• 公開日:2021/03/11

電験三種の正式名称は、「第三種電気主任技術者試験」です。難易度が高い試験として知られていて、資格を持っていれば電気のスペシャリストとして大変重宝されます。

この記事では、電験三種の難易度や合格率の推移、試験の概要や資格取得のメリット、勉強方法などについて解説します。「電験三種の難易度や合格率を知りたい」と思っている人は、ぜひ参考にしてください。

電験三種(第三種電気主任技術者)はどんな資格?

「電験三種とはどんな資格なのか」について解説します。

電験三種は需要が高い国家資格

電験三種とは3種類ある電気主任技術者試験(電験)のうち、第三種という区分に該当する試験です。第三種の資格そのものを指す場合もあります。電気主任技術者は電気事業法に基づく国家資格で、事業用電気設備の保安監督を独占業務としています。該当する電気設備を設置する施設には必ず電気主任技術者を置かなくてはなりません。

電験三種は電気主任技術者の入門編に当たる資格です。仕事のニーズが高く就職や転職でも有利になるため、受験者に人気があります。

第一種・第二種・第三種電気主任技術者の業務範囲

電気主任技術者には第一種・第二種・第三種という3つの区分があり、扱える電気設備の規模が異なります。区分別の業務範囲は以下のとおりです。

区分 業務範囲
電験一種 すべての事業用電気工作物
電験二種 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物
電験三種 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5,000キロワット以上の発電所を除く)

電験三種の資格があれば、中小規模の工場や建設現場、太陽光発電所や商業施設、病院などで保安監督の仕事ができます。

電験三種の難易度

電験三種の難易度について解説します。

電験三種は10人に1人程度しか受からない難関資格

電験三種の特徴は、過去に出題された問題と同じ問題がほとんど出題されないことです。類似問題でも出題形式が違うなど、基礎知識が身についていないと突破できない難関試験です。難易度は「やや難しい」とされ、受験者10人につき1人程度しか合格できません。

電験三種では4科目に合格することが必要ですが、前年度および前々年度に合格した科目が申請することで免除になる「科目別合格制度」があります。科目合格狙いの人やお試し受験の人、会社の指示で受験する人などが混在していることもあって、電験三種の合格率は低めですが、しっかり勉強すれば合格は可能です。

各科目で60点以上取れば合格できる

電験三種では、理論・電力・機械・法規の4科目から出題されます。合格基準は原則として60点以上(満点は100点)です。科目別の合格基準点の推移を下記の表で紹介します。

科目 2019年度 2018年度 2017年度
理論 55点 55点 55点
電力 60点 55点 55点
機械 60点 55点 55点
法規 49点 51点 55点
  • 参考:電験三種の合格率の推移は?実際の難易度から科目ごとの合格点まで詳しく解説!(https://shikakutimes.jp/mechanic/1920)

試験内容が年度によって異なり科目別難易度の調整も行われるため、年度によっては合格基準が引き下げられることがあります。

4つの科目の学習順

電験三種のうち、もっとも難易度が高い科目は理論です。理論は他の3科目の基礎となる科目で、電気の性質や電気回路、電子回路などに関する幅広い知識が求められます。計算問題が非常に多いため、数学の知識も欠かせません。初めて電験三種に挑む人は、理論と数学の勉強から始めましょう。

電力は、発電所・変電所の設計・運転、送配電線路や電気材料といった電力系統全般を扱う科目です。機械では、変圧器などの電気機器、パワーエレクトロニクス、照明やデジタル回路など機械や回路に関する知識が問われます。電力と機械で学ぶ内容は密接に関係しているため、どちらから先に学んでも問題ありません。

法規で扱う内容は電気事業法や電気用品安全法などの法律や省令です。暗記も必要ですが、他の3科目を理解していないと解けない計算問題が出題されるため、最後に学ぶほうが効率的です。

他の国家資格と比べても難易度が高め

電験三種は合格率が10%ほどと他の国家資格と比較して難易度が高めの資格です。しかし、受験者の約4割が異業種からのチャレンジで、受験制限は一切ないのでどなたでも受験することができます。実際に電気関係の業界とはまったく別の方が資格を取得し、転職するということも珍しくありません。また、難関資格なだけに、資格取得後の転職や就職はかなり有利になります。

難易度が高い資格ですが、ユーキャンの講座を受講することによって初学者でも合格する力を付けることができます。メインテキストではイラストや図解を豊富に使用しているので、文章だけではわかりにくいところもムリなく頭に入ります。サブテキストの「やさしい数学」では、高校(理系)で習った数学をやさしく解説。テキストと並行して数学の復習をすることで、内容と公式などを結び付けて理解ができ、数学は久々で…という方も安心です。講座の標準学習期間は12ヵ月ですので、じっくり学習をすすめることができます。

電験三種の合格率

電験三種の合格率について解説します。

全科目合格率と科目合格率の推移

全科目合格率と科目合格率の推移を下記の表で紹介します。

年度 受験者数 全科目合格率
(全科目合格者数)
科目合格率
(科目合格者数)
2019年度 4万1,543人 9.3%
(3,879人)
32.1%
(1万3,318人)
2018年度 4万2,976人 9.1%
(3,918人)
28.7%
(1万2,335人)
2018年度 4万2,976人 9.1%
(3,918人)
28.7%
(1万2,335人)

全科目合格率は8~9%前後で推移しており、全科目合格者は4,000人弱です。一方、科目合格率は30%前後で安定しています。科目合格者の人数は毎年1万2,000~1万3,000人ほどです。

科目別合格制度を使って合格を目指そう

科目別合格制度は、4科目のうち、前年度および前々年度に合格した科目の試験が申請することで免除される制度です。1年目ですべての科目に合格する必要はなく、3年間で4科目に合格すれば資格取得が可能です。

全科目合格率は10%以下と難関ですが、科目合格率は30%前後と高めです。あらかじめ長期的な計画を立てて勉強に取り組み、数年かけて合格を目指す人も少なくありません。

電験三種を取得するメリット

電験三種を取得するメリットについて解説します。

AIに代替されにくく将来性がある

高い専門知識と社内外のさまざまな人との交渉力が求められるため、人工知能(AI)に代替されにくい職業といえます。また、電験三種には電気設備の安全を維持する重要な責務があり、ビルやマンションなど中小規模の施設でも必ず選任する必要があるため、将来的にも需要がある仕事といえるでしょう。

昇進・昇給が見込める

昇進や昇給が見込めることもメリットです。電験三種は難関試験として知られているため、社内の評価が上がりやすく年収アップにつながる可能性もあります。資格手当や報奨金が支給される場合も多く、就職や転職にも役立ちます。実務経験を積んで就労証明を取得すれば、第二種や第一種に無試験でステップアップできる点も魅力です。


他の国家資格と比較しても取得メリットあり

電気業界への就職・転職・再就職に有利

電験三種は他の国家資格にはない、電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行うための、いわば電気のスペシャリストになれる資格です。電気業界に身を置く方はもちろん、これから電力・電鉄・ビル管理などの業界へ就職・転職を考えている方にとって、この資格は大きな力になります。
求人先によっては職務経験のありなしに関わらず、60歳以上でも就職が可能なことも。資格の価値が高いため求人数も多く、より良い環境や待遇の会社へと、選択肢が広がります。


実務経験のみで上級資格にチャレンジが可能

電験の資格には一種・二種・三種の3つがあり、三種よりもさらに上級の資格が一種と二種です。三種を持っている人が所定の年数、実務に携わったという「就労証明」をすることで、上級の二種を無試験で取得することができます。同様に二種取得後も、一種への実務経験によるステップアップが可能です。無試験で上級資格を取れる国家資格は他にあまり例がなく、こうした点からも電験は大変有利な資格と言えます。

電験三種の試験概要

電験三種の試験概要について解説します。

受験資格・申込手続きの流れ

電験三種の受験資格には制限がなく、誰でも受験可能です。前年度および前々年度に科目合格した人は、該当科目の試験が申請することで免除されます。申込み方法には、インターネット申込みと書面申込みの2通りあります。

インターネットを利用する場合は、電気技術者試験センターの公式サイトにアクセスして手続きしましょう。必要事項を入力してから希望の決済方法を選んで受験手数料を納付します。書面で申し込む場合は、書店などで第三種電気主任技術者試験受験案内を入手します。受験案内にとじ込まれた受験申込書に必要事項を記入して郵便局の窓口に提出し、受験手数料を納付しましょう。いずれの場合も受験手数料納付後に受験票および写真票が郵送で届きます。

資格取得までのスケジュール

資格取得までのスケジュールを紹介します。電験三種の試験は年1回です。
1)試験申込み:5月下旬~6月中旬頃まで
2)試験日:9月中旬頃
3)合格発表:10月下旬頃
4)4科目合格後、経済産業大臣へ免状交付を申請
5)免状交付、資格取得

電験三種の試験では、申込みの際に試験地を選択できますが、試験会場は自動割当となり指定できません。最寄りの試験会場とならないこともありますが、変更できない点に注意しましょう。試験地は各府県と東京都(23区・多摩)、および北海道の6市から選べます。

出題範囲

電験三種の試験はマークシートに記入する5肢択一方式です。設問のタイプには計算問題と正誤判定問題、穴埋め問題の3つがあり、計算問題が非常に多い点が特徴です。各科目にはA問題とB問題があり、B問題は配点が大きくなっています。

4科目の出題範囲と問題数、配点および試験時間を以下の表で紹介します。

科目 出題範囲 問題数 配点 試験時間
理論 電気理論、電子理論、電気計測、電子計測 A問題14題 各5点 90分
B問題3題(選択問題を含む) 各10点
電力 発電所・変電所の設計・運転
送電線路・配電線路(屋内配線含む)の設計・運用、電気材料
A問題14題 各5点 90分
B問題3題 各10点
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送・処理 A問題14題 各5点 90分
B問題3題(選択問題を含む) 各10点
法規 電気法規(保安に関するもの)・電気施設管理 A問題10題 各6点 65分
B問題3題 各13~14点
  • 参考:知らなきゃ損!電験三種の難易度と合格率一桁の試験攻略法(https://koujishi.com/denkikouji/63/#index_id1)

電験三種の勉強方法

電験三種合格のための勉強方法を紹介します。

参考書を読み全体を把握する

まず、参考書を全て読み、試験内容の全体像を把握することが大切です。まったくわからないまま1つずつ進めていくよりは、全体像を把握しておいた方が、効率的に学習できます。最初は多少読み飛ばしながらでも、繰り返して読むことが重要です。

試験に出題される4科目の特徴を知る

試験に出題される4科目の特徴も、しっかりと把握しておきましょう。科目ごとに特徴が異なるため、勉強方法もそれに合わせて変えていくことが必要です。それぞれの科目に合った方法を検討し、効率的に理解できるようにしましょう。

過去問を解く

資格取得や試験の勉強では、過去問を解くことが重要です。過去実際に出題された問題を繰り返し解くことで、問題の傾向がわかります。 過去問を繰り返すときは、弱点発見や問題傾向の把握など、目的を決めて勉強するようにしましょう。

電気工事士の資格を取るのもおすすめ

電気に関する資格には、電験三種とは別に、電気工事士という資格があります。電験三種は保安・監督のための資格、電気工事士は工事現場で電気工事を行うための資格です。2つの資格は学習内容で重複するところもあります。電気工事士試験は、電験三種試験と比べると難易度が低いので、まずは電気工事士の資格をとってから電験三種を目指すのもおすすめです。

電験三種は、1回の試験で4科目すべてに合格するには難易度が非常に高いため、2~3年かけて資格取得を目指す人が多いです。独学でも合格可能ですが、独学で何年もモチベーションを維持しながら計画的に勉強を進める際のハードルは、低くはありません。

確実に合格することを目指すなら、通信講座がおすすめです。通信講座なら自分でスケジュールを立てる必要がなく、試験に出やすい部分を効率的に勉強できます。また、気軽に質問ができてスムーズに勉強が進められる点もメリットです。

まとめ

電験三種は、電気設備の保安監督を独占業務とする国家資格です。試験の難易度が高いため、科目合格制度を上手に利用して資格取得を目指しましょう。

豊富なノウハウを持つユーキャンの電験三種合格指導講座なら、ポイントを絞った効率的な勉強が可能です。数学の復習用テキストを含む充実の教材に加えて、スマホやパソコンで勉強する「学びオンライン プラス」も利用できます。教育訓練給付制度の対象になる会社員は合否に関係なく学費の2割が補助されるため、あわせてチェックしておきましょう。

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一定規模以上の電気設備の管理、工事の保安監督を行う電気のスペシャリストである電験三種。電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。そのため有資格者は業界内になくてはならない存在となり、非常に高く評価されます。電験三種の資格があればキャリアアップはもちろんのこと、転職・就職に有利ですので、昇進・昇給を考えている方、定年後に再就職を考えている方におすすめの資格です。
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