• 更新日:2024/02/01

この記事では、受験者が増加傾向にある衛生管理者試験に関して、第一種・第二種の違いから試験の概要、合格発表まで、受験に必要な情報について解説します。効率的な受験対策のためにも、資格取得を検討中の人は衛生管理者試験についてしっかり理解しておきましょう。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 衛生管理者の試験は月1~5回ほど実施される。
  • 受験資格は学歴と実務経験。「最終学歴が大学卒業・短期大学卒業・高等専門学校卒業で労働衛生の実務経験が1年以上」「高等学校または中等教育学校卒業で労働衛生の実務経験が3年以上」「最終学歴が中学校卒業の場合、労働衛生の実務経験が10年以上」など。
  • 試験の対策は、参考書や問題集を使った勉強が一般的。
  • 出題範囲が広範囲で効率的な学習が重要なため、通信講座の活用もおすすめ。

衛生管理者試験の概要とは?

衛生管理者試験の受験資格や試験日程、出題内容などについて紹介します。

受験資格

衛生管理者試験の受験資格には、学歴と実務経験の2つの条件があります。主な3つの受験資格として、「最終学歴が大学卒業・短期大学卒業・高等専門学校卒業で労働衛生の実務経験が1年以上」「高等学校または中等教育学校卒業で労働衛生の実務経験が3年以上」「最終学歴が中学校卒業の場合、労働衛生の実務経験が10年以上」があります。

学歴に関しては中卒から大卒まで幅広いため、ほぼ全ての人が条件を満たしているといえます。安全衛生技術試験協会のホームページには、より詳しい受験資格が記載されているので、必要に応じて確認してください。

  • 参考:受験資格(第一種衛生管理者・第二種衛生管理者)|公益財団法人安全衛生技術試験協会(https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku502.htm)



添付書類

受験を申し込む際には、実務経験を証明するための「事業者証明書」と、学歴や資格を証明するための「卒業証書(写し)」「修了証明書(原本)」「合格証(写し)」の添付が必要です。事業者証明書とは、受験者の「労働衛生の実務」への従事を事業者が証明する書類です。


労働衛生の実務

全ての受験者には一定期間の「労働衛生の実務」への従事実績が求められます。この労働衛生の実務とは、健康診断実施のための業務や作業場等の衛生管理業務、看護師や保健所職員としての業務などです。労働衛生の実務としては13項目の業務が認められています。

事業者に事業者証明書を書いてもらえれば、一般的な清掃活動なども労働衛生の実務として認められる場合があります。確認してみましょう。

  • 参考:事業者証明書|公益財団法人安全衛生技術試験協会(https://www.exam.or.jp/exmn/eisei.pdf)


試験日程

衛生管理者試験は月1~5回程度実施されています。受験会場は九州・中国四国・近畿・中部・関東・東北・北海道の7カ所の安全衛生技術センターです。各センターで実施回数が違うため、試験日をチェックしておきましょう。なお、年に1回程度「出張特別試験」として各地域で受験ができます。近くにセンターがない場合に活用してはいかがでしょうか。

試験範囲

衛生管理者試験の試験範囲を紹介します。


試験科目

試験科目は大きくわけると「労働生理」「労働衛生」「関連法令」の3科目です。このうち、労働衛生と関連法令は、有害業務関連と非有害業務関連に分けられます。第一種の試験では両方が試験範囲となり、第二種では非有害業務関連のみ出題されます。


免除科目

第二種衛生管理者の資格を持っている人が第一種衛生管理者の試験を受ける場合は「特例第一種衛生管理者」という試験区分となり、試験科目のうち、労働衛生・関係法令の非有害関連・労働生理が免除されます。船員法による衛生管理者適任証書の交付を受け、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有する人も労働生理が免除されます。

衛生管理者試験の合格発表について

衛生管理者試験の合格発表日や試験結果が通知される方法について紹介します。

合格発表日について

原則として試験日から7日後です。正式には試験日に合格発表日をアナウンスすることになっています。念のため、試験会場で合格発表日を確認しておきましょう。

合格発表の方法について

合格発表の方法は3つあります。1つ目は合格発表日に各安全衛生技術センターのホームページで行われる受験番号発表です。合格発表の時間は通常9:30です。2つ目は各安全衛生技術センターの掲示板での受験番号の掲示、3つ目は郵送による通知になります。

郵送の場合、「免許試験合格通知書」または「免許試験結果通知書」が合格発表日に発送されるので、自宅に届くのは数日後になるでしょう。合格の場合は、何問正答したかなど試験結果の詳細は通知されません。


各安全衛生技術センターのホームページはこちら

試験結果を各安全衛生技術センターのホームページでチェックする場合は、以下のアドレスを参照してください。合格後は試験会場でもらった免許申請書に必要事項を記入して、免許試験合格通知書および必要書類を添付のうえ提出する必要があります。提出先は東京労働局免許証発行センターですので、間違えないようにしましょう。

  • 北海道安全衛生技術センター(https://www.hokkai.exam.or.jp/)
  • 東北安全衛生技術センター(https://www.tohoku.exam.or.jp/)
  • 関東安全衛生技術センター(https://www.kanto.exam.or.jp/)
  • 中部安全衛生技術センター(https://www.chubu.exam.or.jp/)
  • 近畿安全衛生技術センター(https://www.kinki.exam.or.jp/)
  • 中国四国安全衛生技術センター(https://www.chushi.exam.or.jp/)
  • 九州安全衛生技術センター(https://www.kyushu.exam.or.jp/)

衛生管理者試験の勉強時間の目安とは?

衛生管理者試験の平均的な勉強時間の目安は、100時間程度です。もちろん、実務経験が長い場合はより短時間の勉強時間で合格できるでしょう。出題範囲が狭い第二種では、より短時間の勉強時間でも合格が目指せる可能性が高まります。仕事や家事などが忙しくても、試験の4~6カ月ほど前から勉強を始めれば無理なく合格を目指せます。

第一種衛生管理者


合格率

2018年度の第一種衛生管理者試験の受験者数は6万7,080人、うち合格者は2万9,631人でした。合格率は44.2%です。


難易度

合格率をみると半数以上が不合格になっていますが、他の国家試験と比べると、合格率は高めです。難易度は高くないといえるでしょう。

第二種衛生管理者


合格率

2018年度の第二種衛生管理者試験の受験者数は3万2,985人、うち合格者は1万7,271人でした。合格率は52.4%です。


難易度

第二種衛生管理者の試験もそれほど難易度は高くないといえます。例年、第二種の合格率のほうが第一種より10%前後高い傾向にあり、2018年度も同様の結果になりました。

衛生管理者試験合格に向けた対策方法とは?

衛生管理者試験の勉強は、参考書や問題集を使った勉強が一般的です。出題範囲が労働生理・労働衛生・関連法令と広範囲にわたるため、効率的な学習が必要です。セミナーや講習会に参加するのが難しい人に適しているのは通信講座です。ユーキャンの衛生管理者合格指導講座なら、忙しい人でも自分のペースで効率的に学習を進められるでしょう。

まとめ

衛生管理者は、さまざまな企業でのニーズが高い国家資格です。学歴や実務経験など受験資格があるので、事前に確認しておきましょう。試験日や試験科目、合格発表の方法などは安全衛生技術センターで情報を収集できます。衛生管理者試験の難易度はそれほど高くないものの、独学では効率的な勉強が難しいため、通信講座を検討するのもおすすめです。

ユーキャンの衛生管理者合格指導講座には第一種・第二種の2コースがあり、最短4カ月で合格を目指せるカリキュラムが組まれています。最新の出題傾向にも対応した教材はイラストと図が満載でわかりやすく、スキマ時間にぴったりの短期速習テキストも付いてきます。質問・添削や試験情報の配信など、充実したサポートが受けられます。合格を目指すなら受講を検討してみてはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

衛生管理者は国家資格ですか?

衛生管理者は、従業員の健康管理と快適な職場環境作りを行うために、労働安全衛生法にて定められた国家資格です。
業務の内容は、職場の衛生環境の整備や、職業性疾病などの労働災害を未然に防ぐ重要な役割を担います。

衛生管理者一種と二種の違いは何ですか?

第一種免許はすべての業種に対応できますが、第二種は危険有害業務との関連が比較的薄い業種のみを対象としています。

<第二種免許で対応できない業種>
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業

衛生管理者の試験内容は?

衛生管理者の試験は第一種衛生管理者・第二種衛生管理者ともに「関係法令(労働基準法、労働安全衛生法)」「労働衛生」「労働生理」の3つの科目から出題されます。ただし、第二種では「有害業務」が出題範囲に含まれないため、第一種の方が出題範囲・出題数ともに多いです。
第一種は全44問、第二種は全30問で、試験時間は3時間です。

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労働災害を未然に防ぐプロフェッショナルとして注目されている衛生管理者。労働安全衛生法によって、業種に関わらず常時50人以上の従業員が従事する事業場では、衛生管理者を1人以上置くことが義務付けられています。しかし、現在はこの資格の取得者が不足していることもあり、資格取得はまさに今がチャンス。衛生管理者になることができれば、キャリアアップはもちろんのこと、転職・再就職に有利ですので、総務・労務などのスペシャリストとして昇進・昇給を考えている方、総務・事務関連に転職を考えている方におすすめの資格です。
ユーキャンの「衛生管理者」講座では、過去5年以上の試験問題を分析し、よく出るところに的を絞った効率的なテキストをご用意。初めての方でも仕事や家事で忙しい方でも、無理なく合格を目指せます。