• 更新日:2024/03/12

G検定とは、AIやディープラーニング分野に関する知識量を示す資格のことです。近年では、AIやディープラーニングに関する知識をもつ人材への需要が高まっており、G検定の重要性も年々大きくなっているといえます。この記事では、G検定の概要や取得するメリット、対策方法などを解説するので、受験や検討の参考にしてください。

G検定とは

G検定とは、AIとディープラーニング分野に関連する民間資格のことで、正式名称は「ジェネラリスト検定」です。

  • G検定はAIやディープラーニングに関する基礎知識を証明するための試験
  • G検定同様の資格に、エンジニア向けのE資格がある

G検定の概要

G検定(ジェネラリスト検定)とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する資格です。G検定に合格すれば、AI・ディープラーニング活用のためのリテラシーを有していることを証明できます。近年ではビジネスにおけるAI活用が増え、AIやディープラーニングに関する知識の需要が高まっているため、G検定への注目度も上昇傾向です。

また、ジェネラリストとは、JDLAによれば「適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有している人材」を指しています。つまりG検定に合格していることは、AIおよびディープラーニング分野の知識が豊富だというだけでなく、それを業務に対して適切に運用できるということです。業務の効率化や最適化にも役立ちます。

G検定とE資格の違い

G検定とE資格は、どちらもディープラーニングの活用に関して、リテラシーを有しているかを認定する点で似ています。しかし、試験で問われる内容には、知識の用途に大きな違いがあるといえるでしょう。

G検定は主にビジネス向けの資格で、ビジネスシーンでAIを活用する際に必要とされる、倫理や法律などを含む基礎知識に関する検定です。一方、E資格はエンジニア向けの資格で、AIを実装するための実践的な知識とスキルを問われます。

G検定の試験概要・日程・申込み期間

G検定を受けようと考える際は、試験の概要やスケジュールについて把握しておく必要があります。

  • G検定は受験資格がなく誰でも受験可能
  • 試験は、2024年は9回、奇数月に行われる
  • 試験日の約8日前までに申込み、自宅で受験する

G検定の試験概要

G検定は受験資格に制限のない試験です。受験費用は一般と学生とで違い、それぞれ以下のとおりです。

  • 一般:13,200円(税込)
  • 学生:5,500円(税込)
また受験方法は、自宅でのオンライン受験のみです。


G検定の日程・申込み期間

G検定は通常、奇数月に実施されています。2022年までは年3回の実施でしたが、2023年からは5回、2024年では9回に増加しているため、今後も変動の可能性があり受験時には確認が必要です。なお2024年の場合、開催日程は以下のとおりです。

  • 2024年1月13日(土) 13:00~15:00
  • 2024年3月8日(金) 16:00~18:00
  • 2024年3月9日(土) 13:00~15:00
  • 2024年5月11日(土) 13:00~15:00
  • 2024年7月5日(金) 16:00~18:00
  • 2024年7月6日(土) 13:00~15:00
  • 2024年9月7日(土) 13:00~15:00
  • 2024年11月8日(金) 16:00~18:00
  • 2024年11月9日(土) 13:00~15:00
G検定の申込み期間は、通常、試験日の約8日前までです。試験日程の増減も含め、申込みに際しては開催日程と申込期間を必ず公式サイトで確認しましょう。


G検定の試験内容

G検定の試験は出題範囲が広く、問題数が多い点が特徴です。G検定の試験内容は以下のとおりです。

  • 出題範囲はAIの定義から数理・統計までと幅が広い
  • 問題数が多く試験時間が足りないと感じる人もいる

G検定の出題範囲

G検定の出題内容は、以下の分野に分かれています。

  • AI(人工知能)の定義や動向、分野における問題
  • 機械学習の手法
  • ディープラーニングの概要や手法、社会実装に向けて
  • 数理と統計
出題される各分野は、さらに細かい内容に分岐しています。たとえば「人工知能(AI)とは」の分野は、「人工知能の定義」と「人工知能研究の歴史」の2つの内容に分かれています。試験を実施している「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」のWebサイトで出題範囲を確認できるため、受験の際は下調べしておきましょう。


G検定の問題数・時間

G検定の問題数は220問程度で、問題のタイプは多肢選択式の知識問題です。G検定の例題は、上記の協会のWebサイトで確認できます。また、試験時間は120分となっています。問題数を鑑みると解答時間が足りなくなることも多く、「実際に最後の問題まで到達することは難しい」という口コミも見られるため注意が必要です。

G検定の難易度・合格率

G検定は誰でも受験できるものの、簡単に合格できる試験ではありません。G検定の難易度や合格率は以下のとおりです。

  • 難易度は職業や経験によって差が大きく、合格者の業種は偏りがある
  • 合格率は60~70%程度で特に低いわけではない

G検定の難易度

G検定はIT未経験者でも合格可能ですが、知識や経験のない状態での合格は難しいでしょう。G検定の合格者は、以下の3業種のいずれかに従事している人が4割を占めます。

  • ソフトウェア業
  • 情報処理・提供サービス業
  • コンピュータおよび周辺機器製造または販売業
これらの業種に従事している場合、ITやAIの前提知識があるため合格しやすい傾向があります。一方、関連のない職業に就いているケースでは、合格の難易度が高く感じられるでしょう。


G検定の合格率

G検定の合格率は、試験の実施回によって異なります。これまでの試験における合格率はおよそ60~70%です。2022年第1回G検定の合格率は62.1%となっており、一般的な資格試験や検定と比べて特段に低いわけではありません。

ただし、前述したようにIT業界従事者の合格者が多いことから、未経験者にとっては簡単に合格できる試験ではないといえます。

G検定が難しい理由

一般的に、G検定は難易度が高いと考えられている資格試験です。G検定が難しい理由として以下の要素が挙げられます。

  • 出題範囲が広い
  • 専門知識が問われる
  • 問題数に対して時間が短い

G検定の出題範囲は、AIとディープラーニング、それらを取り巻く世情や環境、法律や倫理関連など広範囲に及びます。さらに、問題数の多さもG検定が難しい理由の1つです。200問以上の問題を120分で解答する必要があるため、スピード感が求められます。

G検定の受験がおすすめの人

G検定の受験は、どのような業界の人にもおすすめできる試験です。日本ディープラーニング協会では「G検定を誰に勧めたいか」という調査を実施しています。調査結果によると、約40%にもおよぶ回答者が「働く業界に限らず、すべての人」にG検定を勧めたいと回答していました。

近年はAIが普及し、IT業界やAI関連の事業に従事している人はもちろんのこと、ITとは関連性のない業界であっても、仕事を効率的に進めるためにはAIの利用が欠かせません。また、仕事以外のプライベートなシーンでも、スマートフォンや家電などを中心にAIの利用場面が増え、業界や立場を問わずAIに関連する知識を身につける必要性が高まっています。

G検定学習によるメリット

G検定の内容を学習すると、専門的な知識が身について業務の幅を広げやすくなります。具体的なメリットは以下のとおりです。

  • AIやディープラーニング関連の知識が得られる
  • 業界・業種を問わず幅広い業務で学んだ知識を活用できる
  • 需要の高い分野だけに、転職市場で有利になりやすい

AI・ディープラーニングの知識が身につく

G検定の合格に向けた学習によって、AIが発展した背景や事例、業務への具体的な活用方法を知識として身につけられます。AIやディープラーニングはメリットが注目されがちですが、セキュリティやデータ品質などの問題点もあります。AIやディープラーニングに関する誤った認識を排除し、正しい知識の習得にはG検定の学習が効果的です。

普段の業務に活用できる

業界・業種にかかわらず、今後はAIと無関係ではありません。G検定の学習を通してAIに関する知識が身につけば、業務効率化や成果向上につながるチャンスがあります。たとえば、AIを用いた商材に関して他社に営業する場合、前提知識があれば営業トークに説得力が生まれ、契約につなげやすいでしょう。

スキルアップや転職に活かせる

G検定の学習内容や資格は、転職やスキルアップに活かせます。現状、ITやAIに関連する人材は不足しているため、需要が高い分野です。G検定を取得していれば専門的なスキルを証明でき、転職でのアピールポイントとなる可能性は高いでしょう。需要の高まりに対して人材が少ない今こそ、G検定が活かせるシーンは多いといえます。

G検定の対策方法

G検定の試験を合格するためには、効果的な学習を行うことが近道です。具体的な対策方法は以下の2種類です。

  • 日本ディープラーニング協会のテキストを使って自力で学習する
  • 効率性を重視するならG検定対策講座の受講がおすすめ

独学で学習する

独学で合格を目指す際は「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」の公式テキストが役立ちます。G検定の試験内容は公式テキストからの出題となるため、出題範囲は全てカバーできるほか、価格が安く済むのも魅力です。

G検定の対策問題集や対策アプリなどもあり、知識のインプットとアウトプットを繰り返せます。ただし、独学は学習の自由度が高い反面、質問できる相手がいないため、難易度の高い問題でつまずきやすい点がデメリットです。

講座を受講する

G検定対策講座の受講により、知識を体系的に学ぶことが可能です。対策講座の教材やテキストは、G検定の公式テキストの内容が網羅されています。講座の内容で分からない点があっても質問できるため、早期に疑問が解消できるのもメリットです。

独学の場合、効率的に学習できなかったり、モチベーションを保てなかったりする人も少なくありません。講座は学習を継続していくための仕組みが用意されているため、短期間で合格を勝ち取りやすいといえます。

G検定合格に必要な学習時間

一般的に、G検定の合格に必要な学習時間は約30~40時間といわれています。しかし、これはG検定合格における平均的な学習時間であり、ITやAIの知識がない状態で合格を目指すのならば、さらに多くの学習時間が必要になるケースもあります。

反対に、すでにAIの基礎知識がある状態ならば、少ない時間で合格できる可能性があるでしょう。とはいえ、学習時間ゼロで合格できるほどの試験ではありません。

G検定を受ける前に

G検定を受ける前に、より簡単な試験を受けておくこともおすすめです。徐々に受験する試験の難易度を高め、ステップアップしていくことで、G検定の学習も無理なく進められるでしょう。

G検定の前に受けたい試験には、たとえば「ITパスポート」などがあります。「ITパスポート」はITの基礎知識や、システム活用のヒント、業務への活かし方などが身につく試験です。なかにはAIやビッグデータ、IoTの基礎知識も含まれているため、後々G検定にも役立ちます。

類似の関連資格

G検定にはいくつか類似した資格もあるため、G検定の前後で取得を検討してもいいかもしれません。より難易度が低いものとしては「AI実装検定 B級」や「統計検定 DS基礎」があります。前者はAIを実装するための基礎知識、後者はAIで使われるデータの処理や読み取りの知識などが問われる資格です。

より難易度が高いものに「AI実装検定 A級」「AWS 機械学習専門認定資格」「E資格」があります。G検定の取得後にステップアップするなら、E資格を目指といいでしょう。

まとめ

G検定は、昨今需要の高まるAIやディープラーニングに関連する知識が問われる資格です。資格取得によって現職でのステップアップはもちろん、就職や転職にも大いに役立ちます。ただし、ある程度AIの基礎知識がない人にとっては難易度が高い資格です。そこで、まずはITパスポートを取得し、G検定の基礎を固めるのがおすすめです。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

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