• 更新日:2023/07/19

危険物取扱者は危険物を取り扱ううえで必要な資格ですが、なかでも「甲種」はあらゆる種類の危険物を取り扱うことができ、ニーズの高い資格です。

取り扱える危険物の範囲が広いぶん、試験の難易度も高く、最難関の危険物取扱者資「格となっているため、試験の難易度や合格率、試験内容についても解説します。ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 危険物取扱者甲種とは、3種類に分かれる危険物取扱者資格の中で、あらゆる種類の危険物を取り扱うことができる資格。
  • 合格率は例年30~40%程度。本格的な物理・化学の知識が問われ、範囲も幅広く、難易度はかなり高い。
  • 丙種と乙種とは違い、受験するためには一定の条件をクリアし、受験資格を満たす必要がある。

危険物取扱者甲種とはどんな資格

ここでは、危険物取扱者資格のうち「甲種」について詳しく解説します。

危険物取扱者甲種とは?

危険物取扱者は危険物を取り扱ううえで必要な資格ですが、扱える危険物の種類に応じて「甲種」「乙種」「丙種」の3種類に分かれます。
「甲種」はあらゆる種類の危険物を取り扱うことができる資格です。取り扱える危険物の範囲が広いぶん、試験の難易度も高く、最難関の危険物取扱者資格となっています。

甲種の資格を持つ方ができること

甲種の資格があれば、消防法に定められている第1類~第6類までの全ての危険物の取り扱いや定期点検、保安の監督ができます。
また、甲種の危険物取扱者が立ち会えば、無資格者でも危険物を取り扱うことが可能です。実務を6カ月以上経験すると危険物保安監督者になれ、甲種防火管理者としても認められます。

甲種の資格を求める職場

難易度が高い危険物取扱者甲種の資格保持者は少なく、様々な職場で求められています。
多種多様な危険物を扱う職場はその筆頭と言えるでしょう。また、甲種防火管理者の資格保持者を必要としている高層ビルなど多くの人を収容する施設などでも求められています。

危険物取扱者甲種の難易度

危険物取扱者資格のなかでも最難関である甲種について、試験の難易度や合格率、試験内容について解説します。

合格率

甲種は取り扱える危険物の範囲が広いぶん難易度が高く、合格率は例年30~40%程度となっています。後述しますが受験資格を満たす必要があり、大学等で化学の知識を身につけた人や乙種の免状を交付されている人が受験しているにもかかわらず、3人に1人程度しか受からないことからも、難易度の高さがわかるでしょう。

甲種危険物取扱者試験の合格率は以下のとおりです。

年度 受験者数 合格者数 合格率(%)
令和2年度 17,957 7,632 42.5
令和元年度 19,540 7,721 39.5
平成30年度 20,977 8,358 39.8
平成29年度 22,504 8,388 37.3

出題内容

甲種の受験科目は「危険物に関する法令」「物理学及び化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3種類で、問題数はそれぞれ15問・10問・20問となっています。
科目は乙種と同じですが、本格的な物理・化学の知識が問われるうえに、取り扱うことになる危険物の範囲も幅広く、難易度はかなり高いといえます。

受験資格を満たす必要あり

丙種と乙種の危険物取扱者には定められた受験資格がないため、誰でも受験できます。一方、甲種には受験資格が定められており、受験するためには一定の条件を満たさなくてはなりません。甲種危険物取扱者の受験資格は以下のとおりです。

  • 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物取扱いの実務経験を2年以上積んだ者
  • 次の4種類以上の乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者
    第1類または第6類
    第2類または第4類
    第3類
    第5類
  • 化学に関する事項を専攻し、修士・博士の学位を授与された者

受験科目の免除がない

乙種・丙種試験では一定の条件を満たせば、試験科目の一部が免除されます。一方、甲種の試験では、受験科目の免除が一切認められません。乙種に合格している人もあらためて全科目を受ける必要があり、非常に難易度が高いと言えます。

その他の危険物取扱者試験の合格率

甲種以外の危険物取扱者試験の合格率や難易度はどの程度なのでしょうか。ここでは、乙種と丙種の合格率と難易度を紹介します。

乙種

乙種は、さらに第1類~第6類の資格にわかれています。乙種のなかでも人気の高い第4類の合格率は、約43%です。第4類以外の合格率はほとんど同じで、70%前後となっています。乙種は甲種に比べると難易度は低めですが、苦手科目があれば苦戦する可能性もあります。

丙種

丙種の合格率は約54%です。危険物取扱者試験のなかで比べると、丙種は最も難易度が低いといえます。その理由としては、物理や化学が試験科目になく、燃焼や消火についての知識を問う問題が中心となっているためです。

まとめ

危険物取扱者試験に合格するには、科目ごとにしっかり学習することが大切です。すべての科目で60%以上に正答するには短期集中型の学習ではなく、時間をかけてコツコツ学習する必要する必要があるでしょう。

ユーキャンの危険物取扱者合格指導講座では、いつでも質問できる体制に加え、添削課題も充実しています。本番の国家試験を意識した2回分の予想問題にもチャレンジできるので、徹底的な学習ができるでしょう。効果的な学習方法を選び、着実に試験合格を目指してください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

危険物取扱者試験はどの種類から目指したらいい?

初めて危険物取扱者資格を目指すなら、乙4(乙種第4類)からがいいでしょう。乙4は仕事の需要が高く、人気が高いからです。甲種は受検するために受験資格を満たす必要がありますが、乙種と丙種には特に受験資格がありません。

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