ロールモデルの意味とは?社員別の見つけ方や例、設定手順を紹介

  • ロールモデルの意味とは?社員別の見つけ方や例、設定手順を紹介

    公開日:2025.06.12

    更新日:

    ロールモデルとは、社員が目指すべき「行動」や「考え方」のお手本となる人物のことを指します。

    優秀な人材を育成し、企業全体の成長を促進するためには、自社に合ったロールモデルを明確に設定し、その人物像を全社員に共有・浸透させることが重要です。この記事では、ロールモデルの意味や重要性、適した人物の選び方、ロールモデルを設定するメリット、見つけるための具体的な手順についてわかりやすく解説します。

ロールモデルとは

ロールモデルとは、行動や考え方の模範となる人物のことを指します。ビジネスや教育、スポーツなどさまざまな分野で「目標とする人材」や「手本とすべき存在」として活用されています。

ロールモデルが注目されている理由

ロールモデルが企業で注目されている背景には、「どのようなキャリアパスを描けるのか」「企業が求める人材像は何か」といった点を社員が具体的にイメージしやすくなるというメリットがあります。 現在では、フレックスタイム制やリモートワーク、時短勤務など、働き方の多様化が進み、キャリア形成の選択肢も広がっています。こうした環境下でも、明確なロールモデルが存在することで、社員一人ひとりが自分に合ったキャリアや働き方を描きやすくなるのです。ロールモデルの存在は、性別や年齢を問わず、幅広い層の従業員にとっての道しるべとなり、誰もが活躍できる企業づくりを支える重要な要素と言えるでしょう。

ロールモデルに最適な人物

ロールモデルを選ぶ場合は、手本や理想とするのにふさわしい人物を選ぶ必要があります。

身近にいる上司や同僚

身近な上司や同僚をロールモデルに選ぶことで、実践的な学びが得やすく成長につながります。身近な人をロールモデルにすれば、日常的に接する場面が多いため、具体的な仕事の進め方やコミュニケーションの仕方を観察し、すぐに取り入れることができます。また業務内容や職場環境が共通しているため、現実的なアドバイスも得やすく、実践に応用しやすい点も重要なポイントです。身近にいる人であれば気軽に質問や相談ができ、その分、学びの機会が増えます。そして身近な存在が努力する姿を間近で見ることで、モチベーションが向上し、キャリア形成のヒントを得られます。

社外の実績がある人材

社外で実績のある人材をロールモデルとして取り入れることは、社員の成長に大きな効果をもたらします。社外の人材は自社とは異なる環境やネットワークで活躍しているため、新たな視点や高度な専門スキルを学ぶ絶好の機会となります。例えば、業界のトップリーダーや第一線で活躍するプロフェッショナルの考え方に触れることで、最新のトレンドや成功の秘訣を吸収でき、自社に閉じない柔軟な発想力が育まれます。とくに異なる環境で成果を上げた人物の思考や戦略を学ぶことで、自分自身の成長に直結しやすく、実践的な学びが得られる点が大きな魅力です。

さらに、書籍や講演、SNSでの成功事例や課題解決プロセスを知ることで、日々の業務に役立つリアルなヒントを得ることができます。このような社外ロールモデルの存在は、社員一人ひとりのキャリアの選択肢を広げ、新たなチャレンジへのモチベーションを高める要因となるでしょう。

著名人や歴史上の偉人

著名人や歴史上の偉人をロールモデルにした場合は、時代を超えた普遍的な成功の法則やリーダーシップを学ぶことができます。著名人・偉人の考え方や行動は、書籍や伝記、スピーチなど広く記録されており、成功に至る過程や困難を乗り越えた方法を詳しく知ることができます。また世界的に影響力を持つ人物の視点を取り入れることで、グローバルな視点や長期的なキャリア形成のヒントを得られるでしょう。特に歴史上の偉人が下した決断やリーダーシップからは、現代のビジネスや自己成長にも応用できる学びが多いです。著名人や偉人の生き方を参考にすることで、困難な状況でも前向きに挑戦する姿勢を持てるようになります。

役割毎の理想的な人材

ロールモデルを1人に絞るのではなく、さまざまな役割に合わせて理想的な人材を選ぶのも効果的です。例えば営業職ならAさん、人脈づくりならBさん、イノベーションや発想力ならCさんなど、それぞれの持つ個性をロールモデルとする方法です。この方法では一つひとつの個性をロールモデルとして参考にできるため、特定のスキルの成長速度を高める効果が期待できます。

ロールモデルを設定するメリット

ロールモデルの設定は従業員にとってのメリットだけでなく、企業にとってもさまざまなメリットがあります。以下より、どのようなメリットがあるのかを紹介します。

キャリアデザインがしやすくなる

ロールモデルを設定することで、自分の理想とするキャリアパスを具体的に描きやすくなります。特に同じ業界や分野で成功している人材を参考にすることで、どのようなスキルや経験が必要になるか明確になり、目標設定がしやすくなります。またロールモデルの過去の選択や挑戦を学ぶことで、自分のキャリアの選択肢を広げ、適切な行動指針を得やすくなる点もキャリアデザインにおけるメリットです。さらにロールモデルの成功や失敗を参考にすることで、自分に当てはめた効果的なキャリアプランを立てやすくなるでしょう。

成長速度が加速する

ロールモデルを持つことで、成功者の経験や思考を学び成長のスピードを高めることができます。ロールモデルの行動やキャリアパスを参考にすることで、挑戦の時間短縮、効率的にスキルや知識を学べます。またロールモデルが乗り越えた課題や失敗の経験を知ることで、同じミスを予防でき、より確実な成長が可能となるでしょう。さらに成功のための具体的な行動指針を得られるため、目標達成へのプロセスを最適化しやすい点もメリットといえます。

コミュニケーションが増えやすい

ロールモデルを持つことで、職場や業界内でのコミュニケーションの機会が自然と増えます。特に身近にいる優れた上司や同僚をロールモデルに設定すると、積極的に質問や相談をするようになり、自然と対話の頻度が高まります。またロールモデルが社外の人物であっても、共通の目標を持つ仲間と情報交換を行うことで人脈を広げられるでしょう。さらに成長のヒントを得るためにセミナーや勉強会に参加することで、同じ志を持つ人と新たな交流が生まれ、キャリアの可能性を広げることができます。

組織全体が活性化する

組織内にロールモデルを設定することで、従業員の努力や成長への意識が高まり、組織全体の活性化につながります。 それだけでなくロールモデルに設定された人材の行動が他の従業員にも良い影響を与え、チーム全体のパフォーマンス向上や協力体制の強化が期待できます。このように組織内で「目指すべき姿」が明確になることで、従業員の間に共通の価値観が生まれ、企業の成長と活性化が促進される点は重要なメリットです。

ダイバーシティ推進になる

多様なロールモデルを設定することで、異なるバックグラウンドや価値観を尊重し、女性活躍やダイバーシティ推進につながる点もメリットです。特に性別・年齢・国籍・キャリアの異なるロールモデルを示すことで、多様な働き方や成功の形を提示でき、組織全体のダイバーシティへの意識も高まります。また多様なロールモデルがあることで、従業員が「自分にもチャンスがある」と感じやすくなり、積極的に挑戦できる組織風土が醸成されます。結果として、多様な視点を内包した組織運営が実現し、イノベーションが促進される点が経営におけるメリットです。

従業員の定着率が向上する

ロールモデル設定により、従業員がキャリアの方向性を明確にし、働く意義を前向きに考えられるようになります。その結果、従業員が会社で働く意義を自ら発見することで、定着率の向上につながる点がメリットです。ロールモデルの存在は、仕事の悩みや課題に対する具体的な解決策を知る機会となり、働き続けるモチベーションを高めてくれます。従業員のモチベーションが高まれば、職場での業務効率や積極的な提案、イノベーションへの取り組みが加速し、長期的に優秀な人材を確保できるようになります。

社員別のロールモデルの見つけ方

ロールモデルの設定にあたり、どのような人物像にするのか、実在する人物にするのかという条件は重要です。どのようにロールモデルを見つければよいのか、社員別に紹介します。

新入社員の場合

新入社員の場合、まず身近な社員や上司の中から、仕事の進め方や姿勢を学ぶロールモデルを見つけることが重要です。特に自分の担当業務と近い先輩を観察し、成果を上げている人の仕事のやり方やコミュニケーションの仕方を参考にするのが効果的です。また企業の研修や社内イベントを活用し、異なる配置の優秀な社員とも接点を持つことによって、多様な働き方を知る機会を増やせます。他にも業界の著名人や社外の成功者のキャリアを学ぶことで、成功率の高いロールモデルとして長期的な目標設定のヒントを得ることができます。

中堅社員の場合

中堅社員の場合、専門スキルの向上やリーダーシップの強化を意識し、目標やキャリアに合ったロールモデルを見つけることが重要です。例えば業界の成功者や外部セミナーの講師など、社外のロールモデルを意識することで新たな視点やキャリアの可能性を広げられます。他にも実在しない理想の人物像をロールモデルに設定し、目標とする方法もよいでしょう。異業種のリーダーや会社にとっての理想的な人物像の考え方を取り入れることで、中堅社員の成長を加速させることにつながります。

ベテラン社員の場合

ベテラン社員の場合、マネジメント能力の向上や次世代育成を意識し、組織全体に影響を与えるロールモデルを設定することがポイントです。社内の人材では経営層や部門のリーダーを参考にし、組織運営や意思決定の方法を学ぶことで、市場を意識した戦略的な視点を養えるようになります。また社外の人材をロールモデルにするなら、業界の著名人や経営者の考え方を取り入れることで、広い視野を持てて組織の成長に貢献できるでしょう。さらに異業種の成功事例を学び自社に活かすことで、変化に対応できる柔軟なリーダーシップの強化につながります。

ロールモデルを設定する際の流れ

ロールモデルを設定する際は、いきなり理想的な人物を選ぶのではなく、順序立てて進めていくことが大切です。 個人がロールモデルを設定するための流れについて、4つの手順に分けて紹介します。

自己分析を行う

ロールモデルを設定する前の段階として、まず自分自身の強み・弱み、課題、目指すキャリアを明確にすることが重要です。そのために自己分析を行い、どのようなスキルや価値観を持つ人物をロールモデルとするべきかが見定めましょう。自己分析の方法としては、現在の業務での得意・不得意をリストアップし、どの分野で成長したいかを明確にすることが効果的です。さらに客観的な意見として上司や同僚からフィードバックを受けると、自分では自覚していない強みや改善点を知ることができます。自己分析で自分自身を把握することで、目標とする人物像の方向性を明確にでき、適切なロールモデルを選ぶための第一歩となるでしょう。

適切なロールモデルを検討する

自己分析を行ったら、次は自分の目標に合ったロールモデルの検討に入ります。ロールモデルは社内の評判、キャリアの参考となる人物を見つけることが大切です。社内で探す場合は、同じ部署や業務で優れた成果を上げている上司や先輩、マネジメント力のあるリーダーを参考にするとよいでしょう。身近な人材と日常業務を共にすることで、仕事の進め方や考え方が学びやすいためです。社外の人材でロールモデルを探す場合は、業界の著名人や経営者、異業種で活躍するリーダーなどを参考にすると、新しい視点を得ることができます。書籍や講演、SNSなどを活用し、人の考え方やキャリア形成のプロセスを学ぶことで、自分自身の知らない働き方やキャリアの視点を得られるからです。そして最終的には複数のロールモデルを持つことで、多様な視点から学び、自分に合った要素を取り入れられます。

ロールモデルの行動や考え方を学ぶ

ロールモデルを設定した後は、その人物の「行動」や「思考パターン」を積極的に学ぶことがキャリア成長の鍵となります。社内の人材がロールモデルであれば、日々の業務を通して、どのようにタスクを遂行しているのか、何を重視して意思決定をしているのかを観察しましょう。また、どのようなスキルや知識を活用して成果を上げているのかにも注目することが大切です。
さらに、直接コミュニケーションを取る機会を増やし、仕事の進め方やキャリア形成について質問やフィードバックを求めることで、より実践的で深い学びが得られます。こうした対話を通じて、ロールモデルの思考や戦略を自分の行動に取り入れるきっかけになります。
一方、社外のロールモデルを参考にする場合は、書籍、講演、インタビュー、SNSなどから多角的に情報を集め、成功の背景にある行動やマインドセットを分析することが有効です。ポイントは「憧れる」だけで終わらせず、自分の行動にどう落とし込むかを意識すること。行動変容につながる学びが、キャリアアップの加速につながります。

実践しながら継続的にアップデートする

最後にロールモデルから学んだことを、実際の業務で実践し、継続的に成長することが大切です。ロールモデルの行動や考え方を取り入れながら、自分なりのスタイルとして昇華し、確立していくことが理想です。またキャリアの成長とともに目指す方向性が変化することもあるため、定期的にロールモデルを再設定することも必要になります。例えば若手のうちは「仕事のスキルを磨く」ことが目標でも、中堅社員になれば「リーダーとしてチームを支える」となり、管理職になると「マネジメント能力を高める」ことが重視されるようになります。さらに学びを深めるために、自分自身がロールモデルとして指導する立場になることも有効です。モデルロールを参考にしつつ自分自身の成長を継続し、キャリアを発展させること、そして自分自身が誰かのロールモデルになれるよう努力することが最も重要なポイントになります。

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まとめ

ロールモデルの重要性や適した人物、メリット、見つけ方などを詳しく解説しました。ロールモデルは会社側が設定する人物像と、社員個人が設定する人物像があります。まずは会社側からロールモデルを設定することにより、個々の社員は会社の求める人物像を把握し、現状の自分に足りないスキル、意識などを理解できるでしょう。またそこから発展して個人のロールモデルが設定されれば、社員の成長速度を高める効果が期待できます。社内で優秀な人材を育成するためにロールモデルの探し方、設定方法を学ぶなら、研修実績が豊富なユーキャンにお任せください。

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