コンサルタント希望者に適した資格は?取得すると有利なものの特徴を領域別に解説

  • 公開日:2023.12.28

    更新日:2023.12.28

    クライアントの課題を発見し解決策を提案したり、具体的な行動を助言するコンサルタントには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。この記事では、コンサルタントとして働くうえで資格は必要なのか、また役立つ資格を解説しています。コンサルタント業務に関わっている人や、自社のコンサルタントに資格取得を促したい人は参考にしてください。

コンサルタントの基本情報

そもそも、コンサルタントとはどのような職業なのでしょうか。基本的な情報を2つの観点から解説します。

  • ・コンサルタントは企業の業績や効率改善に向けたアドバイスをする職業で、内容は多岐にわたる
  • ・資格は必須ではないが、採用される場面やキャリアアップを狙う場面で有利になるケースがある

コンサルタントとは

コンサルタントとは、クライアントからの依頼を受けて企業の業績や効率の向上を目指す職業です。 経営状態の分析、事業再生の実施など、業務は多岐にわたります。ひと言でコンサルタントといっても、領域がいくつかに分かれています。

コンサルタントに資格は必要?

コンサルタントになるうえで、必須の資格はありません。応募要項に、有資格者であることがあげられているケースはほとんどありません。

ただし、資格があると一定以上の能力を有していると判断され、コンサルタントになる際やコンサルタントとして働く際に有利になり、キャリアアップにもつながりやすくなるでしょう。コンサルタントとしてどの領域を目指すかで、役立つ資格は異なります。コンサルタントに適した資格を、戦略系・財務系・IT系・英語系の4つに分けて解説します。

コンサルタントに適した戦略系の資格3選

戦略系コンサルタントの転職・キャリアアップに役立つ資格として、以下の3つがあげられます。

  • ・大学院で2年間の修士課程を修了すると授与され、経営管理に関する理論を学べるMBA
  • ・中小企業が抱える課題について助言する中小企業診断士
  • ・もっとも長い歴史を誇り、経営実績が必要な経営士

1.MBA

MBAはMaster of Business Administrationの略であり、日本語では経営学修士号、もしくは経営管理修士号と呼ばれる学位です。

MBAコースを設置する大学院(ビジネススクール)では、2年間の修士課程を修了すると学位が授与され、最終学歴も更新されます。 ビジネスリーダーとして求められる知識や実践力を身につけるために、経営管理に関する理論を体系的に学び、グループワークや課外授業なども実施されます。コンサルタントとしての土台を習得できるでしょう。
MBAコースを設置する国内の大学院が増えており、夜間や週末のみの通学で修了できたり、オンライン授業が実施されていたりするコースもあります。社会人でも働きながら取得を目指せるでしょう。

2.中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業が抱える経営課題を明らかにして助言する専門家です。中小企業支援法の第12条に基づく、国家資格となっています。取得するには、基礎的な知識を問う1次試験、筆記式と口述式で応用力を問う2次試験の両方に合格し、さらに実務補習・実務従事を受講しなければなりません。

コンサルティング能力に関する国家資格であり、取得すると一定以上のコンサルティング能力を有していると証明できます。

3.経営士

経営士とは年に2回実施される、もっとも長い歴史のある経営に関する資格です。一般社団法人日本経営士協会が認定する民間資格で、伝統があるため信用の高い資格とされています。経営士になるには5年以上の経営管理の実務経験が必要なため、経営実績を有する人におすすめといえます。

コンサルタントに適した財務系の資格4選

コンサルタントは、お金についての知識を求められるケースが少なくありません。おもに以下の4つの資格が役立つでしょう。

  • ・くらしとお金の総合的な知識が求められるファイナンシャルプランナー
  • ・監査と会計の専門家である公認会計士
  • ・税務の専門家で、「税務代行」「税務書類作成」「税務相談」が独占業務の税理士
  • ・労働保険・社会保険の専門家で、「労働法や社会保険に関する書類の作成・提出の代行」が独占業務の社会保険労務士

1.ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、税金・投資・住宅ローン・相続・老後など、お金に関する専門家です。個人が抱えるお金に関する悩みを聞き、助言します。

ファイナンシャルプランナーには国家資格の「FP技能士」、民間資格の「CFP認定者」「AFP認定者」と、3つの種類があります。お金に関する総合的な知識が求められるため、自分自身の生活に加えてコンサルタントとしても役立つでしょう。

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2.公認会計士

公認会計士とは、監査及び会計の専門家です。公認会計士法に基づく国家資格で、企業の「監査業務」は独占業務になります。監査業務の他にも、会計や経理・財務・経営に携わる際に役立つでしょう。受験するために特別な資格は必要なく、誰でも自由に受験できます。

公認会計士を取得するには、マークシートの「短答式」と、記述の「論文式」で実施される公認会計士試験に合格しなければなりません。また、試験の前後に監査等の業務補助として2年以上の実務経験、もしくは3年間の実務補習講習と修了考査への合格も必要です。

公認会計士の知識はコンサルティングにも活用できるため需要は高く、キャリアアップを考えた際に役立つでしょう。

3.税理士

税理士とは、税務の専門家です。税理士法に基づく国家資格で、「税務代行」「税務書類作成」「税務相談」の3つは独占業務になります。税理士は公正な立場から、納税義務の適正な実現を図ります。取得するには、1年に1回実施される税理士試験に合格し、租税または会計に関する事務として2年以上従事しなければなりません。

難易度が高い資格の1つですが、取得すれば税理士法人や税務担当者として働く方法だけでなく、税理の知識を活用してコンサルタントとして働く選択肢もできます。

4.社会保険労務士

社会保険労務士とは、労働保険・社会保険の専門家であり、社会保険労務士法に基づく国家資格です。労務管理・労働保険・社会保険に関する書類作成の代行や相談・指導などを実施します。なかでも、労働法や社会保険に関する書類の作成・提出の代行は独占業務です。

取得するには、1年に1回実施される社会保険労務士試験に合格することに加え、2年以上の実務経験もしくは弁護士資格が求められます。 社会保険労務士は、労働者側からの視点で企業の状態を診断する能力を有しており、コンサルティングにも役立ちます。経営者側から診断する、中小企業診断士と異なる視点での助言が可能です。

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コンサルタントに適したIT系の資格4選

IT系の資格も、コンサルタントとして役立つものが増えています。以下の4つがおすすめです。

  • ・IT戦略の専門家であるITストラテジスト
  • ・情報システムの開発・運営の責任者として役立つプロジェクトマネージャ
  • ・ITシステムの運用管理責任者として役立つITサービスマネージャ
  • ・プロジェクトを管理し成功に導くPMP

1.ITストラテジスト

ITストラテジストとは、情報技術を活用して事業を改革・高度化・最適化するIT戦略の専門家です。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が認定する国家資格であり、試験は4つの試験で構成され、3試験は100点満点の記述式、1試験は論述式で行われます。

2.プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャとは、情報システムの開発に携わり、その後の運用にも携わる総合的な責任者です。 IPAが認定する国家資格であり、ITストラテジストによって作成された戦略の円滑な実行を指揮・監督する人材であることを証明します。I試験では、開発プロジェクトの計画を作成し、リソースを調達したり円滑に進行したりするための知識・スキルが問われます。

3.ITサービスマネージャ

ITサービスマネージャとは、ITシステムの運用管理責任者としての能力をIPAが認定する国家資格です。ITサービスを安定的に提供するにはリスクやコストの管理が必要であり、システム・ビジネス双方の知識が求められます。IT投資から得られる効果を最大にする存在といえます。

ITサービスマネージャは、安全性と信頼性とともに高度なITサービスを提供するために指揮・管理する人材です。ITシステムを安定して稼働しつつ継続的に改善し、障害が発生した際の対応や品質管理などを行います。

4.PMP®

PMP®とは、Project Management Professionalの略で、PMI(アメリカのプロジェクトマネジメント協会)が認定する国際資格です。プロジェクトを管理して成功に導ける人材であることを証明します。

PMPは、プロジェクトマネジメントについての知識に加えて実務力も必要であり、取得できればマネジメントスキルを保証してくれます。PMP取得後は3年ごとの更新が必要であり、常に学び続けなければなりません。

コンサルタントに適した英語系の資格2選

外資系のコンサルティング企業では、本社とスムーズにコミュニケーションをとるために、英語が必須といえます。ここでは、2つの英語検定について解説します。

  • ・世界で活用され、実践的なコミュニケーション能力が問われるTOEIC
  • ・学問的な英語力を評価するTOEFL

1.TOEIC

TOEICとは、Test of English for International Communicationの略で、世界中で活用されている英語のスキルを評価する試験です。試験は5種類ありますが、いずれも知識というよりも実践的なコミュニケーション能力がスコアで評価されます。

一般的には、マークシート形式で990点満点の「Listening & Reading Test (TOEIC L&R)」が使用されます。 英語のスキルを採用基準に含める場合、「どのような状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」とされる730点以上が条件となるケースが多いでしょう。

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2.TOEFL

TOEFLとは、Test of English as a Foreign Languageの略で、非英語圏から英語圏に留学したい人を対象に、学問的な英語のスキルを評価する試験です。

TOEFLは120点満点で、口頭で回答する問題や自由形式で回答する問題もあるため、マークシート形式のTOEICとは異なる対策が必要です。海外MBAの出願要件にされることが多く、目標は80点以上が1つの目安とされています。

資格を取得する際の注意点

コンサルタントに関する資格の取得を検討したり、自社の従業員に取得を促したりする際は、目指す仕事の領域と資格との整合性が取れているかを確認しましょう。難関資格を取得しても、今後就きたいと考えているコンサルティング企業の業務内容と離れていては、あまり役に立ちません。

また、難易度が低い資格を数多く取得するよりも、自分自身の専門性を示せる資格を1つ取得したほうがアピールにつながります。 コンサルタントにとって資格は必要不可欠なものではなく、重要なのは業務を遂行できることです。業務を安定して進めるには、論理的思考力やコミュニケーション力が求められます。
資格はあくまでも、専門性や能力を客観的に評価するものです。コンサルタントは資格以上に、スキルや実務経験が重視されるケースが多いことを理解して、希望する仕事に就くうえで役立つ資格の取得を検討しましょう。

まとめ

コンサルタントとは企業の業績、または効率の向上を目指す職業です。資格は必要ありませんが、該当する分野で一定の能力があることの証明になり、キャリアアップにも役立ちます。

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