アサインとは? 意味や使い方、ビジネスシーンごとの利用例、注意点を解説

  • 公開日:2022.11.21

    更新日:2023.05.22

    アサインはビジネスを中心に用いられる言葉です。「担当者に〇〇さんをアサインする」のように使われますが、同じ言葉でも業界によって意味や使われ方が異なるため注意が必要です。この記事では、アサインの意味や類語との違い、ビジネスシーンでの使い方を解説します。ぜひ参考にしてください。

アサインとは?

アサインとは、「役職に任命する」「業務を割り当てる」などの意味を持つ用語です。英語で「assign」と表記し、主に組織における目上の立場の人から下の人に対して使われます。ビジネスにおいては「新規の担当者をアサインする」「別の部署の空いているポジションにアサインする」などのように使います。

アサインと類似用語の違い

アサインと似た意味のビジネス用語があるため、正確な意味を理解して使い分けましょう。以下で、類似用語との違いを解説します。

ジョインとの違い

ジョインとアサインは、能動的と受動的の意味で異なります。ジョインは能動的に仕事に従事することを意味する用語であり、英語で「join」と表記します。ジョインが自分の意志でチームや企業などの仕事や取組みに「参加する」というニュアンスで使われるのに対して、アサインは上司から部下に任命する受動的な意味で使われる用語です。

アサインメントとの違い

アサインメントは、文法における品詞の違いがあります。アサインは任命する、割り当てるなどの動詞であるのに対して、アサインメントは「割り当て」「課題」などを意味する名詞です。英語で「assignment」と表記します。ビジネスにおける「アサインする」は動詞が2つある言い方で、正確に表現すると「アサインメントする」になります。

アサインメントの種類

アサインメントには複数の種類があり、それぞれ意味が異なります。以下で、解説します。

ストレッチアサインメント

ストレッチアサインメントは、困難と思われる目標達成や問題に対応する役職に任命することです。別名「タフアサインメント」と呼ばれ、難題や困難を解決する過程で、従業員の成長につながることを期待する施策です。

現状では困難であっても、従業員に実力以上の役職を任せることで成長を促す目的があります。日常業務のなかで、施策を行う対象の従業員の力量に合わせて実施する方法もあります。

ジョブアサインメント

ジョブアサインメントは、業績の達成や育成目的などのために職務を任せることです。直属の部下を持つ従業員に対して人材育成を目的に行う施策であり、部署の管理職やチームリーダー、マネジャーなどのマネジメント層が、メンバーや部下に対して業務の割り当てを実施します。

従業員に職務を任命させることで、マネジメント層と部下の成長が期待でき、企業の発展に貢献する従業員の育成につながります。

ダブルアサインメント

ダブルアサインメントは、1つの業務に対して2人で担当する制度を指します。2人体制を作ることで業務の属人化を防ぎ、担当者が不在になった場合を想定してリスクを回避するために行われる施策です。

業務のベテラン担当者と新人の担当者を組み合わせることで、従業員同士の信頼関係が築きやすくなり、新人の従業員の教育を可能にします。社内のスキルやノウハウの共有ができ、組織力の強化や精神的な負担の減少にもつながります。

アサインのビジネスシーンにおける使い方

アサインはビジネスシーンにおいて、能動的と受動的の意味で使われます。以下で、解説します。

アサインする

「アサインする」は、能動的な意味で使われます。主に上司から部下に向けて使われる場合が多く、以下のように名前を指定して役割を割り当てます。

・新規事業のプロジェクトリーダーに〇〇さんをアサインする
・新入社員の教育担当に〇〇さんをアサインする
・〇〇さんをチームリーダーにアサインするのは時期尚早だと思われる

アサインされる

「アサインされる」は、受動的な意味で使われます。部下やポジションが下の立場の人が、役職の任命や業務における指示を受けた場合に用いられます。

・このたび課長にアサインされた〇〇と申します
・会社の中核を担うポジションにアサインされる
・企画職にアサインされたのはいいものの、自分には荷が重く感じる

アサインの使い方は業界ごとに異なる

アサインの使い方は業界ごとに異なるため、相手によって使い分けることが重要です。以下で、解説します。

転職業界の使い方

転職業界で使われるアサインは、「採用する」や「選出される」の意味です。転職する際に、「新しく採用される」「新規事業に選出される人材をピックアップする」などの意味で使われます。労働者が人材派遣会社から派遣される場合は「新たな役職にアサインされた」のように、受け身形にして使います。

IT業界の使い方

IT業界におけるアサインの使い方は、数字や値、仕様などを割り当てる意味で使われます。言葉の由来は「キー・アサイン(key assignment)」で、キー・アサインとはパソコンのキーボードやマウスなどのキーやボタンに、独自の機能を割り当てる意味の用語です。「社内のパソコンに〇〇をアサインする」のように使いましょう。

コンサル業界の使い方

コンサル業界におけるアサインは「配属する」という意味を持ち、担当プロジェクトに割り振られることを指します。「プロジェクトにアサインされたコンサルタントの〇〇です」のように使いましょう。配属するの反対の意味は「リリース」で、プロジェクトから外れることを意味します。

ホテルや旅行業界の使い方

ホテルや旅行業界のアサインは、部屋・座席などを「割り当てる」という意味です。ホテルや旅館の部屋を割り当てる「ルームアサイン」、バスや新幹線の座席を割り当てる「シートアサイン」のように、区画やスペースなどに対しての割り当ての意味で使われます。「新規予約の人を優先して部屋をアサインする」のように使いましょう。

アサインを使用する際の注意点

アサインを使用する際は、状況や言葉の意味に注意が必要です。以下で、解説します。

人や場面に合わせて使う

アサインを使って話や説明などをする場合、相手に伝わることを重視しましょう。相手が言葉の意味を知らなかったり、業界や業種によって違う意味を想像したりする場合があるため、用語の使い方には注意が必要です。相手が想定する言葉の意味や理解を考慮して使い、円滑なコミュニケーションを行いましょう。

言葉の意味を定義する

アサインは転職業界やコンサル業界など、業種によって定義が異なるため、使う場合は言葉の意味の定義から始めましょう。職場の新人や転職した人などのメンバーが、業界で使われる用語の意味を理解できない可能性があります。専門の意味をもつ言葉は、相手に意図が伝わらない可能性を考慮して、相手との認識を合わせてから使いましょう。

可能であれば日本語で伝える

アサインのようなビジネス用語は、無理に使うことは避けましょう。自分と同業種の人に対して通じる言葉でも、相手によっては伝わらない可能性があります。ビジネス用語を使う場合は、相手とのコミュニケーションに齟語が生まれる場合があるため、可能であれば日本語で伝えることを優先しましょう。

アサインの類義となる日本語

アサインという言葉に類義する日本語は、いくつかあります。英語ではなく日本語のニュアンスをしっかり理解しておくことが重要です。そうすれば誤った用法を避けることができ、また相手にとって理解しやすい言葉で伝えられます。

任命する

「任命する」は、特定の地位や役職に人を配置することを意味し、これはアサインの類義語の1つでもあります。「公的な地位や役割を授ける」という意味があるため、通常、上位の立場にいる人が下位の者に対して用いられます。例えば人事変更や役職変更の際に「部長に任命する」といった形で使用されることが多くあります。

割り当てる

「割り当てる」という表現は、何かの負担を分散するときに使われ、これもアサインの類義となります。全体を分割し、それぞれの部分を特定の対象に分配するという概念です。ビジネスの文脈では「従業員に特定の役職や役割を割り当てる」という使い方が一般的です。また、タスクや予算などを配分する際にも用いられます。

指定する

「指定する」という表現は、特定のものや状況を特別に決定する行為を指します。人や時間、場所、物事などを具体的に選び、それを特定のものとするのです。「集合場所を指定する」のように使用されます。さらに行政機関が法律に基づいて、国立公園など特定の認定を付与する際にも使われます。

課する

「課する」は、何かを担当するように求めるという言葉です。一方的に負担させるというニュアンスが含まれているため、「割り当てる」と比較すると義務や強制の要素が少し強調されます。

アサインの対義となる日本語

アサインの反対の意味を持つ言葉についてもセットで覚えておきましょう。

開放する

アサインの対義語の1つが「開放する」という言葉です。ビジネスシーンでは「リリースする」と言われることもあり、プロジェクトや任期満了によって役職を解かれる際、「開放する(リリースする)」と表現します。例として「本プロジェクト終了後、マネージャーとしての役職をリリースする」という風に使われます。

外す

「外す」という言葉も、任命を意味するアサインとは対極に位置する言葉です。例として「彼をこのプロジェクトから外す」という風に使います。受け取り方にもよりますが、否定的な意味合いであることが多く、上司の意向で部下をプロジェクトの役割から外す時に使われます。使い方次第でパワハラと捉えられる可能性もあるため、言葉遣いには注意が必要です。

取り下げる

アサインの対義語3つ目は、「取り下げる」という言葉です。使い方としては「先ほどの意見を取り下げる」「提出したものを取り下げる」などです。人に対して使う言葉ではなく、依頼や申請書、意見などの人以外の事象に使います。

異動する

アサインが役職への任命を意味する一方、「異動する」という言葉もアサインの対義語にあたります。所属する部署の変更や管理職として別部門を任されるなら、異動にもさまざまな意味があります。アサインとは対極的な言葉として、「異動する」も覚えておきましょう。

まとめ

アサインは、「役職を任命する」「仕事を割り当てる」などの意味をもつビジネス用語です。この用語はビジネスシーンで多く使われますが、業界によって意味が異なる場合があります。相手の立場や、理解に配慮し上手に活用しましょう。

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