はありませんが、客観的評価としての価値が高く、就職や昇進の際にも強い武器となるでしょう。資格そのものが体系的な知識の習得にも適しており、ITエンジニアの基礎力の証明に最適です。
ベンダー資格
ベンダー資格は特定の企業(ベンダー)が自社製品や技術に特化して認定する資格で、例としては「Microsoft認定資格」や「Cisco認定資格(CCNA)」などがあります。実務に直結した内容を問われることが多く、製品の導入・運用・保守において即戦力としてのスキルを証明できます。特定のソフトウェアやハードウェアを扱う職種では特に有効で、特定技術のスペシャリストを目指す人に適した資格です。
ベンダーニュートラル資格
ベンダーニュートラル資格は、特定の企業や製品に依存しない中立的な立場で設計された資格で、代表例には「CompTIA」「情報セキュリティマネジメント試験」などがあります。幅広い技術や理論を基礎から学べることが特徴で、応用力のある知識を身につけられます。複数の技術や環境に対応する必要がある現場や、ITの基盤知識を広く持ちたい人に向いており、キャリアの土台作りにも効果的です。
【分野別】ITエンジニアにおすすめの資格25選
【分野別】ITエンジニアにおすすめの資格を25個紹介してください。
既存の
最初に取得を目指すべきIT資格3選
マネージャー系のIT資格4選
エンジニア系のIT資格25選
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開発関連の資格試験
開発関連の資格試験には次のものがあります。
・基本情報技術者
・応用情報技術者試験
・システムアーキテクト試験
・ITパスポート試験
・C言語プログラミング能力認定試験
1. 基本情報技術者
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格で、ITエンジニアの登竜門とされる情報処理技術者試験のひとつです。出題範囲は、コンピュータの基礎理論、プログラミング、ネットワーク、セキュリティ、データベース、ITマネジメントなど多岐にわたり、IT分野の総合的な基礎力を評価します。この資格を取得することで、ITに関する体系的な知識の習得が証明され、エンジニアとしての信頼性や市場価値が高まります。またIT職種以外でもデジタルリテラシーの証明として評価される場面が多く、社内でのキャリアアップや異動、転職の際にも有利です。新卒採用や転職時のアピール材料にもなるため、幅広い職種で活用できる有用な資格です。
2. 応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中級レベルに位置づけられる国家資格で、基本情報技術者試験よりも高度なIT知識と応用力が問われます。出題範囲はシステム設計、ネットワーク、セキュリティ、プロジェクト管理、経営戦略など幅広く、技術力だけでなくマネジメント力や課題解決力も求められるのが特徴です。この資格を取得することで、ITエンジニアとしての専門性と実践力の高さが客観的に証明されることとなり、企業内での信頼や評価が高まります。またプロジェクトリーダーや管理職候補としての登用といったキャリアアップにも有利になり、キャリアの選択肢が広がるメリットがあります。加えて一部の高度情報処理試験での科目免除なども受けられ、さまざまな上位資格へのステップアップにも役立つ有用な資格です。
3. システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、大規模な情報システムの企画・設計・開発を担う上級エンジニアに求められる知識とスキルを評価する国家資格です。試験では要件定義やシステム設計、品質管理、プロジェクト推進力などが問われ、技術力だけでなくマネジメントやビジネス視点も問われます。この資格を取得することで、上流工程をリードできるITプロフェッショナルとしての実力を証明でき、エンジニアとしての信頼性や市場価値が大きく向上します。特にITコンサルタントやプロジェクトマネージャー、ITアーキテクトなどを目指す人にとっては大きな武器となり、キャリアアップや昇進にも有利です。
4. ITパスポート試験
ITパスポート試験はIPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、ITを活用するすべての社会人や学生を対象とした入門レベルの資格です。試験内容はITの基礎知識に加えて、経営戦略や会計、プロジェクトマネジメント、情報セキュリティなど、ビジネスとITの両面をカバーする広範な分野から出題されます。この資格を取得することで、業界や職種を問わず基本的なITリテラシーを身につけた人材であることを客観的に証明できます。IT部門以外でも、デジタル化やDXが進む現代のビジネス環境ではITの基本知識は必須であり、業務効率化や他部署との連携にも役立つ資格です。また就職活動や社内選考での評価対象となることも多く、社会人基礎力のひとつとして幅広い場面で活用できる資格となっています。
5. C言語プログラミング能力認定試験
C言語プログラミング能力認定試験は、サーティファイが主催する民間資格で、C言語に関する知識とプログラミングスキルを客観的に評価する試験です。1級から3級まであり、3級は基本的な文法と構文、2級は応用的なアルゴリズムの理解、1級では実践的なプログラム設計力が問われます。この資格を取得することで、C言語の基礎から応用までのスキルを体系的に習得していることを証明でき、特に組み込み開発やシステム開発を行う職種で高い評価を得られます。未経験者のスキル証明や実務者のスキルアップにも有効で、現在の知識・技術レベルが明確化でき、就職・転職時のアピール材料にも役立つ点が強みです。また問題解決力や論理的思考力の向上にもつながり、他のプログラミング言語への応用力も育成できる点が大きなメリットです。
運用・保守業務従事者に適した資格試験
運用・保守業務従事者に適した資格試験には次のものがあります。
・ITサービスマネージャ試験
・ITIL🄬4資格制度
6. ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャ試験は、IPAが実施する高度情報処理試験のひとつで、ITサービスの企画・提供・運用に関する戦略的知識と管理能力を評価する国家資格です。試験内容は、サービス品質管理、運用改善、リスク管理、予算管理など幅広い分野をカバーし、組織のITサービス戦略をリードするための実践力が求められます。管理職がこの資格を取得することで、現場と経営層の橋渡し役となることが期待でき、ITサービス最適化や効率向上を図る能力が証明され、部門全体のパフォーマンス改善に貢献できます。また資格取得により、経営判断の精度向上やIT投資の正当性を示す重要なアピールポイントとなり、キャリアアップや昇進においてもメリットとなるでしょう。
7. ITIL® 4資格制度
ITIL® 4(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスマネジメントの国際的なフレームワークであり、ITサービスの提供・運用・改善を体系的に学べる資格制度です。資格レベルは「ファンデーション(基礎)」から始まり、上級の「マネージング・プロフェッショナル(MP)」「ストラテジック・リーダー(SL)」「プラクティス・マネージャー(PM)」など複数の段階に分かれており、役職や経験に応じた学習が可能です。ITIL® 4を取得することで、ITサービスをビジネス価値に結びつける思考や、継続的な改善を行う手法を習得できます。特に運用やサポート部門、マネージャー職にとっては、効率的で高品質なサービス提供を実現するうえで有用な知識となるでしょう。また国際的にも認知度の高い資格であるため、グローバルな企業や外資系でも高い評価を得られるのが大きなメリットです。
ネットワークエンジニア向けの資格試験
ネットワークエンジニア向けの資格試験には次のものがあります。
・ネットワークスペシャリスト試験
・CCNA(シスコ技術者認定)
・CCNP Enterprise
・LPIC(Linux技術者認定試験)
8. ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、企業のネットワーク設計・構築・運用・保守に関する専門的な知識と技術力を問う国家資格です。試験では通信プロトコル、セキュリティ、ネットワーク機器の構成、障害対応、可用性設計など、実務に即した内容が出題されます。この資格を取得することで、ネットワーク分野における高い専門性と実務能力を証明でき、エンジニアとしての信頼につながります。特にネットワーク管理者やインフラエンジニア、ITマネージャーを目指す人にとっては、昇進やキャリアアップに直結する武器として重要です。またプロジェクトの上流工程を担う際にも、設計力や判断力があることを裏付ける資格として高く評価されます。
9. CCNA(シスコ技術者認定)
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、シスコ社が認定するネットワーク技術者向けの国際資格で、ネットワークの基礎から構築・運用・トラブルシューティングまでを幅広くカバーする入門〜中級レベルのベンダー資格です。主にCisco製品をベースにしていますが、IPアドレッシング、ルーティング、スイッチング、セキュリティなど汎用的なネットワーク知識も学べる構成となっています。CCNAを取得することで、ネットワークに関する実務能力があることを国際的に証明でき、インフラエンジニアやネットワーク管理者としてのキャリア形成に役立ちます。またCisco製品を扱う企業や現場では即戦力として評価されやすく、転職・昇進時のアピールにも有効です。さらに上位資格(CCNPなど)へのステップアップにもつながります。ただしシスコシステムズ社の資格は、いずれも有効期限が3年と決まっている点には注意しましょう。
10. CCNP Enterprise
CCNP Enterprise(Cisco Certified Network Professional Enterprise)は、シスコ社が提供する中上級レベルのネットワーク資格で、エンタープライズネットワークの設計・構築・運用・トラブルシューティングに必要な高度な知識と技術力を証明する国際資格です。試験は必須の「コア試験」と、6つの分野に分かれた「コンセントレーション試験」からひとつを選択する構成となっており、柔軟に専門分野を深めることが可能です。この資格を取得することで、大規模ネットワーク環境における実践的なスキルと設計力を持つプロフェッショナルとしての評価が高まり、即戦力としての信頼性が向上します。特にネットワークエンジニアやインフラ担当としてキャリアアップを目指す人にとって、グローバル企業や大手SIerでも高く評価される資格です。またCCIEなど上位資格へのステップとしても有効で、専門性の強化とキャリアの拡張にメリットがあります。
11. LPIC(Linux技術者認定試験)
LPIC(Linux Professional Institute Certification)**は、LPI(Linux Professional Institute)が主催する、Linuxに関する知識とスキルを客観的に証明できる国際的なベンダーニュートラル資格です。LPICは「LPIC-1(初級)」「LPIC-2(中級)」「LPIC-3(上級)」の3段階に分かれ、システム管理・ネットワーク設定・セキュリティ対策など、実務で必要なLinux操作スキルが問われます。この資格を取得することで、Linux環境でのサーバ構築や運用、トラブル対応ができる技術者としての信頼性が高まり、インフラエンジニアやDevOpsエンジニアなどのキャリアに有利です。また特定ベンダーに依存しないスキルであるため、幅広い企業や環境で活用可能です。就職・転職時のアピール材料としても効果があり、技術力の裏付けとして高い評価を得られる資格です。
データベースエンジニア向けの資格試験
データベースエンジニア向けの資格試験には次のものがあります。
・データベーススペシャリスト試験
・ORACLE MASTER Gold DBA
12. データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、データベースの設計・構築・運用・保守に関する専門的な知識と実務能力を評価する国家資格です。試験では正規化やSQL、トランザクション制御、バックアップ、セキュリティ対策、パフォーマンスチューニングなど、幅広く深い知識が求められます。この資格を取得することで、大規模な業務システムの中核を担うデータベースに対する高度な専門性を証明でき、企業内での信頼性が高まり、重要な役割を任されることになります。特にシステムエンジニアやインフラ担当者、ITアーキテクトとしてのキャリアアップや昇進に有利であり、プロジェクトの要件定義や設計段階からリーダーシップを発揮する際の強い武器となるでしょう。
13. ORACLE MASTER Gold DBA
ORACLE MASTER Gold DBAは、オラクル社が認定するデータベース技術者向け資格「ORACLE MASTER」シリーズの上級資格で、Oracle Databaseの運用・管理・障害対応・チューニングなどに関する高度な知識と実践力を証明する資格です。取得には、下位資格(Silver)を取得したうえで指定された研修の受講と試験の合格が前提となるため、多くの知識と実務経験が必要です。この資格を取得することで、Oracle Databaseを中心としたミッションクリティカルな業務環境で、設計・運用の中核を担えるエンジニアとしての信頼性が高まります。またトラブル対応力やパフォーマンスチューニング能力など、実務に直結したスキルが身につき、社内外で高く評価されるため、インフラエンジニアやデータベース管理者としてのキャリアアップや昇進、転職に有利な資格といえます。
PM、コンサル志向のエンジニア向けの資格試験
PM、コンサル志向の方におすすめの資格試験には次のものがあります。
・ITストラテジスト試験
・プロジェクトマネージャ試験・PMP
14. ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、ITを活用した経営戦略の立案やシステム企画に関する高度な知識と実務能力を問う国家資格です。試験ではITガバナンス、業務改革(BPR)、投資対効果、情報化戦略など、経営視点とIT視点の両方からの戦略的判断力が求められます。そのため、一定の実務経験と管理職経験を持つ人ほど有利になるでしょう。この資格を取得することで、経営とITを結ぶ橋渡し役としての能力が証明され、IT部門の上流工程やマネジメント業務を担う人材として高く評価されます。また経営層やCIO(最高情報責任者)候補を目指す際の強力なアピール材料となり、キャリアアップや昇進、コンサルティング分野への転身にも有利な資格です。
15. プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、情報システムやITサービスのプロジェクトを計画・遂行・管理するための高度な知識と実践力を評価する国家資格です。試験ではQCD(品質・コスト・納期)管理、リスク対応、契約管理、チームマネジメント、ステークホルダーとの関係構築など、プロジェクト全体の統率力と責任感が問われます。この資格を取得することで、プロジェクトを成功に導くための総合的なスキルを有していることが証明され、マネジメント層や上流工程を担うポジションでの信頼性が高まります。またリーダーシップや調整力、課題解決力を備えた人材として社内外で高く評価され、キャリアアップや管理職登用につなげやすい点もメリットです。
16. PMP
PMP(Project Management Professional)は、米国のPMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネジメント分野における国際的な資格として、世界中で広く認知されています。試験ではPMBOK®(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)に基づき、立ち上げ・計画・実行・監視・終結の各フェーズにおける知識と実践力が問われます。この資格を取得することで、国際標準に基づいたプロジェクト管理スキルを有していることが証明され、大規模プロジェクトのリーダーとして信頼性を高められるのが強みです。特に外資系企業やグローバルプロジェクトでは高く評価され、昇進や転職時の強力なアピール材料として有効です。また組織内でのプロジェクト品質向上やリスク管理の強化にも貢献でき、マネジメント層へのステップアップにもつながります。
セキュリティ分野を目指すエンジニア向けの資格試験
セキュリティ分野を目指すエンジニアにおすすめの資格試験には、次のものがあります。
・システム監査技術者試験
・公認情報システム監査人(CISA)
・情報処理安全確保支援士試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・CISSP
17. システム監査技術者試験
システム監査技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつで、情報システムやIT運用に関する監査の知識と実務能力を評価する国家資格です。試験では情報セキュリティ、内部統制、リスクマネジメント、法令遵守(コンプライアンス)などを中心に、客観的・独立的な視点からシステム全体の妥当性や有効性を評価する力が求められます。この資格を取得することで、システム運用やITガバナンスに関する専門性を証明でき、内部監査部門や情報システム部門での信頼性が向上します。また経営層への説明責任を果たす能力や、リスクの早期発見・是正提案といった実務力が評価されるため、昇進やキャリアの幅を広げる武器となるでしょう。企業全体のITリテラシー・統制力強化に貢献できる人材として、高い付加価値を発揮できる資格です。
18. 公認情報システム監査人(CISA)
CISA(公認情報システム監査人:Certified Information Systems Auditor)は、ISACA(情報システムコントロール協会)が認定する情報システム監査、セキュリティの分野で世界的に認知された国際資格です。ITガバナンス、リスク管理、セキュリティ、監査手法などの専門知識と、実務経験を兼ね備えたことを証明する資格であり、IT監査や内部統制、セキュリティ管理に携わる専門家にとって重要な位置づけとなっています。この資格を取得することで、情報システムに対する独立かつ体系的な監査スキルが証明され、企業の内部監査部門やコンサルティング業界で高い評価を得られます。またグローバル基準に準拠した知識を持つ専門人材として、外資系企業への転職や国際プロジェクトへの参画といった面でも有利です。IT統制や法令遵守が重視される近年では、組織の信頼性向上に貢献できる人材として、キャリアの大きな強みとなる資格です。
19. 情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験(SC試験)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、情報セキュリティ分野における高度な知識と技術力を有する専門人材を認定する制度です。試験内容は脅威分析、セキュリティ対策の立案・実施、インシデント対応、セキュリティポリシー策定など幅広く、実践的なセキュリティ能力が問われます。この資格を取得すると「登録セキスペ」として国家による認定を受け、専門家としての社会的信頼が高まります。企業内のセキュリティ担当者としてだけでなく、CISO(情報セキュリティ責任者)やコンサルタントを目指す方のキャリアアップに強い味方となるでしょう。またサイバー攻撃の脅威が高まる中で、組織の安全を守る中核人材としての役割を担うことができ、昇進・転職にも有利な資格です。
20. 情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験(SG試験)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格で、企業や組織における情報セキュリティの管理・運用に関する基本的な知識と実務対応力を評価する試験です。試験ではセキュリティポリシー、リスク管理、インシデント対応、法令・規制の理解などが問われ、IT部門だけでなく、総務・人事などの非IT部門にも対応した内容となっています。この資格を取得することで、情報セキュリティに関する基礎知識を体系的に習得していることが証明され、社内外での信頼性向上につながります。またサイバーセキュリティ対策の重要性が高まる現代において、あらゆる職種で活用できる知識となり、職場全体のリスク管理意識の向上にも役立つ資格です。合格率は60%前後と国家資格の中では比較的難易度が低めであり、初学者から管理職まで幅広く目指しやすい資格です。
21. CISSP
CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、ISC2(国際情報システムセキュリティ認証コンソーシアム)が認定する情報セキュリティ分野で世界的に認知された国際資格です。試験はセキュリティとリスク管理、資産の保護、通信・ネットワークセキュリティ、アイデンティティ管理、災害復旧など8つの領域(ドメイン)から構成され、総合的なセキュリティ知識が問われます。この資格は米国規格協会(ANSI)からISO/IEC17024の認証も受けており、取得することで情報セキュリティに関する高度かつ実践的な専門性を有していることが国際的に証明されます。そのためCISO(最高情報セキュリティ責任者)やセキュリティコンサルタントなど、マネジメント層へのキャリアパスにつながる重要な資格のひとつです。またグローバル企業や政府機関でも高く評価されるため、転職や昇進の際の大きな武器となるハイレベルな資格です。
クラウド分野への転職で役立つ資格試験
クラウド分野への転職で役立つおすすめの資格試験には次のものがあります。
・AWS認定資格
・Google Cloud認定資格
・Microsoft認定資格
・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
22. AWS認定資格
AWS認定資格は、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドサービスに関する知識やスキルを評価・証明する公式資格制度です。資格は「FOUNDATIONAL(基礎)」「ASSOCIATE(アソシエイト)」「PROFESSIONAL(プロフェッショナル)」「SPECIALITY(専門分野)」の4カテゴリに分かれており、クラウドの基礎理解から設計・運用・セキュリティ・データ分析・AI・機械学習など多様なスキルレベルと職種に対応しています。この資格を取得することで、クラウド時代に求められる技術力を客観的に証明でき、クラウドエンジニアやインフラ担当としての市場価値の向上につながります。またAWS導入企業では即戦力として高く評価されるほか、業務の効率化やコスト最適化の提案にも役立つ知識が得られるため、社内での信頼やキャリアアップにもつながる実践的な資格です。
23. Google Cloud認定資格
Google Cloud認定資格は、Google Cloud(GCP)のクラウドサービスに関する技術力や専門性を証明する公式資格制度です。資格は「Foundational(基礎レベル)」「Associate(基礎技術者)」「Professional(上級技術者)」の3レベルがあり、クラウドの基本からアーキテクチャ設計、機械学習、セキュリティ、ネットワーク管理などの専門分野まで幅広く対応しています。資格ごとのレベルついて、実務経験をベースにした目安も公開されているため、自分のレベルに応じた資格を選びやすい点が特徴です。この資格を取得することで、Google Cloudの実践的なスキルと理解を証明でき、クラウドエンジニア、データエンジニア、アーキテクトなどの職種で高く評価されます。特にGCPを導入している企業では即戦力と見なされ、業務効率化やコスト最適化の提案など、組織の生産性や利益率向上に貢献できる人材として重宝されます。また国際的にも通用する認定資格として、転職やキャリアアップにも有利な実践的なクラウド資格です。
24. Microsoft認定資格
Microsoft認定資格(Microsoft Certifications)は、Microsoft製品やAzure、Microsoft 365、Dynamics 365などのクラウドサービスに関する技術力や運用スキルを証明する公式資格制度です。資格は「Fundamentals(初級)」「Associate(中級)」「Expert(上級)」の3段階に分かれており、スキルレベルや職種に応じて柔軟に選択できます。実務で活用できるのはAssociateレベルと捉えるのが一般的な基準です。この資格を取得することで、Microsoft製品やクラウド環境に関する知識と実務対応力を証明でき、ITインフラ、クラウド、セキュリティ分野の即戦力として評価されます。特にAzure関連資格はクラウド人材としての価値を高め、企業のデジタル化やDX推進にも貢献できる存在として重宝されます。また国際的にも認知された資格であるため、転職やキャリアアップ、社内評価の向上にもつながる実践的な資格です。
25. マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Microsoft Office製品(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)の操作スキルを客観的に証明する国際資格です。実技形式で出題され、実務に即した内容も多く、Officeソフトを「使える」レベルを示す実用的な資格として広く認知されています。一般レベル(アソシエイト/スペシャリスト)と上級(エキスパート)レベルがあり、スキルに応じて選択できます。MOSを取得することで資料作成やデータ管理などの効率が向上し、事務職や営業職など幅広い職種で活用可能なスキルを有する証明となる点がメリットです。またパソコン操作に自信があることのアピールになり、就職・転職時や社内評価で有利になるケースも多いです。学生や社会人、再就職を目指す方まで幅広い人に、実務力を強化する資格として高い実用性と信頼性を持っています。
IT資格を取得する3つのメリット
ここでは、IT資格を取得する3つのメリットを解説します。メリットを把握し、資格取得に向けての目的を明確にしておきましょう。
就職活動や転職活動で有利になる
IT資格はアピールできる時間が限られた就職・転職活動において、一目で一定の知識やスキルを示す判断材料になります。加えて、資格取得のための努力、積極性が評価につながることもあるでしょう。
特に、文系の学生や実務経験のない社会人がIT企業へ就職・転職する際に、少しでも評価が上がるように資格を取得しておくと有利です。
スキルの証明になる
就職・転職時の面接で自身の実務経験や実績をいくら述べたとしても、詳しいデータや証拠がなければ信憑性に欠けます。スキルや知識を確実に証明するためにも資格取得を目指しましょう。
効率的に知識を学べる
知識のない状態からIT関連の学習を始める場合、どこから手をつければ良いのかわからない方も少なくありません。あふれる情報のなかから重要度の低い知識を学び、非効率的な学習を行っていては必要な知識やスキルがなかなか身につかないでしょう。取得する資格を定めて、効率的に知識を学ぶことが大切です。
IT系の資格取得のための勉強法
IT系の資格取得のためには、自分にあった勉強方法が重要です。以下3つの勉強法から適切な方法を選択しましょう。
独学で合格を目指す
市販されている参考書や問題集を購入して独学で勉強します。IT関連知識があまりなく進捗が悪い場合は、イラストを用いた書籍を活用するなど工夫が必要です。問題集と参考書を併用して効率よく勉強を進めましょう。
専門のスクールで合格を目指す
専門のスクールに通い効率的に勉強して合格を目指します。その場で質問できることによって、わからない部分をスムーズに解決できるでしょう。また、勉強した内容を受講者と共有したり、つまずいた時には励ましあったりできます。ただし、費用はほかの勉強法と比べて高額です。
通信講座で合格を目指す
通信講座を利用すれば場所や時間にかかわらず、効率的に勉強できます。スマートフォンやパソコン、タブレットで、過去のノウハウを詰め込んだテキストやオンライン学習、動画での学習が可能です。専門のスクールより費用は抑えられますが、独学よりは高くなります。
ITエンジニアが資格を取る際の注意点
ITエンジニアは自身の知識やスキルを証明する意味で、資格の取得が非常に有効な職業です。しかし、資格を取得する際には注意しなければならないポイントもあります。注意点を意識しないと資格が無駄になることもあるため、どのようなポイントを押さえるべきか解説します。
目的を明確にして資格を選ぶ
ITエンジニアが資格を取得する際は、まず「なぜその資格を取りたいのか」を明確にすることが重要です。たとえばキャリアアップ、転職、スキル習得、業務に必要だからなど、目的によって選ぶべき資格は異なります。目的が曖昧なまま難易度や人気の高さだけで資格を選ぶと、勉強へのモチベーションが保てず、取得後も実務に活かせない可能性が高まります。特にIT系資格は分野やプログラミング言語の幅が広いため、自分のキャリアビジョンや現在のスキルレベルに合ったものを選定することが、学習効果と実務活用の両方を高めるうえでの重要なポイントです。
実務との関連性を意識する
資格の知識が実務で活かせるかどうかを見極めることも大切です。試験内容が理論中心の資格や、職場で使う技術と乖離している資格の場合、取得後の効果が限定的になるうえ、キャリアの面でもあまり意味を持たない可能性があります。逆に業務に直結した資格を選べば、勉強が実務と直結するため業務効率の向上にもつながります。また会社の導入ツールや環境に合わせてベンダー資格を選ぶと、日々の業務でスムーズに活用できる知識が得られることを念頭に置くべきです。資格取得はあくまで手段であり、実務でどう使うかを常に意識することが、真に役立つ学びに変えるためのカギとなります。
時間とコストのバランスを考える
資格取得には試験料や教材費、講座受講料などの経済的コストだけでなく、学習時間という時間的コストもかかります。そして難易度が高い資格ほど長期的な学習が必要になり、仕事との両立が難しくなることもあるため、自分のスケジュールや生活リズムを見直し、現実的な学習計画を立てることが重要です。また複数資格を一度に目指すのではなく、業務に関連する知識・スキルに優先順位をつけて、必要な資格から段階的に取得するのが効果的です。必要に応じて会社の資格支援制度などを活用すれば、コスト面の負担も軽減でき、継続的なスキルアップにもつながります。
まとめ
IT資格には国家資格からベンダー資格、ベンダーニュートラル資格までさまざまなものが存在します。資格によって難易度はもちろん、実務で活用しやすいものからキャリアに影響するものまであります。現在の自分の立ち位置を客観的に把握し、今の時点で必要な資格は何か、将来のキャリアで必要になるものは何かを分析して取得を目指しましょう。そしてIT系資格を効率的に学習し、取得を目指すならユーキャンの資格取得講座をご活用ください。