プロジェクトマネジメントに役立つ資格9選!取得メリットや難易度も解説

  • プロジェクトマネジメントに役立つ資格9選!取得メリットや難易度も解説

    公開日:2023.07.25

    更新日:2025.05.09

    プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトにおける企画から進行管理、マネジメントなどを行う職種です。プロジェクトマネジメントを担うプロジェクトマネジャーは、重要な役割を担っています。

    この記事では、プロジェクトマネジャーとして実務で成果を上げるために、役立つ資格について解説しています。資格取得を検討する際の参考にしてみてください。

プロジェクトマネジメントに関する資格

プロジェクトマネジメントを担当するには、資格を持っていると能力の証明に役立ちます。代表的な4つの資格について、難易度や試験概要、特徴をまとめました。

資格名難易度試験概要特徴
PMP🄬高いPMBOK®に基づく知識体系(立ち上げ〜終結までの全フェーズ)、状況対応力、倫理観など・世界的に認知された国際資格
・受験要件として実務経験が必要
・英語力を求められることがある
プロジェクトマネージャ試験高い要件定義、計画立案、リスク・品質管理、契約・予算、マネジメント全般の記述式試験・国家資格
・論文(記述)による論理的思考力・文章力が求められる
・プロジェクトの経験が重視される
P2Mやや高いP2Mガイドブックに基づいた戦略的PM、プログラムマネジメント、価値創造プロセスなど・日本発のフレームワーク
・企業経営や複数プロジェクトを統合的に管理する内容が含まれる
PMOスペシャリスト™認定資格中等度PMO(プロジェクト支援組織)の役割、実務、管理手法、PMBOK®の基礎との連携など・実務者向け
・PMの支援役としての立場や役割に特化
・実務での運用力、実践力が重視される

PMP®

資格名称PMP®
分類国際資格
領域IT、建設など多領域
合格率非公開
受験費用405ドル(PMI会員)、555ドル(一般)
推定勉強時間約100時間
実施者一般社団法人 PMI日本支部
対象者プロジェクトマネジメント実務経験者(3年以上)
PMP®とは、正式名称「Project Management Professional」の略で、アメリカ発のプロジェクトマネジメントガイドライン「PMBOK」に基づいてスキルを測る国際資格です。PMP®はプロジェクトマネジメント経験3年以上の実務者が受験対象で、実務経験豊富な人を対象とした資格です。3年毎に更新が必要な資格であり、知識のアップデートが欠かせません。

※参考:一般社団法人 PMI日本支部(https://www.pmi-japan.org/

プロジェクトマネージャ試験

資格名称プロジェクトマネージャ試験
分類国家資格
領域システム開発
合格率12.7~15.1%
受験費用7,500円
推定勉強時間50時間~
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者システム開発領域において、専門分野を確立している人
プロジェクトマネージャ試験とは、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」のなかの、プロジェクトマネジメントに特化した試験です。システム開発におけるプロジェクトマネジメント全般の知識を学べる、高難易度の国家資格となっています。

難しい試験ではあるものの、取得後は人事評価や営業活動など、さまざまな場面でアピールすることが可能です。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/index.html

P2M

資格名称P2M
分類民間資格
領域教育・医療など多領域
合格率48.8~78.6%(資格レベルにより異なる)
受験費用17,000~220,000円(資格レベルにより異なる)(事務手数料500円込)
推定勉強時間約15~45時間(資格レベルにより異なる)
推定勉強時間約15~45時間(資格レベルにより異なる)
対象者教育や医療など、システム開発に限らず、日本においてプロジェクトマネジメントを必要とする人
P2Mはプロジェクトマネジャーに必要な知識やスキルを評価する民間資格です。IT業界だけでなく、製造や建築といった業界でも活用されています。また、P2M資格は、レベルごとに4段階に細分化されます。「PMC資格試験」「PMSプログラム資格試験」「PMS資格試験」「PMR資格試験」があり、求められる難易度が異なります。

※参考:日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)(https://www.pmaj.or.jp/

PMOスペシャリスト™認定資格

資格名称PMOスペシャリスト™認定資格
分類民間資格
領域プロジェクトマネジメントの業務サポート
合格率(★):非公開、(★★):56%
受験費用(★):13,200円、(★★):18,700円
推定勉強時間(★):24時間~、(★★):25時間~
実施者一般社団法人 日本PMO協会
対象者プロジェクトマネジメント業務に従事する人
PMOは「プロジェクトマネジメントオフィス」の略で、プロジェクトマネジャーの業務サポートや、ルールの標準化を行う役割を担います。資格試験は、以下の3つのランクがあります。
  • ・PMOスペシャリスト(★)™
  • ・PMOスペシャリスト(★★)™
  • ・PMOスペシャリスト(★★★)™
最上級のランクは現在検討中で受験はできないため、実質「★」と「★★」の2つのレベルに分かれます。

※参考:日本PMO協会 - 日本PMO協会|NPMO(https://www.npmo.org/

プロジェクトマネジメントに関連した資格

プロジェクトマネジメントに関連する他の資格の難易度や、試験概要についてまとめました。

資格名難易度試験概要
PRINCE2 Foundation/Practitioner・Foundation:中等度
・Practitioner:やや高い
プロジェクトマネジメント手法のプロセスモデルに基づく知識・応用力(欧州中心)などが求められる
CompTIA Project+中等度中小規模プロジェクトに必要な基礎知識(計画、実行、監視、完了)が問われる
アジャイルPM(PMI-ACP)やや高いアジャイル開発手法(スクラム、カンバン等)に基づくマネジメントスキルが問われる
Certified ScrumMaster(CSM)中等度スクラムフレームワークの理解、チームワーク、スクラムイベントへの理解などが問われる
スクラムプロフェッショナル(PSM)やや高いプロフェッショナルレベルでのスクラム運用力と理論の理解

基本情報技術者試験

資格名称基本情報技術者試験
分類国家資格
領域IT
合格率54.7%(令和5年5月度)
受験費用7,500円
推定勉強時間200時間
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者ITエンジニア、プロジェクトマネジメントを学び始めた人
基本情報技術者試験は、IT業界で登竜門として位置づけられるため、最初のステップとして取得する人が多くいます。IT業界で働き始めた人が学ぶのに向いており、試験内容はテクノロジーやマネジメントだけでなく、経営戦略に関するものもあります。前述したプロジェクトマネージャ試験は、基本情報技術者試験の上位資格となっています。

※参考:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(

ITストラテジスト試験

資格名称ITストラテジスト試験
分類国家資格
領域IT
合格率14.8%(令和4年春期)
受験費用7,500円
推定勉強時間150時間
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者IT知識と経営知識を持ち、事業推進やシステム開発などを統括していく人
ITストラテジスト試験は、IT技術を活用し、経営戦略や企画力、プロジェクトマネジメントスキルを問われる試験です。平均合格率は15%ほどで、難易度の高い試験といわれます。プロジェクトマネジャーは、ITやマネジメントスキルだけでなく、経営に関する知識も必要です。

ITストラテジスト試験も、プロジェクトマネジメント資格との相乗効果が得られる資格といえます。

※参考:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

ITコーディネータ試験

資格名称ITコーディネータ試験
分類民間資格
領域ITと経営
合格率65.7%(令和3年)
受験費用19,800円
推定勉強時間50時間
実施者特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会
対象者経営に役立つITサービスの利活用を行いたい人
ITコーディネータ試験は、IT活用人材の育成を目的とした資格です。経営戦略や企画力などを、IT技術を利用して行うための知識が問われます。取得を目指す場合、知識を問うITコーディネータ試験の合格に加え、6日間のケース研修が必要です。研修を修了する必要があるため実務スキルが学びやすくなっています。

※参考:ITコーディネータ試験 | ITコーディネータ資格取得サイト(https://itc-shikaku.itc.or.jp/exam/

CCNA

資格名称CCNA
分類民間資格
領域ネットワーク領域
合格率非公開
受験費用42,900円
推定勉強時間200時間
実施者シスコシステムズ合同会社
対象者1年以上のシスコソリューションの実装および管理経験者
CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」で、ネットワークに関する基礎知識を求められる資格です。コンピューターネットワーク機器の大手、シスコシステムズ合同会社の認定試験で、取得することでネットワークエンジニアとしての活躍が期待できます。

プロジェクトマネジメントによっては技術系の知識や資格が生きることも多く、エンジニア系資格も選択肢の1つとして有効です。

※参考:CCNA-Training&Certifications-Cisco(https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

LPIC

資格名称LPIC
分類民間資格
領域Linux技術
合格率非公開
受験費用16,500円
推定勉強時間200時間
実施者Linux Professional Institute(LPI)
対象者Linuxエンジニアや、Linuxを業務で活用する人
LPICは正式名称を「Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)」と呼び、Linux技術を証明するための資格です。難易度に応じてレベル1からレベル3までの3段階に分けられます。世界共通のIT資格であり、この資格を取得できれば世界中で技術を認定してもらえるメリットがあります。

※参考:Linux Professional Institute LPIC-1 | Linux Professional Institute(https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-1-overview

プロジェクトマネジメント資格を取るメリット

プロジェクトマネジメント資格を取るメリットはいくつもあり、例えば以下のようなことがあげられます。

  • ・スキルが体系的に身につく
  • ・スキルの客観的証明ができる
  • ・年収アップが狙える
それぞれ内容を解説していきます。

スキルが体系的に身につく

格取得をするなかで、プロジェクトマネジメントにおける知識が体系立てて身につけられる点はメリットです。プロジェクトマネジメントに必要なスキルには、マネジメントスキルやディレクションスキル、開発における専門知識なども幅広く必要になっていきます。資格のカリキュラムに沿って学ぶことで、これらの知識を網羅的に身につけられます。

プロジェクトマネジメント資格で得られるスキル

資格取得を目指すことで得られるスキルには、以下のようなものがあります。

  • ・全体を俯瞰する力
  • ・マネジメントスキル
  • ・ディレクションスキル
  • ・コミュニケーション力
  • ・課題を見つけ、解決する力
  • ・開発に必要な専門知識
  • ・ビジネスや経営に関する知識
専門的な知識だけでなく、ビジネス全般で有効なスキルが身につく点も特徴です。

スキルの客観的証明ができる

プロジェクトマネジメントの経験は、成果物を示すことはできても、スキル自体を客観的に示すのは難しい側面があります。資格取得ができれば、スキルの客観的な証明ができ、他者にも伝わりやすくなります。

また、プロジェクトが成功したとしても、プロジェクトマネジャーが導いた結果であるかどうか分かりにくい部分があります。資格があれば、専門知識をしっかり持っていることの証明ができます。同時に、難易度や知名度の高い資格を取得していれば、相手への説得力に違いが出る可能性があります。

年収アップが狙える

資格取得をすることで、年収アップが狙える可能性が高まります。社内での人事評価で高く評価される可能性があると同時に、企業によっては資格取得者に対して手当を出す場合もあります。また、転職活動においても、資格保有者であることがプラスに働く場合があります。

ただ、転職にも資格取得は活用できるものの、年収アップを考えた場合、資格取得をして社内でのキャリアアップを目指す方がおすすめです。

まとめ

プロジェクトマネジメントとその資格は、予定通りにプロジェクトを進行し、品質やチームワークを保つうえで重要な要素です。高いプロジェクトマネジメントスキルを持つリーダーがいることで、顧客満足度は高まり、質の高い製品の開発、適切なリソース管理にもつながります。資格にはさまざまなものがあるため、自社の業務に必要な資格を取捨選択し、スキルアップを目指しましょう。より多くの従業員にプロジェクトマネジメントスキルや資格取得を促すなら、様々な研修を提供しているユーキャンにおまかせください。

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