人事評価システムとは?導入メリット、デメリット、選び方を紹介

  • 人事評価システムとは?導入メリット、デメリット、選び方を紹介

    公開日:2024.05.31

    更新日:2024.05.31

    人事評価システムは組織の人事における評価基準や項目、目標設定、評価に基づくフィードバック、人事管理まで一連の人事評価業務をまとめたシステムです。 人事評価システムには業種や組織規模、評価方法などに応じてさまざまなシステムがあり、組織に合わせて選択する必要があります。この記事では人事評価システムの概要やメリット・デメリット、システム選びのポイントなどを解説しています。

人事評価システムとは何か?

人事評価システムとは、人事評価の基準や項目の設定や評価における目標設定から、評価に基づくフィードバック、人事管理までを一連の人事評価業務をまとめたシステムです。

人事評価の方式を、従来の人事評価シートなどによる紙ベースの運用から、システム上で評価項目の設定や集計・分析をデータ化することで、客観的で公正な評価が可能になります。人事評価システムは種類によって、人事考課システムやタレントマネジメントシステム、人材管理システムなどさまざまなものがあります。

人事評価システムの重要性

人事評価システムが重要視される理由は、従来の評価方法に共通する課題があったことです。例えば、中小企業ではエクセルで出力した評価シートに手書きで評価を記入し、それに基づいて評価者と被評価者が面談を行います。しかしこうした手法にはそもそも時間がかかることと、項目が評価者によって統一されていない点、データ化して分析するのが難しいといった課題がありました。人事評価における課題を解決する対策として、人事評価システムの存在が注目されています。システムから統一された評価項目を出力でき、評価内容はシステム内にデータとして蓄積されます。収集したデータから従業員の傾向や長所を分析し、人事管理の効率化につなげることも可能です。1つのシステムで社内の人事評価がまとめられることから、人事考課に貢献するツールといえます。

人事評価システムを導入するメリット

人事評価システムを導入するメリットには、次のポイントがあります。

・人事評価の効率化
・従業員満足度の向上  
・人事情報の管理がしやすい
・適材適所な人材配置ができる

人事評価の効率化

人事評価システムの導入で最も大きなメリットは、人事評価を効率化できることです。

従来の評価方法はエクセルまたは紙ベースで行うことから、データの収集と分析に多くの時間を要します。紙に書かれた内容を再びエクセルなどに打ち込み、そこからデータの分析が始まるからです。一方、人事評価システムは直接システム上のプラットフォームから入力でき、収集したデータもシステム内で自動分析できます。評価や報告書の作成がスムーズになり、短期間でフィードバックまでステップを進められるでしょう。

従業員満足度の向上

従業員満足度の向上につながることも、人事評価システムのメリットです。従来の評価方法の課題の1つとして、評価内容や評価基準が不明確で、評価される従業員が不満を感じやすい点がありました。人事評価システムは社内全体で統一した評価基準と内容が明確で、評価を受ける従業員にも評価結果が一目瞭然です。 従業員は人事評価システムにより、自分の働きやスキルがどのように評価されているか把握でき、従業員エンゲージメントが高まりやすくなります。

人事情報の管理がしやすい

人事評価システムは1つのシステム内に情報が集約されるため、人事情報の管理がしやすくなります。通常の評価方法の場合、エクセルや紙ベースで保管されており、各部署のパソコンや倉庫内にデータが保管されます。複数年にわたる人事情報は保管場所に困るだけでなく、特定の情報を探すだけでも膨大な時間が必要です。その点、人事評価システムは複数年の人事データが部署や従業員毎に分類されており、いつでも簡単に閲覧できます。

データベースとして他のシステムとも連携すれば、勤怠や業務態度と人事評価を連動させることもできるでしょう。

適材適所な人材配置ができる

人事評価の目的には、社内で最適な人事管理を行うことが含まれます。人事異動の際は従業員のスキルと部署の特性、これまでの経験や実績なども加味して人事を行う必要があります。過去のデータから適材適所な人材配置を行うためにも、人事評価システムの活用が効果的です。社内全体の人材をデータで比較し、それぞれの部署に最適な人材を配置することができるでしょう。

人事評価システムを導入するデメリット

人事評価システムを導入するデメリットは、次のポイントです。

・導入に時間とコストがかかる
・従業員のモチベーション低下につながる可能性がある。 
・評価される仕事ばかりする人が現れる

導入に時間とコストがかかる

人事評価システムの最大のデメリットは、導入に一定の時間とコストがかかることです。

人事評価システムの構築に時間がかかるだけでなく、評価指標の選定や目標設定、運用上の課題などを整理・検討しなければなりません。システムの円滑な運用には事前に準備をしたうえで、従業員への周知と理解を求める必要もあります。また、システム導入には初期費用だけでなく、毎月の利用料金やメンテナンス費用などもかかります。人事評価システムの導入にはコストがかかることも踏まえて、コストパフォーマンスが見合っているか検討しましょう。

従業員のモチベーション低下につながる可能性がある

人事評価システムの導入で従業員エンゲージメントが向上するケースもあれば、逆にモチベーションを低下させてしまうケースもあります。例えば、従業員の間で評価の良し悪しがはっきりすることで、一部の従業員が不満を抱く可能性があります。特に自己評価が高い人は、自己評価と他者からの評価に乖離があると、不満として噴出する可能性があることを理解しましょう。 人事評価は必ずしも従業員の望む結果になるとは限りませんから、従業員が評価に納得できるようフォローアップしていくことが大切です。

評価される仕事ばかりする人が現れる

人事評価システムで評価項目や基準が明確になると、従業員の中に評価されやすい仕事ばかりする人が現れることもデメリットです。自分だけが評価される行動をすることで、他の従業員のモチベーションを下げることになるでしょう。

組織全体の生産性が低下することにもつながるため、従業員の行動を適切に評価することが重要です。

人事評価システムの具体的な機能

人事評価システムの機能にはさまざまなものがあります。 

その中でも代表的な機能について紹介します。 

 

人事情報管理機能 

システム上で従業員情報や部署、支店などの人事情報を把握できる管理機能 

進捗管理機能 

評価者が従業員の評価を行う際、人事担当者と共有して進捗状況や目標などを管理できる機能具体的なプランを提示することで、目標達成に向けた道筋やサポートを明確にできる 

評価シート作成・配布・回収・集計 

社内の評価方法に沿った評価シートを作成し、配布・回収・集計まで実施できる機能 

評価の作成から実施までをシステム内で完結できる 

評価分析 

MBO360度評価、OKRなど人事評価の方法に合わせて評価結果の分析を行う機能 

分析結果はレポートとして各従業員にフィードバックすることもできる 

顔写真付き組織図 

従業員の顔写真付きで、社内のどの部署に誰が所属しているか把握できる組織図 

人事異動シミュレーション 

組織図内の従業員を異動させ、異動によってどのような影響があるかシミュレーションする機能 

データベースの情報を参考にするため、情報量が多いほど正確なシミュレーションが可能 

人材データベース 

組織内の従業員の個人情報、職務経歴、経験年数、異動履歴、人事評価、資格などをまとめたデータベース 

他システム連携 

勤怠管理や入退室管理、労務管理、給与計算などの他システムと連携する機能 

人事評価システムを比較検討する際のポイント

人事評価システムを比較検討するポイントを紹介します。

自社の人事評価制度との相性

人事評価システムには種類ごとに特徴や相性があるため、自社の人事評価制度と相性が良いシステムを選定する必要があります。 自社の人事評価で重要とされる項目が豊富で、設定の自由度が高いものを選ぶのが望ましいです。人事評価の方法に360度評価やMBO、OKRなどを取り入れている場合は、評価方法に対応したシステムであることも大切です。急に評価方法が変更になれば、人事担当者・評価者・被評価者の全員が戸惑うことになるでしょう。また評価方法自体は同じであっても、システムとしての使いやすさも意識すべきです。便利なシステムであっても既存システムとの連携ができなかったり、操作性の悪い画面配置だったりすれば、使う人にとってはストレスになります。自社の人事評価制度との相性、従業員のユーザビリティを意識することが大切です。

自社の組織体制や規模に見合っているか

自社の組織体制や企業規模に合わせて、最適なシステムを選ぶことも重要です。例えば従業員が数十人の中小企業においては、顔写真付き組織図や人事異動シミュレーションなどがあると便利です。一方で大企業では組織図が大きくなりやすいため、一覧で把握しやすいシステムを選ぶのがよいでしょう。また企業規模が大きくなれば管理職も多くなるため、各階層でスムーズに認証できる承認フローがあるシステムがおすすめです。そのため多機能なものを選ぶのではなく、自社の組織体制や規模に対し、最も使いやすいシステムを比較検討することがポイントになります。その中で重要な機能を備えているシステムをピックアップし、運用のシミュレーションを行いましょう。

既存システムや他システムとの連携機能

既存の業務システムや人事評価システムがある場合、互換性や連携機能があるかを確認することも大切です。従来の評価方法がエクセルによる評価シートだった場合、エクセルのデータを取り込めるシステムであることも確認しましょう。他システムとの連携の例では、業務管理や勤怠管理、経営管理システムと連動したサービスもあります。人事評価と勤怠管理、業務管理を結び付けたい場合に、動線が集約されるため利用しやすくなるでしょう。企業規模が大きくなるほど連携機能が重要になるため、導入コストも踏まえながら利用しやすいサービスを選択してください。

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まとめ

今回は人事評価システムの概要、メリット・デメリット、機能などを解説しました。人事評価システムはさまざまな種類や機能があるため、自社の目的と組織体制に合わせてシステムを選択すべきです。また実際に運用する従業員の意見も参考に、使いやすいシステムを比較検討することも欠かせません。自社で行っている評価方法やシステムとの互換性もチェックし、スムーズに導入できるサービスを選択しましょう。

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