• 公開日:2020/10/27
  • 更新日:2021/12/13

危険物取扱者とは、消防法で定められた危険物を取り扱ったり、危険物の取り扱いに立ち会ったりするために必要な国家資格、およびその有資格者のことです。危険物取扱者を必要としている企業は多く、就職や転職に向けて資格の取得を目指す人も多いでしょう。

この記事では、危険物取扱者の資格に関心がある人に向け、資格や危険物取扱者になる方法などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

危険物取扱者とは?

消防法では、火災や爆発などの危険性が高い物質を危険物と定めています。それらを取り扱ったり管理したりするためには、危険物取扱者という国家資格が必要です。資格があれば履歴書に記入して能力をアピールすることもできます。特に、石油・薬品・燃料関連などの企業への就職・転職を目指したい人に有利な資格といえます。

危険物取扱者の資格には3種類ある

危険物取扱者には「甲種」「乙種」「丙種」の3種類があります。ここでは、それぞれどのような資格なのか解説します。


甲種

消防法に定められている第1類~第6類までの全ての危険物の取り扱いや定期点検、保安の監督ができます。甲種の危険物取扱者が立ち会えば、無資格者でも危険物を取り扱うことが可能です。実務を6カ月以上経験すると危険物保安監督者になれ、甲種防火管理者としても認められます。


乙種

乙種が扱えるのは、第1類~第6類までの危険物のうち個別に資格を取得したものに限られます。資格があるものに関しては甲種と同じく取り扱いや定期点検、保安の監督ができ、また、無資格者が危険物を取り扱う際の立ち会い業務もできます。


丙種

丙種が扱えるのは、ガソリン・灯油・軽油・重油など、特定の危険物に限られます。また、それらの危険物の取り扱いと定期点検はできますが、立ち会い業務はできません。

危険物取扱者|資格取得後の仕事

危険物取扱者になると、どのような仕事に就けるのでしょうか。ここでは、主に活躍できる場を挙げます。

危険物取扱者が必要とされる場所

一定量以上の危険物を所有する工場や施設では、法律上、危険物取扱者が必要です。化学工場やガソリンスタンド、石油コンビナートなど、さまざまな場所で活躍できます。

危険物取扱者の就職先

危険物取扱者がどのような企業や分野で働いているのか、主な就職先、職業を挙げていきます。


各種工場

金属製錬工場やめっき工場、印刷・塗料工場など、各種の工場では危険物が使われます。半導体工場や化学工場でも同じく危険物取扱者が必要です。これらの施設で技術者や責任者として働く場合、甲種の資格が必須となっているケースも多くあります。


研究所

研究所においても甲種の資格が必要とされることがあります。研究所では硝酸やアセトン、トルエンなど、危険物に指定されている薬品を扱います。こうした物質は危険物取扱者が管理しなければ危険です。


消防署

火災現場で働く消防士も、危険物取扱者の資格を取得しておいたほうがいいでしょう。消防士として働くのに有利なことから、資格取得を目指す人もいます。


タンクローリーの運転手

タンクローリーの運転手になるのに、必ずしも危険物取扱者の資格はいりません。危険物取扱者が同乗していれば問題ないからです。しかし、資格を取得すれば有資格者の同乗が不要なので、企業からより求められる人材になれます。


ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでは、ガソリンや灯油、軽油など引火性の液体を扱うため、危険物取扱者の専門的な知識が必要です。セルフのガソリンスタンドは、モニター越しに甲種または乙4の資格を持つ危険物取扱者が、無資格者である客の取り扱いに立ち会う形にして運営されています。

危険物取扱者の仕事内容

ここでは、危険物取扱者の種類ごとに仕事内容を紹介します。取り扱える危険物の種類が異なるため、事前に確認しておきましょう。


甲種

全種類の危険物の取り扱いができる甲種は、最も対応できる範囲が広く、さまざまな工場や研究施設などで定期点検、保安の監督をしています。無資格者の危険物の取り扱いにも立ち会えるため、現場監督のような立場で仕事を行う機会も多いでしょう。


乙種

第1類~第6類まである特定の危険物の取り扱いと定期点検、保安の監督を行います。扱う危険物ごとに、有資格者が定期点検や保安の監督、立ち会い業務などに従事することが可能です。


丙種

丙種はガソリンや灯油など、扱える危険物が限られているのが特徴です。そのため、ガソリンスタンドのスタッフや灯油の配送スタッフとして、また、廃油処理工場などで働くことが多いでしょう。立ち会い業務ができないため、実務者として仕事をします。

危険物取扱者の受講義務とは?

危険物取扱者は、新しい知識と技能の定期的な習得が義務付けられています。そのため、危険物の取り扱いに従事する場合は、定められた期間ごとに危険物取扱者保安講習を受ける必要があります。

危険物取扱者になるには?

それぞれの種類の試験に合格し免状の交付を受けることで、危険物取扱者になれます。ここでは、試験科目や資格取得の流れを解説します。

危険物取扱者試験に合格する

危険物取扱者を目指すなら、危険物取扱者試験の合格が必須です。受験科目や難易度は種別によって異なります。しっかり試験対策をして、試験に臨みましょう。試験合格後の流れは後述します。

危険物取扱者試験の試験科目

危険物取扱者試験の試験科目は、甲種、乙種、丙種のすべてで3科目です。3種に共通する科目は「危険物に関する法令」で、甲種と乙種は15問、丙種は10問出題されます。それ以外の科目と問題数については、以下のとおりです。


甲種

「物理学及び化学」が10問出題されます。「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」が最も問題数が多く、出題数は20問です。範囲が広いため、十分な勉強が必要となります。


乙種

「基礎的な物理学及び基礎的な化学」が10問、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」が同じく10問出題されます。予備知識がない場合は、十分な試験対策が必要です。


丙種

「燃焼及び消火に関する基礎知識」が5問、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」が10問出題されます。特に、ほかの種別へのステップアップを考えている場合は、しっかり知識を身につけておきましょう。

危険物取扱者試験合格後の流れ

試験に合格しただけでは、まだ業務に就けません。免状交付申請を行い、受験地の都道府県知事から免状の交付を受けましょう。手数料は一律2,900円で、納付方法は地域によって異なります。

危険物取扱者試験の概要

ここでは、試験の概要を紹介します。これから受験を検討する場合は、事前に確認しておきましょう。

受験資格

乙種と丙種は誰でも受験できます。甲種は以下のいずれかに該当する場合、受験資格があります。

  • 乙種危険物取扱者免状を有する
  • 大学などで化学に関する学科などを修めて卒業
  • 大学などで15単位以上化学に関する授業科目を修得して卒業
  • 化学に関する学科または課程の修士・博士の学位を有する

試験日程

都道府県によって異なります。たとえば、東京であれば例年、毎月実施していますが、そのほかの県の多くは年2~3回程度の実施です。

合格率

甲種の合格率は約46%です。乙種の第1類、第2類、第3類、第5類、第6類は70%前後ですが、乙種の第4類は約43%と低い傾向にあります。丙種の合格率は約54%です。年によって多少変動がありますが、難易度はそれほど変わりません。丙種の最年少の合格者は小学1年生(2020年7月)です。

受験の申請方法

現住所や勤務先に関係なく、どの都道府県でも受験ができます。受験の申請は書面またはインターネットで可能です。申請手続きと受験会場の詳細は、消防試験研究センターの各道府県支部(東京都の場合は中央試験センター)の情報を確認してください。

試験対策

危険物取扱者の試験対策は独学でもできます。ただし、参考書や過去問題ではわからない箇所でつまずきやすいので、あまり効率的とはいえません。自分のペースで勉強しながら、わからない点について質問できる通信講座がおすすめです。

ユーキャンの危険物取扱者合格指導講座は、わからないところについて質問できるシステムとなっており、合格までしっかりサポートしてくれます。

危険物取扱者試験の合格率

危険物取扱者試験の受験者、合格者、合格率の推移についてご紹介します。
前述の通り、危険物取扱者試験には甲種、乙種、丙種の3種があります。乙種については最も受験者数の多い4類の数値をご紹介します。

年度 試験区分 受験者数 合格者数 合格率(%)
令和2年度 甲種 17,957 7,632 42.5
乙種4類 200,876 77,466 38.6
丙種 23,484 12,684 54
令和元年度 甲種 19,540 7,721 39.5
乙種4類 221,867 85,669 38.6
丙種 27,523 13,879 50.4
平成30年度 甲種 20,977 8,358 39.8
乙種4類 240,102 93,667 39
丙種 30,028 15,366 51.2
平成29年度 甲種 22,504 8,388 37.3
乙種4類 256,587 88,328 34.4
丙種 33,128 16,780 50.7

危険物取扱者資格|初めて取得を目指す場合には?

初めて危険物取扱者資格を目指すなら、乙4からがいいでしょう。乙4とは、危険物取扱者乙種第4類のことです。その理由を説明します。

乙4から目指す方法

乙4の人気が高いのは、仕事の需要が高いからです。そのため、一番人気の試験となっており、受験者全体の約6割は乙4の受験者が占めています。参考書も最も充実しており、勉強しやすいところも人気の理由です。


乙4の合格率からわかること

乙4の合格率が約43%、その他の乙種試験が70%前後と大きな開きがあることは先述のとおりです。

合格率が低い理由は、受験者数が多く、対策をしないまま受験する人が混在する傾向にあるからでしょう。初めに乙4を取得する人が多く、その合格者が他の乙種試験を受けるときは、試験科目の一部が免除されることも理由として挙げられます。

受験資格で種別を選んで目指す方法

乙種と丙種には特に受験資格がありません。大学などで化学を学んでいない場合は、このどちらかの取得を目指すことになります。一方、化学に関する学科を卒業しているなど、受験資格がある場合は、初めから甲種を受験できます。ただし、徐々に上位の資格を取得したい場合や、工場などへの就職を考えている場合は、乙種から受験するのが一般的です。

乙4合格後のステップアップ方法

乙種に合格したあとに甲種を目指す場合、4種類(第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類)以上の資格を取得していることが条件になります。そのため、次は1類か6類のどちらか、または3類、5類を受験する流れになるでしょう。

まとめ

危険物取扱者は甲種・乙種・丙種の3種類があり、それぞれ責任範囲が違います。さまざまな職場で活躍できる国家資格といえるでしょう。なかでも仕事先が多い乙4は人気が高く、勉強しやすいこともあって初学者におすすめです。

ユーキャンの危険物取扱者合格指導講座は、危険物取扱乙4と丙種のカルキュラムが用意された通信講座です。最適な添削課題と、わからないところはいつでも質問できるシステムで合格までしっかりサポートします。危険物取扱者を目指すならユーキャンで勉強しましょう。

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