おすすめのExcel資格4選!試験の特徴や難易度を解説!

  • 公開日:2023.11.28

    更新日:2024.04.05

    Excelは幅広い業種で利用されています。デジタル化が進む昨今においても、他のITツールやシステムと連携して活用できる場面はまだまだ多い状況です。 Excelには複数の資格があり、取得するとスキルアップにつながり、業務の効率化ができます。 この記事では、Excelに関する資格の種類や特徴について解説します。資格取得を促すメリットや資格取得後の注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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Excel資格の取得を促すメリット

Excel資格の取得には以下のメリットが期待できます。業種にかかわらず仕事を効率化できるので、従業員に資格取得を促しましょう。

  • ・Excelを活用して業務を効率化できる
  • ・資格取得を通じて自信がつきモチベーションが向上する
  • ・人事評価でのアピールやキャリアアップにつながる

業務の効率化が狙える

資格取得によりExcelの機能を有効活用できるようになれば、業務のさらなる効率化を期待できます。Excelにはデータ集計やグラフ作成などの豊富な機能があり、自動化できる作業もあります。作業を自動化できれば、少ない手間でより多くの業務をこなすことができ、空いた時間を他の業務に回すことも可能です。

モチベーションの向上が狙える

Excelの資格を取得して業務に活用できれば、従業員にとっての自信になります。自己評価が高まり、仕事に対するモチベーションも高くなります。

人事でのアピールやキャリアアップにつながる

Excelは幅広い職種で活用されているため、資格があると人事評価の際にアピールすることができます。資格は、一定以上の技術やノウハウを有している事実を証明するために役立つからです。資格があるおかげでより高いポジションに就けたり、給料が上がる可能性もあります。

おすすめのExcel資格4選

Excelの資格としては、以下の4つがおすすめです。いずれの資格も、自社の業務効率を向上させることが可能であり、従業員自身のスキルアップにも役立ちます。それぞれの難易度や取得のメリット、試験に関する情報を解説します。

  • ・Excel表計算処理技能認定試験: Excelを実務で効果的に使える能力を測定する試験
  • ・日商PC検定(データ活用):PCスキルに関する実用的な認定試験
  • ・VBAエキスパート(Excel):VBAを使いこなすためのスキルを認定する民間資格
  • ・MOS(Microsoft Office Specialist):Microsoft社が運営する公式のOffice資格

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSとは「Micro Office Specialist」の略称で、Microsoft社が運営する公式のOffice資格です。Microsoft Office全般についての資格ですが、Excelに絞って資格を取得する方法もあります。スペシャリスト(一般)、エキスパート(上級)に分かれており、違いは内容や難易度などです。それぞれの詳細について、以下で解説します。なお、記載内容は2023年10月時点の情報です。

MOS スペシャリスト(一般)

スペシャリスト(一般)では、基本的な数式や関数の作成、セルの書式設定、グラフ作成といったExcelの基礎となる操作に関して問われます。出題範囲はExcelのバージョンによって異なります。試験の詳細は、以下のとおりです。
バージョンExcel365Excel2019Excel2016
受験料 (税込)一般価格10,780円
学割価格8,580円
試験方法コンピュータを使用する実技試験(CBT)
試験時間50分間
出題範囲
  • ・ワークシート・ブックの管理
  • ・セル・セル範囲のデータの管理
  • ・テーブルのデータの管理
  • ・数式・関数を使用した演算の実行
  • ・グラフの管理
  • ・ワークシート・ブックの管理
  • ・セル・セル範囲のデータの管理
  • ・テーブルの作成
  • ・数式・関数を使用した演算の実行
  • ・グラフ・オブジェクトの作成
  • ・ワークシート・ブックの管理
  • ・セル・セル範囲の作成
  • ・テーブルの作成
  • ・数式・関数の適用
  • ・グラフ・オブジェクトの作成

MOS スペシャリスト(一般)の難易度

公式に発表されているわけではないものの、スペシャリスト(一般)の合格率は約80%といわれています。求められているレベルはExcelの基礎となる操作ができることであり、比較的簡単な内容です。具体的には、Excelの主な機能を利用して、セルやセル範囲への書式設定、数式の作成、テーブル機能、グラフの作成・編集など、Excelの基本的な操作について出題されます。

MOS エキスパート(上級)

エキスパート(上級)では、ピボットテーブルのデータ分析、条件付き書式の設定、入力規則の設定、マクロの作成や編集といったExcelの高度な機能に関して出題されます。出題範囲はExcelのバージョンによって異なります。試験の詳細は以下のとおりです。
バージョンExcel2019Excel2016
受験料 (税込)一般価格12,980円
学割価格10,780円
試験方法コンピュータを使用する実技試験(CBT)
試験時間50分間
出題範囲
  • ・ブックのオプションと設定の管理
  • ・データの管理、書式設定
  • ・高度な機能を使用した数式・マクロの作成
  • ・高度な機能を使用したグラフ・テーブルの管理
  • ・ブックのオプションと設定の管理
  • ・ユーザー定義のデータ表示形式やレイアウトの適用
  • ・高度な機能を使用した数式の作成
  • ・高度な機能を使用したグラフ・テーブルの作成

MOS エキスパート(上級)の難易度

エキスパート(上級)についても公式の発表はありませんが、合格率は約60%といわれています。Excelの高度な機能を利用して、さまざまなデータ処理を行える方を対象とした資格です。
スペシャリスト(一般)がExcelを使い、業務をスムーズに遂行するために必要なスキルを扱っているとすると、エキスパート(上級)は業務自体の改善に必要なスキルを扱っているといえます。

エキスパート(上級)の試験については、高度な機能への対策が必須です。数式やマクロの作成、グラフやテーブルの作成や管理などに対応できるよう試験対策をする必要があります。

MOS(Microsoft Office Specialist)の取得のメリット

従業員がMOS(Microsoft Office Specialist)を取得した場合、企業には以下の3つのメリットがあります。
  • ・パソコンを使いこなすスキルを客観的に証明できる
  • ・試験対策の学習により実務で役立つ力が身につく
  • ・業務効率化を促せる
資格取得によりスキルを証明できれば、従業員は自信を持って仕事に取り組むことができます。その結果、自社に対するエンゲージメント(愛着心)が生まれることも期待できます。また、資格取得に向けて勉強すると自然とパソコンを使う機会が増え、実務で役立つスキルを身につけることが可能です。資格取得後はMicrosoft Officeの機能を使いこなせるようになるため、業務効率の向上につながります。

Excel表計算処理技能認定試験

Excel表計算処理技能認定試験は、ビジネスについての能力や技能に関する認定試験を実施している、株式会社サーティファイが運営しています。Excelを使用して実務を効果的に進めるための能力を測定するための試験です。1~3級に分かれており、最も難易度が高い資格は1級です。1~3級の概要をまとめると、以下のとおりとなります。なお、記載内容は2023年10月時点の情報です。

1級2級3級
受験料 (税込)8,100円7,000円5,900円
試験方法知識試験コンピュータによる多肢選択式なし
実技試験コンピュータでのワークシート作成
試験時間知識試験15分なし
実技試験90分60分
出題範囲
  • ・2級・3級の内容
  • ・オブジェクトの応用
  • ・関数とグラフの作成
  • ・ハイパーリンクの作成
  • ・What-If分析
  • ・3級の内容
  • ・環境設定と変更
  • ・レイアウト
  • ・関数とグラフの作成
  • ・オブジェクトの基本
  • ・データベース機能
  • ・マクロ
  • ・ワークシート・ブックの保護
  • ・画面要素の名称・役割・機能の確認
  • ・ブックの表示
  • ・セルの書式設定
  • ・データ編集とオートフィル
  • ・簡単な関数・グラフの作成

Excel表計算処理技能認定試験の難易度

3級は初歩レベルにあたるため、比較的合格を目指しやすいです。1級と2級はExcelの上級者を対象としています。ただし、どの級も合格率は約80%となっているため、試験対策に力を入れれば合格を目指せます。初めて受験するなら、3級または2級を受験すると資格を取得できる可能性が高いです。1級も他の資格と比べれば難易度は低い方であるため、ぜひ挑戦してみましょう。

Excel表計算処理技能認定試験の取得メリット

従業員がExcel表計算処理技能認定試験の資格を取得するメリットは、以下のとおりです。

  • ・事務作業がスムーズに進む
  • ・従業員のスキルが向上する
  • ・従業員のモチベーションが高まる
事務作業ではExcelを使う場面が多いため、有資格者がいると業務が円滑に進むようになります。また、資格取得に向けた学習が実務力となりスキルアップにつながります。従業員が資格取得という成功体験を得ると、仕事に対するモチベーションのアップも期待できます。

日商PC検定(データ活用)

日商PC検定(データ活用)は、日本商工会議所・各地商工会議所が実施している検定です。1~3級に分かれており、最も難易度が高い資格は1級です。3級よりも簡単な初歩的な資格として、4級に相当するBasicも用意されています。

2・3級については、特定の検定や試験の合格者の受験を免除する制度もあります。対象となるのは、電子メール活用能力検定やPC実践能力検定などです。1~3級の概要をまとめると、以下のとおりです。なお、記載内容は2023年10月時点の情報です。

1級2級3級
受験料 (税込)10,480円7,330円5,240円
試験方法試験会場のパソコンを使用し、試験の自動実行プログラムと試験問題ダウンロードして実施
試験時間知識科目30分15分15分
実技科目60分40分30分
出題内容課題やテーマを設定し、各種手法によって分析する。その結果についてレポートを作成し、問題の解決策や今後の戦略などを立案する。業務に関する最適なデータベースを作成する。適切な方法で分析し、表やグラフを活用してレポートを作成する。正確かつ迅速に業務データベースを作成し、集計、分類、並べ替え、計算、グラフ作成などを行う。

VBAエキスパート(Excel)

VBAエキスパート(Excel)は、Excelのマクロ機能で使用するプログラミング言語やVBAに特化した資格です。 マクロとは、Excel上での作業を記録し、自動化するための高度な機能です。Excel VBA ベーシックで基本的な内容、Excel VBA スタンダードで応用的な内容を扱っています。

VBAエキスパート(Excel)のExcel VBA ベーシックと、Excel VBA スタンダードについてまとめると、以下のとおりです。なお、記載内容は2023年10月時点の情報です。

バージョンExcel VBA ベーシックExcel VBA スタンダード
受験料 (税込)13,200円14,850円
試験方法コンピュータ上で実施
試験時間50分
出題内容
  • ・マクロ・VBAの概念
  • ・マクロ記録
  • ・モジュール・プロシージャ
  • ・VBAの構文
  • ・変数と定数
  • ・セルの操作
  • ・ステートメント
  • ・関数
  • ・ブックとシートの操作
  • ・マクロの実行
  • ・プロシージャ
  • ・ステートメント
  • ・ワークシート関数の利用
  • ・検索・オートフィルター
  • ・データの並べ替え
  • ・テーブルの操作
  • ・エラー対策
  • ・デバッグ

VBAエキスパート(Excel)の難易度

VBAエキスパート公式サイトによれば、2019年5月~2022年12月受験者データを集計して計算した合格率は、Excel VBA ベーシックが81%、Excel VBA スタンダードが59%です。

VBAエキスパート(Excel)はMOSより難易度が高いといわれています。勉強時間の目安はベーシックなら25時間程度、スタンダードなら75時間程度です。ベーシックは独学でも資格取得を目指せますが、スタンダードはセミナーや対策講座を受講し、合格を目指した方がいいでしょう。公式サイトでサンプル問題が掲載されているため、具体的な出題内容を知りたい場合は参考にしてください。

VBAエキスパート(Excel)の取得メリット

従業員がVBAエキスパート(Excel)を取得した場合、企業が得られるメリットは以下のとおりです。

  • ・業務効率化を実現できる
  • ・コスト削減になる
  • ・プログラミンスキルを活かして業務に対応できる
資格取得によりマクロを扱えるようになれば、Excelの作業を自動化したり、データを一括処理したりできるようになります。たとえば、データのチェックや請求書の作成も自動化が可能です。それらの作業を自動化できると、ヒューマンエラーやコストの削減にもつながります。

VBAは簡単なプログラミング言語ですが、専門性の向上により社内で横断的な業務に対応できるようになるでしょう。

Excel資格取得後の注意点

Excel資格取得後は、以下の点に気をつけましょう。特に資格取得が目的になってしまうと、その後は技術力が養われず、知識も深まりにくいので、従業員のモチベーションアップにつながる仕組みが必要です。

  • ・さらなるレベルアップを目指して実務で経験を積ませる
  • ・Excelのバージョンアップに対応するためにスキルアップを促進させる
  • ・年収アップや昇進など資格に対して適切に評価する

実務経験を重ねる機会を設ける

Excelの資格を取得した従業員に対しては、実務でスキルを活かせる機会を作りましょう。 Excelの資格を取得できても、実務で活かせなければ意味がありません。また、資格を通して得られたスキルやノウハウは、日々の業務に応用するとさらにレベルを高められます。

たとえば、Excelを活用した報告書の作成や、データ分析などの業務を任せるといいでしょう。ただし、資格を取得した従業員のみに業務が集中すれば、属人化に陥るリスクもあります。複数の従業員に対して資格取得を促し、分担して業務に取り組める体制を作ることも大切です。

継続的なスキルアップを促す

Excelの資格を取得した従業員に対しても、継続的なスキルアップを求めましょう。資格の取得に力を入れている人のなかには、資格取得そのものが目的になっている人もいるからです。そのような人は、資格の取得後はExcelの勉強がおろそかになる可能性があります。

Excelは、定期的なバージョンアップによって機能の変更や追加などが発生しているため、業務で使いこなすには継続的なスキルアップが必要不可欠です。たとえば、セミナーへの参加やオンライン講座の受講などを促すといいでしょう。

また、より難易度が高い資格の取得を呼びかければ、実務においても積極的に知識を吸収しようとする動きを期待できます。

年収アップや管理職への登用を検討する

Excelの資格の取得者に対して何らかのメリットを与えると、仕事へのやりがいを見出しやすくなります。資格を適切に評価し、メリットとして感じられる待遇を用意しましょう。たとえば、資格手当を支給したり、役職や管理職に登用したりする方法もおすすめです。

また、資格取得をきっかけにチームリーダーに抜擢すれば、責任感が芽生えて自社に対する貢献度が増す可能性もあります。なお、資格を取得した後に転職を考える従業員もいます。離職を防ぐためにも、明確な人事評価制度やキャリアアップ制度を用意し、意欲的に働ける環境を整備しましょう。

まとめ

Excelには専門的なさまざまな資格が存在します。レベルに合わせて試験が分けられているため、それぞれの従業員が自分のスキルや能力に応じて資格取得を目指せます。 Excelの知識は様々な業務で役立つため、従業員が積極的に試験に挑戦できるよう企業がサポートすることが大切です。

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