• 更新日:2025/07/15

FP1級は独学でも対策できますが、FP3級やFP2級に比べると独学のハードルは高くなります。この記事では、FP1級の独学合格が「難しい」と言われる理由について詳しく解説します。さらに、FP1級の独学におすすめの教材・ツールや、独学が向いている人・向いていない人の特徴、独学以外の選択肢なども紹介するので、ぜひFP1級の資格取得に向けて役立ててください。

FP1級の独学合格が「難しい」と言われる理由

FP1級は独学でも合格可能です。ただし、FP3級やFP2級に比べると合格のハードルは高いといえるでしょう。主に、以下のような理由が挙げられます。

・試験範囲が広く専門的かつ応用的な知識が求められる
・実技試験が難しい

試験範囲がFP2級から格段に広く深い

FPは国家資格であり、3級・2級・1級の3段階にわかれていますが、1級は最高難易度のため学科試験の合格率が低く、難しいといわれています。FP1級の学科試験には6分野あり、合格するには6分野全てにおいて専門的かつ応用的な知識が必要です。

試験範囲の詳細については、以下金融財政事情研究会(きんざい)および日本FP協会の公式サイトを参照してください。なお、学科試験は「きんざい」のみで実施しています。

実技試験(論述・口頭)のハードルが高い

FP1級では、知識だけでなく、思考力、判断力、記述力、説明力なども問われます。独学で合格を目指すのは可能ではありますが、全ての対策を1人で行うのは非常に難しいでしょう。

実技試験については、きんざいで受検した場合は「面接試験(2回)」です。日本FP協会で受検した場合は「筆記試験」になります。受検先で形式が異なるため、対策する際も受検先にマッチした対策が必要です。

法改正など最新情報のキャッチアップが必須

FPの試験では、直近で実施された法改正などに関する内容も出題されます。法改正される頻度は高いため、常に新しい情報を収集しておかないと回答できません。最新情報のキャッチアップは合格のカギになるので、スクールや通信講座では法改正された最新のテキストが使用されます。

独学の場合でも常に最新の情報に更新できていれば安心ですが、個人での情報収集には限界があるでしょう。

不明点を質問できない環境

FP1級は試験範囲が広いばかりではなく、FP2級よりも専門的な知識が求められます。実務経験がある人でなければわからない問題も多いため、独学の場合は疑問点の解消に時間がかかってしまうでしょう。質問して疑問点を解消できるスクールや通信講座とは異なり、独学では疑問点を解消できないまま試験当日を迎えてしまうリスクもあります。

主に以上のような理由から、FP1級を独学でチャレンジするのは難しいといわれています。

FP1級の独学に必要な教材・ツール

ここからはFP1級の独学におすすめの教材やツールを紹介します。特徴を踏まえ、メリット・デメリットを考慮して選びましょう。

・一問一答型の基礎編と過去問を網羅した応用編のテキスト
・金融機関のFP受検研修にも使われているテキスト
・スマホ・タブレットで学習しやすいアプリ

FPキャンプ式 FP1級学科試験一問一答 TEPPEN 基礎編&応用編 2024-25年版 Vol.1

著者は株式会社スクエアワークス社長であり、YouTubeチャンネル「ほんださん」で知られる本多遼太朗氏です。基礎編の4択問題を一問一答型にして、重要なポイントをまとめているのが特徴です。応用編は、過去問を網羅している計算問題と穴埋め問題で構成されているほか、法改正にも対応しているため、効率的な学習が期待できます。

2025-2026 年版 1級 FP 技能士(学科)合格テキスト

著者は1級FP技能士の梶谷美果氏です。受検指導に精通した講師陣が必須項目を厳選し、最新の試験傾向に基づいた模擬問題を掲載しています。合格に必要な全6課目の知識がまとまっているのも特徴です。

金融機関のFP受検研修にも使われています。応用編も多くのパターンが網羅されているため難易度が高いテキストではありますが、問題を迷わず解けるようにしておくと試験でも力を発揮できるでしょう。

1級FP過去問解説集

FP1級の過去問を収録した無料のアプリです。過去5回分の過去問から、学科(基礎編・応用編)、実技(資産設計提案業務)を網羅しています。

約1,000問収録しているだけではなく、スマートフォンやタブレットでも学習しやすいように、4択式の問題が〇×方式に組み替えられているのも特徴です。テキストを開くのが難しい場面や通勤中などにも手軽に取り組めます。

FP1級の独学が「向いている人」「向いていない人」

FP1級は、出題範囲が広いだけではなく疑問点も多く生まれるため、多くの人にとって独学での学習は難しいといえるでしょう。ただし、関連分野での実務経験が豊富である、ほかの難関資格を独学で突破した経験がある、極めて高い自己管理能力がある、法改正に向けて最新の情報をキャッチアップできる人は独学での合格も可能でしょう。

一方で、FP学習が初めての人、計画的な学習が苦手な人、まとまった時間の確保が難しい人、実技試験対策に不安がある人、モチベーションを維持できない人などは独学に向いているとはいえません。通信講座やスクールへの通学などフォロー体制が整った学習方法がおすすめです。

独学以外の選択肢:通信講座やスクールの活用

FP1級に合格するためには、広く深い知識を習得すること、実技試験の対策をしっかり行うこと、法改正などの最新の情報をキャッチアップすることなどが必要です。ほとんどの人は全てを1人で行うことが難しいため、通信講座やスクールを利用しています。

通信講座やスクールは体系的なカリキュラムが組まれているほか、法改正フォローや実技対策などを実施しています。質問にも対応してくれるため、疑問点を解消するために時間がかかり過ぎることがありません。可能な部分は独学で進め、必要な部分は講座を利用するハイブリッド型の学習方法もおすすめです。

FP1級技能検定の受検資格

FP1級技能検定では、学科試験と実技試験のそれぞれに受検資格があります。受検資格のポイントは以下のとおりです。

・「きんざい」のみで実施される学科試験の受検資格
・「きんざい」または「日本FP協会」で実施される実技試験の受検資格

学科試験の受検資格

実技試験は「きんざい」または「日本FP協会」で受検できますが、学科試験は「きんざい」のみで実施されます。学科試験の受検資格は以下のとおりです。

・2級技能検定に合格しており、FP業務1年以上の実務経験がある
・FP業務において5年以上の実務経験がある
・厚生労働省認定金融渉外技能審査2級に合格しており、1年以上の実務経験がある

実技試験の受検資格

実技試験は「きんざい」あるいは「日本FP協会」は受検可能です。ただし、「きんざい」と「日本FP協会」では以下のように受検資格が異なります。

「きんざい」における実技試験の受検資格CFP
・FP1級の学科試験に合格している
・きんざいの「FP養成コース」を修了しており、FP業務に1年以上の実務経験がある
・日本FP協会のCFP®認定者あるいはCFP®資格審査試験の合格者

「日本FP協会」における実技試験の受検資格(以下のいずれかに該当していること)
・日本FP協会認定のCFP®認定者
・日本FP協会のCFP®資格審査試験の全課目に合格しているものの認定がされていない者
・金融財政事情研究会が実施している1級FP技能検定の学科試験一部合格者
・1級FP技能検定に合格している者
・金融財政事情研究会実施「普通職業訓練短期課程金融実務科FP養成コース」を修了しており、1年以上の実務経験がある者

まとめ

FP1級は、試験範囲の広さや専門性の高さ、実技試験の難しさなどから、独学での合格が「難しい」といわれています。FPの学習が初めての人や疑問点を解消できる環境が必要な人には、通信講座や通学講座の活用が有効です。

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この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

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