現代に求められるリーダーの役割
かつての日本では、メンバーをまとめあげ引っ張っていくのがリーダーの役割という認識が広まっていました。しかし現代は「VUCA時代」と呼ばれ、社会の変化が激しく、予測困難な時代とされています。そのような時代には、一人のリーダーの判断だけでメンバーを正しい方向に導くのは難しく、従来とは違うリーダー像が求められるようになりました。画一的な方法でマネジメントを行うことは、現代においては失敗の要因です。そこでメンバーとの関係性を重視する関係重視型、メンバーへの奉仕の精神でチームを導く奉仕型、目標や理想を共有するビジョン型などが現代の理想のリーダー像とされています。現代では多くの企業が人材不足や早期離職、生産性の低下などで悩む中、激動の時代に適応できるリーダーの存在が重要です。従来のようなカリスマ性でメンバーを引っ張るタイプも重要ですが、現代に求められるのはメンバーとともに歩んでいくタイプのリーダーといえるでしょう。
リーダーとマネージャーの違い
リーダーとマネージャーは、どちらも業務を管理するという点では似ています。
しかし、マネージャーの行うマネジメントと、リーダーが発揮するリーダーシップには若干の違いがあります。
具体的な違いは以下の通りです。
マネージャー | リーダー | |
役割 | 経営陣の運営方針に従って予算や事業計画を策定する | 現場で働く社員に目指すべき方向性や目標を掲げる |
プラン | 短期・中期・長期まで幅広い計画を策定し、合理的な計画を立てる | 中長期のビジョンを持ち、挑戦的な目標や計画を立ててメンバーを鼓舞する |
コミュニケーション | ・トップダウン式の指示・命令系統をとる ・各部署とのコミュニケーションや会議を通して現状を把握する | ・現場で働く社員とも対等な立場でコミュニケーションを取る ・対話の中で社員の発想・創造力を発揮できるよう支援する |
参考:マネジメントとは?意味や仕事内容、必要なスキルなどについて
リーダーに必要なスキル・資質
リーダーには、組織の成功を導くための多様なスキルと資質が求められます。特に重要なのはコミュニケーション能力・目標設定能力・判断力・問題解決力の4つです。これらを身につけることで、チームの結束力を高め成果を最大化できます。
リーダーはメンバーと明確な意思疎通を図り、目的を共有することが欠かせません。また的確な目標を設定し、チームを正しい方向へと導く力が求められます。さらに複雑な状況の中で冷静な判断を下す能力と、問題に直面した際に適切な解決策を見出すスキルが不可欠です。これらの能力を高めることで、リーダーは組織を成功へと導くことができます。
コミュニケーション能力
優れたリーダーは明確なメッセージを伝え、チームメンバーとの信頼関係を築くことができる人です。話すだけではなく聞く力も重要であり、メンバーの意見に耳を傾けることで組織の協調性が向上します。また相手の立場を理解し共感を示すことで、チームの士気を高めることが可能です。率直で誠実なコミュニケーションを心がけることで、メンバーが安心して意見を交わせる環境が生まれます。
目標設定能力
リーダーは組織の方向性を示し、明確な目標を設定する役割を担います。具体的で達成可能な目標を設定することで、チームは効率的に動くことができます。また目標を適切に共有し、各メンバーにとっての役割を明確にすることで、チームの一体感が強まります。達成するまでのプロセスを具体的に示し進捗を管理することで、目標への道筋がはっきりと見えるようになります。
判断力
リーダーには状況を的確に分析し、最適な判断を下す能力が求められます。組織の未来を左右する重要な決定をする際には、情報を整理し論理的に考えることが不可欠です。また経験や知識を活かして、リスクを見極めながら意思決定を行うことでチームの成長を促進できます。冷静な思考を保ちつつ多角的な視点を持つことで、成功へと導く判断ができるようになります。
問題解決力
チームは常に課題や困難に直面しますが、リーダーの問題解決力によってそれを乗り越えることができます。まずは問題の原因を的確に把握し、解決策を導き出すことが重要です。
また創造的な発想で柔軟な対応を行うことで、状況を好転させることが可能になります。単独で解決しようとするのではなく、メンバーと協力しながら最適な策を見つけることで、よりよい結果へとつながります。
リーダーの育成における課題
リーダーの育成における課題には、次のものがあります。
● 画一的な育成ができず難しい
● 現場の負担が大きく、フォローが重要
● リーダー志向を持つ人材が減少傾向にある
● 教育体制が整備されていない
● 定量的な効果が見えにくい
5つの課題について、具体的な内容を紹介します。
画一的な育成ができず難しい
リーダー育成における課題として、画一的な育成ができず、望ましいリーダーにするのが難しい点があります。リーダーを育てるには研修や実務経験が必要ですが、誰もが同じ経験を積み、同じだけの能力を持っているわけではありません。若手でリーダーに抜擢される人もいれば、経験を積んだ中堅・ベテラン社員から選ばれる人もいます。経験、能力の差が一人ひとり違う以上、育成方法も統一することはできません。同じ手法で育成したとしても、同じようにリーダーシップを発揮する人は1人もいません。
また、チームメンバーにも個性がある以上、リーダーを画一的に育成するのは現実的ではないでしょう。 リーダーを育成する際は、育成対象者の経験値、スキル、個性まで理解したうえで、成長度合いに合わせたプランを練るのがベストです。
現場の負担が大きく、フォローが重要
リーダー育成における難しさの2つ目は、現場の負担が大きくなり、育成中のフォローが重要になる点です。リーダー候補になる人は、現場での業務を十分こなせる力量があり、チームにおける中心的存在であることが多いです。チームの柱ともいえる存在が育成期間中に抜けるということは、その他のメンバーに大きな負担がかかります。結果的に他の社員の業務負担が大きくなり、チームの生産性・業務効率は低下してしまいます。特に中小企業は人員不足が深刻で、1人が抜けただけで業務がまわらなくなり、売上が低下する可能性があります。そのためリーダー育成を行う際は、戦力が抜けた穴をどうカバーするか無理のない育成プランを考えましょう。
リーダーを志す人材が減少傾向にある
リーダーになりたくないと感じる理由
社員がリーダーになりたくないと感じる理由には、以下の点が挙げられます。● 責任感が重くなる
● 部下の管理が面倒
● リーダーになっても収入が増えない
● プライベートの時間がなくなる
● そもそも仕事にやりがいを感じていない
リーダーという立場は、チームの管理者として責任を持つことになります。メンバーがトラブルに見舞われた場合、リーダーはその対応を率先して行わなければなりません。さらに、部下の教育・指導もリーダーの仕事です。リーダーとして采配を振るだけではなく、リーダーが不在の時に代理になる人材を育て、万が一の際の対応を考える必要があります。これだけの労力をかけても、リーダーとしての給与は一般社員と大きく変化しないこともあるでしょう。責任感の重さに対して給与が少なく、かつプライベートに使える時間も少なくなった結果、仕事のために生きているような感覚になり、仕事へのやりがいを失ってしまう方もいます。リーダーを育成するのであれば、会社側もリーダーをすることでのメリット、キャリアプランを明確に提示することがリーダー候補不在の対策になるでしょう。
教育体制が整備されていない
企業が自社独自のリーダー育成のノウハウがなく、教育体制が整備されていないこともあります。一定の規模の会社であれば社内のノウハウを蓄積していますが、小規模の企業はそもそもリーダー育成をしたことがないケースも考えられます。リーダーの育成には適切な指導や制度の構築が必要です。育成には中長期のプランを立て、時間とコストをかけなければなりません。小規模企業ではそれすら難しく、仕方なくリーダーになる人もいるでしょう。マインドセットや正しいリーダーシップのあり方、業務管理、目標設定などを学んでいないと、十分なリーダーシップを発揮できません。
リーダー育成を始める前に教育体制を整備するか、外部に依頼して教育プランを計画してもらうのが対策になるでしょう。
定量的な効果が見えづらい
リーダー候補を選出し、育成するなら定量的な指標と効果測定方法も必要です。定量的な指標がなければ、リーダー育成の対象選定すら難しいからです。
また、対象者がリーダーになれるスキルを備えているかわかりません。社員に求めるリーダー像があるのなら、会社として明確な基準を提示すべきです。
そして、リーダーとしてあるべき姿、正しい方向性を示すことが企業で活躍するリーダー育成のポイントです。
リーダーの育成で実施するべき内容・プログラム
リーダーの育成で実施するべき内容・プログラムは次の通りです。
● 自己理解につながる内容
● リーダーシップスキルの開発と強化
● 経営の基本スキル
3つの内容について紹介します。
自己理解につながる内容
リーダーを育成するには、育成対象となる社員が自分の強み・弱み、特徴を理解することが重要です。 自分がリーダーになった時、どのような場面で自分の強み・弱みが現れるのか把握することで、さまざまな対策を取れるようになります。
特に自分の弱みを理解し、トラブルが発生した時にどう行動するのか理解すれば、働き方や考え方も状況に合わせて変容できます。
リーダーが自己理解を深めるには、次のような方法を利用するのがおすすめです。
● 適性検査
● 360度多面評価
● Hogan Assessments
いずれのツールも自分の強み・弱みを分析し、客観的な評価で自己認識を深めるのに役立ちます。自分の特徴を理解すれば、目指すべきリーダー像も明確になり、マネジメントスタイルも確立しやすくなるでしょう。
リーダーシップスキルの開発と強化
リーダー育成では、メンバーを率いていくためのリーダーシップ開発も欠かせない内容です。リーダーが先頭に立ってチームを引っ張り、メンバーの仕事を管理することで、チームは同じ方向に向かって前進できます。逆にリーダーが迷いや不安を抱えていると、チームは円滑に回らなくなり、メンバーも自信を持って働けなくなります。そのため、育成対象となる人材のリーダーシップ開発を研修カリキュラムに盛り込み、リーダーにふさわしい行動、原則を学んでもらいましょう。リーダーシップ開発では、チームとして求められる行動、メンバーのモチベーションを高める働きかけ、チームを牽引する基本などを学びます。育成対象の個性による差はありますが、一定のリーダーシップを身に付けてもらうことが育成の重要な目的です。
経営の基本スキル
リーダーとして成功するためには、経営の基本スキルが不可欠です。組織を適切に運営し、持続可能な成長へ導くためには、財務管理・戦略立案・人材マネジメントの3つの能力を磨く必要があります。
財務管理では予算の策定や収益の分析を行い、健全な経営を維持します。コスト管理を徹底し、効率的な資金運用を行うことで、安定した経営基盤を築けるでしょう。戦略立案では、市場分析をもとに長期的な計画を策定し競争力を強化します。変化する市場環境に適応しながら、適切な意思決定を行うことが成功の鍵となります。人材マネジメントでは、チームの能力を最大限に引き出し適切な育成と評価を行います。社員の成長を促しながら、組織の目標達成に向けた協力体制を構築することが重要です。これらの基本スキルを身につけることで、リーダーは組織の発展を支え、継続的な成功へと導くことができます。
リーダーの効果的な育成方法4選
リーダーの効果的な育成方法を4つ紹介します。
● リーダーシップ研修
● 現場でのOJTを通じたリーダーシップ開発
● 1on1ミーティング
● PDCAサイクルで効果を測定・改善する
リーダーシップ研修
1つ目はリーダーシップ研修です。リーダーシップ研修とは、リーダーを将来的に担う人物、または有望な人物を対象に組織を率いるスキル・知識を学んでもらう研修です。
リーダーに求められる能力は業務を正確に素早く処理する能力と、チームを率いて成果を出し、人を育てる能力です。リーダーシップ研修ではそれらの能力を身に付け、組織における有能なリーダーを育成する基礎を固められます。
またリーダーとしての自覚やコミュニケーションスキル、意思決定の方法なども研修内容に入ります。たとえ業務遂行能力が高く、現場では有能なプレイヤーであっても、リーダーとして優秀であるとは限りません。むしろ自分の能力が高い分、チームメンバーにも同じ水準の業務遂行を求め、組織の力を落とす結果になる可能性もあります。 リーダーシップ研修はリーダーとしてメンバーを牽引する能力、人をコーチング・ティーチングするスキルを高め、リーダーにふさわしい人物を育てるのが大きな目的です。
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現場でのOJTを通じたリーダーシップ開発
OJTは、現場で実践を積みながらリーダーシップを開発する重要な手法です。アサヒ飲料株式会社では、動画マニュアルを活用し新人の習熟度を統一して業務の質を向上させました。またトヨタ自動車株式会社では「教え、教えられる関係」を重視し、日常業務の中で問題解決のプロセスを学ぶことで、リーダーとしての判断力を育成しています。
さらにメンタリングは、効果的なOJTの実践に欠かせません。上司が部下の能力を見極め、適切なフィードバックを与えることで、個々の強みを伸ばしながら成長を促すことができます。特に課題解決の場面で積極的なアドバイスを提供することで、リーダーとしての意思決定力と問題解決力が鍛えられるでしょう。現場での経験を積み重ねることで、実践的なリーダーシップが身につき、組織全体の成長につながります。
1on1ミーティングの実施
1on1ミーティングとは、リーダーと部下が1対1で行うミーティングです。1on1ミーティングの目的は、リーダーが話を聴く役割に回り、リーダーの成長を促すことにあります。
重要なのはリーダーが徹底して聞き役に回ることで、部下が自らの失敗や改善点に気づき、考えて行動する力を高めるように導くことです。また、1on1ミーティングにはさまざまなメリットがあります。まず、チームメンバーとの信頼関係を構築する方法がわかり、メンバー間でのコミュニケーションが活性化できます。リーダーは部下の悩みや相談を聴くことで、メンバー一人ひとりの個性や背景にある事情、普段の業務では聞けない話も聞けるでしょう。部下としてもリーダーと話をすることで、エンゲージメントが高まり、離職防止の対策になります。1on1ミーティングは聞き役のリーダーのテクニックが重要であり、研修を通してスキルを磨くとより効果が高められます。
関連リンク:1on1ミーティングとは? メリット・デメリットや導入手順・テーマの具体例を解説
PDCAサイクルで効果を測定・改善する
リーダー育成において、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)を活用することで、成長の進捗を測定し、継続的に改善することができます。
まずPlan(計画)の段階では、リーダー育成の目標を設定し、具体的な育成プログラムを策定します。たとえば、「リーダーシップ研修の受講」「業務改善プロジェクトへの参加」などの指標を設けることが有効です。次にDo(実行)として、研修やOJTを通じて計画を実施し、リーダーのスキル向上を促進します。Check(評価)の段階では、KPI(重要業績評価指標)を活用し、成長度合いを測定します。例えば「部下からのフィードバック」「プロジェクトの成功率」「業務改善提案の数」などが指標になります。最後にAct(改善)として、評価結果をもとに改善策を講じることで、育成の質をさらに高めます。定期的な振り返りを行い、目標の再設定をしながらリーダーの成長を促すことが成功への鍵となります。
リーダーを育成する上で重要なポイント
リーダーを育成する上で重要なポイントは次の5点です。
● 全社的に取り組む
● 中長期的な視点を持つ
● リーダーだけに任せない
● キャリア自律も促す
● 多様な業務を任せて経験を積ませる
それぞれのポイントの詳しい内容を解説します。
全社的に取り組む
リーダー育成は育成担当者や人事担当者に任せきりにするのではなく、全社で協力すべきプロジェクトです。 リーダーを育成するには対象者の部署と教育内容の相談が必須だからです。担当者だけに任せても業務の調整は難しく、他の社員へのフォローアップもしなければなりません。他の社員へのフォローアップがないと、結果的に組織内のモチベーションが低下する可能性があります。育成対象者のいる部門のリーダーが自らロールモデルとして見本を示すことで、他の社員への理解につながるでしょう。 同時に、リーダー育成や人事評価制度の刷新、変更も進めることもポイントです。
リーダー育成に参加することにデメリットが多いと、社員のモチベーション低下を招きます。リーダーを会全体で支える仕組みを作ることで、組織としての基盤が強くなっていくでしょう。
中長期的な視点を持つ
リーダー育成は短期的に完了するものではなく、時間をかけて進めていく必要があります。中長期でじっくりとリーダーを育成する計画を立てましょう。
特に小規模な組織では、人的資源の問題もあるため、短期間で育成しようと詰め込みすぎる傾向があります。
短期間に大量の知識を詰め込んでも、ピアジェ効果によって成長が阻害されます。
全体向けの集合研修に加え、社員の能力に合わせた個別の育成プログラムを用意し、一人ひとりの課題に合わせた育成を進めてください。
リーダーだけに任せない
リーダーは、成果を求められるポジションで、やるべき仕事や責任が増えます。何もかもリーダーだけに任せきりでは負担が大きくなります。
リーダーが実力を発揮するには、メンバーはもちろん、組織として支えていく体制づくりが重要です。
もしリーダーだけに負担がかかるようになっていると、身体または精神に不調をきたす可能性もあります。
またリーダーの負担が大きくなれば、今後、リーダーを希望する社員も減少するでしょう。
必要なら先輩社員や組織の経営陣がコーチになり、リーダーが困った時にサポートできる体制を作るのがおすすめです。
他にも、外部のコンサルタントや専門家にコーチングを依頼し、リーダーの育成に力を借りる方法もあるでしょう。
身体的・精神的な負担はパフォーマンスを低下させます。
リーダーだけに負担のかかる状況を改善し、業務負担の減少や精神面での安定を図ることは大切な施策です。
キャリア自律も促す
キャリア自律とは、自分の将来のキャリアを見つめ直し、能動的に仕事や働き方への意味づけを行うとともに、時代に合わせて継続的に学ぶことを指します。
求められるリーダー像は時代とともに変化し、常に新しいリーダー像を追求していくことが欠かせません。 特に日本では人材不足が企業の課題になっており、自らキャリアを形成し、自発的に行動するリーダーが必要とされています。 会社が用意したキャリアだけでなく、リーダー自身がキャリア自律することで、イノベーションや企業風土の改善につながるでしょう。会社側もリーダーのキャリア自律を積極的に支援することで、社員のエンゲージメントとモチベーションが高められます。
多様な業務を任せて経験を積ませる
リーダーを育成するには、多様な業務を任せてさまざまな経験を積ませることも重要です。知識だけなら研修で身に付きますが、リーダーシップは経験に基づくものが多く、さまざまな経験をさせることで磨かれていきます。また、あえて現状の能力よりも高い役職を与え、多くの経験を積ませるストレッチアサインメントという方法もあります。 本来の能力よりも難しい役割となるため、失敗のリスクも高いですが、その後の成長が大きくなる育成手法です。ただし重要なことは、次々に難しい役割を与えるのではなく、一つの役割が完了してから次の役割を与えることです。 育成対象者に過剰な業務負担や役割を与えると、タスクの処理が追いつかなくなり、ストレスで心理的視野狭窄に陥る可能性があります。 あくまで経験を積ませることを目的として、リーダーとしての役割や自分の強み・弱みを学ぶ機会を与えることが大切です。
まとめ
今回はリーダー育成について、役割や育成の課題、効果的な育成のポイントなどを解説しました。どの企業においてもリーダー育成は重要な経営課題であり、育成方法に頭を悩ませている人事担当者も少なくありません。時代の流れとともに求められるリーダー像は変化し、10年前と現在ではデジタル技術やITの進歩によって、リーダーの役割は大きく変わっています。リーダーは時代に合わせてチームメンバーを導き、組織運営を支えていかなければなりません。組織が求めるリーダーの役割、必要なスキルを検討し、社員の個性にあった育成カリキュラムを用意しましょう。