企業が注目する自己啓発とは?
自己啓発とは、自身の考え方や能力を、自らの意思で伸ばしていく活動です。業務範囲の拡大やキャリアアップなどを目指す従業員にとっては、必要な活動の1つです。自己啓発による従業員の能力アップは、自身のキャリア形成だけでなく企業への貢献にもつながります。
多くの従業員が自己啓発によって能力やスキルを向上させれば、企業の成長や事業拡大も期待できるでしょう。
言い換え
自己啓発とは、社員が自らの意思で自由時間を使い、仕事や人生に役立つ知識やスキルを磨く取り組みです。変化の激しい社会では「自ら学び成長する姿勢」が重要視されています。目的はスキル習得だけでなく、心の成熟や視野の拡大を通じてキャリアを広げることにあります。そのため「自己開発」「自己啓蒙」「自己変革」「自己改革」といった言葉で言い換えられることもあります。
いずれも主体的に学び続ける姿勢を強調し、企業にとっても従業員の自主的な成長は組織の活性化につながるのです。
能力開発との違い
能力開発は、組織が体系的に人材を育てる取り組みです。研修やセミナー、職業訓練などを通じて、知識や判断力だけでなく業務を進める行動力も養います。つまり「組織主導」で計画的にスキルを底上げする仕組みです。
一方、自己啓発は「個人主導」で自由時間を活用する点が大きな違いです。両者は目的が似ていますが、主体と方法が異なります。企業の能力開発と社員の自己啓発が組み合わさることで、組織全体の競争力を高め、変化の時代に柔軟に対応できる人材育成が可能になります。
従業員の教育形態
企業における従業員教育は、社員の成長と組織力の強化を目的として体系的に行われます。基本的な形態は「OJT」「Off-JT」「自己啓発」の3種類に分かれ、それぞれに特徴とメリットがあります。これらを組み合わせることで、社員の能力を多角的に伸ばし、企業全体の競争力を高めることができます。
OJT(職場内訓練)
OJTは「On the Job Training」の略で、日常業務を遂行しながら上司や先輩の指導を受け、必要な知識やスキルを習得する方法です。最大の特徴は、実際の業務を通じて学べるため即戦力につながりやすい点です。例えば新入社員が先輩と一緒に顧客対応を行いながら、実務の流れや判断基準を身につけるケースが典型です。OJTは現場に密着しているため、実践的なスキルや組織文化を自然に吸収できるメリットがあります。
一方で、指導者の力量や指導方法に左右されやすいという課題もあります。そのため企業は、指導者研修やマニュアル整備を行い、OJTの質を高める工夫をしています。短期間で業務に慣れる効果が高く、現場力を強化する教育形態として広く活用されています。
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Off-JT(職場外研修)
Off-JTは「Off the Job Training」の略で、職場を離れて行う研修やセミナーを指します。集合研修や外部講座などが代表的で、体系的に知識を整理し、理論を学ぶことができます。特徴は、日常業務から離れることで集中して学習できる点です。例えばマネジメント研修や専門スキル講座では、実務だけでは得にくい理論や最新知識を習得できます。また、異なる部署や他社の参加者と交流することで、新しい視点やネットワークを広げる効果もあります。
Off-JTは計画的に実施されるため、社員の基礎力や専門性を体系的に底上げする役割を果たします。ただし、実務との接点が薄くなるため、学んだ内容を職場でどう活かすかが課題となります。企業はフォローアップ研修やOJTとの組み合わせで、学習効果を定着させています。
自己啓発
自己啓発は、社員が業務時間外の自由時間を使って、自ら知識やスキルを磨く取り組みです。資格取得の勉強や読書、オンライン講座の受講などが代表例です。特徴は、個人の意思で学びを進めるため、主体性や自己管理力が育つ点です。
近年は企業が自己啓発を支援するケースも増えており、セミナー費用の補助やeラーニングの提供などが行われています。自己啓発は業務に直接役立つスキルだけでなく、間接的にキャリア形成や人間的成長につながる効果があります。
例えばコミュニケーション力や問題解決力の向上は、職場での協働やリーダーシップに活かされます。一方で、個人の努力に依存するため継続が難しいという課題もあります。企業が支援制度を整えることで、社員の自主的な学びを後押しし、組織全体の成長につなげることが期待されています。
自己啓発する5つの方法
自己啓発には色々な方法があります。企業に勤める従業員が自己啓発活動に取り組むなら、以下のような5つの方法が一般的です。
- ・セミナーやワークショップ
- ・資格取得
- ・通信講座やスクール
- ・関連書籍
- ・マンツーマンのコーチング
それぞれについて詳しく解説します。
セミナーやワークショップに参加する
セミナーやワークショップへの参加は、特定のテーマに沿って知識が得られるいい機会になります。自身の好みや興味に合ったテーマがあれば、積極的に学習ができるでしょう。昨今のワークショップは、小規模なものから大規模なものまで開催されています。
講演会形式のものや参加者同士の意見交換、交流ができるものもあり、属性の近い人と情報交換もできるでしょう。ただし、参加費が発生するケースが多いため、従業員の負担になってしまいます。営業などの目的で開催されているケースもあるため、主催や開催目的を精査して参加可否を判断する必要があります。
トラブルを避けるためには、信頼性の高い企業や団体が主催となるセミナーやワークショップへの参加を促すといいでしょう。
資格取得を目指す
資格取得も自己啓発の一環です。資格取得という明確な目標に向かって学習に取り組めるため、モチベーションを維持しやすいのが特徴です。 資格には、国家試験や民間資格などさまざまなジャンルがあるため、自分が望むキャリアパスに合わせて資格を選択できます。
昨今では、ビジネスに役立つ資格として、ITスキル関連資格や簿記検定、税理士、社会労務士などが注目されています。資格取得は、特定の分野に関する知識や技術が総合的に学べるほか、自信にもつながります。受験申し込みや試験日などが毎年決まっている資格が多く、メリハリのある学習計画が立てられるのがメリットです。
通信講座やスクールで学ぶ
大学や専門学校などの各種教育機関では、外部向けの講座や通信講座を設けている場合があります。ハロワークでも、ビジネスに役立つ知識やスキルが学べる職業訓練を実施しており、企業に在籍している人でも条件が合えば受講できます。
教育機関やハローワークで学ぶ方が、自己流で学習を進めるよりも、本格的かつ効率的な学習ができるでしょう。費用は発生しますが、なかには、少額の費用で受けられる講座もあります。また、通信講座の場合は、学校や会場まで行く必要がなく、時間や場所を選ばず学習に取り組めるため、本業と並行しやすいのがメリットです。
関連書籍で独学する
自己啓発に関する書籍や、学びたいジャンルの書籍を購入またはレンタルして独学する方法もあります。通勤中や寝る前などの空いた時間で気軽に取り組めるため、始めやすい方法です。
セミナーなどのイベントへの参加や講座受講は、ハードルが高く、気後れしてしまうと感じる人に向いています。
ただし、自分で学習ペースや学習時間を管理する必要があるため、モチベーションの維持が欠かせません。出勤前や寝る前など、学習時間を固定し、習慣づけて継続すると効果的です。また、書籍を読むだけでは身につかないため、自分の状況に置き換えてアウトプットしていく必要があります。
書籍で得た知識や技術を仕事に活かす方法を考えるために、報告会やチーム会を実施するといいでしょう。アウトプットの機会になり、学んだことを整理できます。
マンツーマンのコーチングを受ける
自己啓発に特化したコーチングを受ける方法もあります。マンツーマンで講師に相談できるため、自分に合ったアドバイスが受けられます。客観的な意見を基に、スキルや知識を見つめなおす機会にもなります。自分だけでは気付けなかった内面的な部分を理解し、理想のキャリアパスや目標設定に役立つでしょう。
ただし、マンツーマンのコーチングは、講師の能力や知識・考え方に左右されてしまう可能性があります。スクールや独学などの方法よりも費用が掛かるため、講師選びは慎重に行いましょう。実績や口コミの確認、体験の有無などの確認が大切です。
従業員にとってのメリット
自己啓発に取り組むことは、従業員自身の成長を促すだけでなく、日々の仕事への姿勢や成果にも大きな影響を与えます。新しい知識やスキルを身につけることで自信が高まり、モチベーションが向上し、予期せぬ課題にも柔軟に対応できるようになります。さらに主体的に学ぶ姿勢はキャリア形成を後押しし、長期的な成長につながります。ここでは従業員が得られる具体的なメリットを整理してみましょう。
スキルアップによる成長
自己啓発の大きな魅力は、スキルアップを通じて成長を実感できる点です。マネジメントやマーケティング、経理、プログラミングなど、業務に直結するスキルを磨けば即戦力として活躍できます。また現在の仕事に直接関係しない知識であっても、将来的なキャリアチェンジや新しい挑戦に役立つ可能性があります。
さらに自ら学びを選び計画的に取り組むことで、自己管理力や責任感も育ちます。こうした積み重ねは、従業員が自分の可能性を広げる基盤となり、長期的なキャリア形成を支える力となるのです。
モチベーションの向上
新しい知識やスキルを活用して成果を出すことで、自信が高まり仕事への意欲が増します。成果が積み重なると「自分は成長している」という実感が生まれ、さらに学びたいという向上心につながります。ポジティブな意識で業務に取り組めるようになれば、日々の仕事がより充実し、周囲との協働にも良い影響を与えます。
自己啓発は単なる知識習得にとどまらず、働く姿勢そのものを前向きに変える効果を持っています。結果として、従業員は自分のキャリアに対して主体的に取り組むようになり、長期的なモチベーション維持にもつながるのです。
対応力と柔軟性の強化
自己啓発を通じて精神的な成長や新しい思考力を得ることで、多角的な視点から物事を捉えられるようになります。自発的に考え行動する姿勢が身につき、課題解決力が高まるのも大きなメリットです。自分の中で価値基準や判断軸が確立されれば、迷いが減り、予期せぬ状況でも冷静に対応できます。
例えば急な業務変更やトラブルが発生した際にも、柔軟に切り替えて行動できる力が養われます。こうした対応力は、従業員自身の安心感を高めるだけでなく、組織にとっても信頼できる人材を育てる要素となります。
企業にとってのメリット
自己啓発では、以下のようなメリットが期待できます。
- ・従業員の成長を促せる
- ・能力アップによるパフォーマンスや生産性の向上
- ・エンゲージメント向上による定着率アップ
- ・新たな考え方による対応力の向上
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
従業員の成長を促せる
自己啓発では、新たな考え方や新しい技術に触れるための学習機会を自発的に作る必要があるため、人としての成長も期待できます。義務教育のある日本では、物心ついたころには勉強する環境が整っています。自分の意志とは関係なく勉強する機会を与えられてきているため、学習に対して受け身の人が多い傾向にあります。
そのため、自ら学習しようと思える環境を整備して自己啓発に取り組む従業員が増えれば、自発的に動ける人材の育成や社内の活性化につながるでしょう。
能力アップによるパフォーマンスや生産性の向上
自己啓発によって新たな考え方や技術を学べば、能力アップが期待でき、仕事上でのパフォーマンス向上や生産性向上につながります。 さらに、自己啓発によってスキルが向上し、自分に自信が持てるようになれば、パフォーマンスが安定します。
コンディションの変化によるパフォーマンスのブレが少なくなり、業務効率の改善も期待できるでしょう。自己啓発を支援して従業員の能力を底上げできれば、企業全体の生産性向上が目指せます。
エンゲージメント向上による定着率アップ
自己啓発によって、日々の業務やキャリア形成に対して前向きに取り組めるようになれば、やりがいが生まれ、企業に対するエンゲージメントの向上が期待できます。エンゲージメント向上は定着率アップにもつながるため、優秀な人材の確保や採用コストの削減が期待できます。
新たな考え方による対応力の向上
自己啓発によって、新たな考え方を取り入れられれば、固定観念に捕らわれずさまざまな視点から物事がみれるようになります。業務で生じる課題に対して、多角的な視点から解決方法を検討できるようになるでしょう。イレギュラーな業務が発生した場合でも、自発的に考え、行動できる対応力が身につきます。
自己啓発で気を付けたいデメリット
自己啓発は、新たな考え方や価値観を獲得できるいい機会ですが、インパクトの強い内容に影響を受けすぎてしまうケースもあります。 自己啓発は本来、視野を広めるのが目的ですが、学んだ内容に捕らわれすぎると、逆に視野を狭めてしまうかもしれません。
成長のために自発的に学習する機会を作るのは大事ですが、すべてを鵜吞みにするのではなく、情報の取捨選択も必要です。教材などから得られる情報や知識にのめり込んでしまわないように、注意する必要があります。
自社の従業員の自己啓発を支援する4つの方法
変化の激しいビジネス環境において、従業員が自ら学び成長する「自己啓発」は企業の競争力を高める重要な要素です。OJTやOff-JTだけでは補いきれない部分を支えるためにも、企業が積極的に自己啓発を支援する体制づくりが求められています。ここでは、企業が取り組める4つの支援方法を紹介します。
方法①:自己啓発支援制度の導入
自己啓発支援制度とは、従業員が業務時間外に行う学習活動に対して、企業が費用や時間、環境面で支援する制度です。厚生労働省の「能力開発基本調査」によると、自己啓発支援に費用を支出した企業は56.1%にのぼり、多くの企業が制度化しています。
支援内容には、通信教育の受講料補助、書籍購入費の負担、資格試験の受験日を有給扱いにするなどが含まれます。また、社内で教材や情報を提供することで、従業員が学びやすい環境を整えることも可能です。
制度を導入する際は、対象者や対象講座・資格、援助の内容や条件を明確に設計することが重要です。たとえば「業務に関連する資格のみ支援対象とする」「合格時のみ費用を補助する」といったルールを定めることで、制度の公平性と実効性が高まります。
方法②:社内勉強会や研修の実施
自己啓発を促す環境づくりには、社内での勉強会や研修の実施も効果的です。従業員が自主的に学び合う場を設けることで、知識の共有やモチベーションの向上につながります。
たとえば業務に関連するテーマでの勉強会や、外部講師を招いたワークショップなどが挙げられます。企業が会議室などの場所を提供したり、運営をサポートしたりすることで、活動が継続しやすくなります。
また勉強会を通じて他部署との交流が生まれ、社内の情報共有や連携強化にもつながります。従業員が自発的に学ぶ姿勢を育てるためには、こうした場の提供が欠かせません。
企業が支援することで、自己啓発が個人の努力だけでなく、組織全体の成長につながる取り組みとして定着していきます。
方法③:資格取得支援や補助制度
資格取得は、自己啓発の代表的な手段の一つです。企業が資格取得にかかる費用を補助することで、従業員のスキルアップを後押しできます。
支援内容としては、受講料や試験料の一部または全額を負担する制度が一般的です。たとえば、三菱UFJ銀行では業務補完型の講座や語学学習支援を実施し、従業員の主体的な成長を支援しています。
資格取得は、従業員のキャリア形成だけでなく企業の競争力向上にも貢献します。資格保有者が増えることで、営業面での信頼性が高まり業務の専門性も向上します。
制度設計の際は、対象資格を業務に関連するものに限定する、合格時のみ補助を行うなど、明確な基準を設けることが重要です。これにより、制度の公平性と継続性が保たれます。
方法④:キャリア面談や1on1の活用
従業員が自己啓発に取り組むには、自分のキャリア目標を明確にすることが欠かせません。そのために有効なのが、キャリア面談や1on1ミーティングの活用です。
面談では、上司や人事担当者が従業員の希望や課題を聞き取り、将来的なキャリアパスを一緒に描いていきます。これにより従業員は「何を学ぶべきか」「どんなスキルが必要か」を具体的に理解できるようになります。
また定期的な1on1を通じて、学習の進捗や悩みを共有することで継続的な支援が可能になります。企業側も従業員の成長状況を把握しやすくなり、適切な支援策を講じることができます。
キャリア面談は、自己啓発を単なる個人の努力ではなく、企業と従業員が協力して進める成長戦略として位置づけるための重要な手段です。
従業員の自己啓発を進める手順
従業員の自己啓発は、企業の経営にも影響する人材育成施策の1つです。ただし、やみくもに推進しても成果は出にくいでしょう。従業員の自己啓発を進める手順として、以下の2つのステップがおすすめです。
- 1.従業員の課題を見つけだす
- 2.課題に合った自己啓発の手段を選択してもらう
それぞれについて詳しく解説します。
1.従業員の課題を見つけだす
自己啓発をスタートする前に、従業員が自身の課題について理解する必要があります。夢や目標、キャリアパスを書き出し可視化することで、今必要な学習を明確にします。自己啓発を始めるだけが目的にならないように、自己啓発によって得たい知識やスキルの意識付けが大事です。
解決すべき課題と目標が設定できれば、自分に合った方法が見つけやすくなるほか、自己啓発に対するモチベーションも高まるでしょう。
2.課題に合った自己啓発の手段を選択してもらう
自己啓発の時間が無駄にならないように、個々の従業員の課題に合う効率的な手段を選択する必要があります。 また、自己啓発に充てられる時間は、従業員の役職や担当業務によっても異なります。
すべての従業員に同じ方法を提示するのではなく、個人に合った方法が選択できるように、幅広い学習環境の提供が必要です。
従業員の自己啓発の取り組みを支援する方法
企業が従業員の自己啓発を後押しすることは、社員の成長を促すだけでなく、組織全体の力を高める重要な取り組みです。自主的な学びは継続が難しい面もありますが、企業が環境や制度を整えることで、従業員は安心して挑戦できるようになります。ここでは「費用」「時間」「場所」「情報」の4つの観点から、企業が実践できる支援方法を紹介します。
費用をサポートする仕組み
自己啓発には書籍購入や通信教育、資格取得など費用がかかります。従業員が個人で負担するには大きな負担となる場合もあるため、企業が一部または全額を補助する仕組みを整えることが効果的です。
例えば業務に関連する書籍の購入費を会社が負担したり、資格取得のための受講料を補助したりする制度です。こうした支援は従業員が安心して学びに取り組める環境をつくり、挑戦意欲を高めます。結果として、社員のスキルアップが組織全体の競争力強化につながるのです。
時間の確保を支援する制度
多くの従業員が自己啓発に取り組めない理由として「時間不足」が挙げられます。企業はこの課題を解消するために、資格試験日を有給扱いにしたり、勤務時間内に外部セミナーへ参加できる制度を設けたりすることが有効です。業務の合間に学びの機会を認めることで、従業員は無理なく自己啓発を継続できます。
時間的な余裕を与えることは、社員の心理的負担を軽減し、学びへの集中度を高める効果もあります。結果として従業員の成長スピードが加速し、企業にとっても大きなメリットとなります。
活動場所の提供
自己啓発活動には、個人学習だけでなくグループでの勉強会や研究会も含まれます。こうした活動には場所が必要となるため、企業が会議室や研修室を開放することは大きな支援になります。さらに必要に応じて社外のレンタルスペースを予約するなど、環境面でのサポートも効果的です。
場所の提供は従業員同士の交流を促進し、知識共有やチームワークの強化にもつながります。企業が積極的に環境を整えることで、社員の学びがスムーズに進み、結果として業務効率や労働意欲の向上にも寄与します。
情報や教材の提供
自己啓発を始めたいと思っても「どの教材を選べばよいか分からない」と迷う従業員は少なくありません。企業が関連情報や教材を提供することで、そのハードルを下げることができます。
例えば業務に役立つ書籍や専門誌を社内に揃えて貸し出したり、通信教育やオンライン講座の情報をまとめて案内したりする方法です。こうした支援は、従業員が効率的に学びをスタートできる環境を整えます。情報や教材の提供は、社員の学習意欲を高めるだけでなく、企業が「学びを応援する姿勢」を示すことでエンゲージメント向上にもつながります。
企業における自己啓発の成功事例
自己啓発支援は、制度として導入するだけでなく、実際の運用と成果が伴うことで企業文化として根付きます。ここでは、自己啓発支援を通じて従業員の成長を促した企業の事例を紹介します。
事例①:資格取得支援によるスキル向上
某銀行では、従業員の主体的な成長を支援するために、資格取得支援制度を導入しています。業務の補完的な位置づけとなる講座を平日夜間や休日に開催する研修、語学学習支援としてTOEIC受験費用の負担、オンラインレッスンの提供など、多彩なプログラムを展開しています。
これらの制度により、従業員は業務に関連する知識やスキルを自分のペースで習得でき、キャリア形成にもつながっています。資格取得を通じて得られたスキルは、業務の質向上や顧客対応力の強化にも貢献しており、企業全体の競争力向上にも寄与しています。
また制度の存在が従業員の学習意欲を高め、職場のモチベーション向上にもつながっている点が評価されています。企業が積極的に支援することで、自己啓発が組織文化として定着している好例といえるでしょう。
事例②:社内メンター制度による成長支援
某コンビニエンスストアでは、従業員の自己啓発を支援するために、ビジネスカレッジという教育施策を導入しています。その中でも、社内メンター制度を活用した成長支援が注目されています。
この制度では、経験豊富な社員がメンターとして若手社員をサポートし、業務に関する知識だけでなく、キャリア形成や自己啓発の方向性についても助言を行います。メンターとの定期的な対話を通じて、従業員は自分の課題や目標を明確にし、学びの方向性を定めることができます。
また制度の一環として通信教育制度や外部セミナー受講制度も整備されており、従業員が自ら選んで学べる環境が整っています。メンターの存在が学習の継続や実践への落とし込みを支援し、自己啓発の成果を業務に反映させる仕組みとして機能しています。
まとめ
自己啓発は、従業員個人のスキルアップやキャリア形成に役立つだけでなく、企業の成長にも影響する重要な人材育成の方法です。 企業側が積極的に支援し、自己啓発を推進すれば、従業員の自主性が高まり、社内の活性化につながるでしょう。
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