セルフマネジメントとは?必要なスキル・メリット・苦手な人の特徴を紹介

  • セルフマネジメントとは?必要なスキル・メリット・苦手な人の特徴を紹介

    公開日:2024.04.26

    更新日:2024.04.26

    セルフマネジメントは自分自身で成長目標や行動計画を設定し、タスク管理やタイムマネジメント、感情のコントロールを行うスキルです。 セルフマネジメントを習得すると、最大限のパフォーマンスを発揮しつつ、良好な人間関係構築にも役立ちます。この記事ではセルフマネジメントを中心に、なぜ注目されているのか、セルフマネジメントがもたらす効果、性格による得意・不得意などを解説しています。

セルフマネジメントとは何か

セルフマネジメントとは、自分自身で成長目標や必要な行動の計画、業務管理、感情コントロールを行うことを指します。自分で業務上必要なスキルや体調、心理面のマネジメントを行うことで、最大限のパフォーマンスが発揮できるようにすることを目的にしています。セルフマネジメントは新人や若手社員に必要な能力として、多くの企業で注目されているスキルです。

セルフマネジメントが注目される背景

セルフマネジメントが注目されるようになった背景には、近年の社会情勢の変化があります。

働き方改革の導入

働き方改革とは長時間労働を是正し、社員一人ひとりのワークライフバランスを意識した働き方の変化のことです。働き方改革を進めるうえで、セルフマネジメントは重要なポイントです。日本企業では「24時間働けますか」「モーレツ社員」のキャッチフレーズが一般化するほど、長時間労働が当たり前の習慣でした。働いた時間の長さが会社への貢献度として見られ、成果よりも労働時間を重視されてきました。しかし 働き方改革によって働きの成果や成績で評価されるようになり、日本企業もタイムパフォーマンスを重視する働き方に変化しつつあります。

テレワークの推進

新型コロナウイルスの流行以降、日本でもテレワークが急速に普及しました。政府からも三密を避けるためにテレワークが推奨され、多くの企業でオフィスに限定されない働き方が取り入れられました。一方で、テレワークはプライベート空間でそのまま仕事をする人も多く、公私の切り替えが難しい問題があります。この問題を解決する1つの手段として、セルフマネジメントが注目されています。

生産年齢人口の減少

日本では少子高齢化が進んでおり、近年は生産年齢人口の減少局面に入っているとされています。企業の人手不足は進んでいく一方で、生産年齢人口が減少すると、多くの企業で人材不足による生産性低下は避けられないでしょう。そのため企業は既存人材を最大限活用しつつ、人材の確保と流出防止対策を打ち出す必要に迫られています。そこで活用されているのがセルフマネジメントです。社員が主体となって自分の体調や心理面を整え、業務管理を行うセルフマネジメントスキルを高めれば、人手不足でも生産性を高められる期待が持てます。

セルフマネジメントを構成する要素・スキル

社員がセルフマネジメントを行う際は、5つの構成要素とスキルが求められます。企業からの働きかけが必要になるものもあるため、組織全体で取り組んでいくのが望ましいです。

セルフケア・メンタルヘルスケア

セルフケアとは自分の身体・心の健康を自分で守り、安定した心理状態を維持することです。仕事をしていれば業務や人間関係でストレスを感じ、気づかぬうちに溜めこんでいることがあります。そうしたストレスをうまく受け流し、最適な状態を保つことがセルフマネジメントでは重要です。

レジリエンス

レジリエンスとは回復力・復元力を意味する精神的な回復力のことです。 困難な状況を乗り越え、ストレスを受け止めて跳ね返したり、すぐに立ち直る能力をレジリエンスと呼びます。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントは自分の感情をコントロールすることです。特に怒りの感情をコントロールし、自分と向き合うためのトレーニングになります。

マインドフルネス

マインドフルネスとは現在起こっていることに心を向け、瞑想でストレスを軽減することです。重要なのは、経験や感情、先入観といった雑念にとらわれることなく「現在起こっていること」だけに意識を向け、現実をあるがままに受け入れることに集中することです。ストレス耐性が高まり、気持ちを切り替えて生産性を高める効果があるとされます。

キャリアデザイン

キャリアデザインは将来的に自分がなりたい姿、目指したい自分を実現するために、自分の人生を含めたキャリアを設計していくことです。現在の自分の立ち位置などを正しく自己認識し、目指す姿を実現する方法を模索・実行していくことが重要です。

セルフマネジメントの良い影響

従業員がセルフマネジメントを身に付けると、組織にとっても様々な良い影響があります。
・業務効率・生産性の向上
・信頼関係が生まれやすい
・モチベーションが安定する

業務効率・生産性の向上

セルフマネジメントのスキルを高めると、社員の業務効率と生産性が向上する効果があります。 セルフマネジメントができると、タスク管理やタイムマネジメントなど、安定的なパフォーマンス発揮が期待できます。 タイムマネジメントができれば時間の無駄が減り、社員のスキルが高まれば、チームの業務効率が向上し、組織全体の生産性向上につながるでしょう。組織の仕組みを変えずに業務効率と生産性向上を図るなら、社員のセルフマネジメントスキルの習得を促すことが効果的です。

信頼関係が生まれやすい

社員がセルフマネジメントを習得すると、組織内の人間関係が改善し、社員同士の信頼関係が生まれやすくなります。セルフマネジメントにはマインドフルネスやアンガーマネジメント、レジリエンスなどの精神的な安定性を促す要素があります。人間関係において、怒りや感情に任せた行動・言動はトラブルを起こす原因です。 セルフマネジメントがうまくできれば、感情に左右されることが少なくなり、状況に合った適切な行動が取れるようになるでしょう。 また、感情をコントロールすることによって周りとの良好な関係を作り、業務を円滑に進めることができるでしょう。その結果、社員同士のコミュニケーションが活発になり、チームワークの向上、生産性を高める効果も期待できます。社員間でトラブルの多い組織では、社員にセルフマネジメントの習得を促すのがよいでしょう。

モチベーションが安定する

社員がセルフマネジメントを身に付けると、モチベーションの安定につながる点も良い影響です。セルフマネジメントでは社員が自らの心理面をコントロールし、冷静さを保ったり、前向きな思考に切り替えたりする効果があります。人間はミスをしたときやマンネリ化したとき、モチベーションが低下しやすいものです。セルフマネジメントを習得しておけば、モチベーションの低下を防ぎ、常に安定した心理状態で仕事に臨めるようになります。モチベーション低下は業務効率と生産性にも直結するため、企業にとって解決すべき課題です。
また離職の原因になることもあるため、企業にとってはセルフマネジメントの習得を支援するメリットになるでしょう。

セルフマネジメントが苦手な人の性格

セルフマネジメントはすべての人が身につけておきたいスキルですが、中には苦手とする人もいます。どのような性格の人が苦手としているのか、傾向について紹介します。

自分のこだわりが強い

仕事や私生活において、自分のこだわりが強い人はセルフマネジメントも苦手な傾向があります。こだわりが強い人は、見方を変えれば完璧主義タイプといえます。しかしセルフマネジメントは多少の失敗でも許容し、次に活かすにはどうすべきか前向きに考える思考法です。こだわりが強い人は自分のミスを許容できず、ミスや予定外の出来事に対して弱い特徴があります。そのためセルフマネジメントとの相性が悪く、苦手とする人が多いです。

人に頼れない・抱え込みやすい

人に頼るのが苦手な人や自分だけで課題を抱え込みやすい人も、セルフマネジメントが苦手な性格の人です。このタイプの人は自分の能力の限界を感じていながらも、人に頼れずに抱え込んでしまい、結果的に残業やストレスを抱えることが多くなります。課題を抱え込み、強いストレスがかかった状態では、本来の自分の能力を発揮できません。こうした性格の人に対しては、周囲の人からも声をかけることが大切です。

ストレスを溜めこみやすい

ストレスを自分の中で溜めこみやすい人も、セルフマネジメントが苦手な性格の人です。
元々、セルフマネジメントはストレスや自分の感情と向き合い、受け流したり、前向きに切り替えたりするスキルです。しかしストレスを溜めこみやすい人は、ストレスをそのまま受け止めようとしてしまいます。ストレスが溜まればパフォーマンスは低下し、モチベーションや業務効率の低下を招きます。自分なりのストレスの発散方法を見つけ、ストレスとの向き合い方を探っていくことが大事です。

セルフマネジメントが得意な人の性格

先ほどとは逆に、セルフマネジメントが得意な人の性格にも一定の傾向があります。

優先順位を付けるのが上手な人

セルフマネジメントが得意な人は、タスクや重要度に応じて優先順位を付けるのが上手な人です。
このタイプの人は、自分に割り振られたタスクを把握し、期限や重要度から作業に優先順位を付けられます。優先順位を付けておけば、やるべきことから順序立てて進められるため、ストレスも少なくすみます。また効率的に作業も進められるため、タイムマネジメントも上手です。優先順位付けが苦手な人も、繰り返すうちに上手くできるようになりますから、常に意識し、習慣化できるとよいでしょう。

適度にストレスを発散できる人

ストレスを感じたときに、自分なりに発散できる人もセルフマネジメントが得意なタイプです。自分でストレスを自覚し、適度に発散できればモチベーションとパフォーマンスが維持できます。適度なストレスは脳を活性化し、刺激にもなるため、自分の体調や精神状態を掴みながら、適当なタイミングで発散することが大切です。

ポジティブシンキングが得意な人

仕事でも私生活でも、常にポジティブに考えられる人はセルフマネジメント向きの性格です。トラブルやハプニングに見舞われても、それを悲観的に捉えるのではなく、前向きに考えられるからです。ポジティブシンキングが得意な人は、諦めるのではなく、問題の発生原因を考え、解決策を見出そうとします。セルフマネジメントもトラブルに対する考え方を変え、モチベーションへとつなげるスキルです。何事も前向きに捉えることで、ネガティブな感情に振り回されることが少なくなるでしょう。

セルフマネジメントを身に付ける方法

セルフマネジメントを社員が身に付けることは、企業にとっても大きなメリットです。
そこでセルフマネジメントを身に付けるうえでのポイントを解説します。

・目標を具体的に設定する
・大目標までの小目標を設定する
・タイムマネジメントを意識する
・意識の切り替え方法を身に付ける
・自己分析を行う

目標を具体的に設定する

セルフマネジメントを身に付けるには、まず目標をできる限り具体的に設定することです。良くない例としては「半年後までにビジネスマナーを覚える」のような漠然としたものです。半年後にビジネスマナーを覚えたとして、その先に何があるのか、具体的に今の自分に何が足りていないのかが明確になっていません。 セルフマネジメントではなりたい自分をイメージし、具体的な目標として設定しましょう。 細かく目標を設定することで、現在の自分の立ち位置がわかるようになり、モチベーションにもつながります。

大目標までの小目標を設定する

セルフマネジメントを身に付けるには、大目標へ到達するための小目標(マイルストーン)の設定も大切です。特に長期にわたるプロジェクトや研修を受ける場合、最終目標だけを目指すのは先が長く、モチベーション低下を招きやすくなります。小目標を設定すれば、状況を確認しながら作業を進めることができ、目標をクリアすることで進歩を感じ、モチベーションアップにつながります。大きな目標を設定したときこそ、小目標を設定して最終的な目標に進んでいきましょう。

タイムマネジメントを意識する

日頃の業務からタイムマネジメント(時間管理)を意識し、効率的に作業することを心がけましょう。最初は「午前中に仕事を1つ終わらせ、午後からは別の仕事をする」という大まかなもので構いません。徐々に自分の能力やキャパシティを把握できたら、分刻みのスケジューリングをすると効率が上がります。タイムマネジメントを意識せずに仕事をすると、集中力が失われ、作業効率の低下を招きやすくなります。自分で時間を決めて作業することにより、常にモチベーションと集中力を維持できるようになるでしょう。

意識の切り替え方法を身に付ける

仕事をする上で、リラックスする時と集中する時の切り替えも必要です。常に集中した状態では心身ともに疲弊しやすく、余計なストレスを抱えてしまいます。適度に力を抜き、緊張感を持って臨むべき業務では集中するという意識の切り替えが重要です。またセルフマネジメントには、マインドフルネスという瞑想を用いて、目の前の出来事にだけに集中する方法があります。マインドフルネスを行うことで、集中できる時間が増え、パフォーマンス向上、生産性の向上につながります。自身の感情も変化し、不安やストレスから解放されるメリットがあります。日頃から瞑想を行い、すぐに意識の切り替えができる心理状態を身に付けましょう。

自己分析を行う

セルフマネジメントの上達には、自己分析で自分の現状を振り返ることもポイントです。
自分の言動を振り返り、特性や強み、弱みを分析し、足りない面を理解することが重要です。自分自身のことを深く理解できれば、セルフマネジメントでも役に立ちます。例えば、自分がどういうときに感情的になりやすいか、集中力がなくなる時間帯などを把握すれば、具体的な解決策も出しやすくなるでしょう。

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まとめ

今回はセルフマネジメントについて、スキルの内容や注目される背景、5つの構成要素、メリットなどを解説しました。 セルフマネジメントはすべての社員が身に付けることで、企業全体の業務効率と生産性を高められるメリットがあります。
しかし、社員が自分の個性を意識しつつ、セルフマネジメントを習得するには、企業側から社員へのサポートが欠かせません。この記事をぜひ参考にしていただき、社員のセルフマネジメントスキルを高め、生産性の高い企業へと成長しましょう。

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