医療事務になるには？学校には通うべき？

医療事務になるためには、医療系・ビジネス系の専門学校に進学し、専門知識を身につけてから就職先を探す方法があります。なかには、独学でも資格を取得する人もいます。医療事務は未経験や無資格でも目指せますが、医療系の学校に通っていたり、資格を取得していたりすると就職する際に有利に働く可能性があります。

最近では、医療事務の資格取得者は増加しており、勤務条件のよい医療機関は競争率が高まっています。そのため、希望の勤務条件にマッチした医療機関に就職したいと考えている人は、資格取得後に就職活動をすることをおすすめします。

未経験や無資格でも働ける医療機関もあるため、高校または大学を卒業した後、未経験・無資格で働ける就職先を探すルートもあります。就職後に経験を積み、医療事務に必要な専門知識を身につけるといった実践的な方法です。
ただし、医療機関によっては実務経験者のみを募集しているところもあるので、募集要項に「未経験可」と記載のある求人を探しましょう。なかには、派遣社員として医療事務の職に就き、経験を積んだ後に正社員で就職することを目指す人もいます。また、医療事務の資格を取得して、就職活動に臨む人もいます。

たとえば、レセプト業務の処理能力を証明するための医療事務管理士(R)など、ある程度即戦力としての活躍を期待される資格がいくつかあります。医療事務に関する資格はいずれも民間資格ですが、仕事に就くうえで非常に役立つ資格も少なくありません。
なかでも 医療事務技能審査試験は、40年という長い歴史がある試験です。受付業務に関する知識のほか、患者とのコミュニケーション能力を問う実技試験などもあり、医療事務関連では最大規模の資格試験となります。
ほかにも、 医療事務認定実務者(R)試験では、接遇・マナーなど、受付業務に必要な知識が重点的に問われます。初めて医療事務に従事する人向けの資格といえるでしょう。資格を取得すれば、場合によっては給料アップも期待できます。これから医療事務を目指す人が、知識を蓄える目的で受けるのもいいでしょう。
在宅で受けられる資格試験も多いので、自分のレベルに見合った試験から受けてみるのも一つの方法です。

医療事務になるために学校に通うメリットは、大きく分けて6つあります。ここでは、学校に通うメリットについて解説します。

学習計画に基づいて学べるのは、学校に通うメリットといえます。学校では授業のカリキュラムが組まれているため、全体のスケジュールを把握しながら学習を進められます。未経験から医療事務を目指す場合は、学習リズムをつかむために、計画が組まれた学校に通うことをおすすめします。

実習に参加できる点も、学校に通うメリットの1つです。学校では、本番をシミュレーションした実習で医療事務の仕事を体験できる場合がほとんどです。医療事務の仕事に就く前に、実習を通して大まかな仕事内容を理解できるため、安心して就職できるでしょう。

わからないことがあった際にすぐに講師に聞ける環境がある点も、学校に通うメリットとして挙げられます。授業で理解できなかったことは、その場で教えてもらえるため、未経験で医療事務を目指す人も安心して学べます。講師次第では独学では難しい知識を伝授してくれる可能性もあります。

モチベーションを維持できる点も、学校に通うメリットといえます。学校には、同じ目標をもった仲間がいるため、切磋琢磨しながら一緒に学習することが可能です。また学校に通うために学費を支払っているため、無駄にせずに確実に習得したいと思えるでしょう。

資格を取得できる点は、学校に通うことで得られる大きなメリットです。医療事務に必要なスキルを証明する資格取得をはじめ、医療秘書やパソコン、ビジネスマナーなどに関する資格が取得できる学校もあります。課程を組んで計画的に学習できるため、独学で取得するのは自信のない人にも適しています。

就職活動で有利になる点も、学校に通うメリットの1つです。学校に寄せられる求人量は多く、就職活動のサポート体制も手厚いため、採用へつながりやすいといわれています。未経験でも学校を終了している人としていない人では、知識の信用度に差がでるでしょう。

医療事務になるために通う学校は、大学、短期大学、専門学校、通学講座、通信講座と大きく5つに分類されます。医療事務に関して総括的に学習したい人は、大学、短期大学、専門学校に通うのが適しています。
大学で学ぶ場合は、医療系の学部もしくは福祉学部を選ぶとよいでしょう。短大の場合には、医療事務を目指すためのコースや学科を設けている学校もありますので、カリキュラムや就職サポート、費用面などをしっかり確認して、希望に合った学校を選びましょう。学校に通う場合はどうしても費用が高くなってしまうのがデメリットといえます。通う学校にもよりますが、おおよそ年間で100万円ほどかかるのが相場です。また通学の時間と手間もかかりますので、お金と時間に余裕がある方や、じっくりと学びたい方におすすめです。
一方で、短期間で資格を取得しながら学習したい人には通学講座、通信講座をおすすめします。とくに通信講座は、学習から試験までを自宅で完結できるため、仕事や家庭などと両立しながら学べます。通信講座によっては、1〜2か月程度で学べる短期集中コースもあります。

医療事務資格は、現在たくさんの参考書や問題集が発売されていますので、独学で合格を目指すことも可能です。かかる費用はテキスト代と受験料のみなので、出費を抑えることができるのが大きな魅力です。また、ご自身のペースに合わせて勉強できるのもメリットのひとつと言えるでしょう。
一方で独学の場合は、その自由さゆえにモチベ―ションを保つことが難しく、勉強の効率が悪くなりがちというデメリットがあります。周囲に一緒に勉強する仲間や質問できる先生がいないため、参考書選びの段階から自分でしっかりと情報収集を行い、計画をたてて勉強を進めていく必要があります初めは医療系の専門用語を理解できずにつまずく人も多いでしょう。

法の改正や試験情報などの情報収集や、参考書の購入、学習スケジュールの設定、求人探しなどもすべて自分で行う必要があります。そのため、医療事務を目指すのが初めてで独学に自信がない人は、学校に通うことをおすすめします。