電気工事士二種の資格は独学で合格できる?|通信講座など利用する方法も合わせて紹介します

- 公開日:2020/10/14
電気工事士二種の資格を独学で取得したいと考えている人もいるのではないでしょうか。独学でも、テキストや練習材料を購入し、電気の基礎知識を学ぶことで合格が目指せます。また、独学の際に通信講座を活用する方法もあります。この記事では、電気工事士二種試験の概要や通信講座を利用して資格を取得するメリットなどについて解説します。ぜひ、資格取得に向けての参考にしてください。
電気工事士二種 (第二種電気工事士)とは
電気工事士二種の正式名称は、「第二種電気工事士」です。ここでは、電気工事士二種 (第二種電気工事士)はどのような資格なのかを具体的に説明します。
電気工事を行う際に必要な国家資格
電気工事士二種は、業務独占資格に該当する国家資格になります。そのため、建物や設備の電気を扱う工事で必ず必要になります。具体的には、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事です。また、現場によっては、第一種電気工事士の資格が必要なケースもあります。そのため、第二種電気工事士取得後に第一種電気工事士の資格取得を目指すのもおすすめです。
幅広い層が受験する人気の資格
電気工事士二種は、学歴、職歴、就労経験が不要で、誰でも受験できる資格です。受験者数は増加傾向にあり、10代~60代まで幅広く受験しています。年2回受験できるのも魅力のひとつです。一度資格を取得すれば、その後現場で経験を積むことで一生使える技術を身につけられます。
電気工事士の種類と、関連する資格
ここでは、電気工事士の種類と、その他関連する資格について紹介します。
電気工事士の種類
電気工事士には、第一種と第二種があります。第一種の資格を取得することで、電力会社などの電気設備を除いて、ほとんどの現場の設備工事が行えます。一方、第二種は、電圧600V以下で受電する設備の電気工事が可能な資格です。
電気主任技術者
電気主任技術者は、ビルなど電気を利用する場所で、配電設備などの保安監督業務を行える資格で、第一種~第三種まであります。電気工事士が電気工事に従事するのに対し、電気主任技術者は主に保安監督業務に携わります。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事の施工計画や施工図の作成など、施工時の管理をするための資格で、1級と2級があります。電気工事施工管理技士が工事計画や施工図の作成をし、電気工事士が実際に工事を行うのです。
第二種電気工事士の資格取得のメリット
ここでは、第二種電気工事士の資格を取得することで、どのようなメリットがあるのかを解説します。
就職・転職・独立開業につながる
第二種電気工事士の資格は、就職や転職などに役立ちます。求人では、経験者だけでなく、未経験者を募集している企業もがあります。そして、経験を積めば独立開業でき、年収アップも狙えるでしょう。
勤め先の例
勤め先としては、建設工事の現場が一般的です。そのほかにも、自動車メーカーや食品メーカーの工場で、機械の点検業務などを行うスタッフとして採用されるケースもあります。また、インターネットが普及していることもあり、インターネット回線工事を行う企業にも就職できます。
生涯を通じて役立つ資格
第二種電気工事士は、資格を取得することで、一生使える技術を身につけられます。そのため、将来の安定を望む人にも、向いている資格です。ただし技術を向上させるには、多くの現場で経験を積むことが求められます。
第二種電気工事士の合格率は?
第二種電気工事士の試験には、筆記試験と技能試験があります。筆記試験の合格率は50%台~60%台、技能試験は60%台~70%台です。第二種電気工事士の試験は基本的な知識を問われるため、比較的合格率が高いことが特徴です。そのことから、独学でも合格を目指せる可能性が高い資格であるといえるでしょう。
第二種電気工事士【独学の場合の勉強時間の目安】
独学の場合は、「1日1時間×週6日×8カ月」くらいのペースが勉強時間の目安です。筆記試験と技能試験あわせて200時間程度あれば合格を目指せる可能性が高いでしょう。したがって、基礎知識がある人は、これよりも短い期間で合格を目指すことが可能です。
第二種電気工事士【独学で合格を目指すための勉強方法】
ここでは、独学で合格を目指すための勉強方法を紹介します。
参考書等を購入し学ぶ
自分で参考書やテキスト、過去問題集などを本屋やネットで購入し学びます。技能試験に必要な練習材料・工具はホームセンターなどの取り扱い店で購入し、練習しましょう。
メリットと注意点
参考書の種類が多いため、自分に合ったテキストを選んで勉強することが可能です。しかし、練習材料をホームセンターなどで探す際に時間がかかるケースや、売り切れていることなどが考えられます。そのため、事前に時間を確保しておく必要があります。もし、販売しているかわからない場合は、直接店舗に問い合わせておくといいでしょう。
ウェブ上の勉強サイトで学ぶ
インターネット上には第二種電気工事士の勉強ができるサイトがあります。勉強サイトにはさまざまな種類があるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
メリットと注意点
勉強サイトを活用するメリットは、無料のものが多く、すぐに勉強ができることです。外出先で勉強する際にも、参考書を持ち運ぶ必要はなく、どこでも簡単に勉強ができるでしょう。しかし、サイトによっては最新の情報が反映されえおらず、正しい情報が得られない可能性があるため注意が必要です。また、解説が充実していないサイトもあり、十分に理解を深められない可能性もあります。
講習に参加する
第二種電気工事士試験対策の講習は、全国各地で開催されており、参加することで必要な知識を身につけられます。講習の日程や内容は実施団体によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。
メリットと注意点
第二種電気工事士試験対策の講習に参加すると、講師がわかりやすく教えてくれます。したがって、一通り必要な知識を身につけられます。また、わからないこともその場で質問できるため、すぐに解決できるでしょう。ただし、短期間でポイントをおさえた講義が開催されるので、受講するだけでは理解が不十分な可能性があります。学んだ内容を繰り返し復習したり、さらに詳しく掘り下げて学んだりするなど、さらに理解を深める工夫が必要です。
通信講座を利用する
通信講座には、筆記試験対策、技能試験対策の両方を行うコースがあり、もちろん技能試験対策コースのみの選択も可能です。参考書や勉強サイトなどでの独学では分でわからない部分や足りない部分を通信講座で補うという選択肢もあるのではないでしょうか。忙しい人や効率よく勉強を進めたい人におすすめです。
メリットと注意点
通信講座では筆記試験用だけでなく、技能試験用の動画講義なども用意しているため、効率よく勉強できます。また、わからないことがあれば質問もできます。したがって、途中で挫折することは少なく、理解を深められるでしょう。ただし、基本的に一人で勉強するため、モチベーション管理は自分でしなければなりません。
第二種電気工事士【独学で合格するためのコツと注意点】
ここでは、第二種電気工事士の試験に独学で合格するためのコツを紹介します。
【筆記試験対策のコツと注意点】
筆記試験対策は、テキストを読んで基本を理解したうえで、繰り返し過去問を解くことが重要です。
専門用語や電気の知識を暗記する
筆記試験は、暗記の要素が強いです。そのため、専門用語や電気に関する知識をしっかり暗記するようにしましょう。暗記する際のテキストは、詳しい解説が記載されているようなテキストではなく、自分で暗記しやすいものを選ぶと効率的です。
出題傾向をつかんで勉強をする
出題傾向を把握しないまま勉強しても、効率が悪いです。そのため、過去問を解き、過去の出題傾向を把握しながら勉強するようにしましょう。実際に、筆記試験では過去問と似たような問題が出題されます。
複線図を描けるようになっておく
複線図の知識は技能試験だけでなく、筆記試験でも必要です。そのため、筆記試験の段階で書けるようになっておくといいでしょう。そうすることで、技能試験でも焦ることなく、対応できます。
試験時、過去問の改変に注意する
先ほども触れましたが、筆記試験では過去問と似たような問題が出題されることもあります。その際、丸暗記していると数字の書き換えなど小さな変化に気づくことができずに、点数を稼げないため注意が必要です。また、過去問を解く際は、丸暗記ではなく、解説を読みながらしっかり理解を深めるようにしましょう。
【技能試験対策のコツと注意点】
第二種電気工事士の試験は、技能試験がメインといわれています。そのため、しっかり対策をすることが求められます。ここでは、技能試験対策のコツと注意点を紹介します。
工具をそろえる
技能試験では、自前の工具が必要になるため、必ず事前に用意しておく必要があります。セット購入であれば問題なく対応できますが、個別に購入する場合は、ストリッパーも購入しておくといいでしょう。
複線図は必ず描けるようにしておく
筆記試験対策のコツでも説明しましたが、技能試験でも必要なため必ず複線図を描けるようにしておきましょう。具体的には、単線図を見て、複線図に描き直せるように勉強しておくことが大切です。
実技練習を繰り返し行う
単線図を複線図に描き直す作業をしっかりと把握したうえで、実技練習を繰り返し行いましょう。DVD教材などがあれば、それを見ながら練習できるため、ポイントをおさえて勉強することが可能です。通信講座では、映像でも勉強できるため、よりわかりやすいでしょう。また、技能試験対策のみのコースもあり、必要に応じて利用できます。
第二種電気工事士【試験概要】
第二種電気工事士試験には、筆記試験と技能試験があります。技能試験は筆記試験合格者のみが対象で、後日受験します。前回の筆記試験に合格している場合は、筆記試験免除者となります。筆記試験は、50問出題され、全て4肢択一マークシート方式です。技能試験は配られた配線図を見ながら、持参した工具で圧着、配線、接続、機器取付を行います。これらは座ったままできる作業です。
また、試験は年2回実施されます。例年、上期は3月中旬~4月上旬が願書申込期間で、5月下旬に筆記試験が実施されます。筆記試験合格者は、7月中旬に技能試験を受験します。下期は7月下旬8月中旬願書締め切り、10月上旬に筆記試験を受験します。筆記試験合格者は12月中旬に技能試験を受けることができます。ただし、正式な日程は必ず事前に確認するようにしましょう。
筆記試験と技能試験、両方に合格した後に、電気工事士の免状交付の申請ができます。試験の申し込みは、書面(受験申込書)またはインターネットで行うことが可能です。また、第二種試験の受験手数料は、インターネットでの申し込みが300円安くなっています。
まとめ
第二種電気工事士の資格は比較的合格率が高いため、独学で合格を目指せます。勉強方法は、さまざまあるため自分にあった方法を選びましょう。ユーキャンの「第二種電気工事士講座」は、筆記試験・技能試験の両方に対応した「本科コース」と技能試験のみに対応した「技能試験コース」を用意しています。
練習用材料やDVD教材も用意しており、しっかり試験対策ができます。ぜひ、試験合格のためにご活用ください。
講座との相性を確かめよう

第二種電気工事士とは、住宅や店舗など600V以下で受電する設備の新築・増改築時に、配線図どおりに屋内配線、コンセントの設置、アース施工などを行う専門技術者のことです。これらの作業で不備があると、感電や火災など、事故の原因となる危険があるため、有資格者でないと作業ができません。そのため、ニーズが高く、好待遇で働ける、安定した収入を期待できるといったメリットが考えられます。履歴書に堂々と書ける国家資格で、就職・転職も有利!
ユーキャンの「第二種電気工事士」講座では、筆記試験から技能試験までしっかり対策! イラストや写真が豊富なテキストで筆記試験の重要ポイントを習得できます。また、技能試験対策のための練習用材料と映像でポイントをつかむDVD教材をセットでお届けします。さらに、五十音順の「用語集」、テキストに出てきた順番で収録した「公式集」、数学が苦手な方のための「基礎数学」、以上の3つを一冊にまとめた副教材は復習や直前対策にも便利です。