• 更新日:2023/07/06

労働者が常時50人以上いる事業場では、1人以上の衛生管理者を選任する必要があります。そのため、企業から継続的に高いニーズがあるのが衛生管理者です。転職やキャリアアップのために、資格取得を検討している人も多いのではないでしょうか。

この記事では、衛生管理者試験の合格率や難易度、衛生管理者の仕事内容などを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 衛生管理者の過去5年の平均合格率は、第一種が約45%、第二種が約53%。難易度は他の国家資格に比べ、比較的低い。
  • 第一種・第二種とも「関係法令(労働基準法、労働安全衛生法)」「労働衛生」「労働生理」の3科目から出題される。第一種は全44問、第二種は全30問。
  • 合格基準は第一種・第二種とも、科目ごとが40%以上、全体が60%以上の正答率。合格者数に定員はなく、基準点をクリアすれば合格となる。

衛生管理者試験の合格率は?

過去5年平均の衛生管理者の合格率は、第一種で約45%、第二種で約53%(令和3年度試験では第一種で42.7%、第二種で49.7%)です。国家資格としては高い合格率といえます。

第一種衛生管理者試験・第二種衛生管理者試験ともに、科目ごとの正答率が40%以上、かつ全体の正答率が60%以上という合格基準が定められています。合格者数に定員はないため、この基準をクリアすれば合格です。

第一種衛生管理者試験の合格率

実施年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
2021 68,210 29,113 42.7
2020 43,157 18,916 43.8
2019 68,498 32,026 46.8
2018 67,080 29,631 44.2
2017 65,821 29,636 45.0

第一種衛生管理者試験は、受験者数が毎年増加している人気資格です。5年間の合格率の平均は約44.5%となっており、他の国家資格に比べて合格率が高いといえます。

第二種衛生管理者試験の合格率

実施年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
2021 36,057 17,922 49.7
2020 22,220 11,729 52.8
2019 33,559 18,511 55.2
2018 32,985 17,271 52.4
2017 31,537 17,302 54.9

第二種衛生管理者試験も受験者数が毎年増加している人気資格といえます。5年間の合格率の平均は約52.9%であり、国家資格としては高い合格率です。第一種衛生管理者試験と比べても、合格率が10%ほど高い傾向にあります。

衛生管理者試験の合格率が低下している理由は?

合格率が年々低くなっていることに気づいた人もいるのではないでしょうか。国家資格としては依然として高い合格率を保っていますが、試験を受ける人にとっては少し心配になるところでしょう。

合格率が低くなっている理由としては、出題傾向が変わったことが指摘されています。このため、試験対策としては最新の問題集に取り組んだり講習会に参加したりするなどして、最新の出題傾向をつかむことがより必要になってきているといえるでしょう。

衛生管理者の試験内容は?

衛生管理者の試験は第一種衛生管理者・第二種衛生管理者ともに「関係法令(労働基準法、労働安全衛生法)」「労働衛生」「労働生理」の3つの科目から出題されます。第一種は全44問、第二種は全30問で、試験時間は3時間です。

衛生管理者試験の難易度は?

衛生管理者試験の難易度は、他の国家資格に比べれば比較的低いと言えるでしょう。
合格率を見ても第一種は4割程、第二種は5割程と、しっかりと勉強をすれば、誰でも合格可能です。

前述した通り、合格率は年々下がってきているものの、結論から言えば、対策をしっかりと行えば、一発合格が目指せる試験です。常時50人以上の労働者が働く事業場においては衛生管理者を必ず選任しなくてはならず、多数の有資格者が求められている現状からも、他の専門的な国家資格に比べれば決して難易度が高いわけではありません。

それでも、一定の勉強時間を確保しなければ、合格は難しいといえます。また、知識をただ暗記すればいいわけではなく、理由や背景をしっかり理解しなければ合格は難しいでしょう。単に解答を覚えるのではなく、基本をしっかり押さえながら知識を関連付けていくことが、合格への近道です。

衛生管理者試験に合格するための勉強法とは?

資格取得を目指すとなると、やはり「どれぐらい勉強すればいいのか」「合格者はどんな方法で勉強したのか」などが気になるところです。ここでは衛生管理者試験に合格するための方法を紹介します。

独学でも合格は可能?

衛生管理者の試験は、独学でも合格可能です。過去の問題はインターネットなどでもダウンロードできますし、参考書も販売されています。セミナーや講習会を受講する時間が取れない人でも、独学で資格取得を目指すことができます。

一発合格は可能?

第一種衛生管理者・第二種衛生管理者ともに、科目ごとの正答率が40%以上、かつ全体の正答率が60%以上で合格となります。これはあまり高くないハードルのため、一発合格も可能と言えるでしょう。

一方で、試験が年に何度もあることから一回の試験へのモチベーションが低くなってしまい、合格するまで何度も受験が必要になる人もいます。一発合格を狙うためには、集中して試験対策に取り組むことが大切です。

どのくらいの期間の勉強が必要?

第一種衛生管理者試験に合格するには、一般的には100時間程度の勉強時間が必要です。1日の勉強時間にもよりますが、4~6カ月前ぐらいから勉強を始めるといいでしょう。第二種衛生管理者試験の場合は、出題範囲がやや狭いこともあり、これよりも必要な時間は短いでしょう。

第二種衛生管理者試験合格者のなかには1~2カ月程度の集中学習で合格したという人もいますが、仕事や家事などでなかなか時間を取れないことも多いため、あせらず無理せずコツコツと学習していくことが大切です。

まとめ

衛生管理者試験は、しっかり勉強すれば誰でも合格できる合格率の高い国家資格です。就職や転職に有利なほか、キャリアアップにも役立つなどのメリットがあることから、人気が高まっています。

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この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
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よくある質問

衛生管理者の試験は誰でも受けられる?

次のうちいずれか一つに該当すれば受験できます。
●大学または高等専門学校(短大を含む)の卒業者:労働衛生の実務経験1年
●高等学校の卒業者:労働衛生の実務経験3年
●中学校の卒業者:労働衛生の実務経験10年 など

衛生管理者の仕事内容とは?

衛生管理者の主な仕事は、次のようなものが挙げられます。
●作業環境の衛生管理
●労働者の健康管理
●労働者に対する衛生教育や健康の保持・増進のための措置
事業場の環境や設備を確認し、問題が見つかった場合は早急に処置を行います。

第一種か第二種か迷ったら、どちらを目指すのがおすすめですか?

第一種は全ての業務に対応していますが、第二種は製造業や建築業、電気業などの業種では衛生管理者として就任できません。そのため、昇給や転職、再就職に役立てたいという方には、第一種の取得を強くおすすめします。

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労働災害を未然に防ぐプロフェッショナルとして注目されている衛生管理者。労働安全衛生法によって、業種に関わらず常時50人以上の従業員が従事する事業場では、衛生管理者を1人以上置くことが義務付けられています。しかし、現在はこの資格の取得者が不足していることもあり、資格取得はまさに今がチャンス。衛生管理者になることができれば、キャリアアップはもちろんのこと、転職・再就職に有利ですので、総務・労務などのスペシャリストとして昇進・昇給を考えている方、総務・事務関連に転職を考えている方におすすめの資格です。
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