プロジェクトマネジメントに役立つ資格を紹介!おすすめ資格やメリット・デメリットも解説

  • 公開日:2023.07.25

    更新日:2023.07.25

    プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトにおける企画から進行管理、マネジメントなどを行う職種です。プロジェクトマネジメントを担うプロジェクトマネジャーは、重要な役割を担っています。

    この記事では、プロジェクトマネジャーとして実務で成果を上げるために、役立つ資格について解説しています。資格取得を検討する際の参考にしてみてください。

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを円滑に進めるために計画を立て、実行・管理をしていく役割です。いつまでに、何をどの段階まで実行するかを決め、逆算してプロセスを構築することが求められます。

プロジェクトにおいては、各チームでタスクに取り組みますが、1つの進捗が遅れることで、全体の計画に大きな影響を与える場合があります。また成果物に対しても、厳密なスケジュール管理やタスク管理をすれば、プロジェクトの成功につながります。こうした要素を満たすために、プロジェクトマネジメントは欠かせません。

プロジェクトマネジメントが担う業務

プロジェクトマネジメントが担う業務には、おもに3つの業務があります。

  • ・プロジェクトの立ち上げと管理
  • ・メンバーのマネジメント
  • ・リソースの手配
それぞれの業務内容について解説します。

プロジェクトの立ち上げと管理

プロジェクトの立ち上げや管理といった業務は、プロジェクトマネジメントにおけるメイン業務となります。システム開発におけるプロジェクトの場合、立ち上がった後は完了まで品質や費用、納期の管理をプロジェクトマネジメント担当者が担うのが一般的です。
これを専門用語で、QCDと呼びます。QCDとは、Quality(品質)・Cost(費用)・Delivery(納期)の略称です。

メンバーのマネジメント

プロジェクトが始まると、各メンバーが割り振られた業務に取り掛かります。進捗はプロジェクトマネジャーが把握し、成果物の状況などを追いかけます。その際、事務的な確認やマネジメントだけでなく、メンバーとのコミュニケーションを通し、モチベーション維持やタイムマネジメントも行います。

リソースの手配

プロジェクトの実行にはリソース(人員)が必要です。プロジェクトに対し、どの程度リソースが必要かをまとめ、プロジェクトマネジャーが中心となり、メンバー決定を行っていきます。すべての裁量をプロジェクトマネジャーが持つわけではありませんが、予算などを取りまとめ、経営陣に提案や許可、決済をもらうまでを担うことが多いとされます。

プロジェクトマネジメント資格を取るメリット

プロジェクトマネジメント資格を取るメリットはいくつもあり、例えば以下のようなことがあげられます。

  • ・スキルが体系的に身につく
  • ・スキルの客観的証明ができる
  • ・年収アップが狙える
それぞれ内容を解説していきます。

スキルが体系的に身につく

格取得をするなかで、プロジェクトマネジメントにおける知識が体系立てて身につけられる点はメリットです。プロジェクトマネジメントに必要なスキルには、マネジメントスキルやディレクションスキル、開発における専門知識なども幅広く必要になっていきます。資格のカリキュラムに沿って学ぶことで、これらの知識を網羅的に身につけられます。

プロジェクトマネジメント資格で得られるスキル

資格取得を目指すことで得られるスキルには、以下のようなものがあります。

  • ・全体を俯瞰する力
  • ・マネジメントスキル
  • ・ディレクションスキル
  • ・コミュニケーション力
  • ・課題を見つけ、解決する力
  • ・開発に必要な専門知識
  • ・ビジネスや経営に関する知識
専門的な知識だけでなく、ビジネス全般で有効なスキルが身につく点も特徴です。

スキルの客観的証明ができる

プロジェクトマネジメントの経験は、成果物を示すことはできても、スキル自体を客観的に示すのは難しい側面があります。資格取得ができれば、スキルの客観的な証明ができ、他者にも伝わりやすくなります。

また、プロジェクトが成功したとしても、プロジェクトマネジャーが導いた結果であるかどうか分かりにくい部分があります。資格があれば、専門知識をしっかり持っていることの証明ができます。同時に、難易度や知名度の高い資格を取得していれば、相手への説得力に違いが出る可能性があります。

年収アップが狙える

資格取得をすることで、年収アップが狙える可能性が高まります。社内での人事評価で高く評価される可能性があると同時に、企業によっては資格取得者に対して手当を出す場合もあります。また、転職活動においても、資格保有者であることがプラスに働く場合があります。

ただ、転職にも資格取得は活用できるものの、年収アップを考えた場合、資格取得をして社内でのキャリアアップを目指す方がおすすめです。

プロジェクトマネジメント資格の取得にともなうデメリット

プロジェクトマネジメント資格の取得ですが、デメリットもあります。

  • ・実務にすぐ活かせるかは分からない
  • ・時間とお金がかかる
  • ・独学での取得が難しい場合もある
以下に詳細を解説します。

実務にすぐ活かせるかは分からない

資格取得を通して知識を体系的に身につけられても、すぐ実務に活かされるかは分かりません。知識だけを問われる資格の場合、実践スキルを新たに積む必要があり、どこまで資格取得をしたことが実務に活かせるかは人によります。

時間とお金がかかる

資格取得にはお金と時間が必要です。資格によっては難易度が高く、数万~数十万円といった高額な費用が必要なケースもあります。また、難易度次第ではまとまった学習時間を要するものもあります。チャレンジに対して資格取得支援制度を導入している企業もありますが、取得ができなかった場合、個人で負担しなくてはならないといった問題もあります。

独学での取得が難しい場合もある

取得する資格によっては、独学で学ぶことが難しいものもあります。たとえばプロジェクトマネージャー試験は高難易度、独学で合格するのは困難といわれています。こうした場合、通信講座やスクールなどを利用する必要があり、さらに時間とお金が必要になります。

プロジェクトマネジメント資格の難易度

プロジェクトマネジメントに関連する資格は、現在多くの種類があります。また取得の難易度や領域も異なるため、代表的な4つの資格について、難易度別に記載します。

資格名称PMP®プロジェクトマネージャ試験P2MPMOスペシャリスト™認定資格
取得難易度★★★★☆★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆
領域システム開発システム開発教育・医療など多領域PMO
おすすめ職種・プロジェクトマネジャー
・ディレクター
・外資系企業や海外勤務の人
・経営者
・プロジェクトマネジャー
・エンジニア
・コンサルタント
・プロジェクトマネジャー
・コンサルタント
・経営者
・プロジェクトマネジャー
・PMO
コンサルタント


プロジェクトマネジメントに関する資格

プロジェクトマネジメント資格はいくつもあるため、ご自身が学ぶ目的や費用、かけられる時間と相談しながら選ぶことが重要です。以下で、各資格の詳細を解説します。

  • ・PMP®
  • ・プロジェクトマネージャ試験
  • ・P2M
  • ・PMOスペシャリスト™認定資格

PMP®

資格名称PMP®
分類国際資格
領域IT、建設など多領域
合格率非公開
受験費用405ドル(PMI会員)、555ドル(一般)
推定勉強時間約100時間
実施者一般社団法人 PMI日本支部
対象者プロジェクトマネジメント実務経験者(3年以上)
PMP®とは、正式名称「Project Management Professional」の略で、アメリカ発のプロジェクトマネジメントガイドライン「PMBOK」に基づいてスキルを測る国際資格です。PMP®はプロジェクトマネジメント経験3年以上の実務者が受験対象で、実務経験豊富な人を対象とした資格です。3年毎に更新が必要な資格であり、知識のアップデートが欠かせません。

※参考:一般社団法人 PMI日本支部(https://www.pmi-japan.org/

プロジェクトマネージャ試験

資格名称プロジェクトマネージャ試験
分類国家資格
領域システム開発
合格率12.7~15.1%
受験費用7,500円
推定勉強時間50時間~
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者システム開発領域において、専門分野を確立している人
プロジェクトマネージャ試験とは、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」のなかの、プロジェクトマネジメントに特化した試験です。システム開発におけるプロジェクトマネジメント全般の知識を学べる、高難易度の国家資格となっています。

難しい試験ではあるものの、取得後は人事評価や営業活動など、さまざまな場面でアピールすることが可能です。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/index.html

P2M

資格名称P2M
分類民間資格
領域教育・医療など多領域
合格率48.8~78.6%(資格レベルにより異なる)
受験費用17,000~220,000円(資格レベルにより異なる)(事務手数料500円込)
推定勉強時間約15~45時間(資格レベルにより異なる)
推定勉強時間約15~45時間(資格レベルにより異なる)
対象者教育や医療など、システム開発に限らず、日本においてプロジェクトマネジメントを必要とする人
P2Mはプロジェクトマネジャーに必要な知識やスキルを評価する民間資格です。IT業界だけでなく、製造や建築といった業界でも活用されています。また、P2M資格は、レベルごとに4段階に細分化されます。「PMC資格試験」「PMSプログラム資格試験」「PMS資格試験」「PMR資格試験」があり、求められる難易度が異なります。

※参考:日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)(https://www.pmaj.or.jp/

PMOスペシャリスト™認定資格

資格名称PMOスペシャリスト™認定資格
分類民間資格
領域プロジェクトマネジメントの業務サポート
合格率(★):非公開、(★★):56%
受験費用(★):13,200円、(★★):18,700円
推定勉強時間(★):24時間~、(★★):25時間~
実施者一般社団法人 日本PMO協会
対象者プロジェクトマネジメント業務に従事する人
PMOは「プロジェクトマネジメントオフィス」の略で、プロジェクトマネジャーの業務サポートや、ルールの標準化を行う役割を担います。資格試験は、以下の3つのランクがあります。
  • ・PMOスペシャリスト(★)™
  • ・PMOスペシャリスト(★★)™
  • ・PMOスペシャリスト(★★★)™
最上級のランクは現在検討中で受験はできないため、実質「★」と「★★」の2つのレベルに分かれます。

※参考:日本PMO協会 - 日本PMO協会|NPMO(https://www.npmo.org/

プロジェクトマネジメントに関連した資格

プロジェクトマネジメント資格以外にも、広くプロジェクトマネジメントに関連する知識を学べる資格がいくつかあります。ここでは5つ解説します。

  • ・基本情報技術者試験
  • ・ITストラテジスト試験
  • ・ITコーディネータ試験
  • ・CCNA
  • ・LPIC

基本情報技術者試験

資格名称基本情報技術者試験
分類国家資格
領域IT
合格率54.7%(令和5年5月度)
受験費用7,500円
推定勉強時間200時間
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者ITエンジニア、プロジェクトマネジメントを学び始めた人
基本情報技術者試験は、IT業界で登竜門として位置づけられるため、最初のステップとして取得する人が多くいます。IT業界で働き始めた人が学ぶのに向いており、試験内容はテクノロジーやマネジメントだけでなく、経営戦略に関するものもあります。前述したプロジェクトマネージャ試験は、基本情報技術者試験の上位資格となっています。

※参考:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(

ITストラテジスト試験

資格名称ITストラテジスト試験
分類国家資格
領域IT
合格率14.8%(令和4年春期)
受験費用7,500円
推定勉強時間150時間
実施者独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
対象者IT知識と経営知識を持ち、事業推進やシステム開発などを統括していく人
ITストラテジスト試験は、IT技術を活用し、経営戦略や企画力、プロジェクトマネジメントスキルを問われる試験です。平均合格率は15%ほどで、難易度の高い試験といわれます。プロジェクトマネジャーは、ITやマネジメントスキルだけでなく、経営に関する知識も必要です。

ITストラテジスト試験も、プロジェクトマネジメント資格との相乗効果が得られる資格といえます。

※参考:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

ITコーディネータ試験

資格名称ITコーディネータ試験
分類民間資格
領域ITと経営
合格率65.7%(令和3年)
受験費用19,800円
推定勉強時間50時間
実施者特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会
対象者経営に役立つITサービスの利活用を行いたい人
ITコーディネータ試験は、IT活用人材の育成を目的とした資格です。経営戦略や企画力などを、IT技術を利用して行うための知識が問われます。取得を目指す場合、知識を問うITコーディネータ試験の合格に加え、6日間のケース研修が必要です。研修を修了する必要があるため実務スキルが学びやすくなっています。

※参考:ITコーディネータ試験 | ITコーディネータ資格取得サイト(https://itc-shikaku.itc.or.jp/exam/

CCNA

資格名称CCNA
分類民間資格
領域ネットワーク領域
合格率非公開
受験費用42,900円
推定勉強時間200時間
実施者シスコシステムズ合同会社
対象者1年以上のシスコソリューションの実装および管理経験者
CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」で、ネットワークに関する基礎知識を求められる資格です。コンピューターネットワーク機器の大手、シスコシステムズ合同会社の認定試験で、取得することでネットワークエンジニアとしての活躍が期待できます。

プロジェクトマネジメントによっては技術系の知識や資格が生きることも多く、エンジニア系資格も選択肢の1つとして有効です。

※参考:CCNA-Training&Certifications-Cisco(https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

LPIC

資格名称LPIC
分類民間資格
領域Linux技術
合格率非公開
受験費用16,500円
推定勉強時間200時間
実施者Linux Professional Institute(LPI)
対象者Linuxエンジニアや、Linuxを業務で活用する人
LPICは正式名称を「Linux技術者認定試験(Linux Professional Institute Certification)」と呼び、Linux技術を証明するための資格です。難易度に応じてレベル1からレベル3までの3段階に分けられます。世界共通のIT資格であり、この資格を取得できれば世界中で技術を認定してもらえるメリットがあります。

※参考:Linux Professional Institute LPIC-1 | Linux Professional Institute(https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-1-overview

まとめ

各種プロジェクトマネジメント資格は、プロジェクト管理業務に従事する人にとって、スキルを網羅的に高めたり、客観的に証明することができます。ご自身の業務や職種、かけられる勉強時間や費用を考え、取得を目指す資格を決めるといいでしょう。

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